ABテストは、Google広告の効果を最大化するための重要なツールです。
しかし、「どうやって始めればいいのか」「具体的なメリットがわからない」「何を見て成果を判断するべきか」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Google広告のABテストについて、メリットや初期設定からの実施方法、効果測定のポイントなど、実用的な情報をわかりやすく解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
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目次
Google広告のABテストとは
Google広告の「ABテスト」とは、異なる要素を持つ複数の広告バージョンを同時配信し、どちらがより効果的かを検証する手法です。
「クリエイティブ」や「ランディングページ」などの要素に、変化を加えた広告を並行して出稿すします。そうすることで、それぞれのパフォーマンスを測定・比較できます。最終的に成績の良かったほうを採用することで、広告効果の最大化を図れます。
Google検索広告でヘッドラインを変更する場合の例を取りあげてみましょう。
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このように2種類の広告を同時に配信します。クリック率やコンバージョン率などの指標を比較することで、どのようなメッセージがターゲットユーザーにより響くのかを把握できます。
Google広告のABテストの種類
Google広告のABテストには、下記の4つの種類があります。
- カスタムテスト(旧:下書きとテスト)
- テキスト広告の最適化(広告バリエーション)
- 動画テスト
- P-MAXテスト
では、それぞれ解説します。
カスタムテスト(旧:下書きとテスト)
まず「カスタムテスト」は、Google広告で既存キャンペーンを複製し、テストしたい要素だけを変更してABテストを実施できる機能です。
2022年1月のアップデートにより、以前の「下書きとテスト」から機能が統合されました。これにより、1ステップでテスト実装が可能になりました。リスティング広告とディスプレイ広告の両方で利用でき、新規にキャンペーンを作成する必要がありません。そのため、初心者でも簡単に実施できます。
入札戦略、デバイス調整、キーワード、ランディングページなど幅広い要素の検証が可能です。新たに追加された同期機能では、元キャンペーンの変更が自動的にテストキャンペーンに反映されます。
カスタムテストのメリットは、検証対象以外の変数を統制した精度の高いABテストが実施できる点です。テスト終了後は、クリック率やコンバージョン数などの結果と統計的有意差が自動判定されます。そのため、効果を確認してから本番適用を判断できます。
参照元:[テスト] ページ(旧称: 下書きとテスト)について – Google広告ヘルプ –
テキスト広告の最適化(広告バリエーション)
次に、「テキスト広告の最適化(広告バリエーション)」。見出しや説明文など、テキスト広告の効果を検証するために特化したABテスト機能です。
主にテキスト広告やレスポンシブ検索広告、複数のキャンペーンでの1つの変更をテストする際に利用できます。広告バリエーションを設定すると、元の広告と変更後の広告のパフォーマンスを比較検証できます。これにより、どのようなメッセージがターゲットユーザーに響くのかを効率的に把握できるのがメリットです。
カスタムテストが広告設定全般のテストに適しているのに対し、広告バリエーションはテキスト要素に特化しています。そのため、広告文の最適化に集中したい場合に効果的です。
動画テスト
続いて「動画テスト」。YouTube広告において効果的な動画コンテンツを判断するための機能です。
この機能は動画キャンペーンのみで利用可能です。異なる動画広告の効果を、直接比較することができます。テスト実施時には2~4つのテストアームを作成します。そして、それぞれ異なる動画広告を含む複数のキャンペーンを選択して比較します。
成功指標としては、ブランド効果測定またはコンバージョンなど、目的に応じた指標を選択することが可能です。テストを開始するとリアルタイムにパフォーマンスをモニタリングできます。そのため、効果の高い動画広告を特定しやすくなります。
P-MAXテスト
最後に「P-MAXテスト」。Google広告に統合されている専用ツールです。P-MAX(Performance Max)キャンペーンの効果を検証するために設計されています。
