「せっかくX広告を出すなら、しっかり成果を出したい!」
このように思う広告運用者は少なくないでしょう。
X広告の最大の魅力は、狙いたいユーザーにピンポイントでアプローチできる高度なターゲティング機能にあります。しかし、どのターゲティングをどう使えばいいのか迷う方も多いはず。
この記事では、X広告のターゲティングの種類と具体的な設定方法を分かりやすく解説します。
X広告の成果にお困りではないしょうか?
- 下記についてお悩みを抱えていらっしゃいませんか?
- 現状の費用対効果に不満
- 効果改善のための提案が欲しい
- 成果状況をこまめに報告
- 小さなことも相談できる
上記お悩みをX広告の専門コンサルタントが解決いたします。
X広告とは
はじめにX広告とは、SNS「X」に表示されるSNS広告のことです。Xのタイムラインや検索結果、プロフィールページなどユーザーがよく目にする場所に広告が表示されます。
X広告は下部に「プロモーション」と明記されます。通常のツイート(投稿)と同じような見た目で自然に配信されます。
X広告の主な特徴は次の通りです。
X広告の特徴 | 内容 |
拡散力 | ユーザーが「リポスト(リツイート)」や「いいね」などのアクションを起こすことで、広告がさらに多くのユーザーに広がる |
リアルタイム性 | 「今」話題になっていることがタイムラインに流れやすく、広告もリアルタイムで多くのユーザーに広がる |
高精度なターゲティング | 年齢、性別、地域、興味・関心、フォローしているアカウント、検索キーワードなど、さまざまな条件で広告を届けたい相手を細かく設定できる |
多彩な広告フォーマット | テキスト、画像、動画、カルーセル(複数画像)、カード形式など、目的や訴求内容に合わせて広告フォーマットを選べる |
今回は、X広告の特徴の中でも、高精度なターゲティングに焦点を当てて解説していきます。
X広告のターゲティング設定の重要性
まず、X広告は他の広告媒体に比べて、ターゲティングの種類が豊富です。
適切なターゲティング設定をすることで、次の効果が期待できます。
- 無駄なコストを削減できる
- 適切なユーザーに広告を配信できる
一方でターゲティング設定が甘いと、広告に興味のないユーザーにも広告が表示されてしまいます。ムダな広告費が発生してしまうため注意が必要です。
ここからは、ターゲティング設定の重要性について詳しく見ていきましょう。
無駄なコストを削減できる
まずX広告は、インプレッション数やクリック数に応じて費用が発生する仕組みです。
広告を出稿するだけなら無料です。しかし、その広告に対してユーザーが反応したり、広告の表示回数が一定数を超えると費用が発生します。
課金方式はX広告出稿時に設定する「目的」に応じて、自動的に決まるため覚えておきましょう。
主な課金方式は次の通りです。
課金方式 | 費用が発生するアクション | 広告の目的 |
クリック課金(CPC) | 広告内のリンクがクリックされたとき | サイト誘導・資料請求 |
インプレッション課金(CPM) | 広告が1,000回表示されたとき | ブランド認知 |
再生数課金(CPV) | 動画が一定時間以上再生されたとき | 動画の視聴数向上 |
エンゲージメント課金(CPE) | いいね・リポスト・リプライなどのアクションが発生したとき | 投稿への反応・拡散 |
フォロー課金(CPF) | 広告経由でアカウントがフォローされたとき | フォロワー増加 |
例えば、自社サービスの認知度を高めることが目的の場合。インプレッション課金が自動的に選択されるでしょう。このときにターゲット設定が不適切だと、サービスに興味のないユーザーにも広告が表示されてしまいます。
意図しないユーザーに広告が配信し続けられると、無駄な広告費用が発生するだけでなく、ブランドイメージの悪化にもなるため注意が必要です。
適切なユーザーに広告を配信できる
次に、X広告はターゲティング設定により、サービスや商品を必要とするユーザーにのみ広告を配信できます。
X広告は、ターゲティングの種類が豊富です。そのため、自社サービスや商品に興味を持つ可能性の高いユーザーをピンポイントで狙うことができるためです。
例えば、自社と似たようなサービスや商品を扱う競合他社のフォロワーをターゲティングした場合。自社製品やサービスに興味を持つ可能性が高いユーザーに広告を配信できます。
また、特定のイベントや話題に興味を持つユーザーをターゲティングして、タイムリーな広告配信をすることも可能です。
X広告のターゲティングの種類
X広告では、多様で柔軟なターゲティング手法が提供されています。これにより広告主は狙ったユーザー層に的確にアプローチできます。
主な種類は以下のとおりです。
ターゲティング名 | 説明 |
