リスティング広告において「立ち上げたばかりのアカウント」や「成果が出ていないキャンペーン」を運用している人も少なくありません。
今回は、小規模なアカウントやコンバージョン数が少ないキャンペーンでも効果が出せるコツを「目標コンバージョン単価(自動入札)」に特化して解説していきます。
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リスティング広告のおさらい
まずは今一度、リスティング広告のおさらいをしましょう。リスティング広告とは検索連動型広告とも呼ばれるもの。GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジン上でユーザーが入力したキーワードに合わせて、検索結果ページで広告を表示させる仕組みです。
SEOとの違い
リスティング広告は、オーガニック検索で上位表示させるSEO(検索エンジン最適化)と混同されがち。SEOは検索エンジン独自のアルゴリズムによって上位表示されるかされないかが決定します。しかし、アルゴリズムの具体的な内容は公開されていません。立ち上げたばかりのサイトをオーガニック検索で上位に表示させるには時間と労力がかかってしまいます。
一方、リスティング広告は入札することで検索ページ上段の広告枠に配信されるもの。タイトルや説明文も運用者自身が設定できるため、SEOと比べても素早く正確にターゲットに届けることができるでしょう。
他のWEB広告との違い
インターネットの発展にともない、バナー広告や動画広告などさまざまなWEB広告が出稿できるようになりました。なかでもリスティング広告は画像や動画などのクリエイティブを用意する必要がないため、WEB広告の基本でありポピュラーな施策です。ユーザーが検索するキーワードに合わせてピンポイントに訴求できるため「成果につながりやすい広告」でもあります。
少額予算でも出稿が可能
リスティング広告のもう一つのメリットとして挙げられるのが「少額予算で出稿できる」ということ。リスティング広告はクリック課金方式となっており、自社が配信した広告をユーザーがクリックして、ページに遷移して初めてコストが発生します。上限を自由に設定可能なため、費用対効果を測定しながら自分たちのペースで改善・向上させていくことができるプロモーションです。
広告配信の開始・停止が容易
また、簡単に始められて簡単に停止させることができるのも使いやすいポイントです。先述のとおり、特別なクリエイティブを制作する必要がなく、設定さえ完了すればすぐに運用を開始できます。広告の開始、変更、停止はリアルタイムで操作できるので、例えば「月曜日に初めて週末のみ配信を停止する」などのきめ細かい戦略も実現できます。
リスティング広告を活用すべきタイミング
すぐに運用をスタートでき、かつ少額で始められるリスティング広告。重要なのはタイミングです。では、リスティング広告を活用すべきタイミングはいつなのでしょうか。高い効果を見込むには、以下の3点が大事になってきます。
顧客のニーズを把握できている
>ユーザーが検索するキーワードはいわゆる「ニーズ」を表しています。例えば新しい化粧品を探している30代女性であれば「コスメ」、「人気」、「新商品」などのキーワードを入れると想定できます。つまり、顧客のニーズを把握できていれば、的確なキーワードに対して課金ができ、ユーザーが購入したいと思えるタイトルや説明文も設定できるでしょう。
競合他社が何度も広告出稿している
リスティング広告は市場の全体像もつかむことができます。まずは、自身でキーワードを検索し、競合他社が何度も広告出稿しているかチェックしてみてください。リスティング広告はオークション形式となっており、キーワードが競合し始めると入札単価も上がっていきます。競合他社の広告出稿が増えてきたタイミングで、遅れを取らないことが大事です。
サイトのコンテンツ数や予算が少ない
不特定多数のユーザーが閲覧可能なWEB広告。故にコンテンツを充実させ、十分な予算が確保できてから始めようと考えてしまうかも知れません。しかし、リスティング広告こそ、コンテンツ数や予算が少ないときから始められる運用です。最低限の情報とコンバージョンさえしっかり決まっていれば、十分効果を見込むことができます。
目標コンバージョン単価(自動入札)を活用しよう>
さて、そうはいっても「成果が見込めるのか不明瞭なまま運用をスタートさせるのは不安」と感じる担当者も少なくありません。そんなときに活用すべきなのが「目標コンバージョン単価(自動入札)」です。これはコンバージョン1件あたりの費用で目標を設定。その範囲のなかで自動入札によってコンバージョン獲得を目指す仕組みです。
例えば月20予算で5件のコンバージョン獲得を目指すサイトがあったとします。つまり、コンバージョン1件あたりの費用は4万円です。目標コンバージョン単価は4万円で1件のコンバージョンを獲得するために、過去のデータを参考にしながら機械学習で自動的に最適なユーザーにアプローチしていく方法。CPAを重視した、とても効率のよい運用方法でしょう。
