多くの広告主が取り組んでいるリマーケティング。Web広告のGoogle広告においても、リマーケティングは有効かつ重要な広告手法です。
さらに、Googleアナリティクスを活用した「Googleアナリティクスリマーケティング」をおこなえば、より高い広告効果が期待できます。 本記事では、Googleアナリティクスリマーケティングの設定方法や、成果を上げるためのポイントについて解説していきます。
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※関連記事: リターゲティングとリマーケティングの違いとは?設定方法から運用ポイントまで解説
目次
1.Googleアナリティクスリマーケティングとは
Googleアナリティクスリマーケティングとは、Googleアナリティクスのデータを利用することで、通常よりも高度なターゲティングが可能となるGoogle広告の出稿方法です。Google広告とアナリティクスを連携し、アナリティクス上にリマーケティング用のリストを作成することで使用できます。
具体的なターゲティングの例を挙げると、「自社のサイトに訪問したことがあるユーザー」「製品紹介など特定のページに10秒以上滞在したユーザー」など、自社に興味・関心を持っているユーザーへのアプローチが可能です。
2.Googleアナリティクスリマーケティングでできること
Googleアナリティクスリマーケティングを活用することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。
CV率の高いユーザーの選別ができる
Googleアナリティクスリマーケティングでは、通常の広告運用と比較して、CV(コンバージョン)率が高いユーザーを選別できます。
例えば、自社で家具を販売するECサイトを運営しているとしましょう。通常の広告出稿で、家具に興味があるユーザーに向けて広告出稿できますが、そのユーザーが自社サイトで販売する商品に興味を持つかどうかは定かではありません。
しかし、リマーケティングを活用すれば「特定の商品ページを閲覧したユーザー」「カゴ落ち(カートに商品を入れたが購入せずサイトを離脱)したユーザー」など、ターゲットを詳細に設定できるので、通常の広告出稿よりもCV率が高いユーザーを選別できるようになります。
費用を削減した効率的な広告配信ができる
興味・関心があるユーザーに絞って広告を出稿するということは、広告費用の削減にもつながります。特に、自社の広告出稿の目的が「認知拡大」ではなく「商品購入」「問い合わせ獲得」である場合、興味・関心の薄いユーザーへの広告配信はあまり意味がありません。ターゲットの範囲外への出稿を省くことで、広告にかかるコストを大きく削減できます。
さまざまなリマーケティング手法がおこなえる
「Googleアナリティクスリマーケティング」と一口にいっても、その手法には様々な種類があります。Google 広告で利用できるリマーケティングの種類は以下のとおりです。
<Googleアナリティクスリマーケティングの種類>
- 通常リマーケティング……自社サイトを訪問したことがあるユーザーに対してリーチできる。
- 標準のリマーケティング……過去に自社サイトやアプリを利用したユーザーに対して、閲覧した商品やサービスを広告に含めることができる。
- 検索広告リマーケティング……自社サイトを訪問したことがあるユーザーに対して、Google検索を使用したタイミングで高校を配信できる。
- 動画リマーケティング……自社が作成した動画を視聴したユーザーに対してリーチできる。
- 顧客リストに基づくリマーケティング……自社が保有する顧客の連絡先リストをアップロードすると、リストに載っている顧客がGoogleにログインしている際に、広告を配信できる。
上記のような手法を組み合わせることで、最適なマーケティングが実施できるのもリマーケティングの特徴です。
3.Googleアナリティクスリマーケティングの設定方法
ここからは、Googleアナリティクスリマーケティングの設定方法について解説します。設定する項目が多くて複雑に感じられるかもしれませんが、一つずつおこなっていけば決して難しいものではありません。
なお、Googleアナリティクス4(GA4)の場合を想定した内容です。
Googleシグナルを有効にする
Googleシグナルを有効にすると、ユーザーがスマートフォンやパソコンなどの複数端末を使って自社サイトを訪問した場合でも同一ユーザーとして認識できるため、より正確な計測が可能になります。
