本記事では、Microsoft広告の特徴やメリット、設定方法、インポート機能の使い方を紹介します。
「Microsoft広告(Microsoft Advertising)」は、Microsoft社が提供する検索連動型広告です。日本では2022年5月からサービスが開始され、注目を集めています。
Google広告やYahoo!広告に比べると、まだ一般的ではないかもしれません。しかし、Microsoft Bingを中心とした検索エンジン上で広告配信が可能で、GoogleやYahoo!とは異なるユーザー層にリーチできるのが特徴です。特にBingはビジネスパーソンや高所得者層の利用が多く、効果的な広告配信が期待できます。
また、Microsoft広告はGoogle広告との互換性が高く、既存の広告キャンペーンを簡単にインポートできます。他の広告プラットフォームを活用している企業でもスムーズに導入できるのがメリットです。
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目次
Microsoft広告(Microsoft Advertising)とは
はじめに「Microsoft広告(Microsoft Advertising)」は、アメリカのソフトウェア開発販売会社「Microsoft社」が提供している広告プラットフォームです。
Microsoft社が手がける、検索エンジン「Microsoft Bing」やブラウザ「Microsoft Edge」の各サービスに広告配信をおこなうことで、多くのユーザーに向けたリーチができます。
≫関連記事: 検索連動型広告とは?仕組みとメリット、出稿の流れ・ポイントを解説
利用者の割合
さて、Microsoft広告を目にする機会が多い利用者はどのくらいになるのでしょうか。まず日本でビジネス利用されるパソコンに入っているOSは、ほとんどが「Windows OS」です。下記のデータでも見られるように、国内のパソコンにおけるWindow OSのシェア率は全体のなかで7割を超えています。
参考元:https://www.qbook.jp/column/1401.html
Windowsには、検索エンジン「Microsoft Bing」やブラウザ「Microsoft Edge」、メールサービス「outlook」などMicrosoft社の各ツールがデフォルト設定されています。そのため、そのまま利用している方も多いでしょう。検索には「Google」や「Yahoo!JAPAN」を使う場合が多いです。しかし、Bingも第3位と健闘しています。
参考元:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan
また、BingおよびEdgeでは話題のチャットAIも活用されています。それにより、今後のさらなる普及に期待ができます。
ユーザーの属性
Microsoftユーザーには、次のような属性の特徴があります。
- 役職者やプロフェッショナル層の割合が高い
- 高所得者が多く、高額商品の購入意欲が高い
- 1日6~10時間オンラインを利用するなど、オンライン活動が活発
- サステナビリティへの関心が高い
性別では男性のほうが若干多く、他のプラットフォームに比べて16~24歳のユーザーと45歳以上の購買力のあるユーザーが多い傾向です。
Microsoft広告の種類
Microsoft広告の種類は大きく分けて以下の2つがあります。
- 検索広告
- オーディエンス広告
では、特徴をそれぞれ解説します。
検索広告
まず検検索広告は、ユーザーがMicrosoftの検索エンジンのBingなどで特定のキーワードを検索した際に、検索結果ページに表示される広告です。これにより、商品やサービスに関連する情報を積極的に探している潜在顧客に対し、適切なタイミングでリーチが可能となります。そして、通常のテキスト形式に加え動的検索広告、ショッピング広告などの広告が利用できます。
オーディエンス広告
次にオーディエンス広告は、ユーザーの興味関心や行動履歴に基づいて、MSN、Outlook.com、Microsoft EdgeなどのMicrosoftが保有するサイトやパートナーサイトに表示される広告です。テキストと画像が組み合わされ、それぞれの配信先に適したネイティブフォーマットで配信されます。
リマーケティング、類似オーディエンス、購買意向の強いユーザー、年齢、性別、地域など、多様なターゲティングオプションが提供されています。これにより、ターゲットユーザーに応じて最適な設定を選択できるのが特徴です。
リスティング広告の成果に満足されていますか?
