全世界および日本国内において、大きなシェアを占める検索エンジンのGoogleとYahoo!。Google広告やYahoo!広告を活用することで、多くのユーザーに自社商品やサービスの情報を効率的に届けられますが、出稿先をどちらに選ぶのが効果的か迷うこともあるのではないでしょうか。
そこで意識したい機能が「デモグラフィックターゲティング」です。本記事では、Google広告とYahoo!広告のデモグラフィックターゲティングの特徴と注意点、またそれぞれの媒体の違いを解説するので、どのような場合にどちらを選ぶべきかを参考にして頂ければ幸いです。
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目次
デモグラフィックターゲティング(DFSA)とは
デモグラフィックターゲティング(DFSA)とは、Demographic for Search Adsの略です。
デモグラフィックは「人口統計学」のことで、下記のようなデータでユーザーの社会的属性を分類しています。
- 性別
- 年齢
- 職業
- 家族構成
- 住所
上記はマーケティングでよく用いられるデータなので、それぞれ確認しておきましょう。
性別
性別はデモグラフィックの代表的なデータで、性別の違いによって購買行動は大きく変化します。
例えば、インターネットで商品を購入するまでの過程では、男性では目的を達成するため、女性では共感して深く理解したいという傾向があります。そのため、マーケティングにおいては、男性はニュースなどの役立つ情報を入口にして、女性はトレンドなどの情報を入口にして商品を購入してもらうように手法を変えることができます。
年齢
性別と同じようにユーザーの購買行動を大きく左右するデモグラフィックデータが、ユーザーの年齢です。ユーザーの年齢を分類することで、ユーザーの購買力や思考パターン、さらには市場のトレンドなどを分析する時にも役立ちます。
職業
職業によって収入や時間の自由度が大きく異なります。
例えば、学生と社会人では、学生は社会人よりも収入は少ないですが、比較的時間を自由に使うことができます。また、社会人の中でも経営者と会社員では収入や時間の使い方が大きく異なります。職業を細分化する必要はありませんが、大きく属性を分けることによって、ユーザーのマインドや購買行動を理解しやすくなります。
家族構成
家族構成には子供の有無や子供の年齢、一人暮らしや家族暮らしなどの属性があります。子供のいる家族であれば子供に対する出費が増え、一人暮らしや実家暮らしであれば自分の趣味やファッション、美容などへ興味関心が高まる傾向があります。
住所
住所はデモグラフィックデータの中でも、別に分けて分析する場合があるほど重要なデータです。特に、地域密着型の事業を展開したい場合に、住所は非常に有効なデータとなります。
例えば、店舗を出店する際に、地域別に自社商品やサービスを販売して、反応がいいエリアを抽出することで、ターゲット層に合う商品開発や魅力的な広告、販売促進などができます。このように、デモグラフィックターゲティングはユーザーの情報を切り口にして広告の配信対象を絞り込めるので、広告の費用対効果の最適化に役立ちます。
※関連記事: リスティング広告を入稿する方法を徹底解説!注意点やエディターの使い方まで網羅
デモグラフィックターゲティングのメリット
デモグラフィックターゲティングを活用することでどのようなメリットがあるのか、ここでは分かりやすく3つにまとめ解説します。
- ユーザー層を特定して広告配信ができる
- 広告を制限したいユーザー層の除外ができる
- 入札単価のカスタマイズが可能
ユーザー層を特定して広告配信ができる
デモグラフィックターゲティングは、ユーザー層のカテゴリを特定して広告配信できるのが特徴です。「年齢」、「性別」、「職業」、「年収」、「家族構成」、「住所」などがデータ軸となっているので、見込み客に近いペルソナ設定をするのに役立ちます。
ただし、デモグラフィックは表面的な情報はわかりますが、「なぜそうなったのか」という、価値観や思考の流れを分析する指標ではないので注意しましょう。
広告を制限したいユーザー層の除外ができる
デモグラフィックターゲティングでは、特定のユーザー属性のセグメントを広告の表示対象から除外することが可能です。デモグラフィックターゲティングは効率的である一方、ユーザーに必要以上に広告を配信し過ぎて不快感を与えてしまうリスクもあります。
除外設定を活用すれば、一貫したブランドイメージを保ちながらユーザーに広告配信ができるので、ブランドイメージの損失回避やブランド認知の効率的な拡大も期待できます。
入札単価のカスタマイズが可能
デモグラフィックターゲティングでは、すべてのユーザーに広告を表示しながら、特定のユーザー層に対して入札単価を調整することができます。
下記は京都のある旅館の広告を配信する際に、入札単価を調整する一例です。
<利用者の地域別傾向>
・京都府からの利用者はほとんどない
・東京都、埼玉県、千葉県からの利用者が多い
上記のような場合は、東京都、埼玉県、千葉県に住んでいるユーザーの入札単価を引き上げて、京都府に住んでいるユーザーの入札単価を下げることで、見込みの高いユーザーに優先的に配信できるようになります。
Google広告とYahoo!広告には違いがある
Google広告やYahoo!広告にはデモグラフィックデータに共通するターゲットとは別に、それぞれ独自のターゲティング方法があります。
ここでは、デモグラフィックターゲティングをうまく使いこなすために、GoogleとYahoo!で異なるターゲティングを解説します。
デモグラフィック情報をもとにしたターゲティング