1.Googleアナリティクスで [管理]をクリック。使用しているアカウントとプロパティが正しいことを確認。
2.[プロパティ] 列で [データ設定] > [データ収集] をクリックし、[Google シグナルによるデータ収集を有効にする] のスイッチをオンにする。
3.[Google シグナルのデータ収集は、Y か所のうち X か所の地域で可能です。] というタイトル横の歯車マークをクリック。
4.Google シグナルのデータ収集を許可または拒否する地域ごとに、スイッチのオンとオフを切り替えて[適用] をクリック。
GoogleアナリティクスとGoogle広告を連携する
続いて、GoogleアナリティクスとGoogle広告のアカウント連携をおこないます。今回は「Googleアナリティクス(GA4)から連携する方法」と「Google広告から連携する場合」、それぞれの手順を解説していきます。
Googleアナリティクス(GA4)から連携する方法
1.Google アナリティクスにログインし、 [歯車マーク] > [Google 広告のリンク] の順にクリック。
2.[リンク] をクリック。
3.[Google 広告アカウントを選択] をクリックし、アナリティクスと連携したいGoogle 広告アカウントを選択(20アカウントまで連携可)
4.構成の設定画面で[パーソナライズド広告を有効化] をオンにする。
5.データの設定を確認し、 [送信] をクリックして完了。
Google広告から連携する方法
1.Google 広告にログインし、 [ツールと設定] > [リンク アカウント] の順にクリック。
2.Googleサービスの一覧が表示されるので、 [Google Analytics(GA4) & Firebase] を選択。
3.Google 広告とリンクできるアナリティクスのプロパティが表示されるので、連携したいプロパティ欄にある [アクション] をクリック。
4.“アナリティクスで作成したオーディエンスをインポートするか”を認されるので、チェックを入れ、 [リンク] をクリックして完了。
上記の設定により、アナリティクスで作成したオーディエンスをGoogle広告のリマーケティングに活用できるようになりました。
Googleタグの取得と設置
続いて、Googleタグを取得し、自社サイト内に設置しましょう。
初めてGoogle 広告をアナリティクスに連携させる場合、サイトにGoogleタグを設置する必要があります。下記の手順でタグの取得から設置までをおこなってください。
1.Googleアナリティクスの管理画面から、 [歯車マーク] > [データ ストリーム] の順にクリック。
2.対象のデータストリームを選択すると、ストリームの詳細が表示されるので、下にスクロールして [タグ設定をおこなう] をクリック。
3.Google タグの設定画面が表示されるので、 [実装手順] をクリック。
4.実装手順が表示されるので、自社に適した方法でGoogle タグを設置して完了。※タグは対象となるすべてのWEBページに設定する。
これで、GoogleアナリティクスとGoogle 広告の連携は完了です。
カスタムオーディエンス(リマーケティングリスト)を作成
GoogleアナリティクスとGoogle 広告の連携が完了したら、リマーケティングに必要なリストを作成しましょう。Googleアナリティクスで測定したユーザー指標を、Google広告の「カスタムオーディエンス」の作成に活用することで、自社と関連性の高いユーザーだけに広告配信ができるようになります。
カスタムオーディエンスの作成手順は以下のとおりです。
1.[管理] > [オーディエンス] の順にクリック。
2.[オーディエンス] もしくは [最初のオーディエンスを作成しましょう] をクリック。
3.オーディエンス作成画面が表示されるので、画面下部の「オーディエンスの候補」欄に、自社に適したオーディエンスがあれば該当するものをクリック。候補から選べない場合は「ゼロから作成」欄の [カスタムオーディエンスを作成する] をクリックして新規オーディエンスを作成する。
4.[保存] をクリックして完了。
このカスタムオーディエンスを設定すると、条件を満たしているユーザーが自動でリストに追加されていきます。「30日以内にサイトを訪問したユーザー」「商品ページで離脱してしまったユーザー」など、細かく条件を指定することで、より効果的なリマーケティング広告の配信が可能になります。