このテスト機能を活用することで、さまざまな機能設定やキャンペーン要素のABテストを簡単に実施でき、ビジネス成果の向上に役立ちます。
P-MAXキャンペーンは複数の広告枠や配信先にまたがる自動最適化が特徴です。ですが、このテスト機能を使用することで、従来の広告手法と比較した際のパフォーマンス上昇率を正確に測定できます。
これにより、P-MAXキャンペーンがもたらす具体的な効果を数値で把握し、広告戦略の意思決定に活かすことが可能になります。
ABテストをおこなうメリット
ABテストは広告効果を効果的に検証する手法として、多くの企業に採用されています。
実施することで得られる具体的なメリットは、主に下記の3つです。
- ユーザーエンゲージメントの向上につながる
- コンバージョン率の向上につながる
- ランディングページの改善に役立つ
では、それぞれ解説します。
ユーザーエンゲージメントの向上につながる
まず、ABテストを通じて見出しやテキストなど、さまざまな広告要素を比較検証することで、ユーザーの反応を高める表現の特定が可能です。
例えば、異なるメッセージングやトーンを試した場合。どのようなアプローチがターゲットユーザーの興味を引きやすいかを客観的データから判断できます。
この結果に基づいた最適化をおこなうことで、クリック率の向上やブランド認知などのユーザーエンゲージメント強化につながり、結果として広告効果の最大化が図れます。
コンバージョン率の向上につながる
次に、ABテストはクリック数の比較だけでなく、最終的な成果指標であるコンバージョン率の向上にも直結します。広告テキストのABテストでは、どちらの表現がより購買意欲の高いユーザーに響くかを検証できます。
また、どのようなクリエイティブ要素が見込み客の行動を促進するかを明確に把握することで、効果的な広告メッセージを作成するための具体的な指針が得られるのもメリットです。
データに基づく継続的な改善により、広告からの収益性を段階的に高めることが可能になります。
ランディングページの改善に役立つ
広告だけでなく、クリック後のランディングページ(LP)をABテストすることも重要です。ABテストでは、ユーザーがサイト訪問後、どのようなページデザインや構成、コンテンツがコンバージョンにつながりやすいかを検証できます。
例えば、フォームの長さ、CTA(行動喚起)ボタンの位置・色・文言、商品情報の提示方法など。さまざまな要素を比較することで、ユーザーが行動しやすい環境を構築できます。
ランディングページの改善・最適化によって、広告からの流入を最大限に活かし、最終的な売上向上につながります。
Google広告のABテストの設定・実施方法
ここからは、Google広告のABテストの設定・実施方法を紹介します。
Google広告でABテストを実施する際の準備
Google広告でABテストを実施する際の準備は、次の流れでおこなうとよいでしょう。
- 目的・目標を明確にする
- 仮説を立てる
- 予算を決める
では、それぞれ解説します。
目的・目標を明確にする
まず、ABテストを始める前に重要なのは、テストの目的を明確に設定することです。なぜなら、目的によって検証項目や分析ポイントが大きく変わってくるためです。
例えばブランド認知向上が目的なら、広告文の違いによるクリック率やエンゲージメント指標に注目するとよいでしょう。
一方、コンバージョン獲得が目的なら、ランディングページの要素や導線に注目する必要があります。「何を改善したいのか」という明確な方向性を最初に定めることで、効率的かつ効果的なテスト設計が可能になります。
仮説を立てる
ABテストの成功には、しっかりとした仮説設定が欠かせません。仮説を立てることで無駄な試行錯誤を避け、スピーディかつ焦点を絞ったテストが実施できます。
例えば「特典を強調した広告文のほうがクリック率が10%向上するだろう」など。具体的な予測を立てておくことが重要です。
仮説と結果を丁寧に照らし合わせて分析することで、説得力のある意思決定が可能になります。「なんとなくAのほうがよさそうだからこっちにしよう」といった主観的な判断ではなく、データに基づいた客観的な評価を心がけましょう。
予算を決める
ABテストでは実際に広告を出稿してデータを集めるため、適切な予算設定が必要です。その場合、通常の広告運用より高額になるケースが多いことを理解しておきましょう。
複数パターンの広告を同時に出稿し、統計的に意味のある結果を得るためには一定量のデータが必要だからです。十分なサンプル数を確保できる予算を確保することが、信頼性の高いテスト結果を得るためのポイントです。
カスタムテストの設定・確認方法
