広告運用に携わっている多くの方が、Googleアナリティクスなどの分析ツールを活用して効果測定をおこなっています。しかし「どの流入元から、どれだけの成果につながっているのか」を正確に把握できていないという課題を抱えているケースも少なくありません。
そこで、その問題を解決するのに役立つのが「カスタムパラメータ」です。カスタムパラメータを活用すれば、ユーザーの流入経路や広告ごとのパフォーマンスを詳細に計測でき、より精度の高い分析と広告運用が可能になります。
本記事では、カスタムパラメータの概要や広告運用の役割についてわかりやすく解説します。加えて、Google広告・Yahoo!広告での設定方法もそれぞれ紹介していますので、広告運用にお役立てください。
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※関連記事:リスティング広告を入稿する方法を徹底解説!注意点やエディターの使い方まで網羅
目次
そもそもパラメータとは?
まずはじめに、パラメータとはURLにつける「?」以降の変数のことです。URLにパラメータをつけることで、WEBサイトへの流入がどの広告やデバイスから遷移して来たのかをGoogleアナリティクスなどの分析ツールで確認できるようになります。
パラメータを追加したURLのことを「URLパラメータ」と呼びます。パラメータが複数ある場合は、以下のように「パラメータ名」=「パラメータの値」のペアを「&」で区切って複数指定することも可能です。
https://abc-sample.com/?name(パラメータ名)=cde(パラメータ値)&product=fgh |
Google広告やYahoo!広告では、URLパラメータを管理するための機能「URLオプション」が用意されています。URLオプションの機能は下記の3つです。
- トラッキングテンプレート/トラッキングURL
- 最終ページURLのサフィックス/最終リンク先URL
- カスタムパラメータ
パラメータの設定ルール
まず、パラメータを設定するにあたって、基本的なルールが3つあります。
- パラメータを付与するURLの最後に「?」をつけて入力
- 「パラメータ=値」の形式でパラメータを付け加える
- 複数のパラメータがある場合は「&」でつなげる
データを分類・解析するためには、定義されたパラメータを設定のルールにしたがって利用することが必要です。
よく利用されるパラメータ
次に、ここではよく利用されるパラメータについて紹介します。
以下の表で概要と設定例をまとめました。
パラメータ | 概要 | 設定例 |
utm_source | 計測したいページの流入元を指定するパラメータ | 検索エンジンであるGoogleからサイトに流入した場合:utm_source=google |
utm_medium | どのようなメディア(媒体)経由の流入かを指定するパラメータ | リスティング広告:utm_medium=cpcディスプレイ広告:utm_medium=display
メールマガジン:utm_medium=email |
utm_campaign | 計測する広告キャンペーンを指定するパラメータ | 夏のセールを実施する場合:summer_sale |
utm_term | 計測対象の検索キーワードを指定するパラメータ | 通販のテーブルをデジタル広告で出稿している場合:utm_term=table |
utm_content | 計測する広告コンテンツを区別する場合に利用するパラメータ | バナー広告のA/Bテストなど、広告ごとのパフォーマンス詳細を知りたい場合:・pattern_a
・pattern_b など |
カスタムパラメータとは?
