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【初心者向け】DSPとは?仕組みや特徴を簡単にわかりやすく解説

編集部
2024.12.18更新
2023.07.13初出

WEB広告運用に携わっている方なら、一度は耳にしたことがあるDSP。DSPで広告の費用対効果を最大限にするには、DSPの仕組みや特徴、長所短所などを理解する必要があります。

そこで本記事では、業界では常識となりつつあるDSPを初心者でもわかるように丁寧に解説していきます。これからDSPの運用を検討する方は、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。

DSPとは

DSPとは

DSPとは、Demand-Side Platform(デマインドサイドプラットフォーム)の略で広告主(Demand-Side)が効率的な広告配信をおこなえるためのプラットフォームです。DSPを利用すれば、今まで広告主が広告を配信するために必要だった手作業が自動化されるので、運用にかかる負担や時間を大きく減らすことができます。

また、DSPは広告在庫の買い付け、広告配信、掲載面・オーディエンスのターゲティングを一括管理するサービスなので、広告主にとっては費用対効果の高い広告配信がおこなえるプログラムといえるでしょう。

DSPの仕組み

DSPは次のような仕組みで広告を配信しています。

DSPの配信方法

  1. ユーザーが広告枠のあるサイトを訪問
  2. ユーザー属性の情報をもとにSSPに広告をリクエスト
  3. SSPが各DSPにどの広告を配信するかのリクエスト
  4. 各DSP内による入札結果をSSPに送信
  5. 入札最高額のDSPをサイトに報告
  6. サイトから入札最高額のDSPに対して広告配信のリクエスト
  7. 入札最高額のDSPをサイトに配信

上記の一連の流れをRTB(Real Time Bidding)といいます。

RTBは、低い出稿金額で高い売上を上げたい広告主と、広告枠をできるだけ高く買ってもらいたいメディアの、利害を一致させるための仕組みです。このような流れが、0.1秒以内に自動的に処理され、月間で処理される件数は数百億件以上にものぼります。

そのため、データ処理が遅いと入札に勝てず、広告配信もされないので、SSPやDSPには大量のトラフィックをスピーディに処理する能力が必要です。

SSPとの違い

SSPとの違い

広告主の広告効果を最大限にするDSPに対し、SSP(Supply Side Platform)は広告を受け取り、メディア側の利益を最大にするプラットフォームです。メディア側はSSPに対して広告枠や価格、希望する広告主の業種などを設定して、複数のDSPの配信を一元管理しています。

SSPがもたらす役割は大きく2つあります。1つめは、DSPの広告主のなかで特に利益が得られるものを自動で選択します。2つめは、媒体に訪れるユーザーの情報、広告枠の情報を一元管理し、DSPとのRTB取引を実現することです。

SSPを利用することで、条件に合った自社メディアの広告欄や最低落札希望価格、掲載できる広告の業種などを自動的に配信できるので、手間をかけずに成果を得ることができます。

DSPのメリット

DSP メリット

ここでは、DSPを利用するメリットについて解説をします。

DSPの広告運用は、大きく以下3つのメリットがあります。

  • ターゲットを絞った広告配信が可能
  • 類似ユーザーへの広告配信が可能
  • 広告の最適化が自動でおこなわれる>

それぞれの内容を確認していきましょう。

ターゲットを絞った広告配信が可能

DSPはユーザーのCookie(ブラウザに保存されているユーザー情報)情報をもとに「性別」、「年代」、「嗜好性」、「行動履歴」など、細かなターゲティングができます。「広告媒体」をメインに配信するアドネットワークと異なり、DSPは「ユーザー」に焦点を当てて配信できるのが大きな強みです。ターゲットを絞ったピンポイントの広告配信によって、認知度の拡大やコンバージョン率の増加が大きく期待できるでしょう。

類似ユーザーへの広告配信が可能

DSPでは、過去に製品の購入や問い合わせ履歴などがある人と類似した行動を取るユーザ―をターゲティングできる機能があります。類似ユーザーをターゲティングすれば、自社に興味関心が高い層を狙えるため、広告効果をより効率的に高めることができるでしょう。

広告の最適化が自動でおこなわれる

DSPでは、機械学習がDSPとSSPの膨大なユーザー情報を行動分析をして、広告を自動で最適化します。

例えば、今までGDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDN(Yahoo!ディスプレイネットワーク)などの手作業だった入札単価や配信量の調整を、DSPは半自動でおこなうことが可能です。これによって、運用担当者の業務負担が減り、広告のクリエイティブ分析などの人手が必要な作業に時間を割けるようになります。

DSPのデメリット

DSP デメリット

DSP導入には多くのメリットがある一方、以下のようなデメリットも存在しています。

  • 初期費用が発生する
  • 使用するサービス比較検討が必要
  • 配信先が明確に開示されない場合がある

それぞれの内容を理解したうえで、DSPの導入を検討しましょう。

初期費用が発生する

初期費用がかからないリスティング広告やSNS広告とは異なり、DSP広告には最低予算や契約期間を設けているプラットフォームがあります。その場合は、トータルコストを算出して、費用対効果を検討することが大切です。

