リスティング広告では「完全一致・フレーズ一致・インテント マッチ」の3つのマッチタイプが使われています。それぞれに特性があり、どれを使うかによって、広告の効果も異なってきます。
この記事では「完全一致・フレーズ一致・インテント マッチ」の3つのマッチタイプについて、それぞれの特徴や有効的な使い方などを解説します。
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目次
リスティング広告のマッチタイプとは
リスティング広告におけるマッチタイプとは、広告を表示する検索語句の範囲を設定します。リスティング広告は、ユーザーがGoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンで入力した語句に連動して、検索結果に表示されるテキスト形式のWEB広告です。
そのためリスティング広告では、どのような語句で自社の商品やサービスを検索するかを予測して、キーワードを設定する必要があります。しかし、リスティング広告は効果的なキーワードを登録しただけでは、訴求対象となるユーザーに広告が表示されるとは限りません。ニッチなキーワードだと、訴求対象となるユーザーに広告表示されず販売機会を失ったり、汎用的なキーワードだと訴求対象でないユーザーに広告が表示されて無駄な広告費が発生してしまう可能性があるためです。
そこで、登録したキーワードとユーザーの検索語句が、どの程度一致すれば広告を表示させるのかを指定するために、「マッチタイプ」を設定する必要があるというわけです。リスティング広告で登録したキーワード毎に適切なマッチタイプを指定することで、訴求対象のユーザーに対して確実に広告を表示させることができます。
主にリスティング広告では完全一致、フレーズ一致に加えて、インテント マッチの3つがリスティング広告のマッチタイプです。このうち、検索語句に登録キーワードと同様の意味や意図を含む場合は完全一致として広告が配信されます。フレーズ一致はそれに対して、検索語句が登録キーワードの意味を持っている場合に配信されるようになっています。そしてインテント マッチですが、登録キーワードに関連している検索語句なら、広告配信します。
これらのマッチタイプ3つを使い分け、配信をおこなうことで、広告費に合致した効果が見られるようになります。同じキーワードでも、完全一致の場合は広告配信の可能性が低く、インテント マッチが高くなります。もしも顧客をある程度絞り込んで配信する場合は、効率の面から完全一致にメリットがあります。一方で、不特定多数の顧客に配信するのなら、インテント マッチのほうが効率面で有利です。
混同されがちなのが、インテント マッチとフレーズ一致ですが、違いは応用性の高さ。インテント マッチの場合は、登録キーワードの類義語、関連語でも配信できます。
リスティング広告のマッチタイプは3種類
リスティング広告の登録キーワードに対して設定できるマッチタイプは3種類あります。
マッチタイプの種類 | 表示範囲 |
完全一致 | 登録したキーワードとユーザーの検索語句が完全に一致する、類似パターンに該当するときにのみ広告を表示させる |
フレーズ一致 | 登録したキーワードを含んだ語句でユーザーが検索した場合に広告を表示させる |
インデント マッチ(部分一致)※ | 登録したキーワードだけでなく関連する検索語句でユーザーが検索した場合にも広告を表示させる |
※2024年7月より部分一致の名称は「インデント マッチ」に変更されました。
それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
リスティング広告の完全一致とは
完全一致では、検索キーワードと検索語句が完全に一致しないと広告が配信されません。言い換えると、広告表示の対象を一番、絞り込み可能なマッチタイプ。その反面、応用力は低く、インテント マッチやフレーズ一致に劣ります。さらに表記揺れや語句入れ替え、誤字脱字でも完全一致します。
例えば、検索キーワードを「自転車 チタン」とした場合、マッチする検索語句は「自転車 チタン」、「チタン 自転車」、「チタンの自転車」、「チタン製 自転車」となります。反対にマッチしないのは「自転車 チタン 安い」、「自転車 チタン 通販」などです。
検索語句については、以下の記事をご覧ください。
