今や多くの人がコミュニケーションツールとして利用しているLINE。日本国内のユーザー数は9,000万人(2022年4月発表)を超えており、現代に欠かせないインフラとなっています。日本最大級のSNSへの広告配信は、非常に効率的なプロモーションと言えるでしょう。
今回はLINE広告への出稿方法や特徴などを解説していきます。
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LINE広告とは
LINE広告とは文字どおり、LINEユーザーを中心に広告が発信できる仕組み。LINE上のタイムラインやSmart Channel、LINEマンガ、ウォレットなど全12種の掲載面に配信ができます。この「広告配信面」と「クリエイティブ」、「広告配信機能」の3つをかけ合わせて配信していくのがLINE広告です。
こんな人にLINE広告はおススメです。
LINEは日本人口の約7割が利用しています。総務省の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、10〜40代の利用率は90%超。また、ほとんどのユーザーが毎日使うアプリでもあります。
「多くの人に広告を配信したい」、「特に若年層から中年層にリーチしたい」、「広告接触回数を増やしたい」、「広告接触確率を上げたい」といった人におすすめの広告手法です。
参考元:https://www.comnico.jp/we-love-social/sns-users
LINE広告の課金方式
LINE広告の課金方式は3つ。ワンクリック毎に料金が発生する「クリック課金」と、広告表示回数に応じて料金が発生する「インプレッション課金」、LINE友だちの獲得で料金が発生する「CPF課金」があります。
クリック課金(CPC課金)
Cost Per Clickの略。何度表示されても広告費は発生しません。ユーザーが広告をクリックし、リンク先のサイトへ遷移した時点で料金が発生。広告に興味のあるユーザーだけにコストをかけられるので、効率的な課金方式といえます。
インプレッション課金(CPM課金)
Cost Per Milleの略。動画広告枠の課金方法です。広告動画が100%視聴された時点で、1インプレッションとして換算されます。「インプレッションが最大値になるように配信される」、「予算オーバーの心配がない」といったメリットがあります。
CPF課金
Cost Per Friendの略。LINE特有の友だち追加機能を利用した課金方式です。広告主の公式アカウントを友だち登録した時点で料金が発生する成果報酬型広告。自社サービスに好感を持つ、確度の高いファン獲得に適したプロモーションです。
LINE広告の特徴・メリット
先述のとおり、あらゆる世代のユーザーが活発に利用しているLINE。「アクティブユーザー数が多いサービスへの露出」はLINE広告最大のメリットです。また、LINEでしかアプローチできないユーザー層も存在します。普段スマートフォンで利用しているSNSはLINE が圧倒的。スマートフォンではLINEのみを利用しているユーザーも多いため、他のサービスではリーチできない新規顧客に広告を配信できる可能性が高いです。
もう一つのメリットは、配信面やターゲティング方法の豊富さが挙げられます。配信面が多ければ多彩な訴求方法で広告の配信ができます。また、「まずは友だち登録して欲しい」、「ランディングページに遷移して欲しい」、「コンバージョンを獲得したい」などのプロモーションのフェーズに合わせた細かいターゲティングも可能。
つまり、多くのユーザーの中から自社サービスに適したユーザーを選定し、効果の高いアプローチで広告を届けることができます。
配信面の特徴
LINE広告の配信面は以下のとおり。
- トークリスト
- ウォレット
- LINE NEWS
- LINE VOOM
- LINE BLOG
- LINEポイントクラブ
- LINEマンガ
- LINE チラシ
- LINE クーポン
- LINE ショッピング
- LINE広告ネットワーク
- LINEマイカード
SNS広告と比べても12種類という配信面はとても豊富です。それぞれのコンテンツによって、閲覧する年齢層や男女比は大きく違います。例えば若年層をターゲットとするなら「LINEマンガ」。3、40代の主婦に訴求するのであれば「LINEポイント」や「LINEクーポン」が適しています。
配信面のラインナップが豊富に揃っているため、配信する広告と親和性の高いコンテンツを選べるのも利点。ファッション商材なら「LINEショッピング」、管理職向けクラウドサービスの広告なら「LINE NEWS」に配信する戦略が立てられます。
メッセージアプリLINEで最も目にするのはLINEトーク画面です。LINEトーク画面の最上部に配信される「トークリスト」などは、認知獲得やブランディングのマスターゲットにリーチさせるプロモーションに有効でしょう。
ターゲティングの特徴
続いてはLINE広告のターゲティングについて。LINE広告のターゲティングは大きく分けて4種類です。
デモグラフィックデータ配信
