「求人応募が思うように集まらない」
「採用コストを最適化したい」
このような採用課題を抱えている企業にGoogleしごと検索は、有効な解決策の一つとなります。
多くの求職者が最初に情報収集をおこなうGoogle検索において、求人情報を効果的に見せることができるGoogleしごと検索は、採用戦略の新たな柱として注目を集めています。
この記事では、Googleしごと検索の基本的な仕組み。そして、企業が最大限に活用するための具体的な掲載手順。さらには導入メリットまでわかりやすく解説します。
最後までお読みいただき、最適な人材確保の方法として参考にしてください。
目次
Googleしごと検索とは
はじめにGoogleしごと検索(Google for Jobs)とは、Googleの検索結果に直接、多種多様な企業の求人情報が表示されるサービスです。
普段Googleで調べ物をするのと同じように、「職種名 + エリア名」などで検索します。すると、まるでオンラインショッピングサイトのように関連する求人が表示されます。求職者は複数の求人サイトを個別に検索する手間を省き、効率的に仕事を探せます。
企業側にとっては、自社の求人情報がGoogle検索という最も多くのユーザーが利用する場所で掲載できます。そのため、これまで一般的な求人媒体ではリーチが難しかった層にもアプローチが可能です 。
そして、原則として費用をかけずに求人情報が掲載できます。応募数を増やしつつコストを抑えたい企業には効果的な求人掲載手段といえます 。
Googleしごと検索を利用するメリット
Googleしごと検索を活用するメリットは大きく分けて以下の3つです。
- 無料で利用できる
- Google検索で上位に表示される
- 近くの求人情報に求職者がスムーズにアクセスできる
では、それぞれ詳しく説明します。
無料で利用できる
まずGoogleしごと検索は、原則として無料で求人情報を掲載できます。有料求人広告では掲載期間や情報量に応じて費用が発生します。特に、中小企業やスタートアップにとって採用コストは大きな負担となるケースも少なくありません。
一方、Googleしごと検索の場合。WEBサイト上に求人情報が特定の形式(構造化データ)で適切に記述されていれば、Googleが自動的にそれを読み込み、検索結果に無料で表示します。
これにより、広告費をかけずに質の高い求職者へアプローチできます。そのため、採用予算の最適化と費用対効果の向上が可能です。
Google検索で上位に表示される
次に、Googleしごと検索に掲載された求人情報は、通常のWEBサイト検索結果よりも目立つ「求人専用枠」に表示されるため、求職者の目に留まりやすくなります。
例えば、「事務職 大阪」のように検索した場合。リスティング広告の下やオーガニック検索結果の上部にカード形式で一覧表示されます。
よって、求職者はわざわざ複数の求人サイトにアクセスする必要がありません。Googleの検索結果画面上で直接、関心のある求人情報を確認できます。
高い視認性は求人情報へのクリック率を格段に高めます。結果として、より多くの求職者を採用ページへ効率的に誘導可能です。
近くの求人情報に求職者がスムーズにアクセスできる
最後にGoogleしごと検索は、求職者の現在地や指定したエリアを考慮した検索結果を表示する機能に優れています。
求職者が「近くのカフェ 求人」のように検索した場合。Googleは求職者の位置情報に基づいて、関連性の高い近隣の求人情報を優先的に表示します。求職者は通勤圏内の仕事や、特定のエリアでの勤務を希望する際に、手間なく最適な求人を見つけることが可能です。
企業側にとっては、地域に特化した採用活動をおこなう際にとても有効です。勤務地を限定した募集でも、意欲の高い求職者とのマッチング精度を飛躍的に高めることが期待できます。
Googleしごと検索を利用するデメリット
さて、Googleしごと検索は大きなメリットがある一方、デメリットも存在します。
主なデメリットとしては、以下が挙げられます。
- 掲載手続きや導入のハードルが高い
- 直接求人を投稿・応募ができない
まずはデメリットを事前に把握し、適切な対策を講じ導入後のギャップを解消すること。これにより、効果的な運用計画を立てることが可能になります。
掲載手続きや導入のハードルが高い
