目次
今回は、Google広告の除外キーワードについて、概要や登録方法などを解説します。
Google広告の運用において、「除外キーワード」は広告効率を左右する重要な要素です。適切に活用すれば広告パフォーマンスの向上が見込めますが、その一方で不適切な設定は機会損失を招く可能性があります。
また、複雑な設定プロセスや管理の難しさがあり、「設定したのに広告配信がされてしまう」「効果的な設定方法がわからない」などの悩みを抱えている方もいらっしゃるかと思いましたので、ぜひ今回の内容を参考に設定してみてください。
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Google広告の除外キーワードってなに?
Google広告の除外キーワードは、広告主が自社の広告表示を制御するための重要な機能です。この機能を利用すると、特定の検索語句に対して広告が表示されないように設定できます。
例えば、高級時計を販売する企業が「中古」という言葉を除外キーワードに設定した場合、「高級時計 中古」といった検索では、その企業の広告は表示されません。この機能の主なメリットは、広告の費用対効果を高められる点です。
Google広告は、設定されたキーワードに関連する検索にも広告を表示する傾向がありますが、除外キーワードを適切に設定することで、このような予期せぬ表示が防げます。関連性の低い検索や、購買意欲の低いユーザーからの検索に対して広告を表示しないことで、広告費用の抑制につながるでしょう。
除外キーワードの戦略的な活用によって、自社の製品やサービスに興味を持つ可能性の高いユーザーに対してより効果的にリーチできます。
除外キーワードにおけるマッチタイプ
除外キーワードには、配信キーワードと同じように次の3つの「マッチタイプ」があります。
- 完全一致
- フレーズ一致
- インテントマッチ
ただし、除外キーワードには特性があり、配信キーワードとはマッチタイプの仕様が異なる部分も多いため、理解しておくことが重要です。それぞれ解説します。
完全一致
完全一致の除外キーワードは、その名のとおり、設定したキーワードと検索語句が完全に同じ場合にのみ広告の表示を防ぎます。
例えば、「ビジネスバッグ 革製」を完全一致の除外キーワードとして設定した場合を考えてみましょう。この設定では、「ビジネスバッグ 革製」という検索に対してのみ広告が表示されなくなります。
一方、「革製 ビジネスバッグ」や「黒 ビジネスバッグ 革製」、「ビジネスバッグ」などの検索では、広告は通常通り表示されます。つまり、言葉の順序が変わったり、他の単語が加わったりした場合は、除外の対象にはなりません。
これは、広告を表示させるための配信キーワードの完全一致とは異なる仕組みです。配信キーワードの場合、「ほぼ同じ意味や意図の検索」にも広告が表示されます。
つまり、「ビジネスバッグ 革製」を配信キーワードとして設定すると、「革製のビジネスバッグ」という検索にも広告が表示される可能性があります。この違いを理解しておきましょう。
フレーズ一致
フレーズ一致の除外キーワードは、設定したキーワードが検索語句のなかに同じ順序で含まれている場合に、広告の表示を防ぎます。
「ビジネスバッグ 革製」をフレーズ一致の除外キーワードとして設定した場合、下記のような検索に対して広告が表示されなくなります。
- 「ビジネスバッグ 革製」
- 「黒 ビジネスバッグ 革製」
- 「おしゃれな ビジネスバッグ 革製 安い」
一方、次のような検索では広告は通常通り表示されます。
- 「革製 ビジネスバッグ」(語順が逆)
- 「ビジネスバッグ」(「革製」が含まれていない)
- 「革製の バッグ ビジネス用」(単語が離れている)
別の語句が含まれていても、設定した語句が同じ順序になっていれば広告は表示されないことが、配信キーワードのフレーズ一致とは異なる点です。
インテントマッチ
インテントマッチの除外キーワードは、設定したキーワードに含まれるすべての単語が、順序に関係なく検索語句に現れた場合に広告の表示を防ぎます。
「ビジネスバッグ 革製」をインテントマッチの除外キーワードとして設定した場合、「革製 ビジネスバッグ」「安い 革製 ビジネスバッグ おしゃれ」のような検索に対しては広告が表示されなくなります。
