WEBサイトの効果を最大限に発揮し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるためには、継続的なWEBサイトの改善が欠かせません。そのため、施策を実施する際は、サイト改善の提案を求められるケースも多いのではないでしょうか。
本記事では、WEBサイトの改善方法を4つのステップで解説し、成果を出すための改善ポイントやよくある失敗例について解説します。あわせて、WEBサイト改善の提案をする際のポイントや提案書作成のコツ、企業の成功事例も紹介していますのでぜひ最後までお読みください。
またタガタメではGA4を活用したサイトデータの現状分析から、CVR向上の改善提案等の無料相談をおこなっております。サイトの改善、現状分析に課題を抱えていらっしゃる方はお気軽にご相談ください。⇒GA4の無料相談はこちらから
目次
【4ステップ】WEBサイトの改善方法を解説
WEBサイトの改善は、闇雲に実施するとかえって逆効果になることがあります。そのため、まずは適切なWEBサイトの改善方法を押さえておきましょう。
WEBサイトの改善方法は次の4ステップです。
- サイト分析をおこなう
- 具体的な改善施策を立案する
- 改善施策を実行し効果測定する
- PDCAサイクルで継続的にサイトを改善する
それぞれ以下で解説します。
ステップ1.サイト分析をおこなう
まずは、WEBサイトでの訪問者の行動やページの閲覧数、コンバージョン率(CVR)などのデータを収集し、サイトの現状把握をし、分析します。データ収集と分析には、GA4などの解析ツールを使用するのが一般的です。
解析ツールでは、主に次のような指標を確認できます。
- サイトがどれくらい見られているか
- どのような経路でWEBサイトに流入しているか
- どこに住んでいるユーザーが多いか
- ユーザーの年齢や性別はどうわかれているか
- ユーザーはサイト内でどのような行動をしているか
サイトの現状から問題点や改善の余地を明確にしていきます。
GA4の使い方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。GA4のはじめ方から使い方まで解説していますのでぜひ参考にしてください。
※関連記事: GA4とは?特徴や導入方法、有効活用する設定方法と考慮事項もわかりやすく解説
ステップ2.具体的な改善施策を立案する
分析した内容をもとに、具体的な改善・計画を立案します。
代表的な改善施策としては、以下が挙げられます。
- デザインの変更
- コンテンツの変更・追加
- CTAの設置場所の変更
- ナビゲーション(導線)の改善
- サイトの読み込みスピードの改善 など
例えば、ECサイトを運営していて商品購入が目的の場合、下記のような立案ができるでしょう。
課題 | 商品をカートに入れるだけで購入に至らない(カートに入れるユーザーは50人いるのに、そこから購入するユーザーは2人しかいない) |
改善案 |
|
ポイントは、それぞれの課題に対して効果の高いものから優先順位を付け、仮説を立案することです。
また、実施した改善策の効果を評価しやすくするため、どのような状態になれば改善と判断できるのか、立案の段階で改善後の目標値も設定しておくことも大切です。
ステップ3.改善施策を実行し効果測定する
改善策が立案できたら、施策の実行に移ります。実行は優先順位の高いものから進めましょう。
なお、一度に複数のABテストをおこなう場合は、有効性が正しく判断できなくなることがあるため注意が必要です。改善施策を実施し、1週間から1ヵ月程度日数が経過したら、成果の確認・評価をおこないます。解析ツールを使い、蓄積されたデータで効果を測定しましょう。
ステップ4.PDCAサイクルで継続的にサイトを改善する
WEBサイトの改善は、施策を実行して終わりではありません。ステップ3.の効果計測をもとにPDCAサイクルを繰り返し、継続的にサイトの質とパフォーマンスを向上させていきましょう。
WEBサイトで成果を出すための改善ポイント5つ
ステップを踏まえたうえで、改善策のポイントを押さえて成果を出すことが大切です。
ここではWEBサイトで成果を出すための改善ポイントを5つ紹介します。
- ターゲットを明確に設定する
- サイトの見やすさ・使いやすさを向上させる
- ファーストビューをわかりやすくする
- CTAの設置場所を変更する
- ページの表示速度を早くする
それぞれ解説します。
改善ポイント1.ターゲットを明確に設定する
WEBサイト改善を進める際には、ターゲットとなるユーザーを明確にすることは重要です。
例えば、30代の男性向けサイトを改善する場合、ターゲットの具体的な特徴を明確にすることが必要です。ターゲット像が曖昧だと共感を得るメッセージが発信しにくくなり、訪問者が離脱しエンゲージメントが低下します。家族構成や趣味など具体的な情報が求められます。
このような場合に役立つのがペルソナの設定です。ペルソナを用いることで、単に年齢や性別といった基本的な情報に加え、職業や家族構成、居住地、勤務先、よく使用するアプリやサービスなど、より詳細なユーザープロフィールを設計できます。
