本記事ではCVRが伸び悩む要因や、ランディングページ最適化(LPO)などを含む具体的な5つの改善手法。そして、改善を助けるおすすめのツールまで、CVR 改善に必要な情報を解説しています。
WEBサイトにおける商品購入や資料の申し込みなどの、特定行動の達成率を測る指標が「CVR(コンバージョン率)」です。
CVRが低いと、どれだけアクセスを集めても売上や問い合わせは伸び悩むため、改善が必須ですが、簡単には実現できる施策ではありません。
「広告を出稿しているのに売上が伸びない」といった悩みを持つ方でも、着実にCVR改善を果たせるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
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目次
CVR(コンバージョン率)とは?定義と計算方法をおさらい
はじめにCVR(コンバージョン率)は、WEBサイトの成果を測定し、改善するうえで基本的な指標のひとつです。
本項目では、CVRの定義から、具体的な計算方法、目標の設定方法や業界ごとの目安まで。CVRに関する基礎知識を網羅的に解説します。
- CVRの定義
- CVRの計算方法
- 目標CVRの設定方法
- 業界別のCVR目安
まずはCVRの基礎を固め、改善を効率よく進めるための知識を習得しましょう。
CVRの定義
CVR(コンバージョン率)とは「Conversion Rate」の略語です。WEBサイトやランディングページを訪れたユーザーのうち、コンバージョン(CV)に至った割合を示す指標です。
CVは、WEBサイト上で運営者がユーザーに期待する特定のアクションを指します。具体例は次のとおりです。
- ECサイトでの「商品購入」
- 企業サイトでの「資料請求」
- 情報提供サイトでの「メルマガ登録」
CVの内容はビジネスモデルやWEBサイトの目的によって多岐にわたります。CVRの把握と計測は、WEBサイトの評価やマーケティング戦略の効果を測るうえで極めて重要です。
サイト改善の方向性や、より効率的な成果獲得に不可欠な指標ですので、理解しておきましょう。
CVRの計算方法
CVRの計算方法はとてもシンプルで、次の計算式を用いて算出します。
CV数 ÷ 訪問者数(セッション数・ユーザー数など) × 100 |
例えば、WEBサイトの月間訪問者数が10,000人で、その月に100件の商品購入があった場合。CVRは「100件 ÷ 10,000人 × 100 = 1%」と計算されます。
「Google Analytics」などのアクセス解析ツールを利用すれば、セッション数やユーザー数などの数値が自動計測されます。これにより、簡単にCVRを確認可能です。定期的にCVRを追跡して変化を把握しておきましょう。
目標CVRの設定方法
次に、効果的なCVR改善のためには、具体的な目標CVRの設定が不可欠です。現状把握には「Google Analytics」などのアクセス解析ツールを用います。WEBサイト全体のCVRや主要な流入チャネル別・ランディングページ別CVRなどを確認しましょう。
現状のCVRを把握できたら、3つの方法で目標CVRを設定します。
- 業界平均や競合サイトの数値をもとに設定する
- 目標CV数から逆算する
- 前年のCVRを比較・参考にする
いずれの設定方法でも「ランディングページのCVRを0.8%から1.2%に引き上げる」といった具体的な数値目標を立てましょう。
ただし、目標が高すぎると達成が困難になり、低すぎると改善のモチベーションが維持しにくくなります。現実的に達成可能なCVRの設定が重要です。
業界別のCVR目安
CVRの目標値を設定する際には、自社が属する業界の平均CVRを参考にするのもひとつの方法です。
下記はアメリカのインターネット広告分析会社の「WordStream社」が調査したGoogle広告の業界別平均CVRです(※集計期間:2024年4月~2025年3月)。
業界 | 平均CVR |
動物・ペット関連 | 13.07% |
アパレル・ファッション・ジュエリー | 3.99% |
アート・エンターテイメント | 4.84% |
弁護士・法律サービス | 5.09% |
自動車(販売) | 7.76% |
自動車(修理・サービス・部品) | 14.67% |
美容・パーソナルケア | 7.82% |
ビジネスサービス | 5.14% |
キャリア・雇用 | 4.33% |
歯科医・デンタルサービス | 9.08% |
教育・指導 | 11.38% |
金融・保険 | 2.55% |
家具 | 2.73% |