さて、準備が整ったら、ABテストの実施に進みます。ここでは、カスタムテストの設定・確認方法を紹介します。
管理画面の左上のメニューから「テスト」をクリック
はじめに、管理画面の左メニューから「「テスト」をクリックます。
「テスト」の項目から「カスタムテスト」をクリック
次に「テスト」の項目から「カスタムテスト」をクリック。そのあと、作成ボタンをクリックします。
キャンペーンタイプを選択しテスト名、キャンペーンを入力
下記の画面示されるので「カスタムテスト」を選択。続いて、キャンペーンタイプを選択します。
下記の画面が表示されるので、「テスト名」を入力後、対象のキャンペーンを選択。
設定に問題がなければ「保存して続ける」ボタンをクリックしましょう。
テスト内容を変更する
次に通常の管理画面と似た画面が表示されます。初期状態では元のキャンペーン設定がそのままコピーされています。ここで、テストしたい内容を変更しましょう。
ここでは、キーワード、アセット、ランディングページの遷移先、広告の見出しや説明文など。さまざまな要素を通常の管理画面と同じ操作方法で編集できます。
変更が完了したら、ABテストのスケジュール設定をおこないます。画面上部の「Schedule」リンクをクリックしましょう。
スケジュール・指標の設定をおこなう
最後に、スケジュールやテスト目標の指標を設定します。
設定すべき項目は、次の4つです。
- テストの目標
- テストへの分配比率
- ウェブテスト期間
- 同期を有効にする
「テストを作成」で完了
項目の設定ができたら、「テストを作成」をクリックして完了です。
テスト作成が完了すると、元のキャンペーンの下に「キャンペーン名 テスト」という名前で、フラスコアイコンの付いた新しいキャンペーンが表示されます。
あとはテスト開始までに必要な修正をおこなうか、そのまま開始時間を待つだけです。
参照元:カスタムテストを設定する – Google広告ヘルプ –
テストの確認方法
テストの確認方法は簡単です。キャンペーン一覧画面から「テスト」を選び「カスタムテスト」メニューを選択します。
すると、カスタムテスト一覧が表示されます。確認したいテスト名をクリックすれば、詳細内容を確認できます。
テストを選ぶと、次のような画面が表示されます。
①の部分に「Base」(元のキャンペーン)と「Trial」(テストキャンペーン)が表示され、それぞれのキャンペーン名も確認が可能です。
②の部分には「テストを適用」と「テストを終了」という2つのボタンがあります。
「テストを適用」は、テストキャンペーンのパフォーマンスが元のキャンペーンより優れている場合に選択します。これを押すとテストを終了し、今後はテストキャンペーンの設定で運用を続けることになります。
一方「テストを終了」は、テストキャンペーンの成績が思わしくない場合に選択します。こちらを押すとテストを終了し、元のキャンペーン設定のまま運用を継続します。
テキスト広告の最適化(広告バリエーション)の設定・確認方法
ここでは、テキスト広告の最適化(広告バリエーション)の設定・確認方法を紹介します。
管理画面の左上のメニューから「テスト」をクリック
はじめに、管理画面の左メニューから「テスト」をクリックます。
「テスト」の項目から「テキスト広告の最適化」をクリック
次に、作成ボタンをクリック。項目から「テキスト広告の最適化」を選び、「続行」をクリックします。
このような画面が表示されます。
「すべてのキャンペーン」か「キャンペーンを選択」を選択する
広告バリエーションのテスト設定では、対象範囲として「すべてのキャンペーン」。または「キャンペーンを選択」のどちらかを選択できます。
「広告をフィルタ」機能は必須ではありません。ですが、これを使用することですべてのキャンペーンの中から、特定の条件に合致する広告だけを絞り込んでテスト対象にすることが可能です。
「バリエーションを作成する」の項目を入力する
広告バリエーションを作成する際は、「種類」と「対象」の2つの要素を設定します。
種類は以下の3つから選択できます。
- 検索と置換
- URLの更新
- 広告文を更新する
これらの設定を選んで適切な内容を反映させることで、テストしたいバリエーションの作成が可能です。
広告バリエーションの詳細を順に入力する
バリエーションには、内容が識別しやすいわかりやすい名前を入力しましょう。開始日はデフォルトで当日からスタートし、終了日は初期設定では1ヵ月後に設定されています。
必要に応じて任意の日付に変更するか、「終了日なし」を選択することも可能です。分配比率はデフォルトの50%のままで問題ありません。
