2024年7月1日にユニバーサルアナリティクス(UA)から完全移行されたGA4。UAに慣れている方にとっては、構成や用語、設定方法が少しわかりにくいかもしれませんが、GA4でもUAでおこなっていた分析がほぼすべて可能です。
GA4のレポート画面は従来のUAと比べて大きく変更されました。レポート画面は「レポート」と「探索」の2種類があり、「レポート」ではリアルタイムデータやユーザーの集計データを、「探索」ではより高度な分析が可能です。特に「探索」メニューは、ディメンションや指標の設定がドラッグ&ドロップでできるなど操作性に優れ、初心者から上級者まで幅広く活用できる仕様となっています。
本記事ではGA4のレポートについて、押さえておくべき指標や探索レポートの活用法まで解説していきます。
またタガタメではGA4の設定代行・分析支援を行っております。GA4の設定、現状分析に課題を抱えていらっしゃる方はお気軽にご相談ください。⇒GA4の無料相談はこちらから
目次
GA4のレポート画面は2種類
GA4のレポート画面は、アナリティクス(ユニバーサルアナリティクス、以下UA)と比較してレポート画面が大幅に変更されています。UAに慣れている方にとっては、構成や用語、設定方法がややわかりにくいかもしれませんが、GA4でもUAでできていたことはほぼ実行可能です。
GA4のレポート画面は「レポート」と「探索」の2種類があります。「レポート」では、リアルタイムデータやユーザー、集客などの集計データを確認できます。
ただし、UAとGA4ではその見え方や使い方に違いがあり、分析できる集計データは簡易なものが多いです。そのため、「探索」メニューを必要に応じて活用し自分でデータを作成する必要があります。
GA4の「探索」メニューは、ディメンションや指標の設定がドラッグ&ドロップでおこなえるなど操作性に優れていることが特徴です。UAのカスタムレポートを使いこなしていた方にはもちろんのこと、初心者の方にとっても使いやすい仕様となっています。
GA4の使い方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
※関連記事: 【初心者向け】Googleアナリティクス(GA4)の使い方と初期設定とは
押さえておきたい「レポート」の指標
レポートを活用するのに必要な指標は以下の6つです。
- ユーザー属性
- テクノロジー
- ライフサイクル
- トラフィック獲得
- ユーザー獲得
- ページビュー数
それぞれどのような指標か詳しく説明します。
ユーザー属性
ユーザー属性は、アクセスするユーザーの国や性別などの全体像を把握するために使用する指標です。
「ユーザー属性の詳細」はUAのユーザーの各レポートに近い内容です。ユーザー属性サマリーの各ディメンションを折れ線グラフ、棒グラフ、表で表示しています。
下記の手順で確認しましょう。
左メニュー【レポート】>【ユーザー属性】>【ユーザー属性の詳細】
テクノロジー
テクノロジーは、アクセス元のプラットフォームやデバイス、OS、ブラウザーの種類などの計測に使用する指標です。
テクノロジーの「ユーザーの環境の詳細」はUAのユーザーにあったテクノロジーやモバイルの項目がユーザーの環境の概要にあたります。ここでは概要のそれぞれのディメンションが細かく分析できます。
下記の手順で確認しましょう。
左メニュー【レポート】>【テクノロジー】>【ユーザーの環境の詳細】
ライフサイクル
ライフサイクルでは、ユーザーのアクセス元や閲覧されたページの分析など、UAの集客、行動、キーイベント*に相当する項目が含まれています。エンゲージメントという聞き慣れない項目が出てきますが、従来のUAでの「行動レポート」に近い内容です。集客のユーザーやトラフィックはディメンションの切り替えや、セカンダリディメンションもユーザー属性レポートと同様に可能です。
例えば、セカンダリディメンションをセッションのメディアまたは参照元に設定すれば、UAの「すべてのトラフィック > 参照元/メディア」に相当するレポートが確認できます。
GA4で特に注意が必要なのは、従来のページビューやセッションなどのデータはすべてイベントとして計測されていることです。自動で計測がおこなわれているイベントもあれば必要に応じて事前に設定が必要なイベントもあります。
*Googleアナリティクスのコンバージョンは現在キーイベントという名前に変更されています。
ユーザー獲得
ユーザー獲得は、GA4から新しく搭載された指標で、ユーザーが初めてサイトに訪れた際に計測されたデータのことです。原則初回訪問時のユーザー数を把握できるため、新規ユーザーのデータを計測するのに適しています。
下記の手順で確認しましょう。
左メニュー【レポート】>【集客】>【ユーザー獲得】
デフォルトチャネルグループ・参照元・メディア・キャンペーンなどの確認したいディメンションを選択することで、各チャネルからの新規ユーザー数を確認できます。
トラフィック獲得
トラフィック獲得は、訪問(セッション)ベースでの集客データを計測します。