完全一致のメリット
完全一致のメリットは「広告配信がピンポイントで可能」、「費用面のコントロールがやさしい」、「専用広告文を個別に設定可能」の3つ。それぞれを解説します。
広告配信がピンポイントで可能
他のマッチタイプと比較して、拡張性が低いのがマッチタイプの特徴です。配信条件は、設定キーワードと検索語句の完全一致。意図したユーザーにピンポイントな広告表示ができます。配信の際には、高い成果を出している検索語句に絞って広告表示させることもできるため、コンバージョンを獲得しやすいメリットもあります。
費用面のコントロールがやさしい
完全一致は関連性が薄い検索語句が弾かれますから、意図していない検索でのクリックが減らせ、予算の削減につながります。例えば、インテント マッチはマッチタイプの拡張性が高いため、想定していない検索語句でも広告配信されることがあります。つまり自社にそれほど興味がないユーザーのクリックが増えることになり、予算を浪費することがあります。拡張性が低い完全一致なら、不要な検索語句は弾けますので、無駄なクリックがはじけて、結果として費用のコントロールがしやすくなります。予算が限られている場合などに完全一致は適しているといえます。
専用広告文を個別に設定可能
完全一致にマッチタイプを設定するとき、広告文は検索キーワードに合致したものを設定できるます。その結果、実際に検索される語句と広告文に関連性が強まることになり、クリック率が改善される可能性があります。広告文とそれを検索するキーワードに乖離があると、表示広告がクリックされない、品質スコアの低下を招くことがあるので注意しましょう。しかし、検索キーワードが多数の場合は「広告カスタマイザ」を使うと便利です。Google広告で検索キーワードに応じて広告文調整が可能な機能です。
完全一致のデメリット
完全一致にはデメリットもあります。「拡張性の低さ」、「機会損失を招く可能性が高い」、「新たなキーワードの発掘が難しい」の3つです。
拡張性の低さ
完全一致はフレーズ一致やインテント マッチに比べて拡張性が低いマッチタイプです。意図と異なる検索語句によるクリックを防げるメリットはありますが、関連性の高い検索語句を用いた場合もフレーズが違えば広告配信されません。例えば、検索キーワードが「レディース 靴」である場合は「レディース ファッション」や「レディース アパレル」では配信されなません。拡張配信されないため、コストの無駄を防ぐ効果は期待できるでしょう。
とはいえ、他の検索語句がコンバージョンにつながりやすかったとしても、登録されていなければ配信されないため、チャンスロスが生じます。拡張性が低いとはいえ、言い換えや表記の揺れ、誤字は許容範囲で広告配信が可能です。
機会損失を招く可能性が高い
上記でも触れましたが、完全一致は配信範囲が狭いので、フレーズが異なると、関連度の高い検索語句だったとしても配信されません。つまり、チャンスロスが起こってしまいます。フレーズ一致であれば、キーワードに検索語句が含まれていれば、異なる語句が含まれるワードであっても広告配信が可能です。インテント マッチでも関連性の高い検索語句なら広告配信が可能です。完全一致にしてしまうと、他のマッチタイプなら取れたかもしれないコンバージョンを失うことが考えられます。フレーズ一致、インテント マッチも並行するのがおすすめです。
新たなキーワードの発掘が難しい
拡張性が高いインテント マッチやフレーズ一致は、登録キーワードとは多少異なる語句が検索語句に含まれていても広告配信が可能です。新たな検索語句で広告配信された実績を確認すれば、運用者が想定外の検索語句から、よりパフォーマンスに優れた検索語句が見つかることがあります。
そうして見つけた検索語句から新たな発見があって、そこから新キーワードの発掘やクリエイティブに活きることも考えられます。しかし、完全一致のキーワードの登録割合が増えるほど、そのようなことが発生する確率が少なくなります。
完全一致の有効的な使い方
3つのマッチタイプのなかでも拡張性が低い完全一致は、どんなときに使えばよいかわからない場合も多いと思います。完全一致が推奨される場合は指名検索、キーワードとしてコンバージョンをした検索語句として追加する場合、低予算、サジェストキーワードとの関連性の低さ、ビッグワードで出稿する場合の5つのシチュエーションが挙げられます。
