日本のインターネットユーザーの8割以上が目にしていると言われるCriteo(クリテオ)広告。この大きなシェアを獲得しているCriteo広告の知識を持たずにWEB広告を運用しているなら、広告主は重大な選択肢を見逃している可能性があります。
そこで本記事では、Criteo広告の仕組みやメリット、配信前の流れや利用のポイントをわかりやすく解説します。
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Criteo広告とは
Criteo広告を一言でまとめると、動的ディスプレイ広告型のリターゲティング広告です。
これをもう少しわかりやすく説明すると、以下のようになります。
- 動的:広告バナーが決まっておらず、ユーザーに合わせて生成される
- ディスプレイ広告:WEBサイト上の枠に表示される広告
- リターゲティング広告:一度訪問したユーザーをサイト外まで追跡する
Criteo広告はリターゲティング広告なので、WEBサイトに訪問したユーザーの閲覧情報に合わせて最適な広告が自動的に作られ、離脱したユーザーに最適なディスプレイ広告を表示できるのが特徴となっています。
配信の種類
Criteo広告の配信の種類は、大きく4つに分けられています。
- Criteo Dynamic Retargeting
- Criteo Customer Acquisition
- Criteo Traffic Generation
- Criteoアプリ広告
それぞれ解説します。
Criteo Dynamic Retargeting(既存ユーザー向けリターゲティング配信)
Criteo Dynamic Retargetingとは、ユーザーが自社サイトで閲覧した商品情報などを、他サイトで閲覧しているときにもその商品や関連商品の広告をリターゲティングする広告です。Dynamic Retargetingは、ユーザーの閲覧履歴、行動履歴に基づいて広告クリエイティブを自動生成して広告配信します。
ただし、WEBサイトを訪問したユーザーに広告を表示するのではなく、商品Bを閲覧したユーザーに対して商品Bを他サイトで配信するように、それぞれのユーザーのニーズや興味関心に合った広告を配信します。
Criteo Customer Acquisition(類似配信)
Criteo Customer Acquisitionとは、ユーザーの購買履歴や行動履歴をもとに類似するユーザーを探し出し、新規顧客を獲得するための広告配信です。類似ユーザーをリターゲティングリストからスコアリングし、その中から優良な新規顧客に広告を配信します。
Criteo Customer Acquisitionは、リターゲティングリストをもとに新規顧客のターゲティングをするので、リターゲティング広告が実施済みである事が条件となります。
Criteo Traffic Generation(新規ユーザー向け配信)
Criteo Traffic Generationとは、Criteoが提供する新規トラフィック獲得のための広告配信です。Criteoの機械学習により、商品やサービス、比較などの検討段階にあるユーザーを選び出し、最適な広告を配信します。
Criteo Traffic Generationは、Criteo Customer Acquisitionのようにリターゲティングリストを必要としないため、コンバージョン獲得しにくいですが、表示回数とクリック数を獲得しやすい特徴があります。
Criteoアプリ広告
Crietoアプリ広告とは、アプリのインストール、エンゲージメントの構築、リターゲティングを一元管理し、新規ユーザーや過去にアプリを利用していたユーザーに向けて広告配信できるプロダクトです。
インストールユーザーの類似やサイト訪問に対してなんらかの操作をしたユーザーにアプローチするだけでなく、レコメンド商品のクリエイティブや、ブランドイメージの静止画・動画もクリエイティブとして活用できるので、ブランドと商品の両方の魅力もアピールできます。
Criteo広告のメリット
ここでは、Criteo広告を利用する3つのメリットを解説します。
- 膨大なデータ量と高精度なエンジン
- YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)に配信ができる
- GDNやYDAよりもCPCが安い
膨大なデータ量と高精度なエンジン
Criteo広告は膨大なデータ量と高精度な技術を誇るAIを活用して、通常のテキスト広告や固定されたバナー広告よりも高い反応率やコンバージョン獲得が期待できます。Criteo広告は幅広い広告ネットワーク配信を活かして、「どのデバイスで何の商品ページを見たか」、「カートに入れたか」、「何をいくつ購入したのか」などのアクティブユーザーの行動データを集めます。
そして、Criteoの高精度なエンジンが独特のアルゴリズムで膨大なデータを学習解析して、どの枠でどのようなクリエイティブを表示するのが最適かを判断し、ユーザーがクリックしたくなる広告をリアルタイムで生成しています。このAI技術の配信は、配信期間が長いほど機械学習が進み、ターゲティングの精度も高まりやすくなります。
YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)に配信ができる
Criteo広告の配信先は、Google、Microsoft Advertising、goo、msn、食ベログ、はてなブックマークなど、多数のメディアがありますが、Yahoo!ネットワーク(YDN)にYahoo!広告以外で配信できるのはCriteo広告のみとなります。
月間150億PVと言われるYahoo!ニュースのトップページに出稿できる広告は、他の媒体と比較しても有利な条件となります。広告のパフォーマンスを最大限に発揮するには、いかに良質な広告ネットワークに配信できるかが重要なので、その点でもCriteo広告は優れた媒体です。