下記は、あるDSP広告運用代行会社の一例です。

  • 最低出稿費:50万円~
  • 手数料:広告費の20%

上記条件で1ヵ月100万円の出稿をおこなった場合、手数料が20万円が発生するため、合計120万円の予算が必要です。

このように、DSP運用は高額となるケースが多いので、広告予算が少ない企業は利用できない、または利用しても顧客獲得単価が合わないケースも考えられるので注意が必要です。

※関連記事: リスティング広告の運用代行とは?手数料の費用相場と選び方のポイント

使用するサービスの比較検討が必要

DSPを運用するサービス企業は、国内・海外ともにたくさんありますが、運営企業ごとによって連携している特性や仕様が異なります。

例えば、提携している配信先、参考にするユーザーのデータ、ターゲットを選定するアルゴリズムなどはよく確認しておくことをおすすめします。

また、企業によってはオプション機能もいくつか用意されており、運営会社を変えるだけで成果に大きな影響をもたらすケースもあるため、DSPの運営企業を選ぶ際はどのようなサービスがあるのかをよく調べるようにしましょう。

配信先が明確に開示されない場合がある

DSP広告は利用する運用サービスによって、配信先の情報が開示されないケースがあります。配信先が不透明だと、自社と関連性の高いユーザーにリーチできるのかが判断できませんし、ブランド価値を下げられてしまうサイトに広告が表示される可能性もあります。

このようなトラブルを回避するためにも、DSPの運営企業を選ぶ段階で、配信先をしっかり確認しておくのがおすすめです。

DSPの活用方法

DSPの活用方法

DSPの仕組みや特徴を理解したところで、次はDSPのおすすめの活用方法を3つご紹介します。

  • DMPからDSPへ連携する
  • リターゲティング機能を使用する
  • オーディエンス拡張を使用する

それぞれ解説していきます。

DMPからDSPへ連携する

DSPを利用することでターゲットユーザーに広告を配信できますが、そのユーザー属性はWEBサイトで接触したデータのみです。

自社で保持している会員情報もターゲティングにしたいと考えている場合は、そのデータをDSPへ連携する必要があります。

そこで効果のあるツールが、「プライベートDMP」です。広告主が保持している会員情報や、購買履歴などのデータをプライベートDMPへ保管し、セグメントデータにしますそのセグメントデータをDSPに連携することで、WEBサイトの接触データだけでなく、会員情報に基づいたターゲティングができるようになります。

これまでのDSPは内部のアルゴリズムを工夫して差別化を図ってきましたが、DMPの登場によって、他のデータと連携してどれだけ効果のあるターゲティングにできるかへ進化しています。そのため、DSPを選ぶときは、自社データを連携してどれほど有効に活用できるかを考えるとよいでしょう。

リターゲティング機能を使用する

DSPの機能の一つに「リターゲティング機能」があります。これは広告主のWEBサイトに訪問したユーザーへ、サイト内で見た商品やサービスの広告を配信する機能です。一度見た商品やサービスはユーザーの関心が高いケースが多いので、効果的な訴求が期待できます。

しかし、同じ広告が何度も表示されていると、ユーザーはうんざりしてサイトから離脱してしまうので、そのようなケースを避けるためにDSPには「フリークエンシーコントロール」というシステムが備わっています。

フリークエンシーコントロールは「サイトに訪れてから2日後までのユーザーに対して配信で、ユーザーに一定回数以上の同じ広告を表示せずに、細部の情報を提供できます。

オーディエンス拡張を使用する

ユーザーの関心が高い広告を積極的に配信するのは重要ですが、そもそも自社サイトに訪問されなければユーザーの対象にすらなりません。

さらなる集客を考えているのであれば、「オーディエンス拡張」を利用するのがおすすめです。オーディエンス拡張は、ユーザーが自社サイトに訪問していなくても、タグに反応したユーザーの属性を機械的に分類し、類似率を設定して広告を配信できるシステムです。

例えば、タグをユーザーのログインページに設置すれば、ログインページを訪れているユーザーに似た属性を持つターゲットへ配信が可能となります。また、オーディエンス拡張配信は、EC・通販系はもちろん、金融系、不動産、電子書籍、アプリ系など、どのような案件でも対応ができます。

このような拡張配信や配信先サイトをうまくかけ合わせることで、より効果の高い配信が期待できるでしょう。

まとめ

DSP Demand-Side Platform デマインドサイドプラットフォーム

今回はDSPの特徴や仕組みの詳細、利用する際の注意点などを解説しました。

広告配信の効果を最大化できるDSPですが、自社の立場や戦略の分析が甘いと期待したような成果を得られない可能性があります。DSPの導入をする際は、自社のターゲティングに合ったサービスなのかをしっかり吟味してから決めましょう。

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