Google広告は膨大な数のコンテンツに広告を配信できる点が魅力ですが、コンテンツが多すぎて掲載面をどのように選べばよいかわからない広告主も多いでしょう。不特定多数のターゲットユーザーに情報を届けるときに有効なのが、Google広告のコンテンツターゲットです。この記事では、コンテンツターゲットの上手な使い方を解説していきます。
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目次
Google広告のコンテンツターゲットとは?
Google広告のコンテンツターゲットとは、WEBサイトや動画、アプリのコンテンツから、広告を表示させるスペースを選ぶ方法です。「オーディエンスターゲティング」が「誰に対して広告を出すか」を重視するのに対して、コンテンツターゲットは「どのコンテンツに広告を出すか」を選択します。
Google広告を配信できるWEBサイト、動画、アプリはディスプレイネットワーク(GDN)と呼ばれ、その数は200万以上と膨大です。コンテンツターゲットでは、キーワードを設定して、配信するコンテンツを絞ります。トピックとはカテゴリのこと、プレースメントとはWEBサイト、動画、アプリなどのコンテンツの種類のことです。
例えば、動物由来の原材料を使用しない「プラントベース食品」に関連したコンテンツに広告を表示させたい場合、トピックは「健康」「フード、ドリンク」などを選ぶとよいでしょう。キーワードを「プラントベース食品」と指定すると「プラントベース食品」を含むコンテンツに広告を表示させることが可能です。「プラントベースの定義の解説」「プラントベース商品を開発する企業」「プラントベース食品を用いたレシピ動画」「プラントベースとSDGsの関わり」「プラントベースレストラン検索アプリ」など、さまざまなコンテンツが対象になります。
Google広告はGDNの利用により世界中のインターネットユーザーの90%以上に向けて配信できるとされています。一方で、より多くのコンバージョンを獲得するためには、広告の効果が見込めるコンテンツに絞る作業が重要です。Google広告のコンテンツターゲットを活用すれば、キーワードに基づいて関連するコンテンツに広告を表示させることができるため、1つ1つのコンテンツを手動で確認して広告の配信面を決めるよりも効率的です。
Google広告のコンテンツターゲットのメリット
Google広告のコンテンツターゲットには、ターゲットユーザーに多くのコンテンツから訴求できる点や、コストパフォーマンスがよい点、多岐にわたるジャンルの出稿が可能な点など、多くの広告主に当てはまるメリットがあります。
ターゲットユーザーが見そうなコンテンツに広告を配信できる
コンテンツターゲットを利用すると、ターゲットユーザーが閲覧しそうなコンテンツに絞って広告を配信できます。GDNは200万以上もあるため、広告の内容にマッチしたコンテンツを手動で1つ1つ探すのは現実的ではありません。コンテンツターゲットでトピックやキーワードを設定すれば、情報に基づいてGoogle広告側がコンテンツを絞るため、最小限の手間で広告に興味を持ちそうなターゲットに対して効率的に広告を配信可能です。例えば、ラーメン店の広告を配信するときに、「豚骨ラーメン」をキーワードとして設定すれば、ラーメン店を紹介する動画や、グルメサイト、レストラン検索アプリなど「豚骨ラーメン」と関連があるコンテンツに広告を配信できます。
クリック単価が低くなる可能性がある
コンテンツターゲットは、クリック単価を低く抑えられる可能性が高く、コストパフォーマンスのよい手法です。クリック単価は競合他社とのオークションによって決まるため、価格が高くなるか低くなるかは、競合他社の入札単価、競合数、広告在庫数、広告枠の人気などが関係します。コンテンツターゲットでは膨大な数のGDNに広告を配信できるため、広告在庫数が多いです。競合数が多くても広告在庫数が多ければクリック単価は下がる傾向にあります。広告在庫数が多いので入札競争も避けやすく、クリック単価が低くなります。
他のターゲティングでは配信できない商材も訴求できることもある
