Googleアナリティクスを利用するうえで、「ユーザー数」は欠かせない指標の一つです。
しかし、ユニバーサルアナリティクス(UA)からGoogleアナリティクス 4(GA4)に移行したことで、ユーザーの指標の定義などが変わっています。広告運用の改善にユーザー数を活用するにあたり、もう一度きちんと理解しておきたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、GA4の「アクティブユーザー」「総ユーザー」の違いについて解説します。
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目次
GA4のユーザー数とは
GA4のレポート画面では「ユーザー(数)」という言葉がよく使われていますが、この「ユーザー」は「総ユーザー数」ではなく、「アクティブユーザー」を意味します。
GA4の管理画面では、省略した言葉が記載されているケースが多いようです。上記のようにマウスオーバーしてみると説明が現れるため、疑問があるときは都度調べておくとよいでしょう。
また、GA4のユーザー数は、指定した期間内でのユニークユーザーを計測した値です。この指標は期間設定に大きく依存するため、日別のユーザー数の総和が期間全体のユーザー数と一致しないことがあります。
例えば、3月15日から3月17日に下記ユーザーが次のようにWEBサイトへ訪問したとします。
- 3月15日:ユーザーX、ユーザーY、ユーザーZがWEBサイトへ訪問
- 3月16日:ユーザーX、ユーザーYがWEBサイトへ訪問
- 3月17日:ユーザーX、ユーザーZがWEBサイトへ訪問
この場合、日別のユーザー数と全期間のユーザー数は、下記の通りです。
- 3月15日:ユーザー数=3
- 3月16日:ユーザー数=2
- 3月17日:ユーザー数=2
- 3月15日~3月17日:ユーザー数=3(7ではない)
GA4では、ユーザー識別の精度向上のため、User-ID、デバイスID、モデリングという3つの方法を採用しています。これにより、異なるブラウザやデバイスからのアクセスでも同一ユーザーを正確に認識できるようになりました。
この機能強化により、以前のUAで課題となっていた異なるブラウザからのアクセス判別の問題が解決され、より正確なユーザー数の把握が可能になっています。
GA4におけるアクティブユーザー数とは
GA4のアクティブユーザーは、実際のサイト利用者数を正確に反映するよう定義されています。具体的には、WEBサイトが画面上で1秒以上表示されたユーザーをアクティブユーザーとしてカウントします。これは単にページを開いただけでは不十分で、ユーザーが実際にコンテンツを閲覧していることを確認するためです。
例えば、ブラウザで複数のタブを開いている場合、現在表示されていないタブのページはアクティブユーザーとしてカウントされません。ユーザーがタブを切り替えてWEBサイトを前面に表示し、少なくとも1秒間見た場合にのみ、そのユーザーはアクティブと見なされます。この方法により、サイトの実質的な利用状況をより正確に把握できます。
Googleのアナリティクスヘルプによるアクティブユーザーの認識は、下記の通りです。
”GA4 のプライマリ ユーザーに関する指標
WEBサイトまたはアプリケーションにアクセスした個別のユーザーの数。エンゲージメント セッションが発生するか、アナリティクスで以下の情報が収集されると、アクティブ ユーザーとして認識されます。
WEBサイトの first_visit イベントまたは engagement_time_msec パラメータ
Android アプリの first_open イベントまたは engagement_time_msec パラメータ
iOS アプリの first_open イベントまたは user_engagement イベント”
引用元:[UA→GA4] 指標の比較: Google アナリティクス 4 とユニバーサル アナリティクス|Google アナリティクスヘルプ
GA4でのアクティブユーザー数は、WEBサイトやアプリで実質的な活動をおこなった人数を示しており、単なる訪問者数ではなく、実際にコンテンツと関わりを持ったユーザーをとらえています。
また、上記の「エンゲージメントセッション」とは、以下の条件のいずれかを満たすユーザーのアクションを指します。
- WEBサイトやアプリでの滞在時間が10秒を超えた場合
- 設定された目標(コンバージョン)が達成された場合
- 2ページ以上の閲覧、もしくはアプリで2画面以上の表示があった場合
これらの条件は、ユーザーが実質的にコンテンツと関わりを持ったと判断できる最小限の基準を示しています。このため、WEBサイトやアプリの実際の利用状況を把握したい場合は、アクティブユーザー数を確認することが重要です。
サイトの実効性や影響力を評価する際には、このアクティブユーザー数を参考にすることで、より正確な分析が可能になります。
UAとGA4でのアクティブユーザーの違い
ユニバーサルアナリティクス(UA)と Googleアナリティクス4(GA4)では、アクティブユーザーの測定方法に違いがあります。UAの場合、アクティブユーザーは4つの期間(1日、7日、14日、30日)で測定され、レポート期間の最終日から遡って計算される仕組みです。具体例として、2024年9月1日から2024年9月30日のレポートで30日間のアクティブユーザーを確認すると、2024年8月2日から2024年9月30日までの訪問者数が表示されることになります。
一方、GA4では同じく4つの期間(1日、7日、28日、30日)で集計されますが、指定したレポート期間内でカウントされる点が特徴です。例えば、2024年9月1日から2024年9月30日のレポートで30日間のアクティブユーザーを見る場合、2024年9月1日から2024年9月30日までの期間内の訪問者数が示されます。
このため、同じ日付範囲のレポートでも、UAとGA4では異なる結果が出る可能性があります。さらに、アクティブユーザーの定義も両者で異なる点に注意が必要です。UAではセッション開始がアクティブの基準です。WEBサイトやアプリの訪問から離脱までを1セッションとしており、セッションは30分の無操作や日付変更で終了します。
対してGA4は、エンゲージメントイベントの発生をアクティブの指標としています。GA4でのエンゲージメントとは、ページの閲覧やスクロール、ファイルのダウンロードなどの具体的な行動のことです。これらの相違点により、UAとGA4では同じ期間でもアクティブユーザー数に差が出る場合があります。データ分析の際は、この測定方法の違いを考慮しておくことが重要です。
GA4でアクティブユーザー数を確認する方法
GA4でアクティブユーザー数を確認したい場合は、左にあるメニューから「レポート」を開きます。この画面では、過去30日、7日、1日のアクティブユーザー数が確認できます。
より詳細なアクティブユーザー数の確認方法は下記の通りです。
- 自由形式で「値」に「アクティブユーザー数」をセットする
- 任意のディメンションと組み合わせて表示する
これは、「行」にディメンション「月」をセットして、月別のアクティブユーザー数の推移を表示させた場合の例になります。
GA4でのアクティブユーザー数の活用方法
GA4のアクティブユーザー数は、WEBサイトやアプリの効果的な運営とマーケティング戦略の改善に役立ちます。ここでは、主な3つの活用方法を紹介します。
1.リアルタイムパフォーマンスの把握
アクティブユーザー数を見ることで、WEBサイトやアプリへのアクセス動向をリアルタイムで把握できます。例えば、新規コンテンツの公開やキャンペーンの開始時などに、ユーザーからの反応を観察し、効果を評価するとよいでしょう。
2.ユーザーセグメントの分析と改善
アクティブユーザーデータをさまざまな基準でセグメント化することで、異なるユーザーグループの行動パターンを詳細に分析できます。特定のセグメントが高いアクティビティを示す場合、そのグループに焦点を当てたコンテンツや機能の開発をおこなうことで、全体的なユーザーエクスペリエンス向上につながります。
3.エンゲージメント最適化の実現
アクティブユーザー数の推移を観察し、関連指標(滞在時間、ページビュー数、コンバージョン率など)と組み合わせて分析することで、ユーザーエンゲージメントを高める要因が特定できます。これらの洞察に基づき、コンテンツの質や量、WEBサイト構造、ユーザーインターフェースなどを最適化すれば、より効果的な広告運用が可能となります。
GA4における総ユーザー数とは
GA4の総ユーザー数とは、エンゲージメントイベント発生の有無によらず、WEBサイトやアプリを操作したユーザーの合計数のことです。
同一ユーザーが何度アクセスしてもすべてのアクセスがカウント対象となり、エンゲージは関係ありません。総ユーザー数は、WEBサイトの長期的な利用傾向を把握するのに役立ちます。
GA4で総ユーザー数を確認する方法
総ユーザー数の確認には、「探索レポート」を使います。年齢別の総ユーザー数を表示させた場合、下記のようになります。
GA4におけるアクティブユーザー数と総ユーザー数の違い
GA4では、「ユーザー」という名称がついている指標がいくつかあります。なかでも特に、アクティブユーザー数と総ユーザー数の違いを理解しておくことが重要です。
GA4のアクティブユーザー数と総ユーザー数の違いは、主にカウント方法です。アクティブユーザー数は、特定期間内に実際にWEBサイトを利用した人数を示し、同一ユーザーの複数回のアクセスも個別にカウントするのが特徴です。
一方、総ユーザー数は、すべてのユーザーの合計を表し、通常より長期間で集計されます。アクティブユーザー数はより実際の利用状況に近い指標とされ、GA4での分析に多く用いられます。これは、アクティブユーザーの定義がより厳密で、実質的なWEBサイト利用を反映しているためです。
WEBサイトのパフォーマンスや影響力を評価する際は、GA4のアクティブユーザー数を参照することで、より信頼性の高い分析が可能となります。
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まとめ
GA4のユーザー数には、アクティブユーザー数と総ユーザー数があります。アクティブユーザー数は、1秒以上の画面表示を基準とし、実