指名検索した人に広告配信したい場合
ピンポイントで指名検索した人に広告配信したい場合は完全一致がおすすめです。サービス名や企業名などの固有名詞で検索するのが指名検索です。これをおこなうユーザーは、より関心を持っていると予測できますので、完全一致にすることでクリック率を向上させたいところです。広告オプションや個別広告文の設定もできますので、指名検索用の広告グループを作成し、広告オプションや個別広告文を設定して、指名検索する人への対応をするのもおすすめです。
キーワードとしてコンバージョンをした検索語句として追加する場合
訴求層にピンポイントで誘導できるのが完全一致の最大の利点です。訴求層の設定にはさまざまな方法がありますが、検索語句のなかでも複数のコンバージョンが獲得できているものを活用する方法があります。他の広告において、コンバージョンを複数獲得している検索語句なら、キーワードを完全一致に設定することで、同じような検索語句でアプローチしたユーザーに漏れなく広告配信できるようになります。
低予算で広告配信をする場合
完全一致の利用で、配信範囲が商品やサービスに関係しない部分に広がることを防げます。それによって無駄なクリックを減らせますので、低予算で広告配信する場合は向いています。
サジェストキーワードと関連性が低い場合
検索エンジンにワードを入れるとサジェストが表示されます。そのサジェストに広告と関連性が低いキーワードが多いと、検索されるのもそのサジェストである可能性が増えます。そうすると広告に関心が低いユーザーにも表示されることになるので、余計な広告費がかかる恐れがあります。サジェストと広告の関連性が低い場合は、完全一致が望ましいといえるでしょう。コンバージョン率を高くしたい場合は、その語句で実験的に検索し、サジェストをあらかじめチェックしておきましょう。
ビッグワードで出稿する場合
配信範囲が広がりすぎる可能性がある可能性として、ビッグワード1語だけで広告出稿する場合が考えられます。「SEO」というビッグワードで広告出稿したとしましょう。その場合はフレーズ一致、インテント マッチの適用でサジェストを含めて配信範囲が相当広がります。そんなときも完全一致で運用し、配信範囲を絞り込みましょう。
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リスティング広告のフレーズ一致とは
マッチタイプの一種にフレーズ一致があります。フレーズ一致でキーワード設定した語句が検索された時に広告が表示される仕組みです。これは広告表示の対象を絞り込めるため、上手に活用すれば、運用コストを抑制できますし、ユーザーのクリック率も高くなる可能性があります。
フレーズ一致のメリット
フレーズ一致の最大のメリットは、無駄な広告費を削減できる点でしょう。
これは、キーワードを設定することで、あまり関係のない(広告を出しても興味を持たない)ユーザーに広告を表示する必要がないためです。アプローチしたいユーザーが絞られている場合などは、特にこの点はメリットでしょう。また、フレーズ一致で設定するキーワードは、検索結果と一致した場合に広告が表示されるため、広告がクリックされる確率が高くなることが期待できます。
フレーズ一致のデメリット
フレーズ一致のデメリットとしては、広告表示回数が減少してしまうことでしょう。その理由は表示条件の設定が細かいため、どうしても表示回数が少なくなり、コンバージョンの回数も減ってしまうのです。見込み客の獲得が困難なこともデメリットです。検索結果が一致しないと広告表示されないためです。
フレーズ一致の有効的な使い方
それでは、フレーズ一致はどんな場面で使うと効果的なのでしょうか。まず、自社の商品やサービスへ興味を持っている人にアプローチするのには適しています。広告はその商品などに関心を持っている人たちに向けて発信されるので、広告のクリック率も向上することが予測されるでしょう。
フレーズ一致では、自社の商品やサービスへの興味が弱い人たちへの表示はされません。意味のない広告表示を減少させることが可能です。予算によっては、表示可能な回数に制限が設けられるパターンもあります。表示回数を減らすことは、有効です。
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リスティング広告のインテント マッチ(旧:部分一致)とは