「ユーザー獲得」が初回訪問のデータであることに対して、トラフィック獲得ではすべての流入を対象としています。そのため、トラフィック獲得は既存ユーザーのデータを計測するのに適しています。
セッション数は下記の手順で確認できます。
左メニューの【レポート】>【集客】>【トラフィック獲得】
「セッション」の項目で、サイトやアプリへの訪問数(セッション数)を把握できます。
ページビュー数
ページビュー数はユーザーがWEBページを表示した回数を示す指標です。
下記の手順で確認しましょう。
左メニュー【レポート】>【エンゲージメント】>【ページとスクリーン】
画面中央の「表示回数」がページビュー数を示します。
「探索」レポートのテンプレートを押さえよう
GA4では一歩踏み込んだ高度な分析を「探索」からおこなうことができます。
「探索」レポートには、次の6つのテンプレートがあります。
- 自由形式
- ファネルデータ探索
- 経路データ探索
- セグメントの重複
- コホートデータ探索
- ユーザーのライフタイム
- ユーザーエクスプローラー
以下でそれぞれ詳しく解説します。
ぜひ使いこなせるようにいろいろ試してみてください。
自由形式
「自由形式」レポートでは、クロス集計表、グラフ、マップ、散布図など、さまざまな形式でレポートを作成できます。
初期設定では「市区町村」と「デバイス」別の「アクティブユーザー数」が表形式で表示されますが、カスタマイズ可能です。初めて探索レポートを使う場合は、この自由形式レポートで基本的な操作に慣れていきましょう。
ファネルデータ探索
「ファネルデータ探索」は、ユーザーがキーイベントに至るまでの行動経路、ステップを視覚的に表示できるレポートです。
ステップごとに離脱したユーザー数がわかるため、キーイベントに至るまでの経路でどのページが妨げになっているかを把握でき、サイトの改善に役立てられます。
またステップには、ページだけでなく、クリックやスクロール、動画の再生などのイベントも設定できます。
経路データ探索
経路データ探索は、ユーザーの行動ルートをツリー形式で示せるレポートです。
「ユーザーがどこから来てどこで離脱したか」というキーイベントに至るまでの始点から終点を基準にしたレポート作成が可能です。これにより、特定ページへの流入元やキーイベントに至るユーザーの行動パターンを詳細に分析できます。
詳しい活用法にはこちらの見出しで紹介しています。
セグメントの重複
セグメントの重複では、複数のユーザーセグメントを比較して、重複状況と相互関係を把握できます。特に複雑な条件下で特定のユーザーを絞り出したい場合に役立つレポートです。
例えば、「検索エンジンから訪問したユーザー」と「特定のキャンペーンを経由したユーザー」のような異なるセグメントを組み合わせて分析できます。これにより、キャンペーンを経由したユーザーの多くが検索エンジンからの訪問でもある具体的な傾向がわかります。
コホートデータ探索
コホートデータ探索では、特定の共通属性を持つユーザーグループ(コホート)のアクティビティやイベントを日、週、月単位で追跡し、その行動を分析できます。
デフォルトでは、初めてサイトを訪問した日が設定されていますが、特定のイベントやキーイベントが発生したユーザーの設定も可能です。
例えば、特定の期間内に新規登録したユーザーが、そのあとの数週間でどのようにサイトを利用するかを観察できます。これにより、ユーザーのリテンションやエンゲージメントの変化を時間とともに把握しやすくなります。
ユーザーのライフタイム
ユーザーのライフタイムでは、サイトやアプリへの初回訪問から数度目の訪問までのリピート行動をもとに、ライフタイムバリュー(LTV)を分析できます。
セグメントごとに比較することも可能です。例えば、SNSから訪れたユーザーとリスティング広告から訪れたユーザーを比較して、どちらが再訪問や製品購入につながっているかを把握できます。
一度の訪問だけでなく、そのあとの行動を含めたLTVを把握できるため、再購入が多いユーザーを獲得できている参照元やエンゲージメント時間が最も長い参照元を確認でき、自社にとって効果的なアプローチ方法を見つけ出すのに役立ちます。
ユーザーエクスプローラー
ユーザーエクスプローラーでは、各ユーザーの個別データを確認できます。「ユーザーID」をクリックすると、そのユーザーが実行したイベントの詳細と発生時間がわかります。
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「探索」の基本的な使い方
探索レポートの基本的な使い方は、以下の3ステップです。
- テンプレートを選択
- 変数の設定
- タブの設定
それぞれ順に説明します。
1.テンプレートを選択
まずはテンプレートを選択しましょう。ここでは一般的な「自由形式」レポートで説明します。左メニューから「探索」をクリックし、テンプレートギャラリーから「自由形式」を選択します。
2.変数の設定
「自由形式」のレポート画面に遷移したら、左側の「変数」列で「セグメント」「ディメンション」「指標」を設定します。変数を追加するには、各項目の右上にある「+」マークをクリックします。
3.タブの設定
