WordPressカスタムフィールド管理の代表的プラグインであった「SmartCustomFields」が開発を終了しました。
カスタムフィールドは、投稿や固定ページに独自の入力項目を追加できる機能です。商品情報や施設案内などの定型情報を管理する際に役立ちます。ですが、標準機能だけでは使いにくく、プラグインの使用が一般的です。
しかし、長く使われてきたプラグイン「SmartCustomFields」が開発を終了したことにともない、困っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カスタムフィールドの基本を解説したうえで、SmartCustomFieldsに代わるおすすめのプラグインを2つ紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
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目次
カスタムフィールドとは
「カスタムフィールド」は、投稿や固定ページに独自の入力項目を追加できるWordPressの便利な機能です。通常のブログ記事では標準のタイトルと本文だけで十分です。しかし、商品紹介サイトや不動産情報サイトでは、価格や仕様などを体系的に表示したい場合が多くあります。
カスタムフィールドを活用すれば、このような追加情報を定型フォーマットで管理できます。例えば、ECサイトなら商品の価格、サイズ、素材などの項目。これらをあらかじめ設定しておくことで、投稿ごとに統一された形式で情報の提供が可能です。
この機能はWordPressに標準で搭載されています。しかし、標準機能のみでは使いにくいという欠点があります。具体的には、全記事に対して共通的なカスタムフィールドを設定できない点(データ型や初期値の設定が不可)。そして、PHPでカスタムフィールドを取得するための関数が使いづらい点が挙げられます。
こうした制限から、実務ではプラグインを使用するケースが一般的です。プラグインを導入することで、画像選択やチェックボックスなどの多様な入力形式に対応できます。それだけでなく、より直感的なインターフェースでカスタムフィールドを管理できるようになります。
カスタムフィールドのメリット
カスタムフィールドのメリットとして挙げられるのは、下記の5つです。
- 入力作業がスムーズに進められる
- 入力漏れのリスクを軽減できる
- 複数の担当者がいても、表記ルールを統一できる
- CSSによるデザイン管理がしやすくなる
- 入力データをさまざまな形式で活用できる
それぞれ解説します。
入力作業がスムーズに進められる
カスタムフィールドを利用すると、入力作業の効率が大幅にアップします。特に同じ構成の記事を複数作る場合。あらかじめ必要な入力項目が定型フォームとして用意されます。そのため、毎回同じ表や見出しを手動で作成する手間が省けます。
商品紹介ページであれば「商品名」「価格」「在庫状況」などの項目が最初から表示されています。よって、作業スピードの向上に役立ちます。
コンテンツ作成に集中できる時間が増え、サイト全体の品質向上にもつながるでしょう。
入力漏れのリスクを軽減できる
必須情報の入力漏れは、ユーザー体験を損なう重大な問題です。
例えば、サイト内で必ず掲載すべき情報がある場合。カスタムフィールドを活用することで情報の抜け漏れを効果的に防止できます。WEBサイトで店舗情報を提供する際、営業時間や定休日、料金などの基本データは不可欠な情報です。
しかし、これらを本文中に手動で入力する方式では、記憶や注意力に依存するこになります。結果、情報の欠落リスクが高まります。
カスタムフィールドを導入すれば、投稿画面に必須項目が明示的に表示されます。そのため、情報を埋めるだけで完了します。
入力漏れの可能性が大幅に減少し、全ページで明確な情報提供が可能になるでしょう。
複数の担当者がいても、表記ルールを統一できる
チームでサイト運営をする場合。記事の書き方や情報の提示方法が人によってバラバラになりがちです。
例えば「料金」という項目に対して、ある担当者は「10,000円(税込)」。別の担当者は「\10000+税」と書くといった表記ブレが発生するケースも多いでしょう。
カスタムフィールドを使用すると情報の入力場所や形式が標準化されます。そのため、誰が投稿しても統一感のあるコンテンツを維持できます。
これによってサイト全体の一貫性が保たれ、プロフェッショナルな印象をユーザーに与えられます。
CSSによるデザイン管理がしやすくなる
CSSとは、WEBサイトの見た目を整えるためのスタイル指定言語のこと。WordPress制作でも重要な役割を果たします。
通常、デザインの調整は記事ごとに手動でおこなうこともできます。しかし、サイト全体で何度も同じ設定を繰り返すのは非効率的です。
