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おいしそうな料理の写真やかわいらしいキャラクターのイラスト、思わず笑ってしまうユニークな動画など、さまざまなコンテンツがあふれている。ユーザー同士の交流を楽しむだけでなく、ビジネスツールとしてもさまざまな企業が活用しています。
本記事では、Instagramの特徴やアカウント運用をおこなう際のポイントを解説。自社のアピールやサービス紹介のためにInstagramの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてださい。
1.Instagramとは
Instagramとは、画像や動画を投稿・閲覧して交流するSNSです。登録は無料で、誰でも気軽に利用することができます(アカウントを作成できるのは13歳以上から)。
メインとなる「フィード投稿」に加え、24時間のみ表示される「ストーリーズ」、ショート動画を投稿できる「リール」、生配信をおこなう「ライブ」などの機能があり、Instagram上で商品を購入できる「ショッピング」機能も備えています。
Instagramの現状
Instagramは世界中のユーザーに広く利用されており、2022年10月時点のグローバル利用者数は、20億人にも上ると言われています。日本国内では、2019年3月時点で3,300万人の利用者がいると言われており、特に10~20代の若者を中心に人気のあるSNSです。
参考元:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破|Meta
ビジネスとしても活用されている理由
Instagramはビジネス用途としても広く活用されています。一般ユーザーは個人の投稿と同じような感覚で企業アカウントの投稿も見ており、魅力的な写真や動画を投稿することが企業のブランディングに直接つながるからです。
また、ストーリーズやインスタライブ機能を用いることで、フォロワーとのコミュニケーションを活発におこなえるのもInstagramの特徴です。フォロワーが企業アカウントに親近感を持ち、企業や商品への関心や信頼度を上げることができます。
2.Instagramを運用するメリット
Instagramアカウントを運用することで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。
視覚・聴覚へのアピールがしやすい
Instagramは画像や動画の投稿がメインのため、他のSNSと比較して視覚的・聴覚的な訴求を得意としています。
例えば、アパレルを取り扱う企業の場合、商品の写真を載せたり、商品着用時に歩いたときのシルエットを動画で紹介したりと、より商品を魅力的に見せる投稿もできます。また、動画にBGMを挿入してブランドの世界観を印象的に伝える、などの使い方も可能です。
低コストで広告出稿できる
Instagramのアカウントは無料で作成できるため、スマートフォンで撮った写真や動画で、まずはお試しとして始めることができます。成果を出すためにはある程度の費用的・時間的なコストが必要ですが、参入障壁が低いため、アカウントを持っておいて損はありません。
予約・購入などのアクションにつなげやすい
Instagramでは、投稿にCTA(コール・トゥ・アクション)機能を設置できます。この機能を活用し、ユーザーを予約や購入といったアクションにつなげることが可能です。
例えば、新商品発売を告知する画像をストーリーズに投稿する際、商品詳細ページへのリンクを画像内に挿入できます。画像をきっかけに関心を持ったユーザーを、目的のページへスムーズに誘導できるのです。
ユーザーと直接的なやりとりが可能
Instagramでは、投稿へのコメントやDM(ダイレクトメッセージ)でユーザーと気軽にコミュニケーションを取ることができます。フォロワーの質問に答えたり、ストーリーズの機能を使ってアンケートを取ったりと、さまざまな活用方法がありますが、なにより直接反応を得られることで、SNS担当者のモチベーションアップにつなげることができます。
3.Instagramの運用ポイント【運用準備編】
ここからは、実際にInstagram運用をおこなう際に押さえておきたいポイントを解説していきます。まずは「運用準備編」。運用を開始する前に、きちんと準備を整えておくことが大切です。
Instagramの運用目的を具体化しておく
はじめに、Instagramで企業アカウントを運用する目的を設定します。これにより、おこなうべき施策や重要視する指標が変化するからです。
運用目的は、認知度アップから集客、売上アップ、ブランディングの強化など、企業や扱う商品、サービスによって異なります。まず自社の持つ課題を分析し、Instagramの運用を通じてどのような成果を上げたいか、何を達成したいかを考えてみましょう。
確認すべき指標を理解しておく
Instagramのフォロワー数を増やすために、重要となる指標がいくつか存在します。具体的な指標は以下のとおりです。
- ホーム率(リーチ数の内ホームから見られた割合)
- エンゲージメント率
- プロフィールクリック率
- フォロー率
闇雲にInstagram運用をしているだけでは、フォロワー数が増えるかは運次第です。上記のような指標を常に意識し、注目するようにしましょう。