次に「タブの設定」列の「ビジュアライゼーション」でグラフのスタイルを選択します。レポートのテンプレートを変更したい場合は「タブの設定」列の「手法」から変更できます。
続いて「2.変数の設定」で選択したセグメント・ディメンション・指標を配置します。レポートに表示させたい項目を、ドラッグ&ドロップで「セグメントの比較」「行」「列」「値」に移動させていきます。
タブまで設定できたら、完成です。左側でカスタマイズした設定が、右側のレポートにてデータ抽出される仕組みになっています。
※関連記事: Googleアナリティクス4(GA4)の「探索」機能の使い方
成果を測定するためにキーイベントの設定をしておこう
GA4ではデータを「イベント」という単位で計測します。イベントとは、ページの表示やスクロール、リンクのクリックなど、サイト内でのユーザーの行動のことです。
従来のUAとは定義が異なるため、わかりにくいこともあるかもしれませんが、GA4では従来ではできなかったユーザーごとの行動の違いをデータとして収集できるようになっています。
例えば、従来のUAでは、ページを表示してすぐに離脱してしまったユーザーと、ページを最後まで見ていたユーザーを同じ「1ページビュー」としてカウントされていましたが、GA4ではそれぞれの行動の違いを細かく計測可能です。
計測されるイベントの一覧は、レポートのエンゲージメント内にある「イベント」にて確認できますが、事前に設定しないと計測できないイベントがあります。その代表例がキーイベント(旧コンバージョン)です。
ここでは、キーイベント設定に必要な「イベントの作成」と「キーイベントの設定」に分けて説明していきます。
イベントの作成
イベントの作成は以下の手順でおこないます。
まずは画面左下の歯車アイコン(管理)の「イベント」から「イベントの作成」をクリックします。
イベントの作成画面に遷移しますので、パラメータを設定していきます。
例えば、問い合わせ完了ページの閲覧を計測したい場合は、任意のカスタムイベント名を入力し、下記のようなパラメータを設定します。
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キーイベントイベントの設定
キーイベントイベントの設定は、「イベントの作成」で追加したイベントに対して「キーイベントとしてマークを付ける」をオンにすることで、キーイベントとして計測されるようになります。
キーイベントは1つのプロパティで最大30個まで登録可能です。
「探索」レポートの活用方法
ここからは「探索」レポートの活用法として、下記の2例を紹介します。
- キーイベントに至ったユーザーを分析したいとき
- ランディングページの分析をしたいとき
キーイベントに至ったユーザーを分析したいとき
ユーザーがキーイベントに至った経路を分析するには、「経路データ探索」レポートを使います。
左側メニュー>【探索】>【経路データ探索】をクリックします。
次に、画面の右上の「最初からやり直す」をクリックします。
画面が切り替わるので、「終点」の「ノードをドロップするのか選択してください」より「イベント名」を選択します。
イベントの一覧が表示されるので、キーイベントとして設定しているイベントを選択しましょう。今回は「問い合わせ完了」を選択しています。
ツリーグラフにて、キーイベントしたイベントの前にユーザーがどのページを閲覧したのかが確認できます。枝分かれしているイベントをクリックすると、それぞれの経路を把握できます。
これでユーザーがキーイベントに至った経路を分析するレポートが完成しました。
ランディングページの分析をしたいとき
ランディングページごとのユーザー数やセッション数、キーイベント数を分析したいときは以下の手順でおこないます。
左側メニュー>【探索】>【空白】を選択します。
次に「変数」列で、以下のディメンションと指標を追加します。
- ディメンション:ランディング ページ + クエリ文字列
- 指標:セッションと表示回数
続いて「タブの設定」列にて、変数で選択したセグメント・ディメンション・指標を配置します。
「行」にはディメンションで選択した「ランディング ページ + クエリ文字列」を、「値」には指標で選択した「総ユーザー数」「セッション」「キーイベント」をそれぞれドラッグ&ドロップします。
これでランディングページの分析レポートが完成しました。
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まとめ
今回はGA4のレポートについて、画面の見方や重要な指標、探索レポートの活用法まで解説しました。
基本的なデータを確認できる「レポート」では、ユーザー属性やページビュー数などの主要な指標を簡単に把握できます。一方で、より詳細で高度な分析をおこないたい場合は「探索」メニューを活用しましょう。
探索レポートでは、ディメンションや指標を自由に組み合わせてカスタムレポートを作成でき、キーイベント経路やユーザー行動の詳細な分析が可能です。本記事で紹介した活用法を参考に効果的なデータ分析とサイト改善にぜひお役立てください。