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Microsoft広告の配信面
Microsoft広告の配信面は、以下の4つです。
- Microsoft Bing(検索エンジン)
- MSN(ポータルサイト)
- Microsoft Edge(ブラウザ)
- outlook(メールサービス)
では、それぞれ下記で解説します。
Microsoft Bing(検索エンジン)
「Microsoft Bing」は、Microsoft社が提供している検索エンジンです。Windows OS搭載のパソコンではデフォルトの検索エンジンとなっています。Google、Yahoo!JAPAN!に次ぐ国内シェア3番手に位置しています。
MSN(ポータルサイト)
「MSN」は、Microsoft社が提供する総合ポータルサイトです。WEB検索機能に加えて、国内外の最新ニュース、天気予報、株価やスポーツ速報、エンタメ情報など、幅広いジャンルのコンテンツをワンストップで閲覧できます。
Microsoft Edge(ブラウザ)
「Microsoft Edge」は、Microsoft社が提供しているブラウザです。「Internet Explorer」の後継ブラウザとして、Windows OSではデフォルト設定されています。また、Bingでもデフォルトの検索エンジンとして設定されています。
学習ツールとアクセシビリティツールが組み込まれています。そのため、ユーザーインターフェースはシンプルで直感的です。これにより、必要な情報を簡単に見つけて最適な方法で接続ができます。
例えば「コレクション」機能では、WEB上のコンテンツを整理・管理ができます。これらは、旅行の計画や気になる商品を比較するといったショッピングにも役立ちます。
Outlook(メールサービス)
「Outlook」は、Microsoft社が提供しているメールソフトです。ビジネスメールとして、多くの企業で使われています。メールの送受信だけでなく、予定表やタスク管理、連絡先の管理など、ビジネスシーンで必要な機能を統合的に備えています。
Microsoft広告のメリット
Microsoft広告を活用するメリットは以下の5つです。
- ショッピング広告の配信枠の拡大が可能
- 購買能力の高いユーザーにアプローチが可能
- 無料出稿など少額から利用できる
- BtoBや広告パフォーマンスへの効果が見込める
- Google広告やMeta広告(Facebook広告)のインポートが可能
では、それぞれ下記で詳しく解説します。
ショッピング広告の配信枠の拡大が可能
Microsoft広告には、今までGoogle広告でしか配信できなかったショッピング広告の掲載枠があります。ECサイトなど、インターネットで商品の販売をおこなっている場合、配信先の拡大が可能です。
購買能力の高いユーザーにアプローチが可能
Microsoft広告のユーザーは、購買能力が高い傾向があります。Microsoft広告のユーザーは平均的なWEBユーザーよりもオンラインで消費する割合が15%高く、この数字は競合よりも高いとされています。
そのため、Microsoft広告で広告を配信することによって、ビジネス利用のブラウザ(Edge)で商品購入までおこなうような購買意欲の高いユーザーにアプローチしやすいでしょう。
無料出稿など少額から利用できる
Microsoft広告では、出稿自体は無料で、広告がクリックされた際に費用が発生します。また、最低出稿金額の指定もありません。そのため、少額からでも利用できる点がメリットの一つです。
BtoBや広告パフォーマンスへの効果が見込める
Microsoftの製品はビジネスシーンでの利用が多くみられます。そのため、BtoBの商品・サービスの広告でパフォーマンスが発揮されやすいのが特徴です。またWindowsなど基本的に有料のため、個人に紐づくデータの信頼度が高く、偽アカウントなどは存在しにくくなっています。
ビジネス用途にセグメントされている広告配信先であることから、BtoBや広告パフォーマンスへの高い効果が見込めるでしょう。
Google広告やMeta広告(Facebook広告)のインポートが可能
Microsoft広告では、Google広告とMeta広告(Facebook広告)の設定がインポートできます。再度、面倒な設定や入稿作業をおこなわなくても配信準備ができるため、大変便利です。
管理画面はGoogle広告に似ており、Google広告に慣れている人なら簡単に利用できます。
Microsoft広告の設定方法