ユーザーの年齢や性別、居住地域、使用OSをセグメントできるポピュラーなターゲティングです。年齢は14歳以下、15〜19歳、35〜39歳、65歳以上など、とても細かく分類されています。居住地域も市区町村別で設定が可能で、「東京都港区の50〜54歳男性」とピンポイントなターゲティングもできます。
詳細ターゲティング配信
こちらはアプリ内のユーザーの行動履歴に基づき、趣味嗜好や属性からターゲティングする方法です。「スポーツ」、「ゲーム」、「旅行」といった趣味・関心。配偶者や子どもの有無、携帯キャリア推定年収から紐解く属性。テレビ視聴頻度や購買経験といった行動からセグメントします。
5,000万円のファミリー向け戸建て住宅の販売プロモーションであれば、趣味・関心「家・インテリア」、属性「既婚」、「子どもあり」、「推定年収(収入上位21%〜50%)」、行動「転居の可能性がある」とセグメント。このターゲティングによって、住宅購入の可能性が高いユーザーに効率良くアプローチできるでしょう。
オーディエンス配信
ユーザーの行動データや顧客情報、LINE公式アカウントの友だち情報に基づく配信も可能です。例えば「AというECサイトで商品を購入したユーザーがLINE広告経由で自社サイトに誘導できた場合、自社サイトにまだアクセスしていないがAというECサイトで商品を購入したユーザーに広告を配信できる」という仕組みです。
ウェブトラフィックのほか、電話番号やメールアドレス、動画視聴のオーディエンスなどへ配信が可能。また、ターゲティングするだけでなく、オーディエンスで抽出したユーザーを配信対象から除外することもできます。
クロスターゲティング
オーディエンス配信の一種ですが、こちらはLINE公式アカウントに蓄積されたユーザーデータを活用するターゲティングです。配信したメッセージに含まれるリンクをクリックしたユーザーを対象とする「クリックリターゲティング」、配信したメッセージを開封したユーザーに送る「インプレッションリターゲティング」などがあります。
自社サービスにある程度興味を持っているユーザーに対して、接触回数を増やしたいときなどに活用するのがベターです。
クリエイティブの特徴
LINE広告には静止画と動画の配信ができます。スタンダードな静止画は制作コストが低いため、ターゲットに合わせて複数展開を図るのも有効です。
近年注目されているのが動画広告です。静止画よりはるかに多くの情報量を盛り込むことができ、ターゲットに強く訴求できます。一方、「制作コストが高い」、「最後まで視聴されない可能性がある」のデメリットもあります。
キャンペーンの目的の種類
広告出稿の前に、キャンペーンの目的を設定する必要があります。目的によって使用できる広告フォーマットや最適化機能が変わってくるので、以下の種類と最適化方法をしっかり理解しましょう。
キャンペーンの目的 | 最適化方法 |
ウェブサイトへのアクセス | WEBサイトへのアクセス数を増やすことを目的としたい際に選択します。リンクをクリックする可能性が高い人に広告を表示します。 |
ウェブサイトコンバージョン | WEBサイト上でのコンバージョン数の増加が目的の場合に選択します。コンバージョンする可能性が高い人に広告を表示します。 |
アプリのインストール | アプリのインストール数を目的とした配信で、アプリをインストールする可能性が高い人に広告を表示します。 |
アプリのエンゲージメント | アプリ利用者のアプリ起動回数を増やすための配信に利用します。アプリはインストール済みだが利用しなくなったユーザーに再度利用を促したい際におすすめです。 |
動画の再生 | 動画の再生数の増加を目的とした配信の際に選択します。多くのユーザーに動画の視聴を促したい場合におすすめです。 |
友だち追加 | LINE公式アカウントの友だち数を増やしたい場合に利用します。友だち追加する可能性が高い人に広告を表示します。 |
商品フィードから販売 | WEBサイトを訪れたりアプリを利用した人が興味を示した商品を広告で表示させたい際に利用します。広告表示することで商品の購入を促します。 |
参考元:キャンペーン目的別設定ガイド|LINE for Business
LINE広告の広告フォーマット
クリエイティブの静止画と動画は、それぞれ5つのフォーマットから選びます。
Card
静止画、動画ともに用いることができるCard。サイズは静止画1,200×628(px)、動画16:9となっており、横長方形で表示されるスタンダードなクリエイティブです。トークリストの動画枠以外、すべてのコンテンツに配信が可能なフォーマットになっています。
Square
正方形で表示されます。こちらも静止画、動画ともに利用可。スマートフォンでの見え方が意識されており、Cardよりも画面に大きく表示されます。
カルーセル
こちらもスマートフォンの普及によって注目されているクリエイティブです。静止画のみ利用可。画面をスワイプして表示ができます。設定できる画面は10点まで。複数の商品を並列したい場合や、サービスフローを順序立てて訴求したいときなどに扱いやすいフォーマットです。
画像(小)
