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WEBマーケティングにおける「効率化=CPA重視?」という考え方の先にある景色とは?

香取
2024.12.18更新
2022.02.10初出
「効率化=CPA重視」でいいんですか?

みなさん、こんにちは!

今日も「効率化」していますか?

「効率化」という言葉には、人によってさまざまなイメージや考えがあると思います。
うまく効率化して、ものごとがうまくすすんだときは気持ちいいものです。けれど、「それ、本当に効率化なの?」とうこともよくあります。
例えば、

出社の達人
1日のすべてのエネルギーを出社にかける人。朝はいつも同じ電車、駅のエスカレーターは必ず歩く、信号は青になる前に誰よりも早く第一歩を踏み出すことに全神経を集中している人
送料無料の達人
通販では送料無料の金額になるまで商品を選んでしまい、つい欲しくないものまで買ってしまう人
質より量の達人
家やスマートフォンで動画を見るときはいつも2倍速。短い時間でどれだけ見られるかを優先して、内容の理解はどうでもいい人

いくつか例をあげましたが、どれも効率化している感じもしますが、これらは本当に効率化といえるでしょうか?

ということで、今回はWEBマーケティングでもよく出てくる言葉「効率化」について書きます。「効率化」っていったいなんでしょうか??

WEBマーケティングの「効率化」とは?(狭義)

すでにご存知の方も多いと思いますが、WEB広告の結果を見る指標に「CPA」という概念があります。

【CPA】
Cost per Acquisition CV(コンバージョン)
1件の問い合わせや注文の獲得にかかった費用

CPAであったり、「コンバージョン単価」などとも言います。 問い合わせを1件獲得するのに、費用が3,000円かかったなら、CPA3,000円。このような使い方がされます。

そのため、「CPAをよくする=同じ予算でCVがたくさん獲得できる」

…ということになります。 WEBマーケティングで語られる「効率化」は、「CPAをよくする(低くする)」文脈で使用されることが多いです。

なぜなら、

予算÷CPA=CV

「予算」「CPA」「CV」の関係はこのような式になります。

同じ予算のなかで、CPAが低ければ、CVの数は増えることになりますから、すごく当然な考え方だと思います。 ただし、CPAがよくることは効率化ですが、CPAを下げ続けることだけが効率化でしょうか?

広告のパフォーマンス「CPA」をよくするための効率化とは?

CPA

先程は予算に対してのCPAとCVの関係を式にしました。 同じように、CPAは分解すると、以下のような公式になります。

CPC(クリック単価)÷CVR(コンバージョン率)=CPA

CPCは、1クリックにかかる費用。 CVRは、何クリック集まれば1コンバージョンになるかという確率。

CPAは2つの指標から成りますが、ある程度意図的にコントロールできるのは、「CPC」になります。Google広告やYahoo!広告などであれば、「上限クリック単価」を低く設定すれば、基本的にはCPCも下がる方向でコントロールできます。

その他の広告でも、おおむね「クリック単価」などの指標の設定を下げれば、CPCは下がる方向にコントロールできます。

これを理解すると、「CPAをよくしていくためには、CPCを低くする」が重要であることがわかってきます。 でも、果たしてCPCを下げていくだけでいいのでしょうか?

CPCを下げすぎて生じる問題

CPCが存在する広告手法であれば、たいていの場合「他の広告主との競り合い」があります。

いわゆる「オークション」が行われ、それによってCPCも影響を受けます。シンプルにいうと、高い金額で入札をしている広告主ほど、オークションに勝ちやすくなります。

逆に、CPCを低くしようとすることは、他の広告主に道を譲ることにもなります。

CPCを最終的に極限のレベルまで低くしたとしても、広告は配信されることはありますが、2つの問題が生じます。

①下げすぎると広告が配信される機会が減る

CPCを低くすることは、他の広告主に道を譲ることですので、配信される機会は確実に減っていきます。オークションに勝ちにくくなるからです。場合によっては、オークションに参加できません。
「低いCPC」を目指してCPCを下げ続ければ、最終的にはほぼ配信されなくなります。

②CVの数が減少してしまう

CPCが下がったことで、CPAが下がることはよくあります。ただし、①に記載したように、広告が配信される機会は確実に減るため、月間を通してみたときに「CPAは下がったけれどCVの数も減少してしまった」ということもあります。

もし、あなたが 「amazon」のようなサイトで本の販売をしていたらどちらが理想?