4.Instagramの運用ポイント【アカウント設定編】
Instagramを運用するための準備が整ったら、アカウント設定をおこなっていきます。まだInstagramのアカウントを持っていない場合は、Instagramのトップページにアクセスし、アカウント登録をおこなってからこれ以降の記事の閲覧をおすすめします。
プロアカウントへの切り替えをする
プロアカウントは、ビジネスでInstagramを活用したいユーザー向けのアカウント設定です。すでに保有しているInstagramアカウントがあれば、設定変更をおこなうだけで簡単にプロアカウントに切り替えることができます。
<プロアカウント設定方法>
- Instagramのプロフィールに移動し、右上にある歯車マーク(設定)をタップ。
- [設定とプライバシー] > [アカウントの種類とツール] > [プロアカウントに切り替える]の順にタップ。
- ビジネスに最もよく当てはまるカテゴリを選択し、[ビジネス]を選択。
- プロアカウントへの切り替えが完了します。
ターゲット(ペルソナ)の明確化をおこなう
プロアカウントに切り替えたら、あらためて自社アカウントのターゲットの明確化ができているかを確認しましょう。
事前準備で設定した運用目的から逆算し、ターゲットの【年齢】【性別】【職業】【行動パターン】【趣味や興味】。少なくともこれらの項目をきちんと設定しておくことで、投稿の内容がぶれるのを防ぐことができます。
また、より詳細なターゲット設定をしてペルソナを決めることで、投稿内容を決めるときや分析をおこなう際に役立ちます。
アカウントの世界観を決める
続いて、アカウントの世界観を決めていきましょう。自社の商品やサービスと、ターゲットが好みそうなトンマナが交わるところを探ると、アカウントの方向性が見えてきます。
例えば、アッパー層向けのアパレルブランドであれば、投稿する写真は上品で落ち着いたトーンで揃える、投稿文は絵文字を使わず「ですます」調で統一するなど。最初にきちんと決めておくことで、運用担当者が代わった場合でも、世界観を壊さずにアカウント運用を継続できます。
プロフィールはわかりやすく興味の湧く内容にする
Instagramをはじめ、SNSのプロフィールは“わかりやすく”が鉄則です。ユーザーネームは会社名や商品名、サービス名などをベースに名付け、念のため他のユーザーと名前が重複していないか、Instagram内を検索して確認しておきましょう。プロフィール画像は、ユーザーが商品やサービスをすぐに想起できるよう、商品画像や企業ロゴなどの設定がおすすめです。
紹介文には、アカウントの自己紹介とともに、アカウントの役割や注意事項を記載しておきましょう。(例:○○の最新情報を発信します!/お問い合わせはDMまで など)
電話番号や住所など自社情報を掲載する
プロアカウントとしての信頼度を高めるために、Instagramのプロフィールに自社の住所や電話番号などの情報を掲載しましょう。また、プロフィールにはURLを1つ設定できるので、自社の公式サイトやECサイトへのリンクを設定するのがおすすめです。
5.Instagramの運用ポイント【投稿編】
Instagramのアカウント設定が完了したら、次はいよいよ【投稿編】です。
事業やサービスによって投稿内容は異なりますが、どのような企業アカウントにも共通する、投稿時に押さえておくべきポイントを解説します。
フォロワー増加の仕組みと方法を理解する
Instagramアカウントを運用し、フォロワー数を増やすためには、まずは「アカウントがフォローされる仕組み」を理解しておく必要があります。基本的な流れは以下のとおりです。
- 既存のフォロワーから素早く多くのアクションを獲得
- 投稿が「発見タブ」に掲載され、フォロワー外に拡散
- 投稿に興味を持ち、ユーザーがプロフィールに遷移
- フォローされる
Instagramにはユーザーの興味関心に合わせてフォロー外のアカウントの投稿がランダムで表示される「発見タブ」があります。フォロワーを大きく伸ばすためには、この発見タブへの掲載が重要になります。
発見タブに掲載されるためのポイントは、次の項目で解説します。
Instagramのアルゴリズムを理解する
フィード投稿やストーリーズ、発見タブの表示順には、アルゴリズムによってルールが定められています。このアルゴリズムを理解しておくことが、Instagramアカウントの運用には欠かせません。
フィード投稿やストーリーズの場合は、直近の数週間でのやり取りや投稿への反応、発見タブの場合は、投稿に対するいいねやコメント、保存数がどれだけ素早く増えたかが重要な要素となります。
先述のとおり、新規フォロワーを獲得するには、発見タブへの掲載が重要です。投稿に対する反応スピードを上げて、発見タブに掲載される確率を上げていきましょう。
リールやストーリーズをうまく活用する
フィード投稿に加え、リールやストーリーズの投稿も上手に活用しましょう。
リールは、15秒から90秒程度のショートムービーの投稿機能。フォロワー外にも拡散されるため、リーチ数が伸びやすい傾向にあります。
ストーリーズは、投稿から24時間経過すると画像や写真が消える投稿機能。質問、アンケート機能など、フォロワーとのコミュニケーションが取りやすい機能を備えています。必要に応じてプロフィール下に表示される「ハイライト」に追加すれば、ストーリーズの投稿をユーザーがいつでも閲覧できるようになります。