健康・フィットネス | 6.80% |
住宅・リフォーム | 7.33% |
産業・商業 | 7.17% |
個人向けサービス | 9.74% |
医師・外科医 | 11.62% |
不動産 | 3.28% |
レストラン | 7.09% |
ショッピング・収集品・ギフト | 3.83% |
スポーツ・レクリエーション | 7.62% |
旅行 | 5.75% |
出典:Google Ads Benchmarks 2025: Competitive Data & Insights for Every Industry |WordStream
自社ビジネスの状況と比較し、目標設定の参考にしてください。
CVR改善の障害となる5つの要因
WEBサイトのCVRが思うように上がらない背景には、さまざまな要因が潜んでいます。本項目では、CVR改善を妨げる代表的な5つの要因について解説します。
- 競合の動きや市場トレンドが変化した
- 広告とWEBサイトの訴求内容が異なっている
- WEBサイトの使い勝手が悪い
- CVまでの導線設計が弱い
- 入力フォームが使いづらい
自社サイトに当てはまる要因がないかを調査し、改善の糸口を見つけましょう。
1.競合の動きや市場トレンドが変化した
まず、競合他社の動向や市場全体のトレンド変化は、CVR改善を試みるうえで無視できません。
例えば、競合他社が自社よりも魅力的な価格設定やキャンペーンを開始した場合。相対的に自社の商品やサービスの魅力が低下し、CVRが下がる場合があります。
市場全体のニーズが変化し、効果的だった訴求が響かなくなったり、新たな技術やプラットフォームの登場もCVRに影響を与える要因です。
外部環境の変化に迅速に対応するためには、定期的な競合調査や市場分析が不可欠です。変化に対応した自社戦略の見直しが、CVRの維持・向上につながります。
2.広告とWEBサイトの訴求内容が異なっている
次に、広告をクリックしたユーザーは、広告のメッセージやクリエイティブを見ます。そして、「自分の求めている情報や解決策があるはずだ」という期待を持ってクリックします。
しかし、遷移先のページが広告内容と異なっていたり、記載されていたメリットが説明されていなかったりした場合。ユーザーは混乱し、サイトに対する信頼感を失ってしまいます。
仮に「期間限定50%OFF」という広告を見て移動したWEBサイトで、割引に関する情報がすぐに見つからなければユーザーの離脱率は高まるでしょう。
広告内容とWEBサイト間でのミスマッチを防ぐには、広告のターゲティングやコピー、デザイン。そのほか、遷移先ページのファーストビュー、CTAに至るまで、一貫した訴求が重要です。
3.WEBサイトの使い勝手が悪い
続いてWEBサイトのユーザビリティ(UX)が低い場合も、CVR改善の障害となります。
ユーザーがWEBサイト内でストレスを感じたり、目的の情報にたどり着けなかったりすると、CV前に離脱する可能性が高まります。
- ページの表示速度が遅い
- 知りたい情報がどこに掲載されているかわかりづらい
- 何の情報があるのか直感的に理解できない
スマートフォンで閲覧した際に文字が小さすぎたり、ボタンが押しにくかったりするサイトデザインもCVR低下の要因となります。ユーザーにとって使いやすいWEBサイトとなるように、デザインや設計を見直しましょう。
4.CVまでの導線設計が弱い
CVに至るまでの導線設計が弱い場合、CVRは著しく低下します。
優れた商品やサービスを提供していても、ユーザーをCVポイントまで誘導できなければ、価値は伝わりません。
- ユーザーがCVのボタンを見つけにくいデザインになっている
- CTAが適切な場所に配置されていない
- ユーザーの目的に反して購入や問い合わせを促すような導線となっている
購入意欲が高まっているユーザーに対して、購入ページにたどり着けない構造もCV損失につながってしまいます。
まずはユーザーが迷わず、適切なタイミングでCVへ進めるようなWEBサイトとなるように設計を改善してください。
5.入力フォームが使いづらい
そして、入力フォームの使いづらい場合も、CVR低下をもたらします。設置している入力フォームが、次のような設計になっていないか、見直しましょう。
- 入力項目が多すぎる
- 必須項目と任意項目の区別がわかりにくい
- 入力エラーの箇所がひと目でわからない
- 郵便番号からの住所自動入力機能がない
また、ページを離脱してしまうと入力内容が消えてしまうなど、細かな配慮が欠けた入力フォームはユーザーにストレスを与えます。
CV直前でユーザーに離脱されないよう、入力フォーム最適化(EFO)を実施するなどして、CVR低下を防ぎましょう。