Aのお店
CPCが10円。CPAは100円だけど、1ヶ月で1CV

Bのお店
CPCが20円。CPAは200円だけど、1ヶ月で1,000CV

仮に、1CVあたり、平均1,000円の本が売れたとします。

Aのお店は、月の売上は1CV×1,000円=1,000円
Bのお店は、月の売上は1,000CV×1,000円=1,000,000円

CPAだけの効率で見れば「Aのお店」のほうが優れています。
けれど、Aは、1年たっても12,000円の売上にしかなりません。

一方、Bのお店はAのお店に比べるとCPAこそ悪いですが、CV件数、売上ともに1,000倍。
ビジネスの視点で見れば、「Bのお店」のほうがいいのではないでしょうか。

本当の意味での「効率化」とは「許容範囲での最大化」(広義)

CPC

CPAは下げたい
CPCを下げる
CPAはよくなった!
CVの数は減ってしまった
月の売上は減ってしまった
売上が少ないからスタッフの人数も広告費も削るしかない
年間の売上も減って、スタッフの数も減ってしまった
事業部の存続があやうくなってしまった・・・(涙)

これでは、本当の意味で「効率化」されたとはいえないのではないでしょうか。

広告の運用が進み、目標とするCPAに近づいてきたときに、「もっとCPAを下げたい」と、「欲」が出てくることはよくあります。

ここで、無理にCPCを下げるようなことをしていくと、「CVの総数が減ってしまう」ことも考えなければいけません。

例えば、Google広告では、「どのくらいのCPCで、どのくらいのCVが獲得できるか」を予測してくれるツールがあります。

※使用するにはログインが必要です。

このツールで、CPCを低く設定したときと、高く設定したときのシミュレーションをしてみました。
結果はこちらになります。

例)キーワード「web 集客」

①「上限クリック単価5,000円」としてシミュレーションをした場合

「上限クリック単価5,000円」としてシミュレーションをした場合

獲得できるCV :21
CPA :100,000円
CPC :981円

②「上限クリック単価5円」としてシミュレーションをした場合

「上限クリック単価5円」としてシミュレーションをした場合

獲得できるCV :0
CPA :0円  
※表示では210円とあるが、クリック数は0なので実質は0
CPC :2円  ※表示では2円とあるが、クリック数は0なので実質は0

上記は、それぞれの設定で1ヶ月間の予測値となっています。

極端な2つの例ですが、②のように上限クリック単価を極限までおさえて、CPCを2円まで下げても、CVが0なら売上は0円です。

CPCを下げ、CPAを下げようとする方針だけでは、このような「誤った判断」をして「望まない結果」を招いてしまうことがあります。

①は、CPAやCPCは②よりもはるかに高いですが、このCPAでも採算があうのであれば問題はないはずです。

この2つの例からわかるように、CPCやCPAをさげることだけに目を向けるのではなく、「獲得したいCV数」や「獲得したいクリック数」を狙えるようなCPCを見定めていくことが重要になってきます。

自社の集客は、この金額帯がどこなのかを見定めていくことで、「許容範囲のCPAで、最大のCV数」をねらうことができます。

これが、広義での「効率化」ではないでしょうか。

CPAを落ち着かせたなら次にとるべき行動

CPAをある程度クリアしたなら、次は新しい目標を掲げたほうが効率化につながる可能性があります。

その行動はずばり、「CV数を増やしていくための新たな行動」です

CPAをよくするための「効率化」だけを求めすぎると、CVの総数を減らすことにつながり、かえって非効率となりがちです。いわゆる「機会損失」が生まれます。

また、せっかく予算のなかで最大化ができたのに、ちょっとだけCPAを欲張ったことでかえってCV数が減少し、全体でのパフォーマンスが悪くなることはよくあります。そうなると、従来のパフォーマンスを取り戻すまでに一定の時間とコストを費やすことになります。