カスタムパラメータとは、Google広告やYahoo!広告などで使える任意のトラッキング用パラメータのことです。
「名前」と「値」の2つを任意で設定でき、どのような媒体やコンテンツ、キャンペーンなどを経由して最終URLに訪れているのかを把握できるようになります。
例えば、キャンペーンごとにデータを分析する場合に、デフォルトの{campaignid}だけでは、どのキャンペーンなのか判別するのは難しいです。しかし、{mycampaignid}=12345というように、自身がわかりやすいようにカスタム設定することで、キャンペーンの分析がしやすくなります。
参照:高度なトラッキング用のカスタム パラメータを作成する – Google広告ヘルプ
広告運用における役割
広告運用におけるカスタムパラメータの役割は主に以下の2つです。
- ユーザーの流入経路を把握する
- 広告ごとの流入を区別する
ユーザーの流入経路を把握する
まず、カスタムパラメータを設定することで、ユーザーがどの流入経路から来たのかを細かく把握できます。ユーザーのサイト流入経路は、リスティング広告、検索結果、スマートフォンアプリ、メールマガジンなどさまざまです。
カスタムパラメータを付与して、どの経路が機能しているかを分析できれば、これから力を注ぐべきポイントを明確にできます。
広告ごとの流入を区別する
次に、同一のURL上に同じ広告が複数ある場合、カスタムパラメータであらかじめ左側広告、下部広告、最上部の広告と区別することで、同一URL上でも広告毎の流入を把握できるようになります。
例えば、下記の場合でもカスタムパラメータを設定しておけば、別々にデータを区別できます。これにより、データ分析もより正確なものになります。
- 検索エンジンでリスティング広告と自然検索結果が同時に表示された場合
- 複数の広告文やデザインを出し分けている場合のABテストやパターン比較
トラッキングテンプレート/トラッキングURLとカスタムパラメータとの違い
続いて、広告運用を効率的に進めるためには、「トラッキングテンプレート」(Yahoo!広告では「トラッキングURL」)と「カスタムパラメータ」の違いを正しく理解し、それぞれを使い分けることが重要です。混同してしまいやすい部分でもあるため、ここでしっかり整理しておきましょう。
トラッキングテンプレートは、トラッキング情報を入力する項目です。広告がクリックされた際に、指定された情報をもとにランディングページのURLを生成する仕組みです。
例えば、夏のセールを実施する場合に、トラッキングテンプレートを次のように設定するとします。
{lpurl}?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=summer_sale&utm_content=top_banner |
このとき最終的なリンク先URL「https://www.abc-sample.co.jp/」を指定した場合、実際に遷移するURLは下記となります。
https://www.abc-sample.co.jp/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=summer_sale&utm_content=top_banner |
トラッキングテンプレートは、広告単位だけでなくアカウントやキャンペーンなどの上位の階層にも適用できます。そのため、設定の手間を大幅に軽減できます。また、一括設定が可能なため、ミスや設定漏れの防止にもつながります。
代表的な変数
以下は、代表的な変数をまとめたものです。
Google/Yahoo!変数 | 意味 | 例 |
{lpurl} | ランディングページの URL | https://www.abc-sample.co.jp/ |
{keyword} | キーワード | リスティング広告 |
{matchtype} | 広告を表示させるきっかけになったマッチタイプ ・完全一致:「e」 ・フレーズ一致:「p」 ・部分一致:「b」 |
e、p、b |
{device} | 広告が表示されたデバイス・m:スマートフォンとモバイル
・t:タブレット ・c:パソコン |
m、t、c |
{campaignid} | キャンペーンID | 12345 |
{adgroupid} | 広告グループID | 123456789 |
{creative} | 広告固有のID(広告トラッキングID) | 1234567891011 |
リスティング広告の成果に満足されていますか?
- 現状の費用対効果に不満
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- 成果状況をこまめな報告が欲しい
- 小さなことも相談したい
上記お悩みをリスティング広告専門コンサルタントが解決いたします。
※関連記事:【Google広告】Google広告エディターで広告運用を効率化!基本設定から使い方まで丁寧に解説
カスタムパラメータの設定方法
ここからは、Google広告とYahoo!広告、それぞれの計測に必要なカスタムパラメータの設定方法を解説します。
Google広告の場合
Google広告でのカスタムパラメータの設定には、3つの方法があります。
- キャンペーンまたは広告グループでの設定方法
- キーワードによる設定方法
- 広告での設定方法
では、一つずつ解説します。
関連記事:【Google広告】Google広告エディターで広告運用を効率化!基本設定から使い方まで丁寧に解説
キャンペーンまたは広告グループでの設定方法
