TikTokは全世界で10億人超のユーザー数を誇る巨大SNSです。日本でのユーザー数は約1,700万人。10代、20代の若年層から広まりを見せ、今では幅広い年齢層が閲覧していますね。
そんなTikTokに広告の出稿を検討している方向けに、種類ごとにかかる費用や出稿手順まで解説していきます。
※関連記事:【初心者向け】TikTok広告の出し方!アカウント作成、広告の活用ポイントも解説
TikTok広告の種類と費用
まずはTikTok広告の種類と費用をチェックしましょう。TikTok広告は大きく分けて「起動画面広告」、「インフィード広告」、「ハッシュタグチャレンジ」、「運用型広告」の4つに分類できます。それぞれの特徴と費用を以下にまとめました。
起動画面広告
TikTokを起動した際に必ず表示される広告です。全画面表示で60秒の広告枠。TikTok広告のなかで最もインプレッション数が獲得できるプロモーションですが、1日あたり1社限定の広告枠となっており、掲出までのハードルが非常に高いものでもあります。
費用は500〜600万円。アプリ起動時に必ずユーザーが目にするため、大きな効果は期待できます。費用対効果をしっかりと検討したうえで出稿するようにしましょう。
インフィード広告
ユーザーに違和感なく広告を配信させたいのであればインフィード広告がおすすめです。インフィード広告は投稿欄の「おすすめ」に配信。他ユーザーの投稿と同じ形式で配信されるので、「閲覧者を楽しませる動画」を意識して出稿するのがベターです。「いいね」や「コメント」機能も付帯されるので、ユーザーの反応も見ることができます。
費用は3パターン。「TopView」は起動後の最初の動画として配信されるもので、625万円です。「OneDayMax」はおすすめ欄の4番目に表示されるもので、300万円。「BrandPremium」はおすすめ欄の80番目以内に表示されるもので、こちらは42万円に設定されています。
ハッシュタグチャレンジ
いわゆる「バズり」、「TikTok売れ」を狙うのであればハッシュタグチャレンジを検討してみてはいかがでしょうか。最大の特徴はユーザー参加型のプロモーションであるということ。広告主が#(ハッシュタグ)でテーマを設定し、ユーザーに動画を投稿してもらう手法です。コスメや飲料などの親和性が高いプロモーションですが、工夫次第ではどのような業種も爆発的な効果を得られる可能性を秘めています。
費用は4パターンです。「ベーシックチャレンジ」はおすすめ欄に3日間配信され、1,000万円となっています。「スタンダードチャレンジ」はバナーとおすすめ欄に6日間配信されます。こちらは1,500万円。「ハッシュタグチャレンジプラス」はバナーとおすすめ欄に5日間表示され、2日間はバナーの1番目に配信されるプランです。「バトルハッシュタグチャレンジ」は2つのハッシュタグをバナーとおすすめ欄に3日間配信するもので、2,000万円となっています。
運用型広告
他SNS広告のような運用型広告のプランも用意しています。こちらは課金形態やターゲティングなどの詳細を広告運用者が設定できます。「クリック課金型」、「インプレッション課金型」、「再生課金型」から目標や金額を設定できるため、自社に適したプランでプロモーションを進めることができます。
TikTok広告の課金形態
TikTok広告の課金形態は運用型広告における3つと、起動画面広告などで設定されている期間契約型にわかれます。それぞれを詳しく確認していきましょう。
クリック課金型
ユーザーがクリックするごとに課金される仕組みです。一般的には広告に興味のあるユーザーのみがクリックをするので、効率のよい課金形態といえるでしょう。クリック課金型のコスト相場は1クリックあたり30円〜100円となっています。例えば相場価格が50円で1,000クリックされた場合、50,000円の費用が発生します。
インプレッション課金型
ユーザーに表示されるごとに課金されるのがインプレッション課金型です。こちらはユーザーの広告への興味関心に関係なく表示されるため、コスト相場が非常に安価になっているという特徴があります。1インプレッションあたり0.1円〜1円とされているため、相場が1円で10,000回表示されても費用は10,000円となります。新商品のプロモーションなど、広く認知拡大を狙いたいときに有効な手段です。
再生課金型
動画広告特有の課金形態が再生課金型です。ユーザーが一定時間広告を再生した時点でコストが発生します。動画に興味を持たなかったユーザーはスキップするため、興味を持ったユーザーにのみ課金できる仕組みになっています。コスト相場は1再生あたり50円〜60円程度。相場60円と仮定して1,000回再生されると60,000円です。自社サービスに興味を持ったユーザーに60,000円で1,000回動画広告を届けられると考えると、費用対効果は高いといえるのではないでしょうか。
期間契約型
起動画面広告、インフィード広告、ハッシュタグチャレンジのように配信期間が決まっているプランは期間契約型という課金形態になります。大きな反響が見込める反面、高いコストがネックになるでしょう。一方、運用型広告は自由度が高くコストも抑えられますが、適切なプロモーションをしていくにはテクニックと経験が必要になります。
TikTok広告を出すための手順
続いてTikTok広告を出すための手順をご紹介いたします。TikTokアカウントを保持していなくても、広告アカウントさえ作成すれば運用が可能です。
はじめにTikTok For Businessにアクセス
まずは公式サイト「TikTok For Business」にアクセスしましょう。アカウント開設のためにメールアドレス、パスワードを入力します。
1.アカウント登録
