Meta広告とは？メリット・デメリットや初心者が起こしやすいミスと対処法を解説

今回は、Meta広告とは何か、メリットやデメリット、広告運用初心者が失敗しがちなトラブルとその対処法を解説します。

Meta広告とは、Meta社が提供するFacebookやInstagramを中心に配信される広告のことです。まず動画や画像による広告は、自社の商品やサービスの魅力を伝えやすいこと。そして、SNSのプロフィール情報をもとにターゲットを絞りやすいこと。これらの理由から、多くの広告主から注目されています。

まずこの記事を読めば、Meta広告の基本情報がわかり、自社の広告に適した媒体かどうかを判断できるでしょう。

Meta広告とは

はじめにMeta広告とは、FacebookやInstagramなどのSNSを運営しているMeta社が提供する、広告出稿サービスです。

まず、Meta広告を出稿すると、Meta社が運用しているSNSやメディアに広告が出稿されます。そしてMeta社が運用しているSNSの国内のアクティブユーザーですが、現在Facebookで2,600万人。Instagramは6,600万人にも上ります。

そして、Meta社が運用するSNSのアクティブユーザー数は、今後も増加することが見込まれています。うまく活用できれば費用対効果の高い広告配信ができるでしょう。

Meta広告の配信先

Meta広告を出稿すると以下の4つに配信されます。

では、それぞれの配信先の特徴を見ていきましょう。

Facebook

まずFacebookは、世界最大の実名登録制のSNSです。実名登録制のため、まったく知らない人とつながることは少なくなります。おもに友人や知人とのインターネット上のコミュニケーションの場として利用されます。

企業アカウントを作ってFacebookページを作成できます。そのため、近年では、個人での利用よりもビジネス目的で利用されることが多いSNSです。

そして、Meta広告で出稿した広告は、Facebookのタイムライン（ニュースフィード面）や右側の枠に表示されます。

Instagram

次にInstagramは、写真や動画をメインとした投稿ができるSNSです。Facebookと異なり、ビジネス目的よりも娯楽目的で利用されることが多いです。こちらは、若年層を中心に利用されています。

そして、Meta広告で出稿した広告はInstagramのフィード面やストーリーズ面で表示されます。

Messenger

続いてMessenger。Facebookのユーザー同士でメッセージのやり取りができるアプリです。Facebookと同じく、個人間のやりとりよりビジネス目的で利用されることが多いツールになっています。

そして、Meta広告で出稿した広告は、Messengerのチャット内に表示されます。

Audience Network（オーディエンスネットワーク）

最後にAudience Network。Meta社が提供している広告ネットワークです。Meta広告をMeta社と提携しているアプリやWEBサイトに配信できます。

Audience Networkの国内の主な配信先は次のとおりです。

Audience Networkへの配信の有無はMeta広告の管理側で設定できます。ですが、配信先を選択することはできません。まずAudience Networkを配信先に加えた場合、意図しない配信先に広告が表示されるケースもあります。

その場合、Meta広告の管理側から配信先を除外する機能があるので、設定しましょう。

Meta広告のフォーマット

Meta広告のフォーマットの種類は次のとおりです。

フォーマットの種類	イメージ	内容
写真		画像とテキストのシンプルなフォーマット
動画		映像、音、動きで商品やサービスのストーリを伝えられる。短い動画から長い動画までさまざまなスタイルのあるフォーマット。
カルーセル		1つの広告で最大10個の画像や動画を表示し、それぞれに別のリンクを付けられるフォーマット
スライドショー		静止画を動画のように動きや音、テキストを入れることのできるフォーマット。
コレクション		利用者がビジネスの商品やサービスを見つけて閲覧し、購入できるフォーマット

画像引用元：広告フォーマット｜Meta広告

このようにMeta広告は、フォーマットの種類が豊富です。ですが、広告の目的によって使用できるフォーマットが異なります。またフォーマットによって掲載できるテキストの量や画像サイズなども異なります。事前に確認しておきましょう。