GDNやYDAよりもCPCが安い
Criteo広告は、Googleディスプレイネットワーク(GDN)やYDAよりもクリック単価(CPC)が安いケースがほとんどなので、費用対効果を最大化できます。
CPC課金モデルは、1クリック20?30円が相場と言われており、Criteo広告出稿にあたってどのくらいのコストがかかったかを算出するには、1,000クリックあたりの価格を設定し、下記計算式で確認できます。
「インプレッション単価(CPM)/クリック単価(CPC)」
Criteo広告の配信までの流れ
ここからは、実際にCriteo広告の配信までに必要な流れを解説します。
Criteo広告の配信は、以下ステップに沿って進める必要があります。
- Criteoへの契約と申し込み
- 広告のバナーに入れる自社ロゴの用意
- データフィードの作成
- Criteoタグの実装
- クリエイティブとパラメータの設定
- プレローンチチェック後に配信開始
順を追って説明します。
1.Criteoへの契約と申し込み
Criteo広告を配信するためには、Criteoと契約を結び、申込書を提出する必要があります。
オンラインで申し込みが可能で、以下のような掲載可否判断に必要な情報をCriteoに送ります。
- 1ヵ月分のユニークユーザーがわかるキャプチャ
- CVR
- KPO
- 平均購入単価
掲載可能な場合はCriteoに申し込みメールを送り、発行された申込書へ電子署名します。申込書に不備がなければ、Criteo側で申込書の内容が確認され、アカウントが発行されます。
利用するプロダクトによりますが、キャンペーン開始までの目安は、フィードを送信してから約2週間となります。
2.広告のバナーに入れる自社ロゴの用意
広告のバナーに入れる自社ロゴを用意します。
入稿できるファイル形式は、下記を参考にしてください。
- 形式:JPG/PNG
- 容量:5MB
- サイズ:800×1,200px以内(※600×1,200px推奨)
3.データフィードの作成
Criteo広告の要となるデータフィードを正しく作成します。具体的な情報として、「商品タイトル」、「価格」、「画像」、「説明文」、「カテゴリ」がありますが、Criteo広告を配信するにはCriteoが指定するフォーマットに変換したデータフィードを用意する必要があります。
下記は、Criteoのおもなデータフィードです。
- id:商品
- name:商品名
- description:商品の説明
- producturl:商品掲載ページのURL
- bigimage:商品画像のURL
- price:商品価格
- categoryid1:カテゴリのid1
- categoryid2:カテゴリのid2
- categoryid3:カテゴリのid3
データフィードに登録する際は、コンバージョンアップを見越して、随時商品名や商品説明の見直しをしていく必要があります。
4.Criteoタグの実装
Criteo広告には、Criteoから提供されるタグを自社サイトに実装することで、どこのユーザーが離脱したのか、どのようなものに興味関心を持っているのかを詳細に把握できる仕組みがあります。
タグには以下5種類があり、それぞれ実装する必要があります。
- トップページ
- 一覧ページ
- 商品詳細ページ
- カート・申し込みページ
- コンバージョン
これらのタグを各所にちりばめる作業やタグを最適化して実装するには、それなりのノウハウが求められます。自社にエンジニアなどの適任者がいない場合は、対応可能な企業に委託するのもよいでしょう。
5.クリエイティブとパラメータの設定
ユーザーに適切な情報発信と正確なデータ分析ができるように、クリエイティブとパラメータをしっかり設定しましょう。クリエイティブを構成する際は、ユーザーが必要とする情報が記載されているか、一目で伝わる工夫がされているか、広告らしくない見せ方ができているかなどを考えるのが重要です。
また、パフォーマンス比較やユーザー分析、流入元の特定などをわかりやすく測定ができるように、パラメータも明確にしておく必要があります。
6.プレローンチチェック後に配信開始
短期的に爆発的な売上をあげるために必要なのが、多くの見込み客を集めるプレローンチです。見込み客が多いほど商品をリリースした際に、多くの商品購入してくれるので、配信前までにチェックしておきましょう。
Criteo広告を利用する際のポイント
ここでは、Criteo広告を利用する際に覚えておくポイントをお伝えします。
- 配信開始までに最短でも1ヵ月必要
- どのようなサイトでも配信できるわけではない
配信開始までに最短でも1ヵ月必要
Criteo広告の注目すべき特徴は、AIによる機械学習から実現される精度の高い広告配信です。
ただし、広告配信を実施してから成果が実感できるまでには膨大なデータをAIに学習させる必要があるので、最短でも1ヵ月ほどかかってしまうこともあります。精度の高いデータをAIに提供することで、この期間を短くできるかもしれませんが、即効性あるものではないことを理解しておきましょう。
どのようなサイトでも配信できるわけではない
Criteo広告の新規配信や一定期間以上配信を停止していた場合には、Criteo社の審査があります。
下記はCriteo広告を出稿するための条件です。
- ユニークユーザー数:月間4万ユーザー以上
- 最低申し込み金額:50万円
なお、月にサイト訪問したユニークユーザーが4万以下の場合は、広告代理店を通して契約可能ですが、アプリ配信はできません。
また、Criteo広告は広告配信開始から50万円に達するまでは配信を停止できないので、注意しておきましょう。
まとめ
Criteo広告の概要と配信のポイントを解説しました。Criteo広告を配信するまでには必要な準備と制限が設けられていますが、その効果は絶大です。
広告運用の改善をお考えの方は、ぜひCriteo広告の導入を検討してみてください。