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「ビジネスシーンでいつもデフォルトの配色を使っているけれど、どこか垢抜けない印象になってしまう…」
このように、適切な色の使い方がわからず、どうしたらいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ビジネスにおいて洗練された配色ができるポイントを紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。
色使い(配色)を気にしたことはありますか?
日頃のスライドや資料作りで、色を意識したことがあるでしょうか。
「会社のテンプレートを使っているから考えたことがない」
「PowerPointのデフォルト設定のまま」
という場合も多いかもしれません。
実は、適切な色選びはプレゼンや資料を見る人の印象を大きく左右します。
「見やすい」「分かりやすい」と感じさせるだけでなく、「プロフェッショナル」「センスがいい」という印象も与えることができるのです。
逆に、不適切な色使いは「見づらい」「チカチカする」といった印象を与えるだけでなく、「素人っぽい」「ちゃんと準備していない」と思われてしまうこともあります。
そのため、ビジネスにおいても色使いについて理解しておくことが大切です。
色選びで初めに考えること
配色を選ぶ際には、まず伝えたいイメージを明確にすることが大切です。
どんな印象を与えたいのかを考えることで、適切な色を選択できます。
今回は、次の2つのポイントを押さえておきましょう。
- ブランドカラーを意識する
- 色の持つ印象から選ぶ
それぞれ解説します。
ブランドカラーを意識する
自社のブランドカラーがある場合は、その色を基調にした配色を選ぶとまとまりが出ます。
社外向けのプレゼンではもちろん、社内向けの資料であっても、特に意識したいポイントです。
たとえば、自社のロゴが青系なら、青を基調としたカラーパレットを選ぶことで、ブランドイメージと一貫性のある資料になります。
青をベースカラーにして、アクセントカラーにオレンジや白などを組み合わせるといった具合にすると良いでしょう。
色の持つ印象から選ぶ
特にブランドカラーがない場合や、特定のメッセージを強調したい場合は、色が持つイメージから選ぶのも一つの方法です。
ここでは、さまざまな色の印象の特徴を紹介します。
赤
赤は「情熱」「アクティブ」「闘争心」「エネルギー」というイメージを持つ色です。
強い印象を残したい部分に使うなど、強調するときにもよく使われます。
青
青は「誠実」「信頼」「清潔」「知的」というイメージを持ち、ビジネスシーンでも使いやすい色です。
多くの企業ロゴにも使用されており、金融、IT、医療など、信頼性が重要な業界のプレゼンに最適です。
緑
緑には「成長」「健康」「安定」「調和」「自然」などのイメージがあり、特にサステナビリティや環境に関するトピックを扱う際に適した色です。
また、目に優しいので、長時間見る資料にも向いています。
黄色
黄色は「明るさ」「軽快」「幸運」「エネルギー」などを表します。
ポジティブなイメージなので、イノベーションや新しいアイデアを提案する際に使いやすいでしょう。
注意を引きたい部分のアクセントとして効果的ですが、広い面積で使うと目が疲れやすいので注意が必要です。
オレンジ
オレンジには「活発」「温かさ」「親しみやすさ」というイメージがあり、活気のある印象を与えたい場合や、フレンドリーな雰囲気を出したいときに適しています。
陽気なイベントなどの提案に使うと効果的です。
ピンク
ピンクは「優しさ」「女性らしさ」「かわいらしさ」「若さ」を表します。
柔らかいパステルピンクは女性向け商品やサービスの提案に向いており、ビビッドなピンクはアクセントカラーとして若々しさを表現できます。
紫
紫は「優雅」「神秘」「気品」を象徴する色で、高級感を演出することができます。
贅沢品やプレミアムサービスの提案に適しており、独自性や革新性をアピールしたい場合にも効果的です。
白
白は「シンプル」「純粋」「清楚」というイメージがある色です。
ほとんどの色と相性が良く、特にビジネス資料では背景色として広く使われます。
また、余白をうまく使った白ベースのデザインは、洗練された印象を与えることができます。
黒
黒は「格式高さ」「洗練」「権威」を表し、高級ブランドや格式高いビジネスシーンでよく使われます。
ただし、大量に使うと重たい印象になるため、アクセントや細部に用いるのが効果的です。
色選びのポイント
色選びは、センスに頼るものではなく、学んで身につけられる技術です。
下記の2つのポイントを押さえておくだけで、まとまりのある適切な配色ができるようになります。
- コントラストを意識する
- 配色のバランスを取る
それぞれ解説します。
コントラストを意識する
文字と背景の「コントラスト」をはっきりさせると読みやすくなります。
コントラストとは「対比」を意味しており、主に画面の明暗差を指します。
たとえば、白地に黒文字は最もコントラストが高く、読みやすい組み合わせです。