まず、キャンペーンや広告グループでの設定手順は以下のとおりです。
- 管理画面にてキャンペーンまたは広告グループを選択
- 「その他の設定」を選択
- 「キャンペーンURLのオプション」をクリック
- キャンペーンテンプレートに作成したパラメータを入力
以下で詳しく解説します。
はじめに管理画面でキャンペーンまたは広告グループを選択。次に「設定」をクリックして対象のキャンペーンまたは広告グループを選択します。
続いて「その他の設定」を選択します。
「キャンペーンURLのオプション」をクリックします。
最後に、キャンペーンテンプレートに作成したパラメータを入力します。
キーワードによる設定方法
次に、キーワードで設定する場合の設定手順は以下のとおりです。
- 設定したいキーワードにチェックを入れて「編集」をクリック
- 「トラッキングテンプレートを変更」を選択
- 「新しいトラッキングテンプレート」に作成したパラメータを入力
- 「適用」ボタンをクリック
では、以下で詳しく解説します。
はじめに、設定したいキーワードにチェックを入れて「編集」をクリックします。
次に「トラッキングテンプレートを変更」を選択します。
続いて「新しいトラッキングテンプレート」に作成したパラメータを入力します。
最後に「適用」ボタンをクリックして完了です。
広告での設定方法
続いて、広告で設定する場合の設定手順は以下のとおりです。
- 設定したい広告にチェックを入れて「編集」をクリック
- 「トラッキングテンプレートを変更」を選択
- 「新しいトラッキングテンプレート」に作成したパラメータを入力
- 「適用」ボタンをクリック
では、以下で詳しく解説します。
まず、設定したい広告にチェックを入れて「編集」をクリックします。
次に「トラッキングテンプレートを変更」を選択します。
続いて、「新しいトラッキングテンプレート」に作成したパラメータを入力します。
最後に「適用」ボタンをクリックして完了です。
Yahoo!広告の場合
Yahoo!広告のカスタムパラメータの設定も下記3つの方法で設定できます。
- キャンペーンまたは広告グループでの設定方法
- キーワードによる設定方法
- 広告での設定方法
では、一つずつ解説します。
キャンペーンまたは広告グループでの設定方法
キャンペーンや広告グループでの設定手順は以下のとおりです。
- 管理画面左側より、「キャンペーン」または「広告グループ」を選択
- 「キャンペーン設定」から編集をクリック
- 「その他」のURLオプションを指定し「トラッキングURL」にパラメータを入力
- 「保存」ボタンをクリック
では、以下で詳しく解説します。
まず、管理画面左側より、「キャンペーン」または「広告グループ」を選択。次に、対象の「キャンペーン名」または「広告グループ名」をクリックします。
続いて、「キャンペーン設定」をクリックし、編集をクリックします。
そして、「その他」にあるURLオプションを指定。そのあと、「トラッキングURL」に作成したパラメータを入力します。
最後に、「保存」ボタンをクリックしたら完了です。
キーワードによる設定方法
次に、キーワードで設定する場合の設定手順は以下のとおりです。
- 管理画面左の「キーワード」よりトラッキング設定したいキーワードの編集を選択
- 「URLオプション」の「指定する」にチェックを入れ、パラメータを入力
- 「保存」ボタンをクリック
では、以下で詳しく解説します。
まず、管理画面左の「キーワード」から、トラッキング設定したいキーワードの編集を選択します。
次に、「キーワードを編集する」の下部にある「URLオプション」の「指定する」にチェックを入れます。続いて、「トラッキングURL」の欄にパラメータを入力します。
最後に、「保存」ボタンをクリックしたら完了です。
広告での設定方法
Yahoo!検索広告は、すでに作成している広告の編集ができないので、新たに広告を作成する必要があります。
設定手順は以下のとおりです。
- 管理画面左の「広告」から、「広告作成」をクリック
- 広告を作成するグループを選択する
- 「広告作成画面に進む」をクリック
- 広告作成画面下側の「トラッキングURL」欄に作成したパラメータを入力
- その他見出しなど、広告に必要な情報を入力し「作成」ボタンをクリック
では、以下で詳しく解説します。
まず、管理画面左の「広告」から、「広告作成」をクリックします。
次に、広告を作成するグループを選択し,「広告作成画面に進む」を選択ます。
続いて、広告作成画面下側の「トラッキングURL」欄に作成したパラメータを入力します。
最後に、その他見出しなど、広告に必要な情報を入力し「作成」ボタンをクリックしたら完了です。
リスティング広告の費用対効果に満足されていますか?
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上記お悩みをリスティング広告専門コンサルタントが解決いたします。
まとめ
さて、本記事では、Google広告とYahoo!広告におけるカスタムパラメータの特徴やメリット、また、それぞれのカスタムパラメータの設定方法を解説しました。
パラメータ設定は少し複雑に感じたかもしれません。ですが、一度設定できれば作業工数の削減や設定漏れを防ぐことにもつながります。また、カスタムパラメータは自由度が高いため、自社の分析目的に合わせて柔軟に設計・運用できるのも魅力のひとつです。
本記事で紹介した基本ルールと設定方法を参考に、カスタムパラメータを活用して、より高度な広告運用を実現してみてください。