ビジネスにCVR改善が欠かせない4つの理由
さて、CVRの改善はWEBサイトの数値を良くするだけでなく、ビジネス全体の成長に不可欠な取り組みです。本項目では、企業がCVR改善に注力すべき理由を4つ解説します。
- 理由1:中長期的な売上向上につながる
- 理由2:顧客満足度の向上が見込める
- 理由3:データに基づいた意思決定がおこなえる
- 理由4:マーケティングコストの無駄を削減できる
CVR改善がビジネスに及ぼす影響を把握しましょう。
理由1:中長期的な売上向上につながる
まず、CVRの改善は中長期的な売上向上に貢献します。例えば、アクセス数が同じでも、CVRが1%から1.5%に改善されれば、単純計算で売上は1.5倍になります。
改善による効果は一度ではなく、サイト構造や使い勝手の最適化により持続します。また、CVR改善によって顧客獲得効率が向上すると、ひとりの顧客を得るために必要な広告予算も減少します。
予算を新規顧客獲得への再投資や他のマーケティング施策へ振り分ける余力も生まれます。これにより、更なる売上成長の機会につながるのです。
理由2:顧客満足度の向上が見込める
次に、CVR改善への取り組みは結果として顧客満足度の向上に大きく貢献します。なぜなら、CVRを高める施策の多くは、ユーザーがWEBサイトをより快適に利用できるようにするための改善でもあるためです。
例えば、サイトの表示速度を改善する。入力フォームの項目を減らして手間を削減するといった改善は、ユーザー体験の向上に直結します。
ユーザーがWEBサイトをストレスなく利用できれば、企業やブランドに対する信頼感や愛着が高まります。これにより、リピート購入や継続利用につながる可能性も高まります。満足した顧客がSNSや口コミを通じてよい評判を広めてくれることも期待できます。よって、新規顧客の獲得も期待できるでしょう。
理由3:データに基づいた意思決定がおこなえる
続いてCVRの改善を進めるためには、アクセス解析ツールなどを活用して現状の把握から始めます。どこでユーザーが離脱しているのか、どのコンテンツがコンバージョンに貢献しているのかなどの課題をデータで把握できれば、主観に頼らない意思決定が可能です。
データ分析の結果、判明した課題に対し、A/Bテストなどを用いて複数のパターンを比較検証しましょう。そうすれば、実際に効果がある施策かどうかも客観的に検証できます。
データに基づいたアプローチにより、より効果的なCVR改善が実現できます。それだけでなく、広告運用などのマーケティング全般の精度向上にもつながります。
理由4:マーケティングコストを削減できる
最後に、CVR改善によりマーケティングコスト全体のコスト削減にも期待できます。
まず企業は、WEBサイトへの集客のために広告出稿やSEO施策など、さまざまなコストを投じています。しかし、どれだけ多くのユーザーを集客できたとしても、WEBサイトのCVRが低かった場合。CV前に離脱してしまい、投じたコストの多くが無駄になってしまうでしょう。
仮に、1,000人のユーザーを集客するWEBサイトのCVRを1%から2%に改善できた場合。同じ1,000人の集客でも2倍のCVが得られる計算になります。すると、実質的に顧客獲得単価(CPA)も半減します。これにより、コスト削減が実現するのです。
このようにCVR改善は、マーケティング予算をより効率的に活用します。これは、収益性を高めるうえでとても効果的な手段です。
CVR改善を達成するための5つの手法
CVRを高めるには、具体的な改善手法を理解し、自社サイトの状況に合わせて適切に実行しなければいけません。本項目では、CVR改善を達成するために効果的とされる5つの手法を解説します。
- ターゲティングを見直す
- CVまでの導線を再設計する
- ランディングページを最適化する(LPO)
- CTAの増加やバナー内容を改善する
- 入力フォームを最適化する(EFO)
まずは、CVR改善の具体的な手法を理解し、実践のイメージを固めていきましょう。
1.ターゲティングを見直す
はじめにCVR改善の第一段階として、ユーザーのターゲティングを見直しましょう。
優れたWEBサイトや商品を提供していても、購買意欲の薄いユーザーばかりを集めてしまっては、CVRは低くなります。
まず、自社の製品やサービスを本当に必要としているのはどのような人物なのか。具体的なペルソナ(理想の顧客像)を、以下の項目に沿って詳しく設定しましょう。
- 年齢
- 性別
- 職業
- ライフスタイル
- 抱えている課題やニーズ
設定が終わったら、現在の集客チャネル(SEOキーワード、広告の配信設定など)が、ペルソナに合致しているかを確認し、ズレが生じないように再設計します。
