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運用広告における戦略と戦術の違いとは?

編集部
2024.09.20更新
2023.12.15初出
運用広告における戦略と戦術の違いとは?

自社の事業方針やマーケティングの方向性について話し合う際、「戦略」や「戦術」という言葉を聞く機会は多いのではないでしょうか。混同しがちな言葉ですが、実は明確な違いがあります。

そして、もしこの記事を読んでいるあなたがWEBマーケティングの担当者、特に広告運用をおこなっているのであれば、戦略と戦術の違いを正しく理解しておくことはとても重要です。この違いを理解しないことには、WEBマーケティングで成果を得ることは難しくなります。

本記事では、「戦略」と「戦術」の言葉の意味の違いから、運用広告における戦略と戦術の立て方を解説していきます。

運用広告における戦略と戦術とは

運用広告 戦略 戦術

「広告を運用するにあたって、戦略を考える」というとき、まずは「戦略」と「戦術」という言葉の違いを理解しておく必要があります。

簡潔に説明すると、戦略は「頭を使って長期的な計画を立てること」戦術は「戦略を達成するための具体的な方法」という意味です。もともとは軍事目的で使われていた言葉ですが、そこから派生して、現代ではビジネス、スポーツ、交渉ごとなど、広く使われる言葉になりました。

戦略とは?

戦略とは、何かをするときの方針、進むべき方向性を指します。ビジネスシーンでは、経営戦略、マーケティング戦略、営業戦略など、設定した目標を達成するために立てるのが戦略です。

企業には、「商品やサービスを提供して売上や利益を上げる目的」と、「目的に沿った目標」があります。目標を達成するためにまず必要になるのが、企業が目指す方針や計画を決めること。そのために、戦略を立てることが重要になります。

戦術とは?

戦術とは、決定した戦略に沿って取り組む具体的な施策や方法です。大局的な「戦略」に対し、「戦術」はより具体的な内容を指します。

ビジネスシーンでは、「自社製品のリピーターを増やす」という戦略を立てた場合、「リピーター特典をつける」「SNSでファンを増やす」などの具体的な施策が戦術にあたります。さらに広告でいえば、キーワードを決めたり、広告バナーのクリエイティブを決めたりする業務が戦術にあたります。

「戦略」と「戦術」、言葉の違いは理解できたでしょうか? 戦略を「ゴールまでの大まかな地図(シナリオ)」だとすると、戦術は、地図に示したゴールまで「どのような手段で、どのような経路で行くか?」などの具体的な方法・施策を指します。ビジネス用語の基本ワードでもあるので、言葉の意味の違いをきちんと理解しておきましょう。

運用広告で戦略と戦術を立てる際のポイント

運用広告 戦略 戦術 ポイント

戦略と先述の違いがわかったところで、実際に運用型広告の戦略・戦術を決める際のポイントを見ていきましょう。順番としては、まず戦略を立て、その戦略に沿った戦術を考えていくことになります。

戦略を決める際のポイント

運用型広告の戦略を決める際、下記のことを決める必要があります。

  1. 広告のターゲットを決める
  2. 広告でアピールするものを決める
  3. 広告媒体を決める

一つずつ解説していきましょう。

1.広告のターゲットを決める

戦略を立てるには、まず「誰に対して広告を出すか」を設定します。方法としては、年代、性別、職業などの属性データでセグメント分けをする【ターゲット選定】、商品やサービスの典型的な仮想のユーザー像を立てる【ペルソナ設定】などが挙げられます。

どちらの方法がいいという決まりはありませんが、迷ったら【ターゲット選定】をおこなうことをおすすめします。その理由は、仮想ユーザーのペルソナは、より実態に近づけるためにそのバックボーンなどを含めて設定をしっかりと練る必要があり、ある程度のテクニックが必要です。一方、ターゲットは実在する顧客のニーズから探っていくため、イメージと実態を結び付けやすいという特徴があります。

まずは、顧客の悩みや不安、必要としていることなどのニーズをもとにして、「30代前半、男性、東京近郊在住……」など、ターゲットを言語化していきます。そして、そのターゲットと、自社の商品やサービスを使ってもらいたい人とが合致しているかを考えてみましょう。合致していれば、そこからどのようなキーワードで広告を出稿するか、どのような見出しや説明文の広告ならターゲットの関心を引くかなど、より具体的な戦術へと落とし込むことができます。

具体的な戦術を練るためにも、ターゲット選定は非常に重要です。狭めすぎず、広げすぎず、既存顧客と比較してターゲットを考えてみることをおすすめします。

2.広告でアピールするものを決める

「誰に広告を出すか」が決まったら、次は「自社が持っているどの商品・サービスを届けるか」を決めていきましょう。

自社の商品やサービスに自信があり、つい全商品・全サービスを網羅的に広告対象にしたくなってしまいますが、それでは「何の広告なのか」が伝わりづらかったり、ターゲットをとらえきれずに、成果が上がりにくくなります。