ユーザーの具体的な情報を設定することで、そのユーザーがどのような背景やニーズを持っているのかをイメージしやすくなります。適切なターゲティングをおこなうことで、ターゲットに合わせた効果的なサイト改善を実施できるようになります。
改善ポイント2.サイトの見やすさ・使いやすさを向上させる
ボタンやメニューの配置がわかりにくかったり、求める情報が見つけにくかったりするなど、見づらいサイトや使いにくいサイトは、ユーザーの離脱を招き、検索順位にも悪影響を与えます。
サイトの使いやすさを改善することは、検索順位の向上にもつながるため、サイト内のユーザビリティを向上させることが重要です。解析ツールやヒートマップツールを活用し、利便性に加え、ユーザーが満足するコンテンツの提供に役立てていきます。
また近年は、PCだけでなくスマートフォンからもアクセスしやすいようにレスポンシブデザインを採用しておくことが必須条件です。
総務省の「令和3年 情報通信白書」によると、2020年のインターネット個人利用率は83.4%で、そのうちスマートフォン利用が68.3%、PC利用が50.4%となっています。このデータからもわかるように、スマートフォンからのアクセスが増加しているため、デバイスに応じて画面のデザインを最適化することで、スマートフォンユーザーの利便性を高めることができます。
改善ポイント3.ファーストビューをわかりやすくする
ユーザーがWEBサイトを訪れた際にすぐに離脱してしまう場合、ファーストビューをわかりやすくすることが改善の鍵となります。ファーストビューとは、WEBサイトが最初に表示される部分のことで、成果につなげるための重要な要素です。ユーザーがWEBサイトに訪れてからわずか3秒の間に、そのまま閲覧するか離脱するかを決めると言われています。
このため、ファーストビューではWEBサイトのメリットを端的に提示することが重要です。具体的には、数値を交えたキャッチフレーズや、一瞬で多くの情報を伝えられる動画コンテンツを利用するなどが挙げられます。
改善ポイント4.CTAの設置場所を変更する
CTAとは「資料請求」や「問い合わせ」ボタンなどのユーザーを行動に導くアクションボタンのことです。CTAを配置していても、導線が不十分であるとクリックまでにつながりません。もし商品の成約率が低いときは、CTAの配置変更を検討すると改善することがあります。
ユーザーが操作している場所をヒートマップツールで分析し、最適な位置にCTAを設置するようにしましょう。
改善ポイント5.ページの表示速度を早くする
ページの表示が遅いと、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。表示速度が遅くなる原因としては、画像や動画の容量が大きいことや、外部ファイルが多いことなどが挙げられます。
ページの表示速度を確認するには、Googleが提供している「PageSpeed Insights」などのツールを利用して原因を分析しましょう。
表示速度を改善する方法としては、画像ファイルの容量を抑えることや、HTML・JavaScript・CSSなどのコードから余分な改行やコメントアウトの削除が有効です。
WEBサイト改善でのよくある失敗3選
WEBサイト改善でよくある失敗としては以下のような例があります。
- 経験と勘でサイト改善をおこなっている
- ゴールを明確にしないまま改善を繰り返している
- サイト改善の効果を確認しない
それぞれ解説します。
経験と勘でサイト改善をおこなっている
担当者の経験則や勘を頼りにWEBサイトの改善を進めてしまうと、リニューアル後に期待した成果が出なかったり、検索順位が落ちたりします。
改善策を実施する際には、データをもとにした現状把握から仮説を立て、期待できる効果を予測することが重要です。もちろん経験則も大事ですが、ユーザーやニーズの変化に対応するためにもデータに基づく仮説を立て、より効果的な施策を実行するようにしましょう。
ゴールを明確にしないまま改善を繰り返している
WEBサイトを改善する必要性やゴールを明確にせずに無駄な改善を繰り返すと、方向性や優先順位が不明確になり、改善の効果を最大化できません。
サイト改善を進める前に、まず目的や目標を明確に決定していきましょう。
改善の効果を確認しない
WEBサイト改善の効果計測をしないと、改善の成果や課題がわからず、次に実施すべきアクションの検討さえできません。効果計測の結果をもとに、継続的にPDCAのサイクルを回していくことが重要です。
GA4を活用したWEBサイト改善点の見つけ方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。
WEBサイト改善を提案する際のポイント6つ
WEBサイト改善を提案する際は、ポイントを押さえておくとスムーズに進みます。
把握しておくべきポイントは、下記の6つです。
- 納得できる根拠を提示する
- 操作画面を共有しながら提案する
- 修正案は抽象的ではなく具体的に
- クライアントに修正の完了連絡を依頼しておく
- 施策提案の意図を理解しておく
- サイト改善以外の改善案も織り交ぜる
それぞれ解説します。
提案ポイント1.納得できる根拠を提示する
改善の根拠を提示する際は、誰もが納得できる客観的な内容にしておく必要があります。例えば、広告管理画面の数値や分析ツールで確認できるデータなど、「数値的な根拠」なら客観性を持った提示が可能です。また、数値的根拠を出すのが難しい場合、「一般論をもとにした根拠」を提示してもよいでしょう。
