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アカウント再構築時にクライアントへヒアリングすべき7項目と9項目の依頼内容

編集部
2024.10.22更新
2023.04.01初出
アカウント再構築時にクライアントへヒアリングすべき項目と依頼内容

リスティング広告におけるクライアントとのやりとりにアカウントの再構築があります。やりとりにあたり、「どのようなことを聞いておけばいいんだろうか」「何を共有しておくべきなのか」などの悩みを持つ方も多いかもしれません。好印象につなげるためには、広告配信を依頼する理由を理解するのはもちろん、事前にヒアリング事項を知っておくことが重要です。

今回の記事では、求められる広告配信について解説し、クライアントにヒアリングするべき項目や依頼内容を紹介します。

クライアントに求められる広告配信とは

クライアントに求められる広告配信とは

クライアントが広告代理店に依頼する経緯としては、主に「初めて広告配信するために依頼」、「自社運用からの切り替え」、「別の広告代理店からの切り替え」の3つのケースがあります。

アカウントの再構築をおこなう場合は、「自社運用からの切り替え」または「別の広告代理店からの切り替え」が該当するでしょう。クライアントとしては、これまでの運用に対して不満を持っていることから、大きな期待を寄せての依頼にいたっているはずです。まずはしっかり今の状況を聞き、どのような広告配信を求めているのか明確にしておくことが重要です。

クライアントに求められる広告配信には、主に下記の3つがあります。

  1. ビジネスモデルを理解した広告配信
  2. 適正な指標管理
  3. 競合他社よりも有利になる広告配信

それぞれ解説していきます。

1.ビジネスモデルを理解した広告配信

認識のズレが生じないよう、クライアントのビジネスモデルに関して理解しておく必要があります。事業への深い理解をしてもらうことで、クライアントも安心感を持つことができ、さまざまな話し合いがしやすくなります。

ビジネスモデルは、誰に(Who)、何を(What)、どうやって(How)提供するのかが基本の考え方です。よって、これらをしっかり把握しておき、広告配信にも反映させていくことが重要です。

2.適正な指標管理

クライアントによっては、広告運用において、指標管理を適切におこないたいという目的を持っている場合もあります。リスティング広告は、ユーザーのニーズが顕在化しているタイミングで訴求でき、ディスプレイ広告などに比べて高い成果を期待できる点がメリットです。

ただし、クリック回数に応じて広告費用が発生する特徴上、適正な指標管理をおこなう必要があります。そのため、リスティング広告の運用にはさまざまな指標の管理が欠かせません。

指標には「表示回数(インプレッション)」や「クリック率(CTR)」のような基本的なものに加え、売り上げに関わる成果指標として「広告費用回収率(ROAS)」や「投資収益率(ROI)」などもあります。クライアントは、成果を上げるため、各指標の確認・測定・管理を経験や実績のある代理店に求めているといえるでしょう。

※関連記事: リスティング広告の費用の決め方とは?効果な方法や予算相場を解説

3.競合他社よりも有利になる広告配信

クライアントは、競合他社より有利になる広告配信を期待しています。掲載した広告は他の競合サイトと同じ画面に並ぶため、自社をユーザーにクリックしてもらうためのさまざまな施策が必要です。競合他社の訴求内容や強みを分析し、把握しておくことで有利な広告配信が可能になるでしょう。

ヒアリングすべき7項目

クライアント ヒアリングすべき7項目

それでは次に、クライアントにヒアリングすべき7つの事項を紹介します。これらは、広告運用をおこなうにあたって必ず共有しておかなければいけない重要な項目です。今一度の確認をおすすめします。

1.広告の配信目的

ヒアリングで最初に必ず聞いておくべきことは、「広告を配信する目的」です。配信の目的をすり合わせていないと、ニーズからズレた改善施策の提案しかできません。反対に、お互いがしっかり共有しておくことで成果が出しやすくなるでしょう。クライアントによって目的はそれぞれ違いますが、大まかに「認知の拡大」と「顧客の獲得」の2つに分けられます。認知の拡大は、「見てもらいたい」「知ってもらいたい」というブランディングを目的としている場合で、潜在層がターゲットになるケースが多いでしょう。

また、顧客の獲得は、「商品やサービスを売りたい」などの明確な目的がある場合で、すでに知っていたり情報を探していたりする見込層にアプローチするケースになります。どちらを目的としているかによって配信・運用の方法が変わってくるため、ビジネスモデルを理解する最重要事項として必ずヒアリングしておきましょう。