まず、Googleしごと検索に求人情報を表示させるためには、条件があります。WEBサイトの求人ページに「構造化データ」という特殊な形式の情報を記述する必要があります。Googleが求人情報を正確に読み取り検索結果に適切に表示するために不可欠です。これには、HTMLやプログラミングに関する専門知識が求められます。
自社に専門的な技術を持つ人材がいない場合。外部の専門業者への依頼や、構造化データを自動で生成してくれる採用管理システム(ATS)などの導入が必要です。これにより、初期コストや導入の手間が発生する可能性があります。
直接求人を投稿・応募ができない
Googleしごと検索はあくまでインターネット上の求人情報を集約し、「表示窓口」として機能するサービスです。求職者がGoogleしごと検索のプラットフォーム上で直接求人を投稿したり、応募することはできません。求職者はGoogleしごと検索で関心のある求人を見つけたあと、掲載元である採用ページや提携している求人媒体のページへ移動して、初めて応募手続きができます。
例えば、採用ページがスマートフォンに最適化されていない場合。または、応募フォームの入力が煩雑であったりする場合。せっかく流入した意欲の高い求職者が、応募を途中で断念してしまうリスクがあります。
Googleしごと検索からの応募効果を最大化するためには、最終的な応募プロセス全体をスムーズにすることが極めて重要です。
Googleしごと検索への掲載方法
さて、求人情報を掲載し求職者に効果的に届けるには、いくつかのステップがあります。直接Googleのプラットフォームに求人を「投稿」する形式わけではありません。保有するWEBサイトの求人情報がGoogleで「発見」され認識される仕組みです。
主な手順としては、まず求人情報が掲載されたWEBページを準備します。次に、その情報をGoogleが理解できるように「構造化データ」という形式で記述。最後にGoogleにそのページの存在を知らせる「インデックス登録」をおこないます。これで、求人がGoogleしごと検索に表示されるようになります。
採用ページを作成する
Googleしごと検索に求人情報を表示させるためには、WEBサイト内に求人情報が掲載された採用ページ(または各職種ごとの詳細ページ)を用意しましょう。採用ページは求人に関心を持った際、最終的にアクセスするランディングページです。
求人情報を明確にわかりやすく記載するため下記の項目を追加しておきます。
- 仕事内容
- 応募資格
- 勤務地
- 給与
- 福利厚生
- 応募方法 etc
また、採用ページはスマートフォンに対応したレスポンシブデザインであること。そして、ページの読み込み速度が速いことなどの工夫も欠かせません。
検索エンジン向けに構造化データを設定する
Googleしごと検索に表示させるには、「構造化データ」の設定が必須となります。構造化データとは、WEBページ上の情報(この場合は求人情報)を、検索エンジンがより正確に理解できるよう、特定の形式で記述するコードのことです。
構造化データによりGoogleは「これは求人情報であり、職種は〇〇、勤務地は△△である」といった内容を認識し、Googleしごと検索の専用枠に表示できるようになります。
この構造化データは、HTMLコード内に求人情報の詳細をJSON-LD形式で記述します。詳しくは、Google検索デベロッパーガイドを参照ください。
構造化データに記述する必須項目
構造化データに記述する必須項目は、以下の6つです。
- datePosted (公開日):求人情報が公開された日付
- description (職務内容):仕事内容の具体的な説明
- hiringOrganization (募集組織): 募集をおこなう企業・組織の名前
- jobLocation(勤務地):勤務地の詳細情報(住所、都市、国など)
- title (職種名):募集している職種の名称
- validThrough (有効期限):求人情報の有効期限 ※期限が過ぎるとGoogle検索結果から削除される
この構造化データは、記述ミスがあると正しく認識されません。そのため、公開前にGoogleが提供する「リッチリザルトテスト」ツールなどで検証をおすすめします。構造化データの実装には、プログラミングの専門知識が必要になります。もし、社内で対応できる人材がいない場合には、制作会社などに依頼することも検討しましょう。
また、専門知識がなくても自動的に構造化データが生成できる採用管理システム(ATS)の利用も選択肢の一つです。専門知識がなくても自動的に構造化データが生成できます。Googleしごと検索に対応した採用管理システム(ATS)の導入も検討するとよいでしょう。