頻繁に閲覧されるトークリストの上部とLINE NEWS、LINE広告ネットワークで表示されるのが画像(小)で、こちらも静止画のみ。ビジュアルではなくテキストで緊急性や重要性を訴求する広告に向いているといええます。
Vertical
動画専用のクリエイティブ。LINE VOOMとLINE広告ネットワークに掲載されます。フォロー中タブ表示時と全画面再生時で画面比率が異なるので、注意して入稿する必要があります。
LINE広告を出稿する
LINE広告の特徴を把握したところで、いよいよ出稿です。LINE広告はアカウント作成から運用まですべて、オンライン上で完結します。インターネット環境が整っていれば、誰でもすぐに始められます。
事前準備
まずはLINEビジネスIDと広告アカウントの作成。LINEビジネスは公式サイトから「オンライン申込」をクリックし、メールアドレスで登録します。既存のLINEアカウントでも発行できますがその場合、個人のLINEアカウントと紐付けることになるので注意してください。登録したメールアドレスに記載されているURLをクリックし、利用規約確認が完了すれば管理画面に移行します。
次に広告アカウント作成です。管理画面から「+新しい広告アカウントを作成」をクリックし、請求先情報と広告主情報を登録します。続いて商材情報とLINE公式アカウントの入力をおこないます。
タグの設置をして事前準備は完了となります。ユーザーの行動を計測する全ページに設置する「ベースコード」、コンバージョンを計測するページに設置する「コンバージョンコード」、広告主が自由にユーザーをラベリングできる「カスタムイベントコード」があります。
キャンペーン
それでは広告の設定に入ります。キャンペーンタブから「+キャンペーンを作成」をクリックします。本記事でも列挙したラインナップから、利用したいキャンペーンの目的を1つ選択。
基本情報と掲載期間、任意設定を入力し、「保存して広告グループ作成へ」に進みましょう。
グループ
グループ設定ではまず、広告グループを作成したいキャンペーンを選択します。続いて、広告グループ一覧に表示される名前を入力。こちらは広告配信時には表示されません。ステータスは「有効」か「一時停止」のどちらかを選びます。
広告セット
配信の目的に合わせてターゲットを設定。また、広告フォーマットと配信先をセットします。広告の配信はLINEとLINE広告ネットワークに配信される「自動配置(推奨)」と「配信先を編集」の2パターンがあります。
コスト設定
コスト設定では入札方法や単価を設定します。入力する項目は「入札単価の設定方法」、「課金方法」、「入札戦略」、「上限CPC」です。各設定項目にはそれぞれ、詳細を記載したテキストがあります。コスト設定は慎重に入力していきましょう。
※関連記事: LINE広告の配信面とは?種類や特徴について解説!
LINE広告の運用ポイント
キャンペーン、広告グループ、広告セットが完了し、クリエイティブを入稿したら審査です。アカウント作成から審査完了までは通常10営業日ほど。審査に問題なければ広告配信がスタートします。
広告配信がスタートして終わりではありません。大事なのはそのあとの運用です。特に運用のポイントとして挙げられるのは以下の3点です。
運用スタート時は広めのターゲティング
より詳細かつ精度の高いターゲティングを実現させるために、まずは広めのターゲティングから開始するのがおすすめ。デモグラフィック配信で最低限のターゲティングをし、オーディエンスリストを早い段階から多く取得しておきましょう。
クリエイティブは複数フォーマットで入稿
LINE広告の運用者が戸惑うのは配信面とクリエイティブ入稿サイズの差異です。LINE広告は配信面を指定できません。せっかく訴求力のあるクリエイティブを制作しても、配信面のサイズが違えば掲載すらされません。静止画「1,200×628」、「1,080×1,080」、「600×400」、動画「16:9」、「1:1」、「9:16」の計6種類を最低限用意しておけば、どの配信面にも対応できます。
LINE広告アカウントとLINE公式アカウントの連携
LINE公式アカウントの友だち機能は、新規顧客や見込み客の獲得、既存顧客の満足度向上などあらゆる側面からプロモーションをサポートしてくれます。つまり、LINE公式アカウントはプロモーション戦略に重要なデータが蓄積されているのです。
このデータベースを有意義に活用するためには、LINE広告アカウントとLINE公式アカウントは連携させるべきでしょう。友だち登録履歴から類似オーディエンスを作成することで、より確度の高いユーザーに広告配信ができるようになります。
まとめ
SNS広告は一見、複雑に感じるかもしれません。特にLINEのように大規模なユーザー数を誇るプラットフォームは、躊躇してしまう広告担当者もいるのではないでしょうか。しかし、一つひとつ仕組みを理解していくと、大変シンプルにできています。
LINEは人口の70%がほぼ毎日利用するインフラです。だからこそ、現代のプロモーション戦略には欠かせません。仕組みさえ理解すれば、低コストで大きな成果を上げることができます。一つずつ手順を理解して、進めてみてください。