年齢・性別ターゲティング | 広告を配信するユーザーを年齢や性別で絞り込む |
言語ターゲティング | 使用している言語によってユーザーを絞り込む |
地域ターゲティング | 特定地域に住んでいるユーザーに広告を配信 |
端末ターゲティング | OSや端末種別、通信会社などに基づいてターゲットを設定 |
会話トピック | 特定トピックについて話題にしているユーザーに広告を配信 |
キーワードターゲティング | 指定キーワードを使用したユーザーに配信 |
映画とテレビ番組のターゲティング | 作品に関連する投稿をしたユーザーを対象 |
興味関心ターゲティング | 特定ジャンルに関心のある層に広告を配信 |
フォロワーが似ているアカウントのターゲティング | 特定アカウントのフォロワーに類似した層を狙う |
エンゲージメントターゲティング | 過去に反応したユーザーを対象 |
プレミアムサブスクライバーターゲティング | Xプレミアム会員を対象に広告を配信 |
カスタムオーディエンス | 自社の顧客データを使い、より精密に配信可能 |
自社の商品や目的に合わせてターゲティングを最適に組み合わせることで、広告の効果を最大化することが期待できます。
ここからは、それぞれのターゲティングについて詳しく見ていきましょう。
オーディエンスの特性に基づいたターゲティング
まず、X広告では年齢や性別、地域などユーザーの属性でのターゲティングは、「オーディエンスの特性」という名称でまとめられています。
X広告のオーディエンスの特性に基づいたターゲティングを設定すると、広告を表示する対象ユーザーを「地域」「言語」「端末」「年齢」「性別」など複数の属性を組み合わせて絞り込むことが可能です。
例えば、20?40代女性を対象にした基礎化粧品を広告でPRしたい場合。オーディエンスの特性で「年齢」「性別」「国」など、複数の属性を組み合わせてターゲティングを絞ることができます。
では、それぞれの属性について詳しく見ていきましょう。
年齢・性別ターゲティング
広告を配信するユーザーを年齢や性別で絞り込むことができるターゲティング設定です。
X広告で設定できる年齢ターゲティングの選択肢は次の通りです。
出典:X広告媒体資料2025年4-6月期│X広告サポート資料
性別ターゲティングでは、すべて・女性のみ・男性のみの選択肢があります。ユーザーの年齢や性別の特定には、Xユーザーのプロフィール情報が使われています。
ただ、Xのユーザー登録時に誕生日や性別の入力は必須ではありません。そのため、未入力のユーザーも多数存在します。性別や年齢を入力していないユーザーについて、Xでフォローしているアカウントや興味関心等の情報を元に、どの年齢層・性別に該当するかを推測しているようです。これは、X広告の公式サイトにも記載されています。
言語ターゲティング
言語ターゲティングでは、ユーザーが使用している言語を基準に広告を配信できます。
X広告の公式サイトによると、日本語や英語、スペイン語を始め20か国語の言語を設定できます。多言語対応の商品やサービスをアピールするときに有効です。
地域ターゲティング
X広告で地域ターゲティングを設定すれば、特定の地域に住んでいるユーザーに広告を配信できます。ターゲティングの精度は、国レベルの大きなものから都道府県といった小さなレベルまで設定可能です。
例えば、大阪府の場合は区単位で地域の絞り込みができます。
一方、沖縄県の場合、絞り込みができるのは市単位までのようです。
また、X広告の公式サイトによると、郵便番号で地域の絞り込みができるとなっています。
しかし、実際に入力してもうまく反映されないことが多々あります。そのため、地域ターゲティングをするときは、都道府県や主要市を直接入力しましょう。
地域ターゲティングについては、以下の記事でも詳しく解説しているのでご覧ください。
<関連記事>地域ターゲティングの設定方法を徹底解説
端末ターゲティング
端末ターゲティングでは、使用している端末(iOS、Androidなど)やOS、携帯電話会社を絞り込んで広告を配信するユーザーを絞り込めます。
例えば、自社で最新iPhoneのケースやガラスフィルムなどを販売したい場合。OSや端末モデルを絞り込んで設定することが可能です。
ターゲティング機能
X広告のオーディエンス機能では、ユーザーの行動や興味・関心に基づいて、広告の配信対象範囲を絞り込むことができます。
年齢や性別、地域などのユーザー属性のみのターゲティングでは、自社商品やサービスに興味のあるユーザーに届かない可能性があるためです。
例えば、20代~40代の女性にオーガニック化粧品を売り出したい場合。ターゲティングを「20~40代の女性」のみにすると対象範囲が広すぎます。