インテント マッチの大きな特徴はリーチ範囲の広さでしょう。ユーザーが多く使う検索語句を拾うように設定されています。
例えば、「居酒屋 渋谷」というキーワードをインテント マッチで登録したとしましょう。この場合、ユーザーは「居酒屋 渋谷」以外に「渋谷 居酒屋」、「居酒屋 渋谷 安い」、「居酒屋 東京」、「飲み屋 渋谷」、「日本酒 渋谷」などでも広告が配信される可能性があります。ただし「居酒屋」や「渋谷」とはまったく関係ないキーワード「スイーツ 渋谷」や「居酒屋 名古屋」では配信されません。
インテント マッチは、上記のように登録キーワードとの関連性を判断して広告を配信します。
インテント マッチのメリット
インテント マッチのメリットは「コンバージョンを見込める新しいキーワードが見つかる」、「登録キーワードのを管理するのがシンプル」、「入札において多くのシグナルを加味できる」の3点が挙げられます。
そのなかでも、「コンバージョンを見込める新しいキーワードが見つかる」これがインテント マッチの最大のメリットといえます。キーワードの拡張性が高いのがインテント マッチ。そのため、普通なら予測できないようなキーワードも発見できます。広告出稿する際、広告の担当者はユーザーの検索意図を考えてキーワードを選定します。とはいえ、実際にユーザーはいろいろな語句で検索するため、広告担当者の想像を超える検索語句が存在します。
インテント マッチを設定すれば、ユーザーの想定外のニーズも拾うことができます。事前に設定済みの登録キーワードとの関連性が高い検索クエリを選んで広告表示がなされます。広告管理画面では「この配信はどのキーワードでヒットしたか」といったことまでつかめるうえ、「コンバージョンはどの検索キーワードだったか」まで把握できます。
コンバージョンを獲得できそうなキーワードは、インテント マッチで入稿することで新しい語句が見つかる可能性が増えます。
インテント マッチのデメリット
インテント マッチのデメリットは、自社の商品やサービスに興味が薄いユーザーに広告が表示される可能性がある点でしょう。例えば、男性向け整髪料の広告出稿をするとします。そこで「ワックス メンズ」とキーワード設定します。この場合、検索クエリは検索意図に沿うのが基本ではあります。
とはいえ、「ワックス レディース」「ワックス 自動車」などでも広告配信されてしまう可能性があります。自動車用のワックスを探している人に男性向け整髪料の広告が配信されたところで、コンバージョンにつながる可能性は低いでしょう。ただ無駄に予算を費やしてしまい、結果として利益につながらない恐れもあります。
それを避けるためには、除外キーワードを設定することが重要です。インテント マッチで広告出稿したら、検索クエリを定期的に確認して、意味のないものが見つかったら除外していきましょう。
インテント マッチの有効的な使い方
インテント マッチが有効なケースとして、「コンバージョン獲得がテールキーワードから見込める」、「アカウントが完全一致、フレーズ一致メインでリーチを広げたい」、「自動入札をおこなっている」の3つが挙げられます。
コンバージョン獲得がテールキーワードから見込める
まず、インテント マッチが有効なのはロングテールキーワードを使うときです。検索ボリュームが少ないロングテールキーワードのメリットは、検索意図が明確になることです。インテント マッチなら関連キーワードにも広告掲載が可能なため、コンバージョンにも近づけます。インテント マッチと相性がいいのは、特に旅行や人材サービスなど。商材の特性からコンバージョンの見込みも多くなります。
アカウントが完全一致、フレーズ一致メインでリーチを広げたい
インテント マッチの利用で、フレーズ一致、完全一致で使えそうなキーワードを見つけることもできます。フレーズ一致、完全一致のキーワードのCPAが目標値に近く、入札によるリーチの拡大が不可能な場合はインテント マッチの設定で他のマッチタイプで対応不可能だった検索語句にも広告表示され、獲得数の増加につながる可能性があります。
自動入札をおこなっている
