アクセス解析でわかることや、得られる代表的な数値データを中心に、アクセス解析の事前準備やポイント、おすすめのアクセス解析ツールを紹介します。
アクセス解析について理解を深めたい、という企業のWEBマーケティング担当者も多いでしょう。WEBサイトの成果をあげるには、アクセス解析で「わかること」を把握したうえでの運営が必要です。
目次
アクセス解析が必要な3つの理由
WEBサイト運営でアクセス解析が必要な3つの理由は「WEBサイトの現状と課題を把握するため」「目標の達成度をモニタリングするため」「実施した施策の効果を測定・検証するため」です。ここでは、アクセス解析が必要な3つの理由をそれぞれ解説します。目的を明確にすれば成果につなげられるので、しっかりと理解しておきましょう。
1.WEBサイトの現状と課題を把握するため
アクセス解析が必要な理由は、WEBサイトの現状と課題を把握するためです。自社で運営するWEBサイトには、商品やサービスの認知や購入につなげる、自社について知ってもらい企業価値を高める、ユーザーに有用な情報を提供し資料をダウンロードしてもらうなど、さまざまな目的があります。それらの目的を達成するには、常に運営するWEBサイトの現状や課題の把握が必要です。アクセス解析を使えば、アクセスを集めているページや商品やサービスの購入につながったページ、離脱率の高いページなど、ページごとの現状を把握できます。
課題があるページを把握できれば、ピンポイントで効果的な改善につなげられるでしょう。また、Googleのアルゴリズムのアップデートの影響で検索順位が上下するケースもありますが、アクセス解析に目を向けていれば、速やかに対処できます。
2.目標の達成度をモニタリングするため
アクセス解析は、目標の達成度をモニタリングするためにも必要なツールです。ここでいうモニタリングとは、WEBサイトをアクセス解析を使って観測し、目標の達成度を常に把握することを指します。
例えば、月のPV数とWEBサイト経由での商品購入数の目標を立てていたとしましょう。アクセス解析を使っていれば、日々の目標達成度をモニタリングできるので、達成度によってすぐに対策し改善できます。月が終わってから、前月のPV数とWEBサイト経由での商品購入数などを集計するのでは、タイムリーな対策を打つことはできません。中間地点で目標の達成度を把握しておけば、手遅れになる前に施策を打てます。
3.実施した施策の効果を測定・検証するため
アクセス解析は、実施した施策効果の測定や検証にも役立てられます。WEBサイトでは、SEOやキャンペーンなどのさまざまな施策をおこないます。アクセス解析を使えば、それぞれの施策がどの程度の効果を出しているのかを把握できるので、何を優先しどこを改善すべきかなどを簡単に知ることができます。施策をおこなっても効果を調査していなければ、続けるべきか止めるべきかの判断ができません。
また、ただの自己満足になってしまい、次回以降も同じことを繰り返してしまう恐れもあります。アクセス解析で、WEBサイトへの施策をおこなった効果を日々検証しておけば、次回以降の施策にも活かせるでしょう。
アクセス解析でわかること
アクセス解析でわかることを把握しておけば、WEBサイトを目的に適した運営に近づけられます。アクセス解析ツールを、アクセスしたユーザー数を調べるだけのツールと考えている人も多いのではないでしょうか。
アクセス解析でわかることは「アクセスしているユーザー」の他にも「アクセスしたユーザーの流入経路」や「サイト内でのユーザーの行動経路」「WEBサイト内の問題や課題」「サイトで得られた効果」「効果の予測」などです。ここでは、それぞれ解説していきます。
1.WEBサイトにアクセスしているユーザーがわかる
アクセス解析では、WEBサイトにアクセスしているユーザーや、アクセスしたユーザーの数がわかります。リアルタイムで訪問しているユーザー数を確認したり、訪問したユーザーについて期間を細かく設定して調べたりすることが可能です。ユーザー数は、時間や日、週、月、年などグラフで可視化できるので、アクセス数の移りかわりや比較なども簡単におこなえます。ページごとでアクセスしたユーザー数も把握できるので、どのページがアクセスを集めているのか、反対にほとんどアクセスのない改善すべきページはどれかなどを洗い出すことも可能です。WEBサイトに訪れたユーザーについては、地域なども知れるので、WEBサイトのユーザー属性もある程度調べられます。