次のようなケースでは、WEBサイトがターゲティングしたユーザーに適していないと一般的に考えられるため、改善が必要な根拠となります。
- 高齢者をターゲットにした商品のサイトなのに、文字サイズが小さすぎる
- 水漏れ対応などの緊急性の高いサービスのサイトなのに、電話番号の部分がタップできない
- 高級な商品を販売するサイトなのに、詳しい会社情報が掲載されておらず、信頼しにくい
提案ポイント2.操作画面を共有しながら提案する
WEBサイトの挙動やデザインなどの話は、口頭だけでは伝わりづらいです。
納得感を持ってもらうためには、直接パソコンやスマートフォンの画面を見せながら操作して提案するのがおすすめです。アプリなどを利用して録画をおこない、その動画を共有する方法もよいです。
提案ポイント3.修正案は抽象的ではなく具体的に
改善策は、あとで修正するケースもあります。その場合、修正案は抽象的ではなく具体的なものにすることが重要です。
テキスト部分の修正なら具体的な文章を、デザインに関する修正部分ならラフデザインを提案しましょう。全体ではなく、部分的な改善提案を作成するときは、「AUN」などWEB上のツールを利用すると便利です。
提案ポイント4.クライアントに修正の完了連絡を依頼しておく
効果検証の際は、修正したタイミングを知っておく必要があります。そのため、改善後に実施する効果検証を見据え、修正の完了連絡をクライアントに依頼しておくとスムーズです。
また、サイトの修正でどれくらい改善したのか、という結果を提示することで、今後のサイト改善提案が進みやすくなります。
提案ポイント5.施策提案の意図を理解しておく
WEBサイトを改善する場合、コンバージョン率を改善させるための施策なのか、SEOのための施策なのかなど、方向性が異なるケースがあります。
優先度は状況によって異なりますが、それぞれの可能性を把握しておくとよいでしょう。一つひとつの施策の意図を理解しておくことで、複合的な提案がしやすくなります。
提案ポイント6.サイト改善以外の改善案も織り交ぜる
WEBサイトの改善だけでなく、他の改善案も織り交ぜることが大切です。基本的にサイトの改善はクライアント側でおこなうため、「こちらでやることが多くて負担がかかる」と思われがちです。
そのため、広告の改善案を提示したうえで、相乗効果でさらに成果を上げる施策という形でサイト改善を提案するのがおすすめです。
伝わる「改善提案書」作成のコツ
WEBサイト改善を提案するポイントを押さえたら、提案書を作成しましょう。
WEBサイトの改善提案書の主な目的は、自社やクライアントにサイト改善の必要性を理解してもらい、実施の判断を促すことです。サイト改善には大きなコストが発生するため決裁者の承認を得る必要があります。
そのため、決裁者に判断してもらうために現状の課題や施策に対する期待値をわかりやすくまとめた提案書を作成します。作成するにあたっては、施策の内容やメリットだけでなく、発生するコストやリスクも盛り込むようにしましょう。
提案書には、以下の要素を入れると読み手に伝わる内容になります。
- 提案書全体の概要ページ
- 改善の背景
- 現状と課題
- 必要コストとスケジュール
- 具体的な数値目標
作成のポイントとしては、課題がどのような条件で発生しているのか、具体的な問題点を示すことです。そのうえで、問題を解決するための具体的な改善策を提示します。
改善に必要なコストも明記しましょう。例えば、解析ツールが有料の場合はその費用、人員の配置、おおよその所要時間も記載します。スケジュールには余裕を持たせリスケジュールの可能性も考慮します。
また、提案書に記載する現状の課題や改善後の目標は、できるだけ数字で示すことが重要です。ユーザー獲得数やコンバージョン率など、具体的な数値を示します。
このときにグラフや図解を使用すると、よりわかりやすい提案書にすることができます。スケジュールについてもフロー図を使うことで実際の工程が可視化でき、提案書の質が高まります。
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まとめ
この記事では「WEBサイトの改善方法とポイント」について解説しました。
- WEBサイト改善のための4ステップ
- 成果を出すためのポイント
- WEBサイト改善でよくある失敗例
- 提案する際のポイント
- WEBサイトの改善提案書作成のコツ
- WEBサイトの改善事例
WEBサイトを運営するうえで、期待した成果が得られないなどの問題に直面することは少なくありません。WEBサイトの改善を実施する際には、まずサイト分析をおこない、現状の課題を明確にしてから具体的な施策を立案・実行していきましょう。
WEBサイトの改善は、施策を実行して終わりではありません。効果計測をもとにPDCAサイクルを回し継続的にサイトの質とパフォーマンスを向上させていくことが重要です。
また、WEBサイト改善を提案する際には、具体的なデータと明確な目標を示し、納得できる根拠を提示していきます。
本記事で紹介したポイントを参考にぜひWEBサイトのパフォーマンスの最大化にお役立てください。