一方、次のような検索では広告は通常通り表示されるので、確認しておきましょう。
- 「ビジネスバッグ」(「革製」が含まれていない)
- 「革製 カバン」(「ビジネスバッグ」が含まれていない)
- 「ビジネス用 革製品」(「バッグ」が含まれていない)
ただし、配信キーワードのインテントマッチとは異なり、除外キーワードのインテントマッチは同義語や関連語への拡張はおこなわれません。
例えば、「ビジネスバッグ 本革」という検索では、「革製」と「本革」が同義でも、広告は除外されずに表示されます。
※関連記事: リスティング広告におけるマッチタイプ(完全一致・フレーズ一致・インテント マッチ)について解説
除外キーワードの選定方法
ここでは、除外キーワードを選定する方法を紹介します。
基本的な流れは次のとおりです。
- 検索キーワードの確認・分類をおこなう
- 自社と関連性の低いキーワードを除外する
- コンバージョンにつながらないキーワードを除外する
- 購買意欲が低いキーワードを除外する
それぞれ解説します。
検索キーワードの確認・分類をおこなう
初めに、検索キーワードを確認します。Google広告の管理画面に入り、「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」から「検索キーワード」を選んで確認しましょう。
検索キーワードを分析したら、3つのカテゴリに分類します。ここでは、オンライン英語学習サービスを提供する会社を想定して紹介しましょう。
・カテゴリ1:ビジネスとまったく関連のないキーワード
例:「英語 歌詞 和訳」「英語 名言集」
・カテゴリ2:ビジネスに関連するが、コンバージョンに至っていないキーワード
例:「無料 英語 学習サイト」「英語 独学 方法」
・カテゴリ3:ビジネスに関連し、コンバージョンは発生しているが、目標コンバージョン単価を超えているキーワード
例:「ビジネス英語 オンラインレッスン」「TOEIC 対策 講座」
カテゴリ1は、英語に関連していますが、学習サービスを求めているわけではないため、ビジネスとは直接関係ありません。カテゴリ2は、英語学習に興味があるユーザーに向けていますが、有料サービスへの登録には至っていないキーワードです。カテゴリ3は、明確なニーズを持つターゲット層に向けたキーワードですが、獲得コストが高くなっています。
このように分類することで、広告予算の配分や、ランディングページの最適化、コンテンツマーケティング戦略の立案などに活用できます。
ただし、コンバージョン単価が低く、かつコンバージョンが発生しているキーワードは、そのまま広告配信を継続するのがおすすめです。
自社と関連性の低いキーワードを除外する
まずは、上記で分類したなかでも自社との関連性が低い、カテゴリ1に該当するキーワードを除外しましょう。
Google広告では、まったく関連性のない語句に対しては表示されにくくなっていますが、検索語句に出るときは除外しておく必要があります。
コンバージョンにつながらないキーワードを除外する
上記カテゴリ2に該当するキーワードを除外します。この場合、3?6ヵ月程度の長期間のデータを対象に、コンバージョン数の多い順にキーワードを整理しておくとよいです。そうすることで、コンバージョンがまったく発生していないキーワードを特定し、必要に応じて除外できます。
ただし、自社の製品やサービスに関連するキーワードでコンバージョンが発生していないときは、除外するのではなく慎重な判断が求められます。まずは、コンバージョンが発生していない原因を詳細に分析し、改善の余地がないか十分に検討するのがおすすめです。
購買意欲が低いキーワードを除外する
次に、購買意欲が低いキーワードを除外します。ある検索キーワードが30回以上表示されているにも関わらず、一度もクリックされていない場合などが当てはまります。その場合、売り上げにつながりづらいため、除外キーワードに設定しておくとよいでしょう。
除外キーワードを設定する際の注意点
除外キーワードを設定する際の注意点は、下記の4つです。
- 過度にキーワードを除外しすぎない
- 表記ゆれはカバーできない