一方、白地に薄いピンクの文字はコントラストが低く、読みにくくなります。

重要な情報や数字、グラフなどは高コントラストで表示することが大切です。
特に、プレゼン資料をプロジェクターで投影する場合、コントラストに注意が必要です。
明るい部屋や大きな会議室では文字が見えにくくなるケースが多いため、必ず実際に投影する環境を想定してコントラストをチェックしておきましょう。
配色のバランスを取る
使用する色の数が多いと、まとまりにくくなります。
ビジネスシーンで使うなら、下記の3色程度に抑えるとまとまりやすいでしょう。
- ベースカラー:全体の70%を占める主要な色
- アソート(サブ)カラー:全体の25%を占める、ベースカラーを補う役割の色
- アクセントカラー:全体の5%を占める、さし色として使う色
デザイナーも、3色程度の色を基本にデザインすることが多いです。
色が多すぎると視線が分散し、何を伝えたいのかわからなくなってしまうため、初心者こそ使う色を絞ることが大切です。
また、原色をそのまま使うとチカチカして見づらくなることがあります。
少し彩度や明度を落とした落ち着いた色を選ぶとなじみやすく、プロフェッショナルな印象になります。
さらに、色調(トーン)を統一することで調和の取れた印象になります。
すべてパステル調にする、すべて深みのある色にするなど、色の明るさや鮮やかさを近い範囲に揃えると良いでしょう。
ただし、種類が多いサービスを色分けして紹介したい場合や、チームメンバーを色で区別したい場合など、目的によっては多くの色を使うことが適切な場合もあります。
色の選び方に役立つツール
配色センスがなくても、ツールを使うことで誰でも調和の取れた配色ができます。
WordやPowerPointにデフォルトで入っている配色も良いですが、下記でご紹介するツールを活用することで、さらに簡単に好きなテイストの配色ができるでしょう。
Adobe Color
「Adobe Color」は、Adobe社が提供する配色ツールです。
シンプルで使いやすく、カラーホイールを使って調和の取れた配色を自動生成することができます。
まずベースとなる色を決め、それに合わせて類似色、三等分配色(トライアド)、または反対色(補色)などのカラーの調和を選び、視覚的に魅力的なデザインを生み出せます。
また、画像から最適な配色パレットを生成してくれる機能も便利です。
こちらは弊社Webサイトのトップページのスクリーンショットから抽出した配色パレットです。

Color Hunt
「Color Hunt」は、4色の配色パレットが豊富に用意されているサイトです。
パステル、ビンテージ、レトロ、ネオンなど、世界中のデザイナーやユーザーが作成した配色セットが閲覧でき、「お気に入り」登録数によって各カラーパレットの人気度が一目で分かるシステムを採用しています。
ナビゲーションバーから表示順を「Popular」に設定すると、人気の高いカラーコンビネーションから閲覧でき、上部の検索欄では「Blue」「Beige」など、色の系統からも探せます。
ColorSpace
「ColorSpace」は、ベースとなる1色を選ぶだけで、それに調和する複数の配色パターンを自動生成してくれるサイトです。
たとえば会社のブランドカラーを入力するだけで、それに合うさまざまなバリエーションの配色が生成されます。
色数やバリエーションが多いのがメリットです。
配色パターン見本40選
「配色パターン見本40選」はさまざまな目的に応じた配色例(「誰からも好まれる配色」や「親しみやすさを演出する配色」など)を40種類収録したギャラリーページです。
各カラーパレットをクリックすると右側にサンプルデザインが表示され、実際の使用例を確認しながら最適な色の組み合わせを選べる実用的な機能が備わっています。
上記のツールで出てくる#が付いた英数字6桁は「HEXカラーコード」と言い、WordやPowerPointでその色を使いたいときに設定できます。
これにより、Webページで見つけた理想の配色をそのまま資料に反映できます。
まとめ
適切な色使いを学び実践することで、プレゼン資料やビジネス文書の印象を大きく向上させられます。
ブランドカラーを意識して、伝えたいイメージに合った色を選びましょう。
コントラストを確保しながら、配色のバランスを整えることも重要です。
また、Adobe Color、Color Hunt、ColorSpaceなどのツールを活用すれば、配色の専門知識がなくても調和の取れた色の組み合わせを簡単に見つけることができます。
もう色選びに悩む必要はありません。
ぜひ、今回紹介したポイントを押さえて実践してみてください。