リールやストーリーズを活用することで、フォロワーとのやり取りが増えて親密度が高まり、通常のフィード投稿がフォロワーのTL(タイムライン)に表示されやすくなります。投稿への反応率が上がるため、発見タブへの掲載も期待できます。
広告機能を活用する
フィードやストーリーズ、発見タブに広告を掲載できます。通常の投稿と同じように表示されるため、他のSNSやメディアに比べて広告感が抑えられ、ユーザーに見られやすいのが特徴です。1日100円と少額からの出稿も可能なため、少ないリスクで試してみることができます。
ショッピング機能を付けて投稿する
「ショッピング機能」は、投稿内で紹介した商品の詳細や購入ページへのリンクをつけられる機能です。使用には特定の条件を満たす必要があり、ECサイトなどを運営している場合はぜひ活用したい機能です。
ショッピング機能を利用するためには、プロアカウントに設定したうえで、以下の条件を満たしている必要があります。
- Facebook およびInstagramのポリシーに準拠していること
- 該当するビジネスとドメインに紐付いていること
- 所在地がショッピング機能を利用できる国であること
- アカウントの信頼性を示すこと
- 商品の正確な価格と在庫情報を表示し、WEBサイト、Facebook、Instagramから簡単にアクセスできること
参考元:Instagramヘルプセンター
投稿には位置情報を設定する
位置情報(ジオタグ)を設定すると、その地域に対して検索をおこなっていたターゲット層から見つけてもらいやすくなります。集客力アップや商品の訴求にもつなげることができるため、位置情報を設定するようにしましょう。
適切かつトレンドのハッシュタグを使用する
文頭に「#」をつけたハッシュタグを活用することにより、フォロワー外へのアプローチをさらに拡大させることができます。
ハッシュタグ選定で重要なのは、投稿に関連するキーワードやトレンドになっているキーワードを選ぶことです。重要なのは“量より質”。投稿と関連性のないハッシュタグを付けてしまうと、投稿の表示が制限される可能性があるので注意しましょう。
フォロワーとのコミュニケーションは積極的に
Instagram公式が発表しているアルゴリズムの一つに、フィード投稿をフォロワーに表示させやすくするためには「直近数週間で投稿者とフォロワーで何回やり取りがあったか」という指標があります。
投稿でのコメントのやり取り、DMやストーリーズでの質問回答などを積極的におこなうことで、自社アカウントの投稿が表示されやすくなります。ブランディング目的も兼ねて、フォロワーとは積極手にコミュニケーションを取るようにしましょう。
6.Instagramの運用ポイント【分析編】
Instagramの運用をある程度の期間続けたら、以下のような方法でアカウントの分析をおこない、今後の運用に活かしましょう。
PDCAを回し改善を繰り返す
ターゲット設定やアカウント設計をきちんとおこない、アルゴリズムに基づいた運用をしている場合でも、目標どおりにフォロワー数を獲得できるとは限りません。
実際に運用してみて、目標とする数値に達するためには何が足りないのか? どうすれば目標に届くのか? 正確に分析したうえで、PDCAサイクルを回しながら改善を繰り返していく必要があります。
伸びる投稿の傾向・スタイルを理解する
共感を生む内容や魅力的に感じられる投稿は“いいね”を獲得しやすく、お役立ち情報など「あとで見返したい」と思われる投稿は“保存”につなげやすくなる傾向にあります。
アカウントのジャンルやコンセプトによって、いいねや保存数が伸びる要素はさまざま。反応の良かった競合アカウントの投稿を分析したり、自社アカウントの投稿への反応を振り返ったりすることで、どのような投稿がバズるのかを理解することが重要です。
分析ツールをうまく活用する
Instagramが公式提供している分析ツール「インサイト」を活用しましょう。運営しているアカウントのフォロワー数の推移や、年齢や男女比などフォロワーの属性データ、各投稿への反応やリーチ数など、基本的な数値を確認できます。これらの数値を軸に分析することで、投稿改善などのPDCAサイクルを効率的に回していくことができます。
運用代行を依頼するのも一つの手
Instagramの運用を始めたくても、リソースを確保するのが難しい、SNS運営のノウハウがないので効果的な運用ができるか不安……と思っている方もいるのではないでしょうか。
そのような場合、SNSの運用代行を外部に委託するのも一つの手です。自社のリソースを使わずに、SNS運用の知見のある会社にアカウントを任せることができるため、効果的な運用に期待できます。
当然、運用をアウトソーシングすることで費用は発生しますが、投稿のクオリティーを維持できる、キャンペーンや新しい施策の提案をしてもらえる、などのメリットもあるため、かかったコスト以上の成果を得られる可能性もあります。
まとめ
Instagramは、手軽に導入できる情報発信のビジネスツールとして、上手に活用したいSNSの一つです。本記事で紹介した運用のポイントを抑えつつ、人気アカウントに成長させられるよう、いろいろな運用方法を試してみてください。