2.WEBサイトにアクセスしたユーザーの流入経路がわかる
アクセス解析では、ユーザーの流入経路もわかります。ここでいう流入とは、どのような方法でユーザーが自社のWEBサイトに訪れたのかです。アクセス解析を使えば、どの検索エンジンからアクセスしてきたのか、どのサイトのリンクを踏んで訪問してきたのかなどを数値で見ることができます。例えば、多くの企業や個人が導入しているアクセス解析ツール「Googleアナリティクス(GA4)」では「Organic Search:検索エンジンから流入」「Paid Search:リスティング広告からの流入」「Referral:外部リンクからの流入」「Social:SNSからの流入」など、数値での確認が可能です。このように、ユーザーの流入経路を細かく確認できるので、集客施策を強化すべき点や改善ポイントを明確にできます。
3.WEBサイトのなかでのユーザーの行動経路がわかる
アクセス解析では、自社のWEBサイトに訪れたユーザーがサイト内でどのような行動をしたかの行動経路がわかります。ユーザーが最初にWEBサイトに訪れた「ランディングページ(開始ページ)」や、次に移動した「最初の通過地点」「2番目の接点」「3番目の接点」など、行動経路の把握が可能です。それぞれのページの滞在時間なども確認できるので、ニーズのあるページや問題があるページを分析できます。
4.WEBサイト内の問題・課題がわかる
アクセス解析ツールによって、WEBサイト内の問題点や課題がわかります。例えば、どのページが、WEBサイトに訪れるユーザーのランディングページになっているかも重要です。ランディングページは、ユーザーがWEBサイト内での閲覧を続け商品やサービスに興味を持つか、反対に興味を示さずに離脱するかを決定する入口です。離脱するケースが多いなら、何かしらの問題点や課題がある可能性があるので「改善が必要だ」という判断につなげられます。また、ランディングページから商品やサービスを販売するページに移動しているにも関わらず、コンバージョンにつながらないケースもあります。
ランディングページが検索結果の上位に表示されアクセスを集め、そのページの内容が良く販売するページに誘導できても、まったくコンバージョンにつながらないのでは意味がありません。この場合は、販売ページの内容や装飾などに問題があると把握できるので、改善策を講じることができます。アクセス解析では、他にも離脱が多いページやアクセスが少ないページ、滞在時間が少ないページなどの問題や課題があるページを知ることができるので、効率的な改善につなげられるでしょう。
5.WEBサイトでどのくらいの効果が得られたのかがわかる
アクセス解析では、コンバージョン率を確認できるので、WEBサイトでどのくらいの効果が得られたのかがわかります。後章で詳しく解説しますが、コンバージョンとはWEBサイトの目的としていた効果が得られることです。例えば、WEBサイト経由で商品やサービスが売れたり、資料請求されたりすることを指します。コンバージョン率とはWEBサイトにアクセスしたユーザーが、どのくらいコンバージョンにつながったかの指標です。業界や企業などにより扱う商品やサービスが異なるので、どのくらいのコンバージョン率が優れているかという目安はありません。ただ、企業ではマーケティングにより、具体的で現実的な目標数値を設定しています。目標数値にあまりにも届かないなら、改善の判断材料にできます。
6.WEBサイトでどのくらいの効果が得られそうなのか予測できる
アクセス解析では、目的としていた効果が得られそうなのかを予測する「コンバージョンの見込み」を確認できます。例えば、Googleアナリティクスでは、コンバージョンのシグナルを分析し、コンバージョンの見込みをスコアで確認が可能です。スコアは1(低い)~100(高い)で表示されます。どのくらいの効果が得られそうかがわかれば、WEBサイトの優先すべき点や改善点も見えてくるでしょう。