Microsoft広告の設定は、下記の流れでおこないます。
- Microsoftアカウントを作成する
- Microsoft広告のアカウントを作成する
- キャンペーンを設定する
- 広告グループを設定する
- 広告クリエイティブを作成する
- 審査完了後に配信を開始
では、それぞれ手順を説明します。
1.Microsoftアカウントを作成する
まず、Microsoftアカウントを持っているかを確認します。Microsoftアカウントを持っていない場合、アカウントの作成が必要です。 公式サイトに移動し、[サインイン] を選択して、[作成] から作成しましょう。
2.Microsoft広告のアカウントを作成する
Microsoft広告を始めるには、Microsoft広告用のアカウントを作成しなければいけません。まずはMicrosoft広告の新規登録ページにアクセスします。次に、MicrosoftアカウントのID・パスワードでログインして画面の指示に沿って入力を進めます。そしてMicrosoft広告のアカウントが作成できると管理画面が表示されるようになります。
3.キャンペーンを設定する
続いて、キャンペーンの設定をおこないます。まずは、キャンペーンの目標を選択しましょう。
検索広告を指定できるキャンペーン目標は次の4つです。
- WEBサイトの訪問
- 事業所所在地にアクセスする
- WEBサイトでのコンバージョン
- 会社への電話
いずれかのキャンペーン目標を選択することで、広告タイプを選ぶ画面に進めます。「検索広告」を選択し、今回の場合は「WEBサイトの訪問」を選択。そのあと、キャンペーンの設定画面に進みます。
主な設定項目は下記のとおりです。
- キャンペーン名
- キャンペーン予算(1日あたり)
- 広告を表示する地域
- 広告を表示するWEBサイトの言語
これらを設定して完了です。
4.広告グループを設定する
広告グループでは、「広告グループ名」や「広告を表示するキーワード」。そして「ターゲット」、「広告のスケジュール」などを入力していきます。
広告を表示するキーワードを設定する際は、「マッチタイプ」の設定がポイントです。入力したキーワードに対して、「関連語句にも広告を表示する」。または「そのキーワードと完全一致の場合のみに表示する」の2パターンから選択可能です。
広告スケジュールは、広告の開始日と終了日が指定できます。ターゲットは、地域やデバイス、性別、年齢などが指定できます。
5.広告クリエイティブを作成する
各設定が完了したら、広告クリエイティブの作成に進みましょう。「レスポンシブ検索広告」の作成を例に挙げて説明します。
主な設定項目は下記の5つです。
- 広告タイプ(今回は「レスポンシブ検索広告」)
- 最終的なURL(広告をクリックすると表示されるURL)
- ヘッドライン(広告見出し)
- パス(広告に表示されるURLのパス)
- 説明文(広告の下部に表示される説明文)
検索広告では、さらに「広告表示オプション」を設定すると効果を高められます。サイトリンクや電話番号、画像などが表示されることで、よりユーザーに伝わりやすくなるため、おすすめです。
6.審査完了後に配信を開始
広告入稿後は、広告の審査が入ります。審査が完了次第、広告が配信されますが、通常は1日以内に審査が完了するようです。不承認になってしまった場合は修正のうえ、再度設定・入稿しましょう。
インポート機能の設定方法
Microsoft広告には、Google広告やMeta広告(Facebook広告)など他の広告プラットフォームで運用しているキャンペーンを簡単に移行できる「インポート機能」があります。インポート機能を活用することで初期設定や構築の手間を大幅に削減できます。
ここではGoogle広告からインポートする方法について紹介します。
1.「Google広告からインポート」を選択する
まず、Microsoft広告のアカウントにログインします。次にナビゲーションメニューから「インポート」を選択。「Google広告からインポート」をクリックします。
2.Microsoft広告との連携を許可する
表示される指示にしたがって、Googleアカウントにサインインします。次に、Microsoft広告との連携を許可します。
3.インポートするGoogle広告アカウントを選択する
インポートするGoogle広告アカウントを検索し選択しましょう。
4.各オプションを選択する
オプションを順に選択します。
オプションは「キャンペーン オプション」内にある「新しくインポートされたキャンペーンを一時停止する」にチェックを入れておくのがおすすめです。