Google広告、Yahoo!広告ともに、年齢、性別、地域などの基本的なグラフィックデータはどちらも設定可能です。
項目 | Yahoo! | |
年齢 | 〇 | 〇 |
性別 | 〇 | 〇 |
地域 | 〇 | 〇 |
子供の有無 | 〇 | × |
使用デバイス | 〇 | 〇 |
曜日・時間帯 | 〇 | 〇 |
世帯収入 | 〇 | × |
ただし、上の表からわかるように、Yahoo!では「子供の有無」と「世帯収入」の設定ができません。そのため、塾などの子育て世代や高所得者向けの商材を販売したい場合はGoogleのほうが適していると言えます。
また、Google、Yahoo!ともに年齢の設定は可能ですが、細かい設定が異なっているので、そちらも確認していきましょう。
Google広告の場合
Google広告における、年齢のターゲティング区分は下記となっています。
- 18歳~24歳
- 25歳~34歳
- 35歳~44歳
- 45歳~54歳
- 55歳~64歳
- 65歳以上
- 不明
Google広告のターゲティングの特徴は、18歳以上がターゲットの対象で、25歳以上からは10歳区切りでターゲティングできます。自社の商品やサービスが全く対象にならない年齢層を除外したい場合は非常に効果的なターゲティングといえるでしょう。
※関連記事: Google広告の始め方。運用方法や特徴を簡単解説
Yahoo!広告の場合
一方、Yahoo!広告における、年齢のターゲティング区分は下記となっています。
- 18歳~19歳
- 20歳~24歳
- 25歳~29歳
- 30歳~34歳
- 35歳~39歳
- 40歳~44歳
- 45歳~49歳
- 50歳~54歳
- 55歳~59歳
- 60歳~64歳
- 65歳~69歳
- 70歳以上
- 不明
Yahoo!広告もGoogle広告と同じように、18歳以上がターゲットとなっていますが、Yahoo!広告は10代〜20代の年齢を細かく設定できるのが特徴です。若者層にリーチしたい場合は、Yahoo!広告のほうが効果的に集客できる可能性が高いといえるでしょう。
※関連記事: Yahoo!広告の特徴を徹底解説!Google広告との違いから活用シーンまで
デモグラフィックターゲティングの効果的な活用方法
年齢、性別、年収などのデモグラフィックデータを活用することで、マーケティング活動で有効なターゲット層を洗い出し、成約率や購買率をぐっと上げることができます。
ここでは、デモグラフィックターゲティングの効果的な活用方法をいくつかご紹介します。
年齢のターゲティング
年齢層が異なるマーケティングをおこなう場合は、年齢層に合った広告を用意しましょう。
例えば、高額商品やサービスを宣伝する際は、購入する可能性の高い年齢層である、35歳〜54歳の中年層に対する入札単価を引き上げると非常に効果的です。
世帯収入のターゲティング
世帯収入でターゲティングする際は、富裕層とそれ以外に分けて宣伝するようにしましょう。
世帯収入区分のデータがあるGoogleは、世帯収入を以下のように分けています。
- 上位10%
- 11%~20%
- 21%~30%
- 31%~40%
- 41%~50%
- 下記50%
- 不明
上記のうち、上位10%は富裕層と呼ばれております。
仮に、坪20万円の住宅地を世帯収入上位10%の富裕層に訴求しても、購入される可能性は非常に低いでしょう。このような場合は、富裕層とそれ以外に分けて広告を配信すると効果的です。
性別のターゲティング
性別のターゲティングでは、男性と女性の広告比率を変えたり、場合によってはどちらかにターゲットを絞ると広告の費用対効果が高くなります。
例えば、商品Aを購入している男女比が2:8なら、入札単価をデモグラフィックデータに合わせて入札単価を調整する、または思い切って男性のターゲットを外して女性のターゲットのみに絞るとより大きな成果を得られるでしょう。
デモグラフィックターゲティングの注意点
ここまでデモグラフィックターゲティングの特徴を述べてきましたが、デモグラフィックターゲティングには2つの注意点があります。
- ショッピング広告では利用できない
- ターゲットを絞り過ぎると広告表示に影響がでる
それぞれ解説します。
ショッピング広告では利用できない
ショッピング広告は、商品の情報に基づいて関連性の高い検索語句を表示する仕組みになっています。そのため、ショッピング広告では、年齢や性別によるデモグラフィックターゲティングの活用ができません。ただし、商品が性別または年齢層に特有のものなのかは商品フィードで確認できます。
ターゲットを絞りすぎると広告表示に影響が出る
ユーザー属性にあてはまらないターゲットを除外するのは大切ですが、ターゲットを絞りすぎると、広告配信の機会損失につながる可能性があります。
例えば、商品Bのターゲットを20代に絞ってしまうと、10代や30代以上の世代に広告が配信できなくなり、その結果、リーチ数も減ってしまいます。もしターゲットが完全に明確化されていなければ、まずは、ターゲットの大枠を設定して、集計したデータを分析した後に徐々に範囲を絞っていきましょう。
正しいターゲットに訴求できていますか?
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まとめ
デモグラフィックターゲティングの特徴や注意点と、Google広告、Yahoo!広告におけるデモグラフィックターゲティングの違いを解説しました。
Google広告、Yahoo!広告、どちらの媒体にもそれぞれの強みがありますが、本記事で紹介した内容を参考にして頂き、自社が宣伝したい商品やサービスに合った出稿先を選んで効率的な広告配信を目指していきましょう。