アクセス解析で得られる代表的な数値データ
アクセス解析では、具体的にどのような数値データを確認できるのでしょうか。アクセス解析ツールを使っていてもアクセス数しか確認していないのであれば、WEBサイト運営の優先事項や改善すべき点が見えてきません。
アクセス解析でどのような数値データが見られるかを知り、常に確認する習慣をつけておけば、WEBサイトの問題点への速やかな対策が打てるようになります。ここでは、アクセス解析で得られる代表的な12の数値データを紹介しましょう。
ユーザー数
アクセス解析では、WEBサイトに訪れた「ユーザー数」の数値データを確認できます。ユーザー数とはアクセス数の1つで、ユニークユーザー(UU)と呼ばれることもある数値データです。ユーザー数は、日、週、月などの特定期間内にアクセスしたユーザーをカウントした数値ですが、あくまでもユーザー単位での数値になります。例えば、1日のユニークユーザーの数値データを見るとしましょう。この場合、同じユーザーがWEBサイトに何度アクセスしても、ユニークユーザーは1とカウントされます。そのためユーザー数は、実際に何名のユーザーがWEBサイトにアクセスしたかを知るうえで有効な数値です。
ただ、同じユーザーでも、違うデバイスやブラウザでアクセスした場合は、それぞれカウントされます。
新規ユーザー数
アクセス解析では、新規ユーザー数の数値データを確認することもできます。新規ユーザーとは、初めてWEBサイトに訪れたユーザーのことです。日、週、月などの特定期間内にアクセスした新規ユーザーをカウントした数値ですが、ユニークユーザーと同様に、あくまでもユーザー単位での数値になります。また、デバイスやブラウザ単位でのカウントなので、同じユーザーであっても異なる方法でアクセスした場合は1カウントされる仕様です。
セッション数
アクセス解析では、セッション数の確認もできます。セッション数とはアクセス数の1つで、訪問数と呼ばれることもある、ユーザーの訪問回数を表す数値データです。日、週、月などの特定期間内にアクセスしたユーザーをカウントする数値で、訪問から離脱までを1セッションとしてカウントします。例えば、同じユーザー、または同じデバイスやブラウザから期間内に複数回アクセスがあったとしましょう。この場合は、訪問から離脱までを毎回1とカウントします。セッション数は、ランディングページだけで離脱しても1ですし、複数のページを閲覧して離脱してもカウントは1となります。
そのため、セッション数は閲覧されたページ数には関係のない、あくまでもWEBサイトの「訪問数」と考えておきましょう。
PV数(ページビュー数)
アクセス解析では、PV数(ページビュー数)の数値データも見ることができます。PV数とはアクセス数の1つで、WEBサイト内のページ単位の閲覧数を表す数値データです。日、週、月などの特定期間内にページが閲覧された回数をカウントします。ページの閲覧数なので、同じユーザーが10ページ見ればカウントは10、10名のユーザーがそれぞれ1ページずつ閲覧した場合もカウントは10です。ページごとのPV数も確認できるので、単純にどのページにニーズがあるのか、反対にアクセスされにくいページなども一目で確認できます。PV数を参考にすれば、WEBサイトの改善点も見えてくるのです。
エンゲージメント数
アクセス解析では、エンゲージメントによりユーザーのWEBサイト内での操作を知ることが可能です。エンゲージメントはGoogleアナリティクスのGA4に実装された機能です。Googleでは、コンテンツ配信の場合は「内容を読むためにページを下へゆっくりスクロールする操作」、eコマースサイトの場合は「商品詳細ページの閲覧や特定ページに一定時間留まる操作」と、具体例を出してエンゲージメントの定義を解説しています。エンゲージメント数といえば、SNSでよく利用される言葉ですが、アナリティクスのGA4とは異なります。
SNSでは「いいね」「コメント」「クリック」「シェア」など、ユーザーのアクションに対する指標と定義されています。GoogleアナリティクスのGA4では、WEBサイト内の全てのアクションが、エンゲージメントとしてのカウント対象です。収集されたエンゲージメントは、セッションや時間などの指標と関連づけることでさまざまな分析に役立ちます。