このオプションを選択しないと、キャンペーンが有効な状態で登録され、インポート完了後すぐに広告が配信されてしまう可能性があります。
インポート後の設定や内容をしっかり確認し、意図しない広告配信を防ぐためにも、チェックを入れておくのが安心です。設定が完了したら、「次へ」をクリック。「詳細なインポート」をクリックし、インポート対象のキャンペーンを選択。「次へ」をクリックします。
5.インポートのスケジュールを設定する
続いて、インポートのスケジュールを設定します。
インポートを即時に実行するか、定期的なスケジュール(例:日次、週次、月次)で自動的に同期するかを選択します。定期的なインポートを設定することで、Google広告での最新の変更を自動的にMicrosoft広告に反映させることができます。
例えば、「週ごと」に設定すると週に1回インポートが実施されます。もし不要な変更の反映を避けたい場合は、スケジュールは「今」または「1回」を選び、日時を自分で指定して都度実施する形が安心です。
6.内容を確認後、「インポート開始」をクリックする
再度スケジュール設定の画面が表示されるので、念のため[5.のインポートのスケジュール設定]で選択した「日時」になっているかを確認してください。問題なければ、「インポート開始」のボタンを押して処理を進めましょう。
インポート機能を使用する際には、意図しない設定や変更に注意が必要です。例えば、スケジュールを設定して他の広告プラットフォームの設定内容を取り込む場合。意図せずパフォーマンスの低い内容が反映されてしまうおそれがあります。ケースに応じてスケジュール機能をオフにするなどの必要があるでしょう。
Microsoft広告を利用する際のポイント
Microsoft広告を利用する際に押さえておいて欲しいポイントは以下の4つです。
- 定期的な確認と改善をおこなう
- ターゲティングは細かく絞りすぎない
- 広告アセットはできるだけ入稿する
- 検索広告はオーディエンスネットワークへも配信される
では、それぞれ下記で詳しく解説します。
定期的な確認と改善をおこなう
目的に合わせた目標を決めておき、定期的に配信結果を確認します。例えば、「認知拡大」が目的の場合、広告表示回数を指標に、また「成果獲得」が目的の場合、成果数や成果単価を指標にして、その結果を重点的に確認するとよいでしょう。また、確認後は適切な改善をおこなうことも重要です。
ターゲティングは細かく絞りすぎない
Microsoft広告では、会社・業種・業界やリマーケティングなど、細かいターゲティングが可能です。そのため、ピンポイントに絞ったターゲティング設定をしたくなるものですが、細かすぎる設定では広告がなかなか出てこないといったデメリットがあります。配信開始時にある程度広めにターゲットを設定しておき、少しずつ機械学習を進めていくことが大切です。
広告アセットはできるだけ入稿する
「広告アセット」をできるだけ多く入稿することもおすすめです。さまざまな切り口の見出しや説明文を用意すれば、表示されるパターンも増えます。最大限に検索広告の強みを生かすには、上限数まで入稿するとよいでしょう。
検索広告はオーディエンスネットワークへも配信される
ショッピング広告などを含む検索広告は、オーディエンスネットワークへも広告配信されます。関連性が高かったり成果が見込めたりする場合に配信されますが、オーディエンスネットワークへの配信可否は選択できません。除外する場合は、配信されるWEBサイトを除外する設定をおこないましょう。
リスティング広告の成果に満足されていますか?
- 下記についてお悩みを抱えていらっしゃいませんか?
- 現状の費用対効果に不満
- 効果改善のための提案が欲しい
- 成果状況をこまめに報告
- 小さなことも相談できる
上記お悩みをリスティング広告専門コンサルタントが解決いたします。
まとめ
Microsoft広告は、BingやEdgeを利用するユーザーにリーチできる広告プラットフォームで、特にビジネス層や購買意欲の高いユーザーに対して効果的なアプローチが可能です。
検索広告とオーディエンス広告を活用し、ターゲットに合わせたマーケティング戦略を展開できます。また、Google広告やMeta広告からのインポート機能を活用すれば、スムーズな移行が可能です。出稿の自由度が高く、少額から運用できるため、これから広告を始める企業にも適した選択肢です。
利用する際のポイントとしては、定期的な確認・改善やターゲティングを絞り込みすぎない、などの点が挙げられます。今回の記事を参考にして、Microsoft広告の利用を検討してみてください。