- 記号や文字のよっては除外キーワードに登録できない
- 除外キーワードの選定は定期的におこなう
それぞれ解説します。
過度にキーワードを除外しすぎない
除外キーワードの過剰使用には注意が必要です。コンバージョン単価の改善に焦点を当てるあまり、除外キーワードを過度に設定してしまうと、潜在的な顧客獲得の機会を逃す可能性があります。
特に注意が必要なのは、フレーズ一致やインテントマッチなどのマッチタイプを使用する場合です。これらのマッチタイプは柔軟性が高いため、除外キーワードの設定によって予期せぬ影響が生じる可能性があります。
除外キーワードの設定は慎重におこない、定期的にその影響を分析することが重要です。過度な最適化は避け、バランスの取れた選定を心がけましょう。
表記ゆれはカバーできない
除外キーワードを設定する際に注意すべき点の一つが、表記ゆれに対応できないことです。見落とされがちですが、効果的な広告運用のためには十分に理解しておく必要があるでしょう。具体的には、ある表記で除外キーワードを設定しても、それと意味は同じでも表記が異なる検索語句に対しては効果がありません。
例えば、「スマートフォン 修理」を除外キーワードとして登録しても、「スマホ 修理」という検索に対しては広告が表示され続けてしまいます。
このような表記ゆれに対応するためには、想定されるすべての表記バリエーションを個別に除外キーワードとして登録することが重要です。ただし、英語のキーワードを除外する場合、大文字小文字の違いは自動的にカバーされます。
記号や文字によっては除外キーワードに登録できない
検索語句として表示されていても、特殊記号や機種依存文字、絵文字など除外キーワードとして登録できない文字が存在します。
このような場合、登録可能な関連キーワードを使用したり、特殊文字を除いた部分のみを登録したりするなどの代替策を講じる必要があります。
除外キーワードの選定は定期的におこなう
近年、Google広告ではインテントマッチキーワードを中心とした運用が主流となっています。世の中では日々新たな商品やサービスが登場しており、それにともない新しい検索語句も生まれています。インテントマッチキーワードのシステムは、新しい製品やサービスに関連する検索語句も広く拾い上げる傾向が高いです。
そのため、広告パフォーマンスを最適な状態に保つためには、定期的に次の作業をおこなうことをおすすめします。
- 検索語句レポートを頻繁にチェックする
- 新たに出現した無関係または低効果の検索語句を選定する
- それらを適切に除外キーワードリストに追加する
この定期的な見直しと調整のプロセスにより、広告の関連性を高め、予算を効果的に利用することが可能です。また、市場の変化や新しいトレンドにも迅速に対応できるため、長期的な広告効果の向上につながります。
除外キーワードの設定方法
Google広告で除外キーワードを設定する場合、以下の方法でおこないます。
1.左メニューからキャンペーンを選択後、対象のキャンペーン、あるいは広告グループを選択する
2.「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」から除外検索ワードを選択し、除外キーワードを追加します。
こちらもキーワード追加と同じようにマッチタイプの選択が可能です。
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まとめ
Google広告の除外キーワード機能は、広告効率を高める重要なツールです。適切に活用することで、無関係な検索や購買意欲の低いユーザーへの広告表示を防ぎ、広告費用を抑えつつ効果的なターゲティングが可能になります。
除外キーワードには完全一致、フレーズ一致、インテントマッチの3つのマッチタイプがあり、それぞれの特性を理解して使用することが大切です。また、除外キーワードの選定には、検索語句の分析や関連性の低いキーワードの特定が重要ですが、過度な除外は避け、定期的な見直しと調整をおこなう必要があります。
設定方法には複数のオプションがあり、状況に応じて適切な方法を選ぶことで、より効果的な広告運用につながります。ぜひ、今回の記事を参考にして除外キーワードの登録をおこなってみてください。