平均エンゲージメント時間
平均エンゲージメント時間とは、ユーザーがWEBサイトを実際に見たり使ったりした平均時間です。平均エンゲージメント時間は「総エンゲージメント時間÷ユーザー数」で求められ、1人あたりのユーザーがどれくらいWEBサイトを実際に見たり使っていたりしていたかの確認ができます。総エンゲージメント時間に含まれるのは「実際」に表示されていたものです。例えば、パソコンなどでは目にしているタブのページが「実際に見ているページ」なので、多くのタブを開いていても他のページはカウントされません。
また、1セッションあたりの平均エンゲージメント時間は「総ユーザーエンゲージメント÷セッション数」で求められ、これにより1セッションあたり実際にWEBサイトを見たり使ったりされる平均時間がわかります。
コンバージョン数
コンバージョン(CV)数とは、WEBサイトの目的としていた効果が得られた数値です。例えば、自社の商品やサービスを売る目的なら売れた数、資料請求ならダウンロードされた数がコンバージョン数となります。コンバージョンの種類は「直接コンバージョン」と「間接コンバージョン」に分けられるのが一般的です。直接コンバージョンは、ユーザーがWEBサイトへの一度の訪問から離脱までに効果が得られたコンバージョンを指します。一方の間接コンバージョンは、一度の訪問から離脱までに効果が得られなかったものの、他のサイトなどで調べるなどした結果、最終的に効果が得られたコンバージョンです。
コンバージョンレート(CVR)
コンバージョンレート(CVR)とはコンバージョン率のことで、WEBサイトに訪問したユーザーのうち、どのくらいの割合で目的としていた効果が得られたかの数値です。企業それぞれ扱っている商品やサービスは違うため、どの程度のコンバージョンレートがあればよいというものではありません。ただ、この数値が高ければ、効果的にWEBサイトを運営できている目安にできます。反対に数値が低ければ、改善の余地があると考えることができるでしょう。
例えば、コンバージョンレートは、コンバージョン数をWEBサイトに訪問したユーザー数から割った数値なので、数値が低いならユーザーが多く訪れているにもかかわらずコンバージョンにつながらない原因を把握し改善する必要があります。
スクロール数
アクセス解析では、WEBサイトにアクセスしたユーザーがどこまでスクロールしたかの計測が可能です。スクロール数を知ることで、ユーザーがどの部分でページを離脱するケースが多いのかを把握できます。スクロールの計測は特定のページを設定できるので、ページ単位で問題点を洗い出し改善につなげることもできるでしょう。スクロール数として数値で確認できる単位は、%かピクセルです。また、GoogleではGA4でのスクロール数について「ユーザーがページの90%の深さまで初めてスクロールしたとき」をカウントするタイミングとしています。
離脱クリック数
離脱クリック数の数値データも確認可能です。離脱クリック数とは、ユーザーがWEBサイトから何かしらのリンクをクリックして離脱した数を指します。例えば、外部リンクや広告リンクなど、内部ページ以外へ移動するためのリンクをクリックしたケースです。離脱という言葉はWEBサイトにとって良い意味がないように感じますが、アフィリエイト記事で広告主サイトへ誘導できたなら、効果的なページ構成ができていることになります。URLごとでも確認できるので、離脱クリック数が少ないリンクへの誘導方法の改善にもつなげられるでしょう。
動画エンゲージメント数
動画エンゲージメント数とは、WEBサイト内の埋め込み動画が視聴された数です。「動画の再生が開始されたとき」と、動画再生時間の「10%」「25%」「50%」「75%以降」それぞれまで進んだときにカウントされます。
ファイルのダウンロード数