Meta広告の構成

Meta広告は、キャンペーン・広告セット・広告の3つの階層で構成されています。よって、それぞれ設定する項目や役割が異なります。

では、以下で解説します。

キャンペーン

はじめにMeta広告（Facebook広告）の「キャンペーン」とは「目的に対した枠組み」を指します。まずは、達成したい目標に合わせて、適切なキャンペーンの目的を設定しましょう。

Meta広告で選択できるキャンペーンの目的は次のとおりです。

1つの目的に対して1つのキャンペーンを設定します。

広告セット

次に、予算やスケジュール、ターゲティングなどは「広告セット」で設定します。Meta広告で設定できるターゲティングは3種類あります。

では、以下で解説します。

コアオーディエンス

広告を配信したいユーザーを絞り込むための基本的な設定です。Favebookユーザープロフィールに登録された情報や、行動履歴をもとにオーディエンスを作成します。オーディエンスとは広告が表示される対象のユーザーグループのことです。

このように、コアオーディエンスは細かい設定が可能で、Facebookは実名登録のためターゲティング精度が高いのが特徴です。

カスタムオーディエンス

自社とすでにつながりのあるユーザーに対して広告を配信するための設定です。例えば、WEBサイトへアクセスした履歴を利用したり、自社が保有する顧客情報とFacebookのユーザー情報をマッチングさせたりして、オーディエンスを作成します。

類似ターゲティング

類似ターゲティングとは、「自社のWEBサイトに直近3ヵ月以内に訪問したユーザー」など。広告主が任意で作成したオーディエンスリストをもとに、自社の商品やサービスに興味がありそうなユーザーをリストし、広告を配信するための設定です。

例えば、販売したい商品が住宅で、戸建て住宅のランディングページに誘致するプロモーションの場合。「30代男性」、「埼玉県在住」、「直近の1ヵ月で戸建て住宅とキーワード検索をした」というユーザーAがランディングページから現場来場予約をしました。

このような属性や行動履歴に似たFacebookユーザーへ広告配信できるのが、類似オーディエンスです。実際にアクションがあった顧客に似た状況のユーザーにリーチできます。そのため、とても効率的な広告戦略です。

広告

最後に広告。テキストや画像、動画などのクリエイティブの設定は「広告」でおこないます。広告セットの配下で複数の広告を設定することが可能です。そして、複数のクリエイティブを同時に配信して費用対効果の比較もできます。

Meta広告の始め方

まずMeta広告を始めるには、ビジネスマネージャーの登録と広告クリエイティブの準備が必要です。そして、広告クリエイティブは、自社または外注業者に依頼して作成します。

広告クリエイティブは、入札オークションや広告の費用対効果に直接影響するものです。そのため、運用初心者の方は外注業者に依頼するのがおすすめです。

そのあと、Meta広告の構成の上から順番に登録して、広告を出稿していきます。詳しい手順は、以下の記事で詳しく説明しているのでご覧ください。

Meta広告の始め方とは？初心者でも成功できる3つのポイント

本記事では、Meta広告の始め方について解説しています。Facebookの国内ユーザーは月間約2,600万人、Instagramは6,600万人ともいわれています。LINEやYouTube、X（旧Twitter）などと比べると見劣りしますが、依然として人気の高いSNSである...