ターゲティング機能では、X内でのユーザーのアクションや興味をもとにターゲティングを選択できます。よって、自社製品に興味関心を持つ可能性の高いユーザーに広告を配信できます。
会話トピック
X上で特定のトピックについて話しているユーザーに広告を配信できます。会話トピックは複数選択可能です。
会話トピックの対象となるユーザーは次の通りです。
- 会話トピックについてツイートした
- 会話トピックに関するツイートをした
- 会話トピック関するツイートを長時間表示した
なお、設定した日から遡って過去28日間にこれらの行動をしたことがあるユーザーが、配信対象となります。現在、英語圏を中心としてサービスが提供されており、日本語での利用は限定的となっています。
キーワードターゲティング
キーワードターゲティングとは、指定したキーワードを検索したり、ツイートに含めたりしたユーザーを広告配信対象とする設定です。
また、逆に指定したキーワードを検索したりツイートしたりするユーザーを配信対象から除外することも可能です。
キーワードターゲティングは、日本語を含む全ての言語に対応しているサービスです。次のようなルールがあります。
- 複数の単語から成るキーワードの場合、語順は問わない
- 句読点は区別されない
- ハッシュタグは自動的に含まれるので不要
キーワードは、1つの広告グループにつき、最大750個まで設定が可能です。キーワードが少ない、ニッチなキーワードだと広告が表示されなくなる可能性があるためご注意ください。
映画とテレビ番組のターゲティング
映画とテレビ番組のターゲティングとは、放送前・放送中・放送後に特定のテレビ番組や映画について、ツイートしたり検索したりしたユーザーを広告配信対象とする設定です。
入力欄に、検索したいテレビ番組名や映画名を入れて検索。そして、該当する番組や映画を選択します。
テレビ番組については、網羅性が高く設定可能項目も多数ありました。一方で、映画はまだ日本語対応が追い付いていないようで、検索枠にキーワードを入力しても表示されませんでした。
興味関心ターゲティング
X広告ではスポーツ・ファッション・ビジネスなど、特定のカテゴリーに興味・関心のあるユーザーをターゲティングできます。
興味・関心を持つユーザーは、フォローしているアカウントや投稿内容。ほかには、クリックやリポストなど、Xでのアクションに基づいて判断されています。
X広告では2025年4月時点で大小300以上のカテゴリーが用意されています。自社商品やサービスに近いカテゴリーが、きっと見つかるはずです。
キーワードターゲティングや、フォロワーが似ているアカウントのターゲティングのように、リストをあらかじめ用意することなく気軽に始められるのが大きなメリットです。
リーチできるユーザーの数が多くなるので、ブランド認知目的の広告で使用すると良い効果が期待できるでしょう。
一方で、広告の配信対象が広くなるため、商品購入や問い合わせなどコンバージョン獲得目的での広告では、効果が期待できない可能性があります。
フォロワーが似ているアカウントのターゲティング
X広告では、自分以外のXアカウントを指定して、そのフォロワーに似ているユーザーを対象に広告を配信することができます。
フォロワーに似ているかどうかの判別は、ツイートやリツイート、クリックなどから判断されます。
フォロワーターゲティングでは、任意のユーザーを複数登録し、類似ユーザーへ広告を配信するターゲティングです。
そして、設定するアカウントの情報精査が広告効果の良し悪しを決めます。設定するユーザーのフォロワー層がぶれていると、効果的な広告運用ができない可能性もあるため注意が必要です。
エンゲージメントターゲティング
エンゲージメントターゲティングとは、2019年に追加されたXの機能の1つです。
自分のツイートを表示したことがあるユーザー、クリックやいいねなどのアクションを起こしたことがあるユーザーを対象に広告を配信することができます。
エンゲージメントターゲティングには、過去いつまでのエンゲージメントを遡ってデータを見るのかという制限「ルックバック期間」が設けられています。
ルックバック期間は、次の通りです。
エンゲージメント | インプレッションのみ | |
オーガニック | 45日間 | 15日間 |
プロモーション | 95日間 | 30日間 |
ツイートがオーガニック(通常の投稿)か、プロモーション(広告)かによってルックバック期間が異なるため注意しましょう。
既存のオーディエンスに基づくターゲティング
X広告では、既に自社で持っている顧客データに基づいて、広告を配信するユーザーを絞り込むことができます。既に自社の商品やサービスに関心を持っているユーザーに再度広告を配信するターゲティング手法です。
プレミアムサブスクライバーターゲティング