ファイルのダウンロード数は、WEBサイト内でユーザーが「ファイルに移動するためのリンクをクリック」したときにカウントされる数字です。どのページのどこのリンクが、ファイルのダウンロードに効果的なのかも確認できるので、リンクの位置やテキストの見直しなどに役立てられるでしょう。参考までに、GoogleアナリティクスGA4では「ドキュメント」「テキスト」「実行可能ファイル」「プレゼンテーション」「圧縮ファイル」「動画」「音声」などがカウントできるとしています。
アクセス解析の事前準備
アクセス解析の事前準備として求められるのは「WEBサイトの目的を決めること」「WEBサイトの目標値(KPI)を決めること」です。アクセス解析でわかることや、確認できる数値データを理解していても、WEBサイトからどのような効果を得たいのかを明確にしていなければ意味がありません。目的や目標値があれば、アクセス解析を活かした効果的なWEBサイトの運営につなげられます。ここでは、アクセス解析の事前準備方法を解説しましょう。
WEBサイトの目的を決める
アクセス解析を活かすなら、WEBサイトの明確な目的を決める必要があります。商品やサービスを売りたいのか、それとも問い合わせてもらいたいのか、目的がぶれていては効果的ではありません。何をもってコンバージョンなのか、目的さえ明確にしておけば、アクセス解析で何を確認すればいいのかも明確になります。WEBサイトの目的とされる一般的なジャンルには、次のような種類があるので参考にしてみてください。多ジャンルを含めるよりも、絞ったほうがアクセス解析をより活かすことができるでしょう。
商品やサービスを周知するための「商品サイト」、商品を売るための「ECサイト」、企業の情報を発信する「コーポレートサイト」、自社の採用情報を発信する「リクルートサイト」、企業のコンセプトなどを伝える「ブランドサイト」、自社が力を入れている商品やサービスをユーザーにアピールする「キャンペーンサイト」などがあります。
WEBサイトの目標値(KPI)を決める
WEBサイトの目的が明確になったら、目標値(KPI)を決めましょう。KPIとは、最終目標値(KGI)に対する中間目標値です。WEBサイト運営を始める場合、まずはKGIを決めることが多いでしょう。ただ、WEBサイト運営は長期的に進めるケースが多いので、経過地点としてのKPIを細かく設定することも重要です。KPIを細かく設定したうえでアクセス解析ツールを使えば、効果を出しているページや問題点が見えてくるので、最終目標に向けてスムーズな改善策を打つことができます。
※関連記事:【初心者向け】Googleアナリティクス(GA4)の使い方と初期設定とは
アクセス解析のポイント
アクセス解析をWEBサイト運営に活かすポイントは「過去の数値と比較」「外的要因の考慮」「ユーザー目線」「アクセスの多いページの把握」「コンバージョン率の高いページの把握」です。
アクセス解析は、さまざまな数値データからわかることが多くあります。しかし、それらのデータを見るだけでなく、WEBサイト運営に役立てるには、意識すべきポイントも少なくありません。ここでは、アクセス解析の5つのポイントを解説します。
1.過去の数値と比較する
アクセス解析をWEBサイト運営に活かすには、過去の数値との比較が求められます。日や月で過去のデータとの比較は一般的ですが、長期的に比較したり新たなコンテンツを投稿した前後のデータを見比べたりすることも重要です。長期的な比較は短期的な些細な影響を省けるので、分析結果に信憑性を持たせることができます。
2.外的要因も考慮する
アクセス解析では、外的要因への考慮も必要です。アクセス解析の数値データは、外的要因も受けます。WEBサイトへの流入が増える要因はサイト内ではなく、外的要因によるケースも少なくありません。例えば、流入が増えた要因がSNSなどで話題になったことだったとしましょう。この場合、流入が増えるのは一時的なものです。一時的な外的要因による数値を信用してしまうと、本当に必要な改善点を見落としてしまいます。
3.ユーザー目線で考える
WEBサイトの運営は、アクセス解析だけに頼るのではなく、ユーザー目線で考えてみることも重要です。アクセス解析では、さまざまな参考となる数値データを確認できます。ただ、ユーザーニーズなど、データだけでは見えないことも少なくありません。ユーザー目線で考えるためにも、アンケートなどを活用してユーザーの考えに耳を傾けることが求められます。
