入力フォームのストレスを解消！チャット型入力フォームとは？

入力フォームはオンラインショッピングや会員登録の最終段階で必要になるものです。しかし、複雑な情報入力プロセスによって購入をキャンセルされてしまうケースが少なくありません。この問題を効果的に解決する方法として、近年「チャット型入力フォーム」が注目されています。

今回は、チャット型入力フォームについて概要やメリット、導入する際のポイントを解説。さらに、おすすめのツールも紹介します。チャット型入力フォームの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

チャット型入力フォームとは

「チャット型入力フォーム」は、従来の入力フォームとは異なり、会話形式でユーザーと対話しながら必要情報を入力してもらう仕組みです。

まず従来の入力フォームでは、多数の入力欄が一度に表示されることによる心理的負担。そして、半角・全角の指定などの形式的な制約。さらには、送信後に発生するエラーによって全入力データが失われる。などといった問題が、離脱の主な要因となっていました。

しかし、これに対しチャット型入力フォームでは自然な流れで入力がおこなえます。そのため、ユーザーの心理的負担が軽減されます。また、入力時点での形式チェックや部分的な情報保存が可能です。よって、エラーによる入力データの喪失リスクも大幅に低減します。

結果、チャット型入力フォームの導入によりユーザーの離脱率が抑制されます。そして、コンバージョン向上へとつながります。

種類

チャット型入力フォームには、主に下記の3つの種類があります。

では、それぞれ解説します。

AI型

人工知能に会話を機械学習させる方式で、複雑な対応や自然な会話が可能です。ユーザーの多様な質問に柔軟に対応でき、会話を重ねるほど精度が向上します。

シナリオ型

事前に作成したシナリオ（スクリプト）に沿って会話を進める方式です。想定された質問や状況に対して正確な応答ができます。そのため、定型化された対応に適しています。

一問一答型

入力文からキーワードを抽出してFAQを表示する仕組みです。既存のFAQデータベースを活用できます。そのため導入が容易で、シンプルな運用が可能です。

主な機能

チャット型入力フォームの主な機能は、下記のとおりです。

では、それぞれ解説します。

自動応答

チャット型入力フォームで基本的かつ重要な機能が自動応答システムです。ユーザーの入力に対して即時に返答します。そうすることで、入力プロセスを途切れず進行させることができます。特にAI搭載型などの最新システムでは、応答の回数が増えるたびに精度も強化される点が魅力です。

企業にとっては、人的コストの削減と対応時間を短縮するメリットがあります。曜日や時間帯に関係なく一貫した品質の応対が可能となります。そのため、ユーザー体験の標準化にも役立ちます。

有人対応

自動化システムの発展にともない、有人対応との連携機能の重要性が高まっています。チャット型入力フォームが複雑な質問や例外的なケースに直面した場合。適切なタイミングで専門スタッフによる対応へと切り替わる機能があれば、ユーザー満足度が向上します。

この場合、ユーザーから見れば会話の流れが自然に続きます。システムから人へのバトンタッチがおこなわれたことを意識させない設計が理想的です。また、チャットでのやり取りの履歴が有人対応に引き継がれることで、同じ説明をしなくても済む点もメリットの一つといえます。

FAQ連携

次に、チャット型入力フォームの効率性を飛躍的に高めるのがFAQ連携機能です。一般的な質問でFAQを作成したり、よくある質問の回答をテンプレート化したりして用意しておきます。これにより、対話のなかで自然に提示できます。ユーザーは必要な情報をすぐに得られ、入力フォームへの記入という本来の目的もスムーズに完了できるでしょう。

さらに進化した仕組みでは、さまざまな外部システムとの連携も実現しています。例えば、商品購入プロセスでは在庫管理システムと連動して実在庫を確認しながら数量入力を促します。宿泊予約では空室カレンダーと連携してリアルタイムで利用可能な日程を提案することが可能です。