自動入札をおこなっている人にもインテント マッチがおすすめ。オークションで入札単価の設定が可能な自動入札、インテント マッチで広告表示の検索クエリ幅を拡大させることができます。その結果、多くのユーザーに広告が配信できるようになります。自動入札、インテント マッチを同時に用いることで、パフォーマンスを維持しながらコンバージョン増大を目指せるのです。
完全一致・フレーズ一致・インテント マッチの違い
3つのマッチタイプには、それぞれに長所も短所もあるため、どれがいいと断言できません。完全一致では想定外のキーワードによるアプローチを防止できますが、広告表示のキーワードのすべてを把握することは現実的とはいえません。またインテント マッチは幅広い検索ワードからの流入は期待できる一方で、自社商品やサービスに興味がない層にも配信されてしまうため、コストパフォーマンスの悪化が懸念されます。
それぞれのマッチタイプを組み合わせることも可能です。最初はインテント マッチを用いて、ある程度経ったらフレーズ一致に移行して、徐々に絞り込んでいくなど、そのときの状況次第で使い分けもできます。マッチタイプを上手に使えば、大きな効果も期待できるでしょう。そのためにも導入時に特徴を把握しておくことが大切です。
リスティング広告のニーズに合わせたマッチタイプの使い分け
リスティング広告では、ニーズや目的に合わせて適切なマッチタイプを選択する必要があります。
キーワードに対して、適当なマッチタイプを設定してしまうと、訴求対象のユーザーに広告が表示されなかったり、広告表示範囲が広くなり過ぎて無駄な広告費を消化してしまったりするためです。費用対効果を高めるには、登録キーワードに対して適切なマッチタイプを設定する必要があります。
ここからは、汎用的な広告主のニーズを4つピックアップ。ニーズに合った適切なマッチタイプは何かをわかりやすく解説します。
広告の表示を増やしたい
自社の商品やサービスの認知度を上げるため、広告の表示機会を増やしたいのであれば、マッチタイプをインテント マッチに設定しましょう。
インテントマッチは、他のマッチタイプと比べて広告の表示機会が多く広告主が予想していないキーワードで検索してきたユーザーに対しても広告表示できるためです。
一方で、ターゲット対象外のユーザーに広告が表示され費用対効果が下がったり、広告表示機会が増えることから予算消化が早くなったりするため注意が必要です。
検索されたいキーワードが決まっている
自社名やブランド名、サービス、商品名などの明確なキーワードはマッチタイプを完全一致に設定しましょう。
自社のサービスや商品名で検索するユーザーは、「詳しく知りたい」「購入したい」という明確なニーズを持っているため、完全一致で登録すると資料請求や商品購入などのコンバージョン率が高まるためです。
また、過去のリスティング広告の実績で、クリック率やコンバージョン率が高かったキーワードを完全一致で登録するのも戦略の1つでしょう。
少額で効率的な広告運用をしたい
少額で効率的な広告運用をしたいのであれば、マッチタイプは完全一致に設定しましょう。
マッチタイプを完全一致またはフレーズ一致に設定すると、アプローチできるターゲット層を絞り込むことができるため、コンバージョンが取りやすくなるためです。
一方で、マッチタイプを完全一致のみに設定してしまうと、広告表示の機会が少なくなり、アプローチできるユーザー数が少なくなり、販売機会の損失が発生してしまう可能性があります。
また複数の商品を取り扱う場合、マッチタイプを完全一致のみに限定してしまうと、登録しなければならないキーワード数が増えて管理できなくなる恐れもあるでしょう。
そのため完全一致だけでなく、フレーズ一致やインテント マッチも併用することをおすすめします。
広告に対してどのようなキーワードが適しているかわからない
広告に対してどのようなキーワードが適しているかわからない場合は、マッチタイプをインテント マッチに設定するのがおすすめです。
登録キーワードのマッチタイプをインテント マッチに設定して運用してみると、ターゲット層がどのキーワードで広告で到達しやすいのかが見えてきます。ある程度キーワードが見えてきたら、広告に到達しやすいキーワードをピックアップして登録キーワード設定をしましょう。
このとき登録キーワードのマッチタイプをフレーズ一致や完全一致に設定し、コンバージョン獲得を目指すのも戦略の1つです。
リスティング広告の運用でお困りではないですか?
このようなお悩みをお持ちではないですか?