課金プランであるXプレミアムに加入しているユーザーを対象に広告を配信します。
Xプレミアムに加入しているユーザーは、自らの意思で情報や登録を行っています。そのため、一般ユーザーよりもコンテンツやブランドに対する興味が高い傾向があります。
Xプレミアムに加入しているユーザーに広告配信を絞り込むことで、より高いエンゲージメントと費用対効果の向上が期待できるでしょう。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスとは、自社の顧客リストやWebサイト訪問者、アプリ利用者など。既存データを元に、特定のユーザー層に広告を配信するターゲティングです。
カスタムオーディエンスは4種類あります。
ターゲティングの種類 | 内容 |
App Activity | アプリのインストールや登録しているユーザーをターゲティング。アプリユーザーに広告を配信。 |
App Activity Combination | 複数のアプリアクティビティを組み合わせる。特に関連性が高いユーザーをターゲティング。 |
List | 自社の顧客データからメールアドレスまたはXアカウントのリストをアップロード。新たなアカウントをターゲティング |
Website Activity | WEBサイトにアクセスしたことがあるユーザーをリスト化し、ターゲティングをする |
特定のユーザーに絞り込んで配信するだけでなく、顧客データより特定のユーザーを除いて配信することもできます。
X広告の成果にお困りではないしょうか?
- 下記についてお悩みを抱えていらっしゃいませんか?
- 現状の費用対効果に不満
- 効果改善のための提案が欲しい
- 成果状況をこまめに報告
- 小さなことも相談できる
上記お悩みをX広告の専門コンサルタントが解決いたします。
X広告のターゲティングを設定するときの注意点
さて、X広告のターゲティング設定は、広告の費用対効果を最大化するために欠かせない重要な設定です。
X広告の適切なターゲティング設定をするための注意点は次の通りです。
- ユーザーの関心やキーワードのリサーチ
- 広告グループをターゲットごとに分類する
- 定期的にターゲティングの効果測定をする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ユーザーの関心やキーワードのリサーチ
X広告では、ユーザーの興味関心を活用したターゲティングを設定することができます。
ユーザーがどのような話題やキーワードに興味を持っているかを事前にリサーチし、それに基づいてターゲティングを行えば、広告とユーザーの関心が一致しやすくなるでしょう。
逆にユーザーの興味や検索傾向を把握せずにターゲティングすると、広告の配信対象が広くなり過ぎて、無関係なユーザーに広告が配信されたり、配信対象が狭まり過ぎて広告が配信されなかったりする可能性があります。
ターゲティングが不適切だと、無駄な広告費用が発生してしまうため注意が必要です。
広告グループをターゲットごとに分類する
広告グループとは、キャンペーン配下にあるもので、「似たターゲット(属性やニーズ)」に向けた広告やキーワードをまとめて管理する入れ物のようなものです。
X広告ではターゲットごとにグループを分けて管理します。
ターゲティング機能を使って、オーディエンスの特性から年齢や性別、地域で分けるほか、オーディエンスタイプでエンゲージメントが高いユーザーだけをターゲティングすることも可能です。
ただし、あまりグループを作りすぎると検証が難しくなります。まずはベーシックなA/Bテストから始めてみましょう。
定期的にターゲティングの効果測定をする
X広告のターゲティング設定は、定期的に効果測定をしましょう。
「適切なターゲティング設定をした」と思っていても、ユーザーの興味関心は常に変化するため、一度設定したターゲティング設定がその後ずっと有効だとも限らないためです。
定期的にインプレッション数やクリック数などを確認し、ターゲティング設定を調整しましょう。また、X広告のターゲティング設定が適正かどうかは、実際に広告を配信してみないとわからないものです。
X広告を入稿するときは、異なるターゲティング設定の広告グループを複数作り、A/Bテストで比較しましょう。
まとめ
X広告の豊富なターゲティング機能を活用することで、効果的に広告配信ができます。適切に設定すれば無駄な広告費を抑え、サービスに関心のあるユーザーにピンポイントで届けることが可能です。
Xの拡散性の高さや即時性などの特性をうまく活かせると、爆発的にユーザーにリーチするいわゆる「バズった」状態になるケースも。
広告の目的に合わせて、ターゲティングを効果的に組み合わせ、広告運用の最適化にお役立てください。