WEBサイトの運営において、PV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)、セッションは重要な成果指標として知られています。しかし、これらの指標の違いや確認方法が、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、PV・UU・セッションのそれぞれの特徴から確認方法、増やし方まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
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目次
PV・UU・セッションとは?アクセス解析の基本指標
PV・UU・セッションの3つはアクセス解析の基本指標とされており、月ごとや週ごとに数値を確認することが重要です。ここでは、PV・UU・セッションそれぞれの特徴を解説します。
PV(ページビュー)の特徴
インターネットに存在するページのアクセス数を測るうえで、ベースとなる数値がページビュー(PV)です。
該当するページがブラウザに1度読み込まれると1PVとなります。10人が2回ずつ、トップページにアクセスすれば20PV。1人が20回アクセスしても同様に20PVです。また、サイトの回遊で複数アクセスした場合でもPV数は加算されます。
例えば、トップページとその下層にあるサービスページで構築されたサイトで考えてみましょう。Aさんがトップページにアクセスし、そのあとサービスページに遷移。そして「トップに戻る」をクリックしました。するとトップページのPV数は2、サービスページのPV数は1、合計のPV数は3となります。
UU(ユニークユーザー)の特徴
ユニークユーザー(UU)は、個人ユーザーの計測で扱う数値です。サイトにアクセスした個人を指します。
Aさん、Bさん、Cさんの3人が同じサイトを閲覧した場合、UU数は3となります。仮にAさんが1日に3回、Bさんが1回、Cさんが5回アクセスしてもUU数は3です。
なお、アクセスする端末やブラウザが違うとUU数も変化します。
先述のAさんがパソコンとスマートフォンで1回ずつアクセス、Bさんはスマートフォンのみでアクセス、Cさんはパソコンで1回目はChromeから、2回目以降はYahoo!JAPANからアクセスしたと仮定。この場合、Aさんがアクセスした端末2つ+Bさん+Cさんがアクセスしたブラウザ2種類でUU数は5になります。
セッションの特徴
PVと混同しがちなのがセッションです。セッションはユーザーの訪問数。サイトへのアクセスから離脱までを1セッションとカウントします。トップページ、サービスページ、申し込みページの3つがあるサイトを例に説明しましょう。
Aさんはトップページ、サービスページ、申し込みページと順に遷移しました。一度、サービスページに戻り、内容をよく読んでからもう一度申し込みページにアクセスし、離脱したとします。
トップページ→サービスページ→申し込みページ→サービスページ→申し込みページ
合計5PV 1セッション
この場合、トップページのPVは1、サービスページと申し込みページのPVはそれぞれ2、合計PV数は5です。一方、アクセスから離脱は1回なので、セッション数は1となります。
また、トップページを閲覧してすぐに離脱した場合、PV数は1。セッション数は変わらず1です。午前と午後で1度ずつ閲覧すれば、セッション数は2となります。
Googleアナリティクスはセッションが切り替わるタイミングを下記のように定義しています。
- 「操作がおこなわれない状態で30分経過したあと」
- 「午前0時」
- 「キャンペーン経由でサイトにアクセスして離脱したあと、別のキャンペーン経由でサイトに戻ってきた場合」
先ほどの3ページ構成のサイトで考えてみます。Aさんはトップページからサービスページに遷移したあと、ページを開いたまま別のアプリで仕事に取りかかり40分後が経過しました。この場合、「操作がおこなわれない状態で30分経過したあと」が当てはまるので、セッションは2とカウントされます。
PV・UU・セッションの違いとは?