- 代理店に依頼しているけど現状の費用対効果に満足できていない
- レポートの提出や効果改善のための提案がもっと欲しい
- 小さなことでも遠慮なく相談できる担当者がいい
- 予算内でもっと効果をあげたい
リスティング広告のマッチタイプの設定方法
リスティング広告のマッチタイプの種類や特徴がわかったところで、ここからはGoogle広告とYahoo!広告のマッチタイプ設定方法について解説します。
Google広告のマッチタイプの設定方法
Google広告のマッチタイプの設定は、新規登録時だけでなく広告作成後も設定変更ができます。
キーワードの新規登録でキーワードマッチタイプを設定
リスティング広告を新規で登録する場合は、広告グループの登録時にキーワードを登録するステップが表示されます。
キーワード入力欄にキーワードとマッチタイプを入力しましょう。登録キーワードを該当する記号で囲むことで、マッチタイプを設定できます。
広告作成後にキーワードマッチタイプを設定
広告作成後にキーワードマッチタイプを設定したいときは、以下のステップにしたがって、マッチタイプを選択しましょう。
- Google広告管理画面を表示させる
- キャンペーンメニューの「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」をクリック
- 検索キーワードをクリック
- 検索キーワード一覧が表示される。キーワードマッチの欄をクリックし、変更したいマッチタイプを選択する
なお運用開始後、運用実績が溜まったあとにキーワードのマッチタイプを変更すると、キーワードの実績がすべて消去されてしまいます。
今までの運用実績データを残したいのであれば、今までのキーワードを一時停止にしてから、新たに同じキーワードを登録しマッチタイプを設定しましょう。
Yahoo!広告のキーワードマッチタイプ設定方法
Yahoo!広告のキーワードマッチタイプの設定は、新規登録時に設定後、マッチタイプのみの変更ができません。キーワードのマッチタイプを新たに変更したい場合は、もう一度キーワードの新規登録をする必要があります。
キーワード新規登録時にキーワードマッチタイプを設定するステップは次のとおりです。
1.広告管理ツールよりキャンペーン管理画面を表示。キーワードを登録したいキャンペーンをクリック。
2.広告グループ追加をクリックし、広告グループの基本情報を入力し、キーワードを作成するボタンをクリック
3.キーワード入力欄が表示されるので、追加したいキーワードを入力し、マッチタイプを選択する。
Googleのリスティング広告と異なり””や[]は使用せず、KWを入力後はマッチタイプを選択し、追加ボタンをクリックします。
キーワードの設定については、以下の記事をご覧ください。
マッチするキーワードが複数存在する場合の優先ルール
リスティング広告で、広告が表示されるのはユーザーの検索語句と広告主が登録したキーワードが一致したときです。
しかしながら、リスティング広告の設定で意味が似通っているキーワードを複数登録した場合、すべてのキーワードがユーザーの検索語句と一致してしまうことがあります。
例えば、リスティング広告で「スマホ 料金プラン」「スマホ 格安料金プラン」というキーワードを広告主が登録している場合、「スマホの料金プラン」という検索語句で両方のキーワードが一致します。
上記のような場合、どちらのキーワードが優先されるのか見てみましょう。
検索語句と同一の完全一致キーワード
リスティング広告に類似したキーワードが複数登録されている場合、まず優先されるのは検索語句と同一の完全一致キーワードです。
例えば、ユーザーが検索で「スマホ 料金プラン」と入力したとします。このとき2つの類似した登録キーワードがある場合、どちらが優先されるのでしょうか。
- 登録キーワード1:スマホ 料金プラン(フレーズ一致)
- 登録キーワード2:スマホ 料金プラン(完全一致)
上記の場合は、検索語句と同一の完全一致キーワードである2が優先されます。
検索語句と同一のフレーズ一致、またはインテント マッチを含むキーワード
リスティング広告に検索語句と同一している完全一致キーワードが登録されていない場合は、同一のフレーズ一致、インテント マッチの順で優先されます。
例えば、ユーザーが検索で「スマホ 料金 安い」と入力したとします。このとき2つの類似した登録キーワードがある場合、どちらが優先されるのでしょうか。
- 登録キーワード1:スマホ 料金 安い(フレーズ一致)
- 登録キーワード2:スマホ 料金(インテント マッチ)
この場合は、マッチタイプは完全一致ではありませんが、検索語句と一致する1が優先されます。
関連性と広告ランクの最適な組み合わせを含むキーワード
リスティング広告に検索語句と同一するキーワードがない場合は、AIを活用し、関連性と広告ランクの最適な組み合わせを含むキーワードが優先されます。
キーワードと広告の関連性では次の内容が確認されます。
- 索語句の意味
- 広告グループ内のすべてのキーワードの意味
- 広告グル―プないのランディングページ
優先ルールの例外
リスティング広告で、ユーザーの検索語句と広告主が登録したキーワードが一致していても、次のケースに該当する場合は、広告が表示されません。