検索結果に表示させるためにインデックス登録する
構造化データが設定された採用ページが表示されるには条件があります。そのページがGoogle検索のデータベースに「インデックス登録」されている必要があります。
インデックス登録とは、GoogleがWEBページを巡回し、内容を理解して検索結果に表示するための準備をおこなうプロセスです。通常、Googleは自動的にWEBサイトを巡回(クロール)し、新しいページを発見してインデックスに登録します。
インデックスには時間がかかる場合があります。特に、新規作成したページや更新したばかりのページは、すぐに表示されないことがあるため注意が必要です。
インデックス登録の方法
Googleしごと検索への表示を早めるためには、以下の方法でインデックス登録を促します。
- Google Search Console(サーチコンソール)の活用
- サイトマップの送信
- XMLサイトマップの更新
Googleが提供する無料ツール「Google Search Console」を利用し、作成した採用ページのURLを直接Googleに送信します。
そして、Googleにページの存在を迅速に知らせます。これにより、クロールとインデックス登録を促すことが可能です。特に「URL検査ツール」から手動でインデックス登録をリクエストする方法は、即効性が期待できるでしょう。
サイトマップは、WEBサイト内の全ページのリストを記述したファイルです。これをSearch Consoleを通じてGoogleに送信します。そして、Googleが自社のWEBサイト構造をより正確に把握し、効率的にクロールするのを助けます。
新規求人情報を追加・更新するたびにXMLサイトマップを最新の状態に保ち、必要であればSearch Consoleから再送信することで、Googleのインデックス登録を促せます。求人情報がより早くGoogleしごと検索に表示され、早期の求職者へのアプローチが可能となります。
Googleしごと検索へ掲載する際の注意点
Googleしごと検索を通じて求人情報を効果的に掲載させるためには、いくつかの重要な注意点を理解しておく必要があります。
特に気をつけなければならないのは、Googleが定める「コンテンツポリシー」を遵守することです。ポリシーに違反する求人情報は、たとえ構造化データが正しく設定されていても、Googleしごと検索に表示されない、あるいは表示後に削除される可能性があります。
Googleしごと検索のコンテンツポリシー
Googleしごと検索のコンテンツポリシーは、求人情報の公平性、正確性、そして求職者の安全を確保することを目的として厳格に定められています。具体的には、誤解を招くような記述、虚偽の情報、差別的な表現(例:年齢・性別による不当な制限)。不正な求人、アダルトコンテンツ、違法な商品・サービスに関連する求人などが厳しく禁じられています。
Googleは常にアルゴリズムを更新し、これらのポリシー違反を自動的かつ継続的に検出します。そのため、意図せずポリシーに違反してしまうケースもあるでしょう。求人情報を作成・掲載する際には、Googleの公式デベロッパーガイドで提示されている最新のコンテンツポリシーを確認すること。それにしたがって、正確かつ透明性の高い情報を記述することが極めて重要です。
ポリシーに違反した場合、求人が検索に表示されなくなるだけではありません。Googleからの信頼を損なう可能性もあります。そのため、細心の注意を払う必要があります。
まとめ
この記事では、Googleしごと検索について、基本的な仕組みから企業が活用することで得られるメリット。そして、導入時に留意すべき注意点まで解説しました。
Googleしごと検索は原則無料で求人情報を検索結果の目立つ位置に表示させます。これまでリーチが難しかった潜在層にもアプローチできる、強力な採用ツールです。採用コストの最適化や応募数の増加など、採用戦略を大きく前進させる可能性を秘めております。
一方で、求人情報の「構造化データ」設定には専門知識が求められること。コンテンツポリシーを遵守しなければ求人が表示されないなどの注意点もあります。
本記事で解説した掲載方法や注意点を参考に、採用ページへの構造化データ導入。または、採用管理システムの活用にお役立てください。