2.コンバージョンの定義と計測方法

コンバージョンとは、ユーザーがWEBサイトの目標としているアクションを起こしてくれた状態のことを指します。例えば、あるユーザーが商品・サービスを購入したり資料の請求をおこなったりした場合、コンバージョンを1つ獲得したことになります。つまり、コンバージョン数は、WEBサイトが現状でどれだけ「成果」を出しているのかを示す客観的な指標です。

ただし、コンバージョンには目的に応じたさまざまな定義があるため、まずはクライアントが考える「コンバージョンの定義」を確定させることが重要です。具体的な定義例としては、商品やサービスの購入、お問い合わせ・ご相談、資料請求・試供品・無料体験版の申し込み、イベントへの参加申し込みなどが挙げられます。

次に、定義を確定したコンバージョンが、WEBサイト上で完結するかを確認します。オンラインショップの購入やWEBフォームからの問い合わせなどの、WEBサイト上でコンバージョンが完結する場合、広告管理ツールでコンバージョン測定機能を利用することでコンバージョン数の確認が可能です。

一方、メールでの問い合わせ件数や店舗への来店といった、WEBサイト上ではコンバージョンが完結しない場合、他の測定方法を利用しなければいけません。コンバージョン測定機能の利用が可能なら、計測方法も明確にしておく必要があります。コンバージョンの計測によって、クライアントの商品やサービスの売り上げ・認知度の向上に広告がどのくらい貢献しているかを確認できます。

さらに、その結果を活用することで広告運用の改善も可能です。まずは、広告管理ツールで発行するタグを埋め込む「コンバージョン計測URL」の確認をしておくとよいでしょう。また、「Google広告」などの活用でも詳細な計測ができるため、どこまで計測すべきなのかをヒアリングで決め、その方法を確定することが大切です。

3.配信エリアの確認

リスティング広告は、配信エリアを指定しない場合、全国のユーザーに配信される仕組みです。商圏エリア外のユーザーがクリックしてしまうと無駄なコストにつながり、配信効率が悪くなることから、配信エリアは確認が必要になります。

また、配信エリアは広告予算を試算する際の重要な要素です。配信先は全国なのか、特定のエリアのみなのか、さらに商圏が限定されている場合は、商圏を広げることが可能なのかといったことも併せて確認しておくと提案がしやすくなります。

4.配信期間

配信期間も必ずヒアリングしておきましょう。リスティング広告は、広告の審査が通り次第配信が始まるため、期間が決まっている場合は指定しておかなければいけません。特に、期間限定配信のケースや新商品の発売日、新店舗の開店日などに合わせて配信するケースでは、事前の情報共有と適切なスケジューリングが重要です。

5.広告のリンク先ページ

広告のリンク先ページもヒアリングしておくべきポイントの一つです。あらかじめ確認しておき、不備を発見した場合は、クライアントに伝えて修正をおこなうことができます。例えば、「商品購入」ボタンをタップしてもページに飛べない、資料請求のフォームが設置されていないなどの不具合を直しておかなければ広告効果が発揮されません。

また、サイトやLPの作りによってもコンバージョン数が変化します。必ず確認し、必要ならクライアントに改修などの提案をおこないましょう。

6.予算

ある程度の予算をヒアリングしておくことも大切です。事前に聞いておくことで、予算に応じた媒体やメニューが提案できます。

ただし、リスティング広告の場合、どれぐらいの効果を見込むかによって予算が変わるため、細かな金額よりもざっくりとした予算感だけ共有しておくことをおすすめします。獲得したいコンバージョン数などからだいたいの見積りを出し、クライアントに説明することで一緒に予算を決めていけるでしょう。

7.目標数値の共有

クライアントに広告効果を評価してもらうためには、目標数値を共有しておく必要があります。共有するべき目標数値は、広告を配信する目的によって異なります。

目的別に大まかに分けると次のとおりです。

  • 認知の拡大が目的:表示回数(インプレッション)、クリック率(CTR)
  • 顧客の獲得が目的:獲得コンバージョン数、コンバージョン単価

もちろん、すべての目標数値の共有もおすすめです。

クライアントに依頼(共有)すべき9項目

クライアントに依頼(共有)すべき9項目

次に、クライアントに依頼・共有すべき事項を取り上げて紹介します。ヒアリングの最後にまとめて依頼しておくことで配信準備の手間が省けるため、こちらに関してもぜひ確認しておいてください。

