今やほとんどの企業がインターネットで集客をおこなっています。WEBサイトやECサイトを管理するうえで欠かせない数値がPV(ページビュー)、UU(ユニークユーザー)、セッション(訪問数)です。
普段から何気なく見聞きする言葉ですが、それぞれ定義などが違います。どのようなケースでそれぞれを重視すべきなのか、しっかり理解しましょう。
目次
ページビュー(PV)とは?
インターネットに存在するページのアクセス数を測るうえで、ベースとなる数値がページビュー(PV)です。
該当するページがブラウザに1度読み込まれると1PVとなります。10人が2回ずつ、トップページにアクセスすれば20PV。1人が20回アクセスしても同様に20PVです。
また、サイトの回遊で複数アクセスした場合でもPV数は加算されます。
例えば、トップページとその下層にあるサービスページで構築されたサイトで考えてみましょう。
Aさんがトップページにアクセスし、その後サービスページに遷移。そして「トップに戻る」をクリックしました。するとトップページのPV数は2、サービスページのPV数は1、合計のPV数は3となります。
ユニークユーザー(UU)とは
ユニークユーザー(UU)は、個人ユーザーの計測に扱う数値です。サイトにアクセスした個人を指します。Aさん、Bさん、Cさんの3人が同じサイトを閲覧した場合、UU数は3となります。仮にAさんが1日に3回、Bさんが1回、Cさんが5回アクセスしてもUU数は3です。
なお、アクセスする端末やブラウザが違うとUU数も変化します。
先述のAさんがパソコンとスマートフォンで1回ずつアクセス、Bさんはスマートフォンのみでアクセス、Cさんはパソコンで1回目はChromeから、2回目以降はYahoo!JAPANからアクセスしたと仮定。
この場合、Aさんがアクセスした端末2つ+Bさん+Cさんがアクセスしたブラウザ2種類でUU数は5になります。
セッションとは
PVと混同しがちなのがセッションです。セッションはユーザーの訪問数。サイトへのアクセスから離脱までを1セッションとカウントします。トップページ、サービスページ、申し込みページの3つがあるサイトを例に説明しましょう。
Aさんはトップページ、サービスページ、申し込みページと順に遷移しました。一度、サービスページに戻り、内容をよく読んでからもう一度申し込みページにアクセスし、離脱したとします。
トップページ→サービスページ→申し込みページ→サービスページ→申し込みページ
合計5PV 1セッション
この場合、トップページのPVは1、サービスページと申し込みページのPVはそれぞれ2、合計PV数は5です。一方、アクセスから離脱は1回なので、セッション数は1となります。また、トップページを閲覧してすぐに離脱した場合、PV数は1。セッション数は変わらず1です。午前と午後で1度ずつ閲覧すれば、セッション数は2となります。
Googleアナリティクスはセッションが切り替わるタイミング
「操作がおこなわれない状態で30分経過したあと」
「午前0時」
「キャンペーン経由でサイトにアクセスして離脱したあと、別のキャンペーン経由でサイトに戻ってきた場合」
と定義しています。
先ほどの3ページ構成のサイトで考えてみます。Aさんはトップページからサービスページに遷移したあと、ページを開いたまま別のアプリで仕事に取りかかり40分後が経過しました。この場合、「操作が行われない状態で30分経過したあと」が当てはまるので、セッションは2とカウントされます。
ページビュー、ユニークユーザー、セッションの違いは
では、これまでのおさらいをしてみましょう。
●PV数=ページがブラウザに読み込まれた回数
●UU数=サイトを利用した個人ユーザーの数(端末、ブラウザも分別)>
●セッション数=各ユーザーの流入から離脱までの回数(Googleアナリティクスの定義により離脱以外もカウント)
まずはこの違いをしっかり把握しましょう。
ページビュー(訪問数)を重視すべき場合
次に各指標を重視すべきケースを解説します。「月間100万PV突破」などの文言の広告を目にしたこともあるのではないでしょうか。多くのサイトがPV数を認知や集客の指標としているのは間違いありません。
また、広告を表示して収益化しているサイトはPVを重視します。WEBサイトの広告収入は「ユーザーが閲覧するたびに報酬が発生する」、「ユーザーが広告をクリックすると報酬が発生する」などの仕組みでできています。サイトのPV数が高ければ広告の露出量も増えるので、その推移をしっかりモニタリングすべきでしょう。
サイトの回遊性をチェックする際も、PV数は重要になってきます。
月間3万PVのサイトが2つあったとします。
●サイトA 15,000セッション
●サイトB 5,000セッション
一見、セッション数が多いサイトAのほうが、出入りが活発で優秀なサイトに感じるかもしれません。ところが、1万5,000セッションで3万PVは、平均して1セッションあたり2PVです。
つまり、多くのユーザーが2ページしか遷移していないのです。そう考えると、サイトBは1セッションあたり6ページを回遊していることがわかります。
ユニークユーザー(訪問数)を重視すべき場合>
PV数は、同一人物の閲覧でもカウントしまう側面があります。純粋は集客数を測るにはUU数を確認します。特に、資料請求や商品購入などのCV(コンバージョン)を設定しているサイト。
「PV数は軒並み高水準をキープしている反面、UU数に変化が見られずCVにつながらない」といった現象は少なくありません。つまり、CVにつながらない同一のユーザーでPVを稼いでいるだけということになります。
新規ユーザーの集客において、UU数の確認は欠かせません。UU数の上昇は、いわゆる見込み顧客の上昇です。そして、UUを分類、分析することが売上に直結します。積極的にサイトをプロモーションし、UU数が2,000から6,000の3倍になりました。
ところが、CV数は横ばい。ということは、新たに獲得した4,000のユーザーは商品やサービスを魅力に感じなかったかもしれません。
または「サイトのどこに申し込みフォームがあるかわからなかった」、「フォームに入力する項目が多過ぎて離脱してしまった」ということも考えられます。UUの数だけでなくページ遷移履歴や滞在時間など、多角的な視点から次の施策へのヒントを見つけ出しましょう。
セッション数(訪問数)を重視すべき場合
ECサイトなどはセッション数を見るのが効果的です。セッション数は、言い換えると「来店回数」です。デパートなどの実店舗でも、顧客1人あたり1度の来店で「商品購入の有無」、「購入平均単価」、「滞在時間」、「再来場の有無」などを確認します。
PV数、UU数と比べてセッション数があまりに低いサイトがあった場合、そのサイトは「1度閲覧して終わり」と感じるのかもしれません。一方、PV数とUU数は多ければ優秀ですが、セッション数はそうとは限りません。セッション数が高ければ活発な出入りがあるとも取れますし、離脱が多いとも取れます。
なかには1日に何度も訪問してもらうことを目的としないサイトも存在します。サイトの目的を念頭に置きながら、セッション数を確認するのがベターです。
まとめ
PV数、UU数、セッション数はまず、その意味を正しく理解することが大切。
続いて「どのようなシチュエーションでどの数値を重視すべきか」をチェックしていくこと。
インターネットサイトは、日々動いている生き物のようなものです。サイトの“健康状態”を把握するために、各数値をしっかりモニタリングしておきましょう。