Google広告の動的リマーケティングを有効にする
GA4での動的リマーケティングの設定は、Webサイトを訪れたユーザー向けには対応しておらず、アプリのユーザーに対してのみ設定可能です(2023年9月現在)。アプリに動的リマーケティングを設定する手順は下記のとおりです。
1.業種に適したイベントを実装する
2.Google広告アカウントとアナリティクスアカウントをリンクさせる
3.アプリによるアトリビューション イベントの送信方法を設定する
4.必要に応じて広告のパーソナライズ設定をおこなう
※関連記事: 動的リマーケティング広告とは?設定方法や効果的なポイントを解説
4.成果を上げるための5つの手法
Googleアナリティクスの設定をする際のポイントを解説します。より効果を高めるため、下記5つの手法を実践しましょう。
すでにCVに至ったユーザーの除外
すでにCVに至ったユーザーは、リマーケティングのターゲットから除外するようにしましょう。例えば「定期購入の申し込み」がCVの場合、「申し込みフォームで離脱したユーザー」などに絞ってリストを作成することで、費用対効果の高い広告出稿が可能になり、Googleアナリティクスリマーケティングの効果を最大限に発揮できます。
特定ページに訪問したユーザー別にリストを作成する
Googleアナリティクスリマーケティングでは、自社サイトの訪問者を「TOPページで離脱したユーザー」「商品詳細ページで離脱したユーザー」「カートに商品を入れたが購入しなかったユーザー」と、離脱したページごとに分類し、セグメントリストを作成できます。
当然、「TOPページで離脱したユーザー」と「カートに商品を入れたが購入しなかったユーザー」では、後者のほうが“購買意欲が高い”と判断できます。そのため、「カートに商品を入れたが購入しなかったユーザー」のみに絞って広告出稿することで、リマーケティングの効果を高めることができます。
このように、訪問したページ別にユーザーへのアプローチをすることも、リマーケティングには有効です。
サイト訪問の日数でリストを分類する
自社サイトを訪問したユーザーに対して、ただ広告を出稿するだけでは、リマーケティングの成果は見込めません。ユーザーが何日前に自社サイトを訪問したか、その日数をリスト化して分類する必要があります。
例えば、昨日サイトを訪問したユーザーと10日前に訪問したユーザーでは、自社のサービスや商品に対するモチベーションは違うはずです。これを踏まえて、「昨日サイトを訪問したユーザーは、入札単価を高めに設定してリーチ数を増やす」「10日前にサイトを訪問したユーザーは、入札単価を低めに設定してリーチ数を減らす」などの対策をおこなうことが有効です。前回訪問した日数でリスト化することで、リマーケティングの効果を最大化できます。
商品価格によってアプローチをする
商品の価格によってアプローチを変えるのも、リマーケティングの重要なポイントです。
例えば、車や不動産などの高額な商品はユーザーの購入検討期間が長くなりますが、アパレルや食品などの安価な商品購入を検討する期間は短い傾向にあります。商品の価格によるユーザーの検討期間も加味したうえでリマーケティングを実施すれば、さらに広告効果を高めることが期待できます。
フリークエンシーキャップを設定する
Googleアナリティクスリマーケティングでは、同じユーザーに対して何回広告が表示されるかの「フリークエンシーキャップ」を設定できます。このフリークエンシーキャップも、必ず設定しておきたい重要なポイントです。
リマーケティングはあと追い広告のため、何度も表示されることで「この広告、しつこい!」と購入意欲を削いでしまったり、自社に対するマイナスな感情を持たれたりする可能性があります。
クリエイティブの訴求ポイントが強い場合はフリークエンシーキャップを抑えめに設定するなど、適切な設定をおこなうことでリスクを減らし、広告効果をさらに高めることが可能になります。
まとめ
Googleアナリティクスリマーケティングは、設定項目が多いためやや複雑にも感じられますが、対象を適格に絞り込んだリマーケティングの実施が可能です。闇雲にリマーケティングをおこなうよりも、高いCV率が期待できます。
自社での運用が難しい場合でも、リマーケティングに強い代理店に依頼するなど、実施に向けて検討してみてはいかがでしょうか。