Meta広告のメリット

Meta広告を始めると5つのメリットがあります。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

低コストで広告を始められる

まずMeta広告は、低コストで広告を始められるのがメリットです。最低出稿金額100円から始められます。そして、1日あたりの予算上限を設定できます。そのため、広告にかかるコストを抑えることができます。

また広告マネージャーを活用すれば、デザインを外注しなくても広告主が自分で画像や動画を加工して、広告を作成できます。

検索しなくても表示されるため潜在層にアプローチできる

次に、Meta広告はユーザーが検索せずとも広告が表示されます。そのため、年齢や性別、興味関心が一致しそうな潜在層へのアプローチができるのがメリットです。これによって、自社の商品やサービスを知らないユーザーにも知ってもらえる可能性が高まります。そして、認知の拡大に役立ちます。

また、友人・知人の写真が流れるフィードに広告が自然と表示されます。それにより、バナー広告やリスティング広告よりもクリックされやすい傾向があります。

広告フォーマットの種類が豊富

続いてMeta広告。写真や動画などの広告素材や購入ステップ、広告配信先に適した13種類の広告フォーマットが用意されているのがメリットです。こちらでは、さまざまなタイプの広告フォーマットから自社の商品やサービスに適したものを選択できます。

また、広告マネージャーを活用すれば、デザイン技術がなくても広告主が画像や動画の広告を自ら作成可能です。広告フォーマットの種類が豊富なので、既視感のある広告になりにくくオリジナリティのある広告を表示させることもできます。

ターゲティングの精度が高い

そしてMeta広告は、Facebookユーザーが登録した個人情報をもとに配信されます。そのため、ターゲティングの精度が高いのがメリットです。

Facebookは実名利用が前提のSNSです。性別や年齢、地域や関心事など、あらゆる情報をもとに細かくターゲットを指定します。そして、広告を表示させたいユーザーに狙いを定めて広告の配信ができます。

Meta広告の管理側では、豊富なターゲティングのカテゴリ項目があります。よって、自社の商品やサービスに関心がありそうなカテゴリを組み合わせてターゲティングをおこない、広告を配信することも可能です。

画像・動画での訴求ができる

最後に、画像や動画で訴求ができるのがメリットです。Meta広告は画像や動画がメインの広告です。そのため、テキストのみの広告よりも、商品やサービスの活用方法がユーザーにわかりやすく訴求できます。

Meta広告のデメリット

さて、少額で運用でき、細やかなターゲティング設定ができるMeta広告。ですが、デメリットもあります。

はじめにMeta広告を利用する際はメリットだけでなく、デメリットにも目を向けて運用をおこないましょう。

では、それぞれ解説していきます。

ターゲットが限定的になる可能性がある

まず、Meta広告はターゲットが限定的になる可能性があります。なぜならば、Meta広告は、Facebook、Instagramなどリーチできるターゲット層がSNS利用者に限られるためです。

このように多くの人に利用されていますが、SNSを利用していない層には届きません。そのため、注意が必要です。

また、Facebookは30代～40代のビジネス層。Instagramは10～20代の若年層と異なります。よって、配信先を検討しないと広告を配信しても反応が少ない可能性があります。

Meta広告は仕様の変更が多い

次にMeta広告は、他の広告媒体と比べて管理画面上での仕様変更が頻繁におこなわれています。

よって、今まで設定していたターゲティングが削除されたり、あらたなターゲティングが追加されることがあります。そのため、常に最新情報を取り入れる必要があります。

例えば、解決方法がわからない場合に、ヘルプセンターに問い合わせたり、Meta広告を専門にしているプロに任せたりするなどの対応が必要です。

ターゲティングが細かく設定できるので検証に時間がかかる

そして、Meta広告はターゲティングの種類が豊富で細かい設定ができる一方、検証の回数が増え、結果が確認できるまでに時間がかかってしまうのがデメリットです。

Meta広告はターゲットの種類が多い広告です。そのため、効果測定をするためには多くのパラメーターが必要になります。そして効果測定をするためには、パラメーターごとにテストを実施する必要があります。よって、検証に時間を要してしまいます。