PV・UU・セッションの違いを理解するために、まずは計測対象と概要についておさらいしましょう。それぞれ以下の表にまとめています。
指標名 | 計測対象 | 計測内容 |
PV(ページビュー)数 | WEBページ | ページがブラウザに読み込まれた回数 |
UU(ユニークユーザー)数 | 個人(デバイスも) | サイトを利用した個人ユーザーの数(端末、ブラウザも分別) |
セッション数 | 訪問回数 | 各ユーザーの流入から離脱までの回数(Googleアナリティクスの定義により離脱以外もカウント) |
それぞれの違いを次の項で詳しく解説しています。概要を押さえたうえで理解を深めるのにお役立てください。
PVとUUの違い
PVとUUでは、それぞれ測定する対象が異なります。PVは、サイト内での閲覧数そのものを測定する指標で、ユーザーが1つのページを見るたびにカウントが1つ増えていきます。一方、UUは、実際にサイトを訪れた人の数を把握するための指標です。
例えば、同じユーザーが1日に10ページを閲覧した場合、PVは10とカウントされますが、UUは1とカウントされます。このため、サイトの集客状況を把握したい場合はUUを、コンテンツの閲覧状況を詳しく知りたい場合はPVを参考にするとよいでしょう。
PVとセッションの違い
PVとセッションは異なる側面からユーザーの行動を計測します。ページの閲覧回数を示すPVに対し、セッションはより包括的な指標で、ユーザーがサイトを訪れてから離れるまでの一連の行動を1回としてカウントします。
このような違いから、PVはサイト内のコンテンツがどれだけ閲覧されているかを把握するのに適しており、セッションはユーザーの実際の訪問頻度を理解するのに役立ちます。
UUとセッションの違い
UUとセッションはどちらもユーザーの訪問を計測する指標ですが、その測定方法と目的は大きく異なります。UUは、一定の期間内にサイトを訪れた実質的な訪問者数を示す指標で、同じユーザーが何度サイトを訪れても1人としてカウントされる特徴があります。ただし、同一ユーザーが異なるデバイスからアクセスした場合は、それぞれ別のユーザーとしてカウントされる点に注意が必要です。
これに対してセッションは、ユーザーがサイトを訪れてから離脱するまでの一連の行動を1回としてカウントします。通常30分から1時間程度の無操作状態が続くとセッションは終了し、同じユーザーが再度訪問した場合は新しいセッションとして計測されます。
このような特性から、UUはサイトの実質的な到達範囲を把握するのに適しており、セッションはユーザーの実際の訪問頻度や行動パターンを分析するのに便利です。
GA4での確認方法
ここでは、GA4でPV・UU・セッションの指標を確認する方法をそれぞれ紹介します。
GA4でPV数を確認する手順
GA4でPV数を確認する場合、まず「レポート」メニューに移動し、「エンゲージメント」セクションを開いて「ページとスクリーン」を選択します。
この画面では、サイト全体のPV数に加え、ページごとのPV数も確認できます。なお、GA4では従来のPV数に相当する指標が「表示回数」という名称で表示されます。
より簡易的にPV数だけを確認したい場合は、ホーム画面や「エンゲージメントの概要」画面からも確認することが可能です。
GA4でUU数を確認する手順
UU数はGA4の「ホーム」画面から確認できます。画面上に表示される「ユーザー」という指標が、サイト全体のUU数を表しています。
また、この画面ではUU数だけでなく、サイトの利用状況を総合的に把握できます。
具体的には、サイトを初めて訪れたユーザーの数やユーザーの行動を示すイベント数、平均エンゲージメント時間などの基本的な情報に加え、直近30分間のリアルタイムユーザー数の推移グラフやイベントの詳細な内訳など、一画面で幅広いデータの確認が可能です。
GA4でセッション数を確認する手順
GA4でのセッション数を確認する際は、「レポート」画面から「集客」>「トラフィック獲得」を選択します。
この画面では、サイトへの訪問単位を示すセッション数だけでなく、セッションごとの平均的なイベント発生数などさまざまな指標の確認が可能です。
これらの指標を組み合わせることで、サイトへの訪問がどの程度活発におこなわれているかを詳細に把握できます。
WEBマーケティング施策で重視すべき指標とは?ケース別に解説
PV、UU、セッション数はどれもWEBマーケティングにおいて重要ですが、重視すべき指標はサイトの目的や収益モデルによって異なります。ここでは、ケース別に解説します。
WEB広告で収益化しているサイトの場合はPVを重視
WEB広告では「月間100万PV突破」といった宣伝文句をよく見かけます。これは、PV数が多くのサイトにとって重要な指標となっているためです。特に、クリック単価の広告や閲覧で収益が発生する広告など、広告収入で収益化しているサイトでは、PV数が非常に重視されています。
また、PV数はサイトの質を測る指標としても重要な役割を果たします。例えば、月間3万PVを達成している2つのサイトがあるとします。サイトAは15,000セッション、サイトBは5,000セッションです。一見するとサイトAの方が訪問者数が多く、優れているように思えます。
しかし、サイトAは1回の訪問で平均2ページしか閲覧されていないのに対し、サイトBは1回の訪問で6ページも閲覧されています。これはサイトBの方がコンテンツの魅力が高く、ユーザーの興味を引き付けていることを示しています。
このように、PV数は単なる数値以上の意味を持ち、SEO評価を上げたい場合やユーザー行動を分析したい場合にも重視するべき指標です。
サイトの認知度を知りたい場合はUUを重視
サイトの認知度を知りたい場合、UU数が重要な指標となります。PV数は同じユーザーが複数回閲覧してもカウントされますが、UU数は純粋な訪問者数を示すためです。また、ユーザーのニーズを分析したい場合や資料請求や商品購入をCV(コンバージョン)としていて純粋な集客数を指標に使いたいケースでも重視されています。
実際のサイト運営では、PV数が高水準を維持しているにも関わらず、UU数が伸び悩みCVにつながらないケースがよく見られます。これは、同じユーザーが繰り返し訪問しているだけで、新規顧客の獲得には至っていないことを意味します。
UU数の増加は見込み顧客の増加を直接的に示す指標となりますが、単純にUU数が増えればよいというわけではありません。例えば、プロモーションによってUU数が2,000から6,000に増加したとしても、CV数が変わらないケースがあります。
これは、新規に獲得した4,000人のユーザーに対して、商品やサービスの魅力が十分に伝わっていないか、申し込みフォームの位置がわかりにくい、入力項目が多すぎるなどの課題が潜んでいる可能性を示しています。
そのため、効果的なサイト運営には、UU数の増減だけでなく、ユーザーの行動履歴や滞在時間なども含めた多角的な分析が必要です。
ECサイトを運営している場合はセッションを重視
ECサイトを運営している場合、セッション数が特に重要な指標となります。セッション数はデパートなどの実店舗における「来店回数」に相当し、ユーザーの購買行動を把握するうえで欠かせません。実店舗と同じように、訪問数や問い合わせ数などを確認することで、サイトの効果を計測できます。
サイトのPV数やUU数と比較してセッション数が極端に低い場合、そのサイトはユーザーにとって一度きりの訪問で十分と判断されている可能性があります。ただし、セッション数の多さは必ずしもサイトの優秀さを示すわけではありません。セッション数が多いことは、活発な利用を示す一方で、目的を達成できずに何度も訪問せざるを得ない状況を示している可能性もあるためです。
また、セッション数は、直接的なCVを狙わないオウンドメディアの回遊率を知るのにも最適だといえます。その場合、1つのセッションでのPV数によって、回遊率の確認が可能です。
PV・UU・セッション数を増やすには?