Google広告は、すべてのコンテンツで、すべての商材に関する広告を制限なく配信しているわけではありません。ユーザーの属性や行動履歴に基づいて配信する「パーソナライズド広告」では、法律上の制限やアイデンティティ、性的な関心などプライバシーに関係するデリケートな内容の広告を配信できないようになっています。一方で、コンテンツターゲットは、ユーザーの属性とは関係なく、配信面を対象として配信するため、パーソナライズド広告に配信できない広告も掲載が可能です。
WEBサイトを閲覧していると、過去の検索履歴やサイトの訪問履歴に基づいた広告が表示されることがあります。これがパーソナライズド広告です。ユーザーの興味や関心に基づいた広告を表示できるため、クリック数やコンバージョン数の向上が期待できますが、表示できる広告はコンテンツポリシーで厳しく制限されています。パーソナライズド広告ではアルコール、健康問題、債務、離婚、性的指向、政治的思想、人種、信仰、求人、住居などに関する商材の出稿ができません。コンテンツターゲットは不特定多数に対して広告を表示させるため、こうした制限は設けられておらず、パーソナライズド広告で配信できない商材の訴求が可能です。
コンテンツターゲットのデメリット
コンテンツターゲットは、一般的に工数を減らすことができ、クリック単価も低く抑えることができますが、媒体によって自動設定されるがゆえのデメリットもあります。ここでは、コンテンツターゲットを利用するときに注意したいデメリットを紹介します。
意図していない配信面に広告配信されることがある
コンテンツターゲットは、キーワードに基づいてターゲットユーザーが好むコンテンツを高精度で見つけ出し、広告を配信します。広告主はキーワードを設定するだけで良く、コンテンツの選定は媒体側が自動でおこなってくれる点が大きなメリットですが、まれに、広告の意図と合わない配信面に広告が表示されることがあります。手動で1つ1つのコンテンツを確認しているわけではないため、こうした可能性は否定できません。また、コンテンツターゲットは特定の人ではなく、配信面を訪れる不特定多数のユーザーを対象とするため、広告にまったく興味がない人がクリックすることもよくあります。こうしたクリックはコンバージョンにつながりにくいため、広告主からみると意図と異なる配信に思えるでしょう。
意図しない配信によるダメージを少しでも避けるために、さまざまな事態を想定し、「アダルトコンテンツを除外する」「動画に配信されないようにする」などコンテンツの除外設定をして対応しましょう。また、最初は低価格で入札を始めて、意図しない配信に広告費を割かないような工夫も必要です。広告を配信後も定期的に配信先を確認し、適切な配信面に表示されているかを精査しましょう。
キーワードによって配信料が大きく異なる
Google広告のクリック単価はオークションによって決まるため、注目度の高いキーワードは配信料が高く、不人気のキーワードは配信料が低いです。コンテンツターゲットの特徴に、クリック単価を低く抑えられることが挙げられますが、キーワードによって配信料には差があります。
また、コンテンツターゲットでは、設定したキーワードに関するコンテンツの注目度が上がると配信量が一気に増えるので、意図しないタイミングで急に配信量が増え、付随して配信料が増えることがあるので注意が必要です。例えば、オリンピックで日本人が金メダルを取ったあとは、その種目で使う用具や、スクールが急に注目され、関連するコンテンツへのアクセスが一気に増えます。時事問題に関連したキーワードは、こうした理由で配信料が高くなる可能性があります。
コンテンツターゲットの設定方法
商品の販促を目的にGoogle広告に出稿し、コンテンツターゲットをおこなう際の具体的な設定方法を説明します。広告管理画面とGoogle広告エディターの2つの方法で設定可能です。
Google広告の広告管理画面での設定方法
Google広告管理画面から新規キャンペーンの作成をおこないます。キャンペーンの目的は「販売」、GDNを利用してコンテンツターゲットをおこなうのでキャンペーンタイプは「ディスプレイ」、サブタイプは「標準のディスプレイキャンペーン」に設定します。
キャンペーン名を記入し、地域と言語を選択。重視している要素は「クリック数」、入札単価は「手動で設定」、支払い対象は「クリック数」にし、1日あたりの平均予算を入力します。