ある程度安定したパフォーマンスが生まれたのなら、それは「1つの柱」とはするものの、欲張らない。(重要)

チャネルを増やす・リスク分散

特定の集客方法でパフォーマンスが安定したのなら、新たなアクセスを増やしCVの総数を増やしていくことを考える。
「チャネルを増やす」、「サイトへの流入経路を増やす」ことを考えるとよいでしょう。

たとえば、花が咲いた鉢に、たくさんの種を蒔いても咲く花の数は限られます。
また、花を咲かせた鉢がひと鉢だけでは、その鉢の花が枯れてしまったり、鉢がこわれてしまったらすべての花を失うことになります。

そんなことにならないように、適度に新たな鉢を増やして咲く花の数を増やしていく。
そうすることで、咲く花の数を積み上げながら、リスクも分散していくことができます。

ビジネスにとっての大きな効率化とは、こういうことではないでしょうか。
せっかくパフォーマンスがよくなったのに、欲張ってすべてを失っては本末転倒です。
CPAが安定したら、次のチャネルを開拓していくことを忘れてはいけません。

効率化脳は、目先だけの効率化におちいりがち

「CPA」であったり「CPC」、あるいは今月の目標などの『目先の数値』ばかり研ぎ澄ましても限界は訪れます。
限界をごくわずかでもよくしようとする姿勢は大切ですが、さらに大切なのは、『未来に向かって新しい数値』を積み上げていくことです。

そのためには、目先の「足元に目を向けた効率化」ではなく、「1年後、3年後にとって大事なことはなにか?」と、少し目線をあげることが重要です。

最後に

「それ、何のための効率化?」

今、それを効率化して1日たったらどうなるでしょうか?
1ヶ月、1年続けたらどうなるでしょうか?

効率化するべきものを見誤ると、いくら月日がたってもたいした効率化にはなりません。
どうせ効率化をするのなら、意味のある効率化をするようにしたいですね。

【余談】目先の効率化より「JSのSTK」

筆者は、2015年くらいまではコンビニやスーパー、カフェなどを利用するときに「●ポイントカード」や「ポイントアプリ」などを会計のたびに出していました。

買い物でポイントがたまるようなポイントシステムも多いですが、例えばコンビニで一度に買う金額は、平均したら500円から1,500円くらいではないでしょうか?

1,500円購入して、1%のポイントが付いたとして、15ポイント。
1年に200回、コンビニで毎回1,500円つかったとして貯まるポイントは、1年で3,000ポイント。

年間で3,000ポイントのために、レジでポイントカードやアプリを出して時間を使うことは、果たして「得」であったり「効率化」でしょうか?

仮にですが、ポイントをもらうためにスマートフォンを出してアプリを起動してポイントを付与してもらうまでの秒数を10秒として、200回やりとりすると、2,000秒。

時間にして約34分。

34分で、3,000ポイント

一年で200回もこのやりとりをしたとして、3,000ポイント。

コンビニに行く回数がもっと少なかったり、アプリの起動が遅かったりしたらこれ以下です。それなのに、コンビニでポイントを貯めるのは「効率化」でしょうか??そんなことを冷静に考えた瞬間から、ポイントカードのたぐいは持ち歩かなくなりました。

レジの人に「ポイントアプリありますか?インストールしませんか?」と聞かれても、断るようになりました。

ポイントを貯めることで浪費する時間より、ポイントをもらわずに自分の時間を増やしたほうが有意義だと思っています。

個人的に自分の生活には、目先の効率化をするよりも、「人生(JS)の素敵化(STK)」をするように意識しています。

それでは!よい素敵化を!

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