CVRにつながる可能性の高いユーザーをサイトに誘導できるよう、ターゲティングは詳細な部分まで見直しましょう。
2.CVまでの導線を再設計する
次に、CVまでの導線を再設計する作業は、CVR改善で効果的な手法のひとつです。
現状のWEBサイトのどこで離脱しやすいのか。どのページで迷っているのかをアクセス解析ツールやヒートマップツールを用いて分析し、問題箇所を特定します。そのあと、ユーザーがストレスなく次のステップへ進めるように導線を最適化します。
- ナビゲーションメニューをわかりやすく整理する
- 関連性の高いコンテンツを内部リンクでつな
- 情報が多すぎるページは整理・分割する
合わせて、ユーザーを無理なくコンバージョンポイントへ誘導することも重要です。情報収集段階のユーザーには詳しい製品情報や解説記事を提供します。そして、購入意欲が高まってきた段階で購入ページへ案内するような導線設計がCVR向上につながります。
3.ランディングページを最適化する(LPO)
続いて、ランディングページの最適化(LPO)。広告や検索結果などから訪れたユーザーが最初に目にするLPをユーザーのニーズや期待に合わせて改善し、CVRを高めるための施策を指します。
LPOでもまずは現状のCVRを確認します。そして、LPのファーストビュー(最初に表示される画面)の内容を見直す作業が重要です。
ユーザーが広告で期待した情報がファーストビューに見つからなければ、即座に離脱される可能性が高くなります。以下の項目に関しては必ずファーストビューの範囲に納まるように設定しましょう。
- キャッチコピー
- ボディコピー
- お客様の声や実績を含んだ画像や動画
- CTA(行動喚起)ボタン
特に、ユーザーが抱える課題の解決策として、自社の商品やサービスがどのように役立つのかを具体的に示すストーリー展開のアピールが重要です。
ほかにもページの表示速度やデザインの見やすさなどもCVRに影響します。一度完成したら終わりではなく、A/Bテストなどを活用し、LPOを続けましょう。
4.CTAの増加やバナー内容を改善する
そして、CTA(Call to Action:行動喚起)。ユーザーに具体的な行動(例:「購入する」「資料請求する」「問い合わせる」など)を促すボタンやテキストリンクです。
このCTAを促すボタンはユーザーの目に留まりやすいため、クリックしやすいデザインであることが重要になります。文言も「無料トライアルを始める」「限定情報を今すぐチェック」など。ユーザーにとってのメリットや、緊急性を感じさせる具体的な表現を用いるほうがクリック率は高まります。
また、CTAを設置する位置も重要です。コンテンツを読み終えたあとや、ユーザーの関心が特に高まる箇所に配置すれば、自然なクリックを誘導できるでしょう。コンテンツの長さや構成によっては、ページ内に複数のCTAを適切に配置することで、タイミングを逃さずにコンバージョンへ誘導できます。
改善施策のなかでも、比較的変更が容易な部分です。そのため、取りかかりやすいメリットもあります。優先して手を加えるのも有効といえます。
5.入力フォームを最適化する(EFO)
最後に、入力フォームの最適化(EFO)。ユーザーがストレスなく、かつスムーズに入力を完了できるようにフォームを改善する施策です。
EFOをおこなう場合は、以下の項目を優先して改善していきましょう。
- 項目数を必要最小限に絞り込む
- 入力すべき内容がひと目でわかるようにする
- 半角・全角を自動変換させる
- エラー箇所を明確に表示させる
- 住所は自動入力されるように設定する
- 入力完了までのステップを示す
チャットボット型の入力フォームによる対話形式での入力サポートも、効果的なEFOの手法です。
CV直前のユーザーであっても、フォームへの入力作業をストレスに感じた場合。WEBサイトから離脱される可能性があるため、EFOは必ず実施しましょう。
適切な手法でCVR改善を達成し売上アップを目指そう
CVR改善の鍵は、ユーザーに役立つサイト設計のために、データに基づいた分析と改善を繰り返すことです。
広告とWEBサイトの訴求内容のズレをなくし、使い勝手のよいサイト構造やスムーズな導線。そしてストレスのない入力フォームの実現が、ユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョンへとつなげる第一歩となります。
CVR改善は一度で完了する施策ではなく、市場やユーザーの変化に合わせて継続的に取り組むべき重要なプロセスです。小さな改善を積み重ねて、売上アップという大きな目標を達成しましょう。