4.ユーザーによくアクセスされているページを把握する
ユーザーからのアクセスが多いページを知っておくことも大切です。アクセスが多いページを把握し数値を調べれば、ページ内でユーザーがどのような行動パターンなのかを把握できます。アクセスが多いページは「コンバージョンにつなげられているか」または「成果につながっていないのか」によって優先すべきことや問題点も見えてくるので、スムーズな対策を講じられるのです。
5.コンバージョン率が高いページを把握する
コンバージョン率が高いページを把握することもポイントです。コンバージョン率の高いページなら、ページに訪れるユーザーが増えれば、コンバージョン数も比例して増加する可能性があります。そのため、コンバージョン率の高いページを優先的に分析し、WEBサイトを育てていくことも大切です。
おすすめアクセス解析ツール4選
多くのアクセス解析ツールがあるため、どれを選べばいいのかわからないケースもあるでしょう。アクセス解析ツールを選ぶポイントは「欲しい機能があるか」「使いやすさ」「コスト面」などです。欲しい機能が必要なのは当然ですが、無料もあれば有料もあります。同じような機能でも、無料ツールより有料ツールのほうが優れているので、単純に無料ツールがお得ともいい切れません。
ここでは、おすすめのアクセス解析ツール4選を紹介するので、自社に合ったツール選びに役立ててください。
1. Googleアナリティクス(GA4)
GA4は、アクセス解析で最も知名度の高い「Googleアナリティクス」の新バージョンとして、2020年10月に正式リリースされたツールです。アクセス数の測定はもちろん、流入元やサイト内の行動フロー、ユーザー属性の解析など、さまざまな機能を備えています。Google広告と連携し広告成果を反映できるので、Google広告を運用している企業にもおすすめです。また、利用する企業が多いツールなので、WEB上でさまざまなヘルプを確認できます。膨大なデータ収集が可能な有料版「GA360」では、大規模サイトの運営にも対応可能です。
※関連記事: GA4とは?特徴や導入方法、有効活用する設定方法と考慮事項もわかりやすく解説
2. Google Search Console
Google Search Consoleは、主にSEOからの流入を確認するためのツールです。例えば、キーワードごとの表示回数やアクセス数、クリック数などを調べることができます。他にも、インデックスの登録状況やGoogleのクローラーが回遊している頻度など、WEBサイトが検索エンジンに対し良好な状態かを確認するツールとしても利用可能です。問題があるときは通知されるので、検索エンジンに表示させるための改善にもつなげられます。
3. SimilarWEB
Similar WEBは、基本的なアクセス解析の機能を備えるツールですが、最大の特徴は競合サイトのアクセス状況も見られることです。基本無料で利用できますが、同時にログインできる人数や各種分析の件数、データ収集期間などが少ないので、企業では有料の「プロ版」の導入が必要になるでしょう。
※関連記事: 競合分析ツール「Similarweb(シミラーウェブ)」とは?使い方も解説
4. ユーザーローカル
ユーザーローカルは、スマートフォンやタブレットからのアクセス解析に強みがあるツールです。自社が扱っているサービスによっては、WEBサイトに訪れるユーザーのほとんどがスマートフォンからという企業も多いでしょう。ユーザーローカルは、スマートフォンの機種なども分析可能なので、アクセスが多いユーザー属性の分析にも役立てることができます。
アクセス解析で成果を獲得できるWEBサイトに育てよう
アクセス解析では、アクセス数や流入経路、コンバージョンなどのさまざまな数値データの取得が可能です。それらの数値データは、WEBサイトの現状把握だけでなく、優先事項や改善点の洗い出しにも役立てることができます。効果的に成果を獲得するためにも、自社の目的に合ったアクセス解析ツールを導入してWEBサイトを育てていきましょう。