「コードを送信」をクリックすると、登録したメールアドレスに認証コードが通知されるので、そちらを認証コード欄に入れて登録に進みます。
2.アカウント情報の入力
「広告アカウントを作成」ページでは国/地域や業界を入力します。
3.会社情報・住所・支払い方法の選択
続いて会社名を入力、アカウントのタイムゾーンを選択します。電話番号とアカウントの通過を設定すればアカウント登録は完了です。支払い方法の選択は自動決済(あと払い)と手動決済(前払い)の2つ。いずれかを選択してください。
4.モードの選択
次に「広告マネージャーモード」の設定です。こちらは「簡易モード」と「カスタムモード」のどちらかを選びます。簡易モードはキャンペーンの作成や管理がしやすい簡易的なUIとなっており、カスタムモードは企業のプロモーション戦略に合わせてカスタムできる仕様となっています。あとから切り替えることもできるので、SNS広告運用初心者であれば簡易モードを選んでおきましょう。
5.目標の設定
広告マネージャーでは、まず①に「目標を設定する」があります。簡易モードの場合「コミュニティインタラクション(ページのフォロー数とプロフィール訪問数増加)」、「ウェブサイトへの訪問者の獲得(ウェブサイトのターゲットページに誘導)」、「顧客リードの生成(問い合わせ件数の増強)」の3つから選ぶことができます。
6.オーディエンスの設定
②は「オーディエンスを選択する」です。こちらは「カスタムオーディエンス」と「自動オーディエンス」の2つより選択。カスタムオーディエンスは「デモグラフィック」と「興味&行動ターゲティング」もそれぞれ設定します。自動オーディエンスは詳細の設定が不要なので、まずはこちらで任せてみるのもよいでしょう。
オーディエンスの設定では下部に「どこに広告を表示させたいですか?」という問いがあるので「TikTok」、「Pangle」、「キュレーションAPP」から選びましょう。こちらは複数選択が可能です。
7.予算・スケジュールの決定
③は「予算を設定する」となっています。日予算か通算予算を選び、任意の予算を入力しましょう。「広告キャンペーンのスケジュールを設定する」に進み、日付を設定すれば③は完了します。
8.広告の作成
最後に④の「広告を作成する」です。「TikTokアカウントで投稿」と「TikTok広告マネージャーアカウントで投稿」があります。TikTokアカウントを作成していなければマネージャーアカウントで問題なく作成できます。そのまま動画をアップロードしましょう。
9.広告情報の入力
広告情報の入力は「ピクセルとイベントの設定」、「広告クリエイティブの設定」、「広告審査」の3つの手順を進めると完了です。アルコールやタバコ、ギャンブル、アダルト商品、政治的コンテンツなどは審査に通らないので注意しましょう。
10.支払い金額の決定
「お支払方法を設定する」をクリックすると広告マネージャーに遷移するので、そこで支払い金額の決定をおこないます。
11.支払い方法の選択
「お支払方法を追加」でクレジットカード、もしくはデビットカードかペイパルを選択できます。いずれかを選んで送信します。次いでカード情報を入力し認証されたら設定完了となります。
12.配信開始
広告の「公開」をクリックすれば審査が開始。広告審査は1日程度です。審査が終了すれば設定した条件で広告が配信されるようになります。
TikTok広告で費用対効果を出すポイント
先述のとおり、TikTok広告は非常に高額です。さらに動画広告の制作にもコストもかかります。費用対効果を見込まないと、プロモーション費が無駄になってしまいます。それでは、TikTok広告で費用対効果を出すポイントを以下に挙げましたので、チェックしていきましょう。
運用型広告を利用する
まずは高額な期間契約型ではなく、運用型広告からスタートさせるのがおすすめです。運用型広告は運用者自身が設定しなければならない手間があります。しかし、きめ細かに費用やターゲットを調整できるので、続けていけば最適化されたプロモーションが期待できます。
コンバージョンに近いユーザーをターゲットにする
運用型広告を進めていくにあたり、重要になってくるのは「コンバージョン」です。いくらインプレッションや動画再生回数が多くても「自社サイトに誘導できない」、「問い合わせや申し込みフォームまでたどり着かない」のでは意味がありません。運用型広告を続けることで、どのようなユーザーがコンバージョンしたかわかるようになってきます。成功例を蓄積し、コンバージョンに近いユーザーに多くの広告とコストを投下していくことが、最も効率のよい戦略です。
PDCAを回す
つまり、運用型広告に置いてPDCAを回すのは必須です。まずはTikTok広告で訴求する自社サービスの分析。ユーザーが求めているものなのか、どのような年齢層に刺さるのかなどを検討しましょう。広告配信後はクリック率も要チェック。クリック率が想定目標を下回るのであれば、なぜクリックされないのかを検証します。タイトル、サムネイル、動画の最初の数秒などを変えていくことで結果が変わるかもしれません。
広告代理店に依頼するのもおすすめ
運用型広告の最適化は豊富な知識や経験が必要です。すぐに結果が出る可能性は低いでしょう。トライ&エラーを繰り返して自社で進めていくのもよいですが、プロに任せるという判断もすべきです。SNSの広告運用に強い代理店に依頼し、一緒に学んでいくことが最も効率のよい進め方であるともいえます。
まとめ
TikTok広告は各SNSプロモーションのなかでも費用が嵩みますが、それだけ効果が見込めるということでもあります。広告運用者自身がしっかり特性を理解したうえで、プロフェッショナルである広告代理店と進めていくと、無駄のない運用体制が構築できると思います。