「ターゲットの抱える悩みや不安、求めていることを解決できるのは、自社のどの商品やサービスか」という視点で考え、広告対象は必ず絞るようにしましょう。

3.広告媒体を決める

最後に決めるのは、「どの広告媒体で配信するか」です。広告媒体の選定には、先に決めたターゲットと、広告対象の商品やサービスをもとに考えていきましょう。

まず、ターゲットがよく使う検索エンジンや SNS、WEBサイトの洗い出しをおこないます。各媒体が公開している属性データや、ターゲット層の一次情報などを参考に、どのようなWEB サイトをよく見るか調べてみましょう。

例えば、Yahoo!JAPANではメディアの特徴やユーザー属性などをまとめた媒体資料を提供しています。(参照:Yahoo! JAPAN 媒体資料・ガイドライン

また、総務省がおこなった「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の報告書では、世代別の SNS の利用率もまとめられており、こちらも広告媒体の選定をおこなう際に参考にするとよいでしょう。(参照:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

媒体によって、広告が表示される場所や、利用できる機能などが異なります。媒体の選定をする際は、各媒体の仕様確認も忘れずに。

戦術を決める際のポイント

戦術とは、目標を達成するため、実際におこなう具体的な手段のことを指します。運用広告の戦術としては、主に下記の3つが挙げられます。

  1. キーワード
  2. ターゲティング
  3. 広告文(広告クリエイティブ)

こちらも一つずつ解説していきます。

1.キーワードを設定する

戦略のなかで決めた広告媒体が、Google やヤフー、Microsoft Bingなどである場合、検索広告を使用できます。そのため、運用広告の戦術として「キーワード」の設定が欠かせません。

「誰に向けて、どの自社商品・サービスを広告として配信するか」を戦略のなかで決めているので、そのターゲットがどのような悩みや欲求、興味関心を持っているかを想定し、ターゲットが調べるであろうキーワードを選定していきましょう。

2.ターゲティングを設定する

ターゲティングとは、ターゲットを絞り込んでマーケティング戦略を立てることです。運用広告のターゲティングは、地域、ユーザー属性(年齢、性別)、デバイス、興味関心(スポーツ、旅行、音楽など)などの中から設定できます。戦略のなかで決めたターゲットに対して広告を届けるためには、どのようなターゲティングをおこなえばいいか考えてみましょう。

広告媒体によって、ターゲティングできる内容は異なります。例えば、Google 広告と Yahoo!広告で使えるターゲティングは下記のとおりです。

媒体 ターゲティング
Google 広告 ユーザー属性(年齢、性別、世帯収入、子供の有無)、ユーザーの興味や関心・習慣、購買意向の強い層、カスタムセグメント、類似ユーザー、曜日・時間帯、地域、デバイス、オーディエンスセグメント、キーワード、トピック、プレースメント
Yahoo!広告 性別、年齢、地域、オーディエンスリスト、サーチキーワード、オーディエンスカテゴリ、コンテンツキーワード、サイトカテゴリ、プレイスメント、曜日・時間帯、デバイス

これらの中から、広告を出したいユーザーの特徴に合わせてターゲティングをおこなっていきます。例えば、広告を出したいユーザーが「東京在住の男性で、旅行やドライブが趣味」である場合、地域、性別、興味・関心に関するターゲティング設定をおこなうことで、対象を絞った広告配信ができます。「地域:東京/性別:男性/興味・関心:旅行」など、複数あるターゲティング設定を組み合わせて配信することで、コンバージョン率アップにも期待できます。

なお、より具体的にターゲットを絞ったターゲティング設定も可能ですが、配信対象が狭まることで広告が見られる可能性が低くなってしまうため、ターゲティングは慎重におこない、運用中の見直しも適宜おこなうようにしましょう。

※関連記事: 【Google広告・Yahoo!広告】デモグラフィックターゲティングを紹介

3.興味関心を得られる広告文を作成する

広告文には、ユーザーの興味関心を引くさまざまな文言を入れることができます(広告の形式によっては、画像や動画など、より視覚に訴える要素を含めることもできます)。広告文を考える際に有効なのは、戦略で決めたターゲットのニーズをイメージすることです。

例えば、ターゲットが「スマートフォンの修理をしたい人」の場合、「急ぎの対応を求めている」「信頼できる業者に頼みたい」と考えている可能性が高いため、「即日対応可能」「修理後3ヵ月保証付き」のようなメッセージが効果的と考えられます。ターゲットの悩み、欲求、興味関心をイメージし、「どのような広告文ならフィットするか?」を考えてみましょう。

そして、その悩みや欲求に合わせて、戦略で決めた自社商品やサービスの強み・特長が魅力的に伝わるような広告文の作成を目指しましょう。

まとめ

運用広告 戦略 戦術

「戦略」と「戦術」の言葉の違い、運用型広告における戦略や戦術の立て方について解説しました。

WEB広告を運用する際、まずは目標を設定し、目標に向けた戦略を立てることが重要です。そして、その戦略に沿った具体的な戦術を考え、実行していきます。成果が出るまでは、戦術を変更・追加したり、あるいは戦略から見直す必要もあるかもしれません。

明確な戦略があるからこそ、戦術として具体的な手段やアクションをイメージできます。効果的な広告を運用していくために、戦略を練るところから始めてみましょう。

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