1.過去の配信実績の共有

達成度の確認に必要となるため、初めて広告配信をする場合以外は、これまでの配信実績データを共有してもらいましょう。クライアントに共有してもらう過去の配信実績データと期間の目安はこちらになります。

共有を依頼するデータ 期間
媒体ごとの月別データ 過去1年分
キャンペーン、広告グループ別データ 過去1年から6ヶ月分
広告を配信したキーワード別データ 過去3ヶ月分
検索語句別データ 過去3ヶ月分
コンバージョンした検索語句 過去3ヶ月分

データは、確認や管理が大変になることから、あまり過去まで遡ったものは必要ありません。また、共有方法としては、レポートでの提出を依頼するのがおすすめです。

2.経験・体験の情報共有

お客様の経験・体験の情報共有によって、商品やサービスがどのように評価されているのかの把握が可能になります。広告を作成する際は、クライアント側では気付けなかったこのような情報が大変重要です。お客様の声やレビュー、アンケート結果などの共有依頼をしておきましょう。

3.各サンクスページのURL

購入完了ページやお問い合わせ完了ページでコンバージョン数を計測する場合、計測設定に必要なページのURL共有が欠かせません。コンバージョン数で成果がわかることから、クライアントから間違いのないURLを共有してもらいましょう。

また、計測するページが複数にわたっている場合は、「お問い合わせ完了」などの各サンクスページの名称とそのURLとの対応表を作っておくと管理がラクになります。

4.画像や動画の共有

広告を配信する際は、画像や動画が必要になります。配信に使っていた画像や動画の素材、今後利用予定の素材などを共有してもらいましょう。加えて、配信したいイメージも共有しておくとよいです。

5.連携ページの共有

広告配信の際、媒体によってはページと管理画面(ビジネスマネージャなど)との連携が必要になるケースもあります。そのため、連携ページも共有しておかなければいけません。

6.メールアドレスや電話番号などのデータ共有

顧客データを使用したターゲティングを使用する場合は、メールアドレスや電話番号などのデータも共有事項になります。

例えば、「Meta広告(Facebook広告)」や「LINE広告」では、メールアドレスや電話番号を使用した「オーディエンス配信」「類似オーディエンスターゲティング」が可能です。こういった配信には顧客データが必要ですが、契約上共有することに問題がないか確認しておく必要があります。

7.除外キーワードリスト

コンバージョンの獲得が見込めない検索語句を広告表示しないよう、除外キーワードを設定する場合は、リスト化したものを共有してもらいます。

また、配信開始後も定期的にチェックをおこない、不要な語句に対応することで効率的な広告運用が可能です。

8.Googleアナリティクス・タグマネージャーの権限付与

クライアントが「Googleアナリティクス」や「タグマネージャー」を利用しており、すでにアカウントを所持している場合は、これらの権限付与も依頼しておきましょう。その際は、権限付与を希望するメールアドレスを添えて依頼することが重要です。

Googleアナリティクスの権限には、「閲覧者」「アナリスト」「編集者」「管理者」がありますが、レポートやデータの確認ができる「閲覧者」が基本的におすすめです。ただし、カスタムレポートを作成するには「アナリスト」、Google 広告との連携作業をおこなうには「編集者」の権限が必要になるため、それぞれに応じた権限付与を依頼しなくてはいけません。

また、タグマネージャーに関しては、公開権限まで付与してもらうことで、公開作業に至るまですべて代理店で対応可能となります。そのため、なるべく公開権限まで付与してもらえるよう依頼してみましょう。

※関連記事: Googleタグマネージャー(GTM)とは?仕組みと導入メリットを解説

9.既存アカウントの配信が重複していないか

代理店を切り替えるとき、広告の配信が途切れないよう期間を空けずに配信をおこなう場合があります。その際、これまでの代理店が配信している広告と配信期間が被らないようにすることが必要です。各媒体の規則として、複数のアカウントから同じ広告を配信してはいけないことになっています。既存アカウントの配信が重複していないか、あらかじめ確認しておきましょう。

配信開始前に信頼と期待を獲得しよう!

アカウント 再構築 クライアント 信頼

アカウントを再構築する場合、クライアントは依頼する代理店に対してさまざまな期待をしています。事前ヒアリングから共有までスムーズに進行することで、好印象や安心感を持ってもらえるはずです。

ぜひ、今回の記事を参考にして、配信開始前にクライアントからの信頼とさらなる期待を獲得しましょう。

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