カスタムフィールドの優れた点は、各フィールドに対して一度CSSを設定すれば、そのスタイルが自動的に継承される点です。
「商品価格」フィールド用のスタイルを一度定義します。そうすれば、新しい商品ページを作成するたびに手動でスタイリングする必要はありません。すべての価格表示が統一されたデザインで表示されます。
入力データをさまざまな形式で活用できる
カスタムフィールドに保存されたデータは表示用テキストとしてだけでなく、構造化されたデータとしても活用できます。
価格情報をカスタムフィールドで管理している場合。その数値を使って自動的に価格帯別の商品一覧の生成。ほかには、セール時に一定割引率を適用した表示に切り替えも可能です。
また、位置情報をカスタムフィールドで管理すれば、それをもとに地図表示の自動生成もできます。
複数の数値データをグラフ化したり、CSVでエクスポートして分析に利用したりと、入力したデータの二次活用の幅を大きく広げられるでしょう。
カスタムフィールドのプラグイン代表格:SmartCustomFieldsは開発終了
WordPressカスタムフィールド管理の代表的プラグインであった「SmartCustomFields(SCF)」。ですが、すでに開発が終了しクローズに向けた動きとなっています。また、もう一つの代表格「Custom Field Suite」も公開停止となっている状況です。
さらに、大手の「Advanced Custom Fields(ACF)」。こちらも開発元のWP EngineとWordPress.orgとの間で衝突が発生したことが原因で、2024年10月に「Secure Custom Fields (SCF)」という名称に変更されています。
ただし、自動アップデートで名称が変更されても、無料版ユーザーは機能面での影響はありません。有料版ユーザーも現時点では大きな問題はありません。しかし、WordPress更新時には念のため動作確認をしておくとよいでしょう。従来の「ACF」を使い続けたい場合。WP Engine公式サイトから直接ダウンロードする方法があります。
いずれにしても、WordPressの安定運用のためには、バージョンアップなどの最新情報をチェックしながら利用することをおすすめします。
SmartCustomFieldsの代替プラグインになるのは?
SmartCustomFieldsの代わりとして、次のプラグインが挙げられます。
- Secure Custom Fields
- LIQUID TOOLS
それぞれ解説します。
Secure Custom Fields
上記で紹介したように、「Secure Custom Fields(SCF)」は、以前は「Advanced Custom Fields(ACF)」として知られていたプラグインが名称変更されたものです。ただし、開発元はACFとは異なるので、注意が必要です。
SCFのメリットは、全記事に対して共通するカスタムフィールドを設定できる点です。プラグインをインストールして有効化すると、ダッシュボードメニューに「SCF」という項目が追加されます。「フィールドグループを追加する」から、フィールドタイプやラベル。ほかにはフィールド名、初期値などを設定できる画面が表示されるので入力しましょう。また、PHPでカスタムフィールドを取得するための関数がシンプルな点も魅力です。
ただし、SCFでカスタムフィールドを設定した場合。投稿ページのカスタムフィールド表示が変わってしまいます。少数のフィールドであれば問題ありません。しかし、15個程度になると投稿ページの下部に並び過ぎてしまい、非常に見づらくなる点がデメリットです。
LIQUID TOOLS
「LIQUID TOOLS」は、WordPressのカスタム投稿タイプとカスタムフィールドを簡単に作成できる無料プラグインです。
一つのプラグインでカスタム投稿タイプ、カスタム分類、カスタムフィールドをすべて管理できます。そのため、複数のプラグインをインストールする必要がありません。繰り返しフィールド機能にも対応しているので、同じ形式のフィールドを何度も追加できます。また、ブロックエディタと連携しています。コードを書かなくてもカスタムフィールドの内容をブロックとして表示できて便利です。
シンプルな管理画面で直感的に設定できるため、初心者でも簡単に使いこなせるでしょう。
まとめ
カスタムフィールドはWordPressサイトの情報管理を効率化する重要な機能です。カスタムフィールドはプラグインを使うと便利です。
長年使われてきた「SmartCustomFields」の開発が終了したことを受け、その代替として「Secure Custom Fields」と「LIQUID TOOLS」の2つをおすすめします。
ぜひ、今回の記事を参考にカスタムフィールドを活用してみてください。