すべての設定が完了したら、「バリエーションを作成」ボタンをクリックして設定を完了させます。
参照元:広告バリエーションについて – Google広告ヘルプ –
広告バリエーションの確認方法
広告バリエーションを確認する場合。すべてのキャンペーンを選択した状態で、メニューから「テスト」を開きます。そして、その中の「広告バリエーション」を選択します。
このように、広告バリエーションの結果が表示されます。
青い星マークが付いている場合、そのテストバージョンが元の広告より効果的だと判断されている指標です。
詳細データを確認したい場合は、該当項目にマウスカーソルを合わせてください。カーソルが「?」マークに変わると、その指標の詳細情報がポップアップ表示されます。
テスト運用後の判断として、テストの有効性が高いと確認できた場合は「適用」ボタンをクリックして変更を本番に反映させます。
逆に、テスト結果が思わしくない場合は「一時停止」をクリックしてテストを終了しましょう。
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Google広告のABテストを効果的におこなうポイント
Google広告のABテストを効果的におこなうには、次の4つのポイントを押さえておくとよいでしょう。
- CV数の多いキャンペーンからテストを実施する
- 少ないデータで結果を判断しない
- テストの条件を途中で変更しない
- ABテストを繰り返しおこなう
では、それぞれ解説します。
CV数の多いキャンペーンからテストを実施する
ABテストを成功させるには、すでに十分なコンバージョン数を獲得しているキャンペーンからテストを開始することが重要です。
実績のあるキャンペーンは安定したデータ量が見込めます。そのため、テスト結果の比較・分析が容易になります。また、効果の高いキャンペーンを改善すればその恩恵も大きくなります。よって、わずかなパフォーマンス向上でも売上に与える影響が高まります。
限られたリソースを最大限に活かすためにも、まずは成果の出ているキャンペーンからテストを実施するという優先順位付けが大切です。
少ないデータで結果を判断しない
ABテストは比較的短期間で実施できるものの、精度の高い結果を得るためには最低でも1週間程度の期間設定が必要です。
これは、データのばらつきや外部要因による一時的な変動を平準化するためです。短期間のデータだけで判断すると、偶然の要素が結果に大きく影響する可能性があります。
例えば、開始後数日間はAパターンが優位でも、1週間経過するとBパターンが逆転するケースも少なくありません。曜日変動や季節要因などを考慮し、十分なサンプル数を集めることで、より信頼性の高い判断が可能になります。
テストの条件を途中で変更しない
ABテストの信頼性を担保するためには、一度開始したテストの条件を途中で変更しないことが鉄則です。
クリエイティブの内容を変更したり、比較する条件を追加した場合。それまでのデータとの整合性が取れなくなり、テスト結果の精度が低下します。
新しい条件を試したい場合は、現在のテスト終了後に新たなテストとして実施する。または、まったく別のテスト環境を用意しましょう。テスト条件の一貫性を保つことが、意味のある結果を得るための基本です。
ABテストを繰り返しおこなう
ABテストの成功率は一般的に約3割程度と言われています。つまり、多くのテストは期待通りの結果をもたらさないことを理解しておく必要があります。
しかし、これは決して失敗ではなく、改善に向けた貴重な学びとなります。広告パフォーマンスを継続的に向上させるためには、一度だけでなく、テストを繰り返し実施することが重要です。
前回のテスト結果から得られた知見をもとに次の仮説を立てます。テストを重ねていくことで、徐々に最適な広告設定にたどり着くことができます。テストを一連のプロセスとしてとらえ、継続的な改善サイクルを確立することが成功への鍵といえるでしょう。
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まとめ
Google広告のABテストは、複数の広告パターンを比較して最も効果的な方法を見つけ出す手法です。
カスタムテストや広告バリエーションなど、目的に合わせた種類があり、ユーザーの反応向上やコンバージョン率改善に役立ちます。
成功させるポイントは、明確な目的設定、十分なデータ収集期間の確保。そして、実績のあるキャンペーンからの開始です。
また、テスト条件は途中で変更せず、結果が出なくても繰り返し挑戦するとよいでしょう。ぜひ、ABテストを広告運用に取り入れて、データに基づいた改善を始めてみることをおすすめします。