続いてキーワードの設定に進みます。希望するキーワードを記入し、「コンテンツターゲティングのみ、これらのキーワードに関連するWEBページ、アプリ、動画のみに広告を表示する」にチェック。
ターゲティングを「自動化しない」にして、上限クリック単価を入力しましょう。上限クリック単価は入札価格のことで、この金額を超えて請求されることはありません。最後に「新しい広告の作成」をおこないます。
Google広告エディターでの設定方法
Google広告エディターから新規キャンペーンの作成をおこないます。まず、キャンペーンを選択して追加。「選択したキャンペーンの編集」から、キャンペーン名、平均1日あたりの予算を設定し、単価設定で「個別クリック単価」を選択します。
キャンペーンタイプは「ディスプレイ」にし、言語と地域を選びます。次に、広告グループを選択して追加。「選択した広告グループの編集」から、広告グループ名、上限クリック単価を設定します。入札方法を「キーワード」にし、ターゲットの拡張を無効にします。
ターゲットの拡張を自動化すると、より多くのターゲットユーザーに広告が配信されるようになる一方で、意図しない配信が増える可能性があります。ターゲットの拡張の自動化は、新規顧客を開拓するときなど、積極的にリーチを拡大したいときに使うとよいでしょう。続いてキーワードを選択して追加。キーワードと、各キーワードの上限クリック単価を設定します。
最後にレスポンシブディスプレイを選択して追加。広告見出し、説明文、画像、URLを記入します。
コンテンツターゲットの使い方のポイント
コンテンツターゲットを効果的に使うためには、ターゲットユーザー像を具体的にイメージし、定期的に掲載面をチェックして、ユーザー像とかけ離れた広告配信がおこなわれていないか、確認することが大切です。ここでは、コンテンツターゲットの使い方と、コンバージョンを高めるために押さえておきたいポイントを紹介します。
キーワード設定のポイント
コンテンツターゲットに適しているのは検索ボリュームの大きいキーワードです。コンテンツターゲットではキーワードに関連したコンテンツに広告が配信されます。検索ボリュームが大きいということは、関連する配信先が多いということです。
例えば、検索ボリュームの少ないキーワードを設定してしまうと、関連するコンテンツが少ないため十分な量の広告配信ができません。ターゲットユーザーの目に留まる機会自体が少なく、広告の効果を発揮できないでしょう。こうした点で、キーワードは検索ボリュームの大きなビッグワードを選ぶことが推奨されます。このほかに、ターゲットユーザーが多く閲覧するサイトを狙って広告を配信することも求められます。ターゲットユーザーの人物像や生活を具体的に想定すると、ユーザーが好むサイトが見えてくるため、多面的なキーワード選定が可能です。
1.商品のジャンルから選ぶ
コンテンツターゲットでは、キーワードとトピックを指定できます。トピックとはカテゴリ、ジャンルのことで、Google広告では大分類として「アート、エンターテインメント」「スポーツ」「ビジネス、産業」「ペット、動物」「仕事、教育」「美容、フィットネス」など多くの種類があります。
大分類のなかにはサブトピックがあり、商材に合うトピックを細かく指定が可能です。トピックを自分で作成することはできませんが、Google広告が豊富なトピックを用意しているので関連性の高いカテゴリを見つけることができるでしょう。トピックを指定すると、トピックに関連するコンテンツに広告を配信できるようになるので、より多くの掲載面に広告が表示されるようになります。
2.ターゲットユーザーのニーズを考える
ターゲットユーザーのニーズとキーワードが近ければ近いほど、コンテンツターゲットの効果が高まります。コンテンツターゲットではキーワードに関連したサイトに広告が配信されるからです。ターゲットユーザーがどのような情報を欲しているかを考えるために、ユーザーの具体的な属性を想定するとよいでしょう。
例えば、エステの広告を配信すると仮定します。ターゲットとするユーザーは20代~30代の女性です。さらに深く想像すると「薄着をする夏を前にエステでダイエットをしたい」「結婚式に向けてエステに行きたい」「婚活のために自分磨きをしたい」「自分へのご褒美にエステに行く予定」といったユーザーのニーズが浮かび上がります。ユーザーはダイエット、結婚式、婚活、自分磨きのサイトに興味があると考えることができ、関連したキーワードを導き出すことが可能です。