小規模アカウントで自動入札を成功させるコツ
目標コンバージョン単価は機械学習によって自動入札の精度が向上するもの。したがって「月のコンバージョンが5件以下の小規模アカウントでは成功しないのでは」と考えるかも知れません。
しかし、適切な環境に設定すれば小規模アカウントやコンバージョンが少ないキャンペーンでも効果を出すことができます。まずは以下2点のポイントをしっかり押さえましょう。
キャンペーン・広告グループの集約
目標コンバージョン単価は機械学習によって自動入札する仕組みです。つまり、機械学習が十分機能を果たす環境にすることが大切。小規模アカウントやコンバージョンが少ないキャンペーンの場合、コンバージョンデータも限られていると想定されます。その場合、キャンペーンと広告グループを集約して、データがまとまる構造にするとよいでしょう。
機械学習の利点は過去に蓄積されたデータを参照にして、最適なプロモーションを予測することです。必要以上に細分化せず、効率良く多くのデータを集めるためにはアカウントを集約していくことが重要です。
入稿する広告を集約させる
広告グループに入稿する「広告」も集約させるのがベター。しかし、ユーザーに合わせた訴求の広告作成に特化するあまり、膨大な数の広告グループを管理しているケースも見受けられます。そこで役に立つのがGoogle「広告カスタマイザ」とヤフー「アドカスタマイザー」です。
広告カスタマイザ/アドカスタマイザー
これは検索広告のタイトルや説明文をキーワードに合わせて任意にカスタマイズできる機能。これにより、広告グループを複数用意しなくても、設定しているキーワードに見合った広告が配信できるようになります。
ワード単位の URL 設定
もう一つ、キーワード単位のURL設定もおこないましょう。リスティング広告は、配信するキーワード別にLP(ランディングページ)を設定できます。キーワード単位のURLを設定すれば、広告文のLP設定よりキーワードのLPが優先されるので、広告を集約しつつキーワードごとに各LPが配信できるようになります。
推奨設定を導入する
Google広告やYahoo!広告は、WEB広告運用初心者に親切な仕様となっています。さまざまな設定画面に「推奨設定」が表示されているのを見たことがある人も多いのでは。特に小規模アカウントやコンバージョンが少ないキャンペーンは、まず推奨設定を導入すべきです。それでは、Googleが目標コンバージョン単価で推奨している設定を見ていきましょう。
スマート クリエイティブ ソリューションを活用する
タイトル、説明文、画像の組み合わせのテストを機械学習がやる機能です。広告の効果が見込めるように最適化し、可視化してくれます。ボックス中央に表示される広告の有効性に対するコメントが「非常に高い」になるように設定してください。
ラストクリックアトリビューション以外を使用する
コンバージョンにつながった最後のキーワードと、コンバージョンまでに経由したキーワードの価値を評価する機能です。「どのキーワードに高い有効性があり、どのキーワードはコンバージョンまでつながりにくいか」をジャッジし、効果が高いキーワードを優先してくれます。
キャンペーンに自社のオーディエンスリストを追加する
機械学習を活用した目標コンバージョン単価は、データの種類と量が多ければ多いほど精度も向上していきます。自社で収集したオーディエンスリストも追加して、自動入札の際の判断材料を増やしていきましょう。
配信実績よりも高めのCPAを設定する
CPAは1件あたりのコンバージョン獲得にかかった広告費のことですから、なるべく低く設定したいと思います。しかし目標コンバージョン単価による自動入札の場合、低めのCPAに設定するとそれに合わせようと動くため、配信量が少なくなったり目標を達成できずに推移していく可能性もあります。
手動で配信していた実績よりも高めのCPAで設定し、まずは成功データを蓄積していくことが大切。従来の配信実績+10%から+20%程度で設定し、コンバージョン数が安定してきてから本来の目標に近づけていく運用がポイントになります。
まとめ
リスティング広告は誰にでも簡単に、今すぐ始められるスマートなWEBプロモーションです。しかし、リスティング広告ですぐに成果を出せるかといえば、そうではありません。PDCAをしっかり回し、トライ&エラーを繰り返して改善していくことで効果も見込むことができます。
特に機械学習を活用した目標コンバージョン単価は成功データの蓄積が鍵。設定してすぐに効果を出したいと思わずに「機械学習がしっかり機能する環境にすること」が、小規模アカウントやコンバージョンが小規模アカウントやコンバージョンが少ないキャンペーンでも成功するコツになります。