《優先ルールが適用されないケース》
- キャンペーンが予算による制限を受けている場合
- そのキーワードの検索ボリュームが少ない
- 広告グループ内のすべてのクリエイティブやランディングページが不承認
- 適切でないターゲティング
参照元:google 広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて – Google 広告 ヘルプ
リスティング広告のマッチタイプを設定するときの注意点
リスティング広告のキーワードのマッチタイプの設定を誤ると、意図した検索語句で広告が表示されない可能性があります。その結果、貴重な販売機会を失うことにもなりかねません。
ここからは、キーワードのマッチタイプを設定するときの注意点をご紹介します。
マッチタイプは半角記号で入力(Google広告)
Google広告でマッチタイプを設定するときは、半角記号で入力しましょう。全角記号で入力するとエラーが発生します。
なお、キーワードのマッチタイプは以下のように指定します。
登録キーワード 【男性 靴下】
- 完全一致……男性 靴下]
- フレーズ一致……”男性 下着”
- インテントマッチ……男性 下着
また、配信後にマッチタイプの設定変更をすると今までのマッチタイプで蓄積されていたデータがすべて削除されて、新しいキーワードとして上書き保存されるため注意が必要です。
今までのデータを残しておきたいのであれば、現在配信しているキーワードを一時停止にし、新たにキーワードを登録し、マッチタイプを設定しましょう。
同一のキーワードで異なるマッチタイプを選択すると効率が下がる
リスティング広告では、同一のキーワードで、異なるマッチタイプを設定しないようにしましょう。
1つのキーワードに異なるマッチタイプをそれぞれ設定してしまうと、キーワード毎のクリック率などのデータが分散し、費用対効果の測定が難しくなるためです。
そのため、1つのキーワードに対して、1つのマッチタイプを設定するのがおすすめです。
除外キーワードのマッチタイプの動作は異なる
リスティング広告の表示範囲を定めるキーワードのマッチタイプと、除外キーワードのマッチタイプは同じ名称でも動作が異なるため注意が必要です。
完全一致の場合
除外キーワードでマッチタイプを「完全一致」に設定すると、登録したキーワードとまったく同じ検索語句を除外します。
《例》「いちご ミルク」を完全一致で除外設定
検索語句 | 広告表示 |
いちご 通販 | 〇 |
いちご 取り寄せ | 〇 |
ミルク いちご | 〇 |
いちご ミルク 安い | 〇 |
いちご ミルク | × |
登録したキーワードと語順が逆だったり、途中に別のキーワードが入ったりする検索語句だった場合、除外キーワード設定をしても、広告は表示されるため注意が必要です。
フレーズ一致の場合
除外キーワードでマッチタイプを「フレーズ一致」に設定すると、登録したキーワードと同じ語順の検索語句を除外します。
《例》「いちご ミルク」をフレーズ一致で除外設定
検索語句 | 広告表示 |
いちご 通販 | 〇 |
いちご 取り寄せ | 〇 |
ミルク いちご | 〇 |
いちご ミルク 安い | × |
いちご ミルク | × |
完全一致と異なり、登録キーワードの前後に別の言葉が入った検索語句でも、すべてのキーワードが同じ語順で使用されていれば、広告が表示されなくなることです。
そのため、完全一致で除外されなかった「いちご ミルク 安い」が除外対象となります。ただ「ミルク いちご 安い」だと除外対象とならないため、注意が必要です。
インテント マッチの場合
除外キーワードのマッチタイプを「インテント マッチ」に設定すると、語順問わず登録キーワードが含まれた検索語句を除外します。
《例》「いちご ミルク」をインテント マッチで除外設定
検索語句 | 広告表示 |
いちご 通販 | 〇 |
いちご 取り寄せ | 〇 |
ミルク いちご | × |
いちご ミルク 安い | × |
いちご ミルク | × |
フレーズ一致と異なり、語順が逆になっても除外されます。
除外キーワード設定では、基本的にインテント マッチをメインに使用しましょう。
検索語句レポートは定期的に確認する
リスティング広告でキーワードとマッチタイプを登録したら、定期的に検索語句レポートを確認しましょう。
リスティング広告のキーワードのマッチポイントは一度設定したら終わりではありません。意図通りに検索語句とキーワードがマッチしていなければ、設定変更したり、キーワードを新たに追加したりする必要があるためです。
定期的な検索語句レポートの確認と設定の変更により、リスティング広告の効果改善をしていくと費用対効果の向上も期待できます。
まとめ
完全一致、インテント マッチ、フレーズ一致の3つのマッチタイプを解説しました。慣れないうちは「どんな違いがあるのかな?」と疑問を感じるかもしれません。まずはそれぞれの特性をしっかりと理解し、自分のニーズに合ったマッチタイプを選ぶようにしてください。
それぞれに長所も短所もあります。合致しないマッチタイプを選んだばかりに、コストばかりがかかって効果が薄い、などの事態を招きかねません。まずは基礎を抑えることが大切です。