3.ターゲットユーザーが見そうなサイトから選ぶ
キーワードを設定する際は、商材と関連の高いワードを考えるだけでなく、ターゲットユーザーが閲覧しそうなサイトがどのようなものかを想定し、そのサイトに配信されるようなキーワードを選ぶことが大切です。ユーザーがサイトを検索して閲覧している理由を考えるとキーワードを適切に設定できます。
前述したエステの広告を例に考えると、ターゲットユーザーが閲覧する可能性が高いのはダイエット、結婚式、婚活、自分磨きのサイトだと想像できます。エステで受けられる具体的なメニューや、エステサロンにおこなった体験談、ブライダルエステを始める時期などを検索すると考えられるでしょう。人物像から導き出したサイトを実際に閲覧し、キーワード設定の参考にできます。
効果的な使い方
コンテンツターゲットは他のターゲティング広告との組み合わせや、定期的な掲載面の見直し、キーワード選定の方法で、より効果的に使うことができます。具体的な使い方を紹介していきます。
1.他のターゲティングのキャンペーンと組み合わせて使う
コンテンツターゲットはリターゲティング広告など他のターゲティング広告と組み合わせることで相乗効果を生みます。リターゲティング広告とは、1度サイトを訪問したユーザーを追跡し、サイトから離脱したあともユーザーが閲覧するサイトに広告を表示する方法です。
コンテンツターゲットのデメリットとして、コンバージョンに結び付かないユーザーが広告をクリックしてしまうことが挙げられますが、こうしたユーザーは、商材には興味がなくてもキーワード自体には関心を持っている潜在層といえます。コンテンツターゲットとリターゲティング広告を組み合わせると、コンテンツターゲット広告をクリックした潜在層をリターゲティング広告で追跡でき、潜在層をターゲットユーザーへと育成が可能です。
2.掲載面を精査する
コンテンツターゲットでは、個別にコンテンツを除外したり、入札単価を選択したりきます。新規キャンペーンを作成する際にもこうした設定はできますが、広告を配信したあとのほうが問題点を念頭に置いて調整が可能です。広告を配信して安心するのではなく、むしろそのあとが大切だと心得て、掲載面を定期的に確認し、広告管理画面からキーワードの見直しやコンテンツの除外をすることが大切です。
例えば、エステサロンの広告の配信先が「英語でエステという言葉は通じる?」といった言葉の意味や英語訳を説明するサイトだった場合、ユーザーはエステサロンを探すためにサイトを閲覧しているわけではないため、コンバージョンは見込めないでしょう。このように、コンバージョンが発生していない掲載面やキーワードと関連の低い掲載面は削除、CPA(顧客獲得単価)が高すぎる掲載面は入札単価の見直しなどをおこない、最適化していきます。
3.リスティング広告のキーワードとは分ける
リスティング広告は検索したキーワードに連動して表示される広告です。リスティング広告が情報を検索しているユーザーに表示される能動的な広告なのに対して、コンテンツターゲットはサイトを見ているときに目に入る受動的な広告という違いがあります。
リスティング広告のキーワードは検索されやすいものを選ぶ必要がありますが、コンテンツターゲットのキーワードは、ターゲットユーザーが閲覧するサイトに掲載されるものでなければなりません。キーワードそのものを設定するよりは、適切なコンテンツに配信されるためのキーワード選びです。リスティング広告とコンテンツターゲットのキーワードは役割が異なります。併用している場合、キーワードは流用せず、それぞれに適したものを設定しましょう。
ユーザーの行動を意識してコンテンツターゲットで潜在層を取り込もう!
コンテンツターゲットは、閲覧しているサイトに関連した広告が表示されるもので、商材をピンポイントで探していなくても広告の内容に関心がある潜在層を取り込むのに適しています。
コンテンツターゲットでキーワードを選定する際には、ユーザーの人物像を具体的に想定し、ユーザーがとる行動や閲覧するサイトを理解しておくことが大切です。