Meta広告の主な課金方法

Meta広告の主な課金方法は次の3つです。

このように、いずれの課金方法も無駄なコストがかからないメリットがあります。どの課金方法を選ぶかは、広告の目的によって選択するとよいでしょう。

次に、広告の目的別に応じた適切な課金方法は以下のとおりです。

しかし、これはあくまでも1つの目安です。

自社の商品やサービスによっては、上記と同じ目的でも別の課金方法のほうが有効な場合もあります。そのため、運用しながら設定を検討していくとよいでしょう。

Meta広告で初心者が失敗しがちなトラブルとその対処法

さて、どの広告媒体でも同じですが、広告運用初心者は右も左もわかりません。そのため、広告が表示されないなどの失敗をしてしまいがちです。

ではここからは、Meta広告で初心者が失敗しがちなトラブルとその対処法をご紹介します。

ターゲットを絞り込み過ぎる

まず1つめに、Meta広告はターゲティングの種類が豊富です。そのため、広告運用初心者は自社のターゲットに近いユーザーを集客しようと 、細かく設定しがちです。その結果、ターゲットを絞り込み過ぎて広告の集客効果が小さくなってしまいます。

適切なターゲティングをするには、目標コンバージョン数や想定クリック率・コンバージョン率からどの程度の潜在リーチが必要かを逆算する。それから、ターゲットの絞り込みをおこなうとよいでしょう。

禁止されているコンテンツを広告に上げている

次にMeta広告の運用初心者にありがちなトラブルの1つに、広告が承認されないことが挙げられます。まず広告が承認されない理由として、禁止されているコンテンツを広告に上げてしまっている可能性があります。そのため、しっかりと確認しましょう。

そして、Meta広告では誤解を招くような主張、差別やヘイト、プライバシー侵害にあたるようなコンテンツの配信を禁止しています。これらは審査で不承認となります。

それだけでなく、誤字脱字が多かったり、デザインが不適切なコンテンツも審査によっては落ちる可能性があります。そのため、注意が必要です。禁止されているコンテンツの詳細は、Meta広告の広告ポリシーによって細かく定められており、定期的に更新されます。

最新の情報はMetaの公式ヘルプセンターで確認しましょう。

キャンペーン終了日を入力していない

続いてMeta広告の運用初心者にありがちなトラブルに、キャンペーン終了日の未入力があります。まずキャンペーン終了日を入力しないと、いつまでも広告が配信されてしまいます。そして、無駄な広告費を消費してしまうことでしょう。

また、イベント告知などの広告だった場合。イベントが終わったのにも関わらず、広告が表示されるとユーザーを混乱させてしまいます。

まず広告を作成するときには、キャンペーン開始日と終了日に間違いがないかを確認。それから、配信を開始するようにしましょう。

広告のリンク切れ

そして、Meta広告の運用初心者にありがちなトラブルの1つに、広告のリンク切れがあります。例えば、ユーザーが広告をクリックしても遷移先がなく、404エラーになることはよくある運用初心者のミス。

しかしながら、リンク切れがあるとユーザビリティが低下するのはもちろんのこと。これによって、企業のイメージダウンにつながることもあるため、注意が必要です。

まず広告のリンク切れを防ぐためには、リンクのダブルチェックを忘れずにおこないましょう。そして、事前にチェックリストを作成する。それから、リンクチェックの確認を怠らないための耐性を整えたりするのが有効です。

まとめ

このように、世界最大の利用者数を誇るFacebookを運用しているMeta広告は、幅広いユーザーデータを活用した精度の高いターゲティングと画像と動画で、商品やサービスの魅力を伝えられるのが特徴です。

基本的な運用知識を身に付ければ、自社の商品に興味のあるユーザーへ直接訴求もできるでしょう。また、少額で費用対効果の高い広告を配信できるのもメリットの1つです。

一方、ターゲティングの設定が豊富過ぎるため、検証に時間がかかったりターゲットが限定的になってしまう恐れもあります。そのようなときは、Meta広告を専門にしている業者にアドバイスをもらうのも1つの手です。アドバイスをもらいながら運用することで、より費用対効果の高い広告ができることでしょう。