それでは、PV・UU・セッション数を増やすにはどうしたらよいでしょうか。これらの指数の数値を上げるポイントは、下記の5つです。
- SEO対策を実施する
- SNSなどでユーザーの流入経路を増やす
- サイトの回遊率を改善する
- ニーズに応えるコンテンツを充実させる
- WEB広告を活用する
それぞれ解説します。
SEO対策を実施する
セッション数を増やすうえで最も効果的な方法の一つが、SEO対策で検索順位を上げることです。検索順位が上がることでサイトのインプレッション数とクリック率が増加し、結果としてセッション数の向上につながります。
具体的なSEO対策としては、まずターゲットユーザーの検索行動を理解し、適切なキーワードを選定して効果的にサイトへ組み込むことが重要です。
また、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を考慮した質の高いコンテンツ作成に加え、内部リンクの最適化やレスポンシブデザインの採用などの内部施策でユーザビリティを向上させるとよいでしょう。有力な被リンクを獲得するといった外部施策をおこなうことで、サイトの権威性を高めるのもおすすめです。
SNSなどでユーザーの流入経路を増やす
SNSやメールマガジンなどを活用してサイトへの流入経路を増やすのも効果的な方法です。各指標の増加だけでなく、新規顧客の獲得やリード獲得にも大きな効果を発揮します。
例えば、YouTubeやX(旧Twitter)などの拡散力の高いプラットフォームを利用し、ターゲット層のニーズに合った有益な情報を継続的に発信すると、ユーザーの関心が高まり、問い合わせや購入につながっていくでしょう。
サイトの回遊率を改善する
サイトの回遊率の改善も重要なポイントです。ユーザーが快適にサイト内を移動できるような構造設計に加え、表示速度の改善にも注力することで、より長くサイトに滞在してもらえるようになります。
具体的な構造設計の施策としては、同一テーマに関連する記事数を増やす、記事内容に関連する内部リンクを効果的に配置する、特に見てほしいコンテンツをグローバルメニューに設置するなどが効果的です。
<関連記事>成果を出すWEBサイト改善のコツとは?ポイントや改善事例をご紹介
ニーズに応えるコンテンツを充実させる
各指標を上げるには、ユーザーのニーズに応える魅力的なコンテンツ作りも必要です。新規コンテンツを継続的に作成・追加はもちろん、既存のコンテンツをブラッシュアップするとよいでしょう。情報の追加や修正、リライトによってコンテンツの質を向上させることで、ユーザーの満足度が高まり、サイトの信頼性も向上します。
また、人気コンテンツから関連記事へ適切にリンクを設置してサイト内の回遊率を上げるのもおすすめです。
WEB広告を活用する
WEB広告の活用も効果的な方法の一つです。特にリスティング広告は、特定のターゲット層に直接リーチできるという特徴があります。SEO対策WEBまでに時間を要することがありますが、リスティング広告は比較的早く効果を得やすいです。
そのため、長期的なSEO対策を進めながら、WEB広告で短期的な成果を得ていくという複合的な戦略が推奨されます。
<関連記事>リスティング広告とは?仕組みや特徴とともに、始め方をわかりやすく解説
まとめ
WEBサイトの成果を測る重要な指標のPV・UU・セッション数は、サイトの目的に合わせて適切に活用することが大切です。
定期的に数値を確認し、SEO対策やSNS活用、コンテンツの充実化、WEB広告の活用など、効果的な施策を組み合わせることで着実な成長をWEB実現できます。
今回の記事を参考にして、PV・UU・セッション数を活用し、よりよいサイト運営を目指していきましょう。