チャット型入力フォームのメリット

チャット型入力フォームを導入した場合、次の4つのメリットがあります。

では、それぞれ解説します。

会話形式でストレスを軽減できる

まず、チャット型入力フォームのメリットとして、親しみやすい会話形式によってストレスが軽減される点が挙げられます。従来の入力フォームでは、一度に大量の質問項目が表示され、ユーザーに圧迫感や不安を与えることがありました。

これに対し、チャット型では「お名前を教えていただけますか？」「メールアドレスをお願いします」などの質問が1つずつ提示されます。質問に対して回答していく流れはユーザーに達成感を与えます。そして、フォーム完了までのモチベーションを維持させます。また、日常会話に近い形式のため、心理的抵抗感が低く、情報入力へのハードルも下がりやすいでしょう。

CVRの向上に期待ができる

チャット型入力フォームは、コンバージョン率（CVR）の向上につながりやすいです。ユーザーの行動パターンやブラウジング履歴に基づいて、最適なタイミングでポップアップを表示したり、バナーで誘導することが可能だからです。

例えば、カートに商品を入れたまま一定時間経過したユーザーの場合。「お手続きをサポートします」などのポップアップ・バナーを表示して声かけをおこなうことで、フォームからの離脱防止が図れます。

スマートフォンによる入力がしやすい

次に、スマートフォンでの利用に適しているのもチャット型入力フォームの特徴です。日常的に使用するメッセージアプリと同様のインターフェースを採用しています。そのため、ユーザーは直感的に入力しやすくなるメリットがあります。また、一度に表示される情報量が少ないので小さな画面でも見やすく、スクロールの手間も軽減されます。

表示・操作によるエラーの回避ができる

チャット型入力フォームは、エラー処理でも大きなメリットがあります。従来型フォームでは、すべての項目を入力したあとに一括してエラーチェックがおこなわれます。そのため、エラーが発生すると修正が煩雑になりがちでした。

一方チャット型では、入力ミスや不適切な形式の入力があれば、その場ですぐにフィードバックが得られます。例えば、メールアドレスの形式が正しくない場合。次の質問に進む前に修正を促すメッセージが表示されることで、ユーザーは問題をすぐに認識し、簡単に修正できます。

また、日付選択ではカレンダーから選ぶ。複数選択肢からはタップで選ぶ。など、入力形式自体の最適化で操作エラーの発生を未然に防ぐことも可能です。

チャット型入力フォームを導入する際のポイント

チャット型入力フォームを導入する際は、下記の3つのポイントを押さえておくことが重要です。

では、それぞれ解説します。

目的や方式が自社に合っているか

チャット型入力フォームを導入する際は、自社のビジネスモデルやユーザーニーズに適した目的・方式であるか慎重に検討する必要があります。ユーザーとの対話品質を重視するのか、マーケティングに役立てたいのかによって選ぶべき方式は変わってきます。既存システムとの連携可能性や、導入コストと期待できるROIのバランスも含めて総合的に判断するとよいでしょう。

ユーザーの入力補助機能があるか

ユーザーがフォームに入力する際のストレスを軽減する補助機能は、コンバージョン率向上につながる重要な機能です。例えば、郵便番号からの住所自動入力機能、入力途中での候補表示、選択式ボタンなどがあると、ユーザーの操作負担が大幅に軽減されます。

サポート体制が充実しているか

チャット型入力フォームの導入後は、継続的な運用とメンテナンスが必要です。そのため、導入時だけでなく、長期的な運用を見据えたサポート体制があるか確認しておくことが重要です。技術的なトラブルシューティングに素早く対応してくれるだけでなく、定期的なパフォーマンス分析や改善提案をしてくれるサービスを選びましょう。

まとめ

チャット型入力フォームは会話形式で入力を促します。そのため、ユーザーの心理的負担を軽減し、コンバージョン率の向上を実現します。導入する際は、自社の目的に合った方式の選定、入力補助機能の充実度、サポート体制の確認が必要です。

今回紹介した各ツールにはそれぞれ特徴があるので、自社のニーズに最適なものを選ぶとよいでしょう。ユーザーの離脱を防ぎ、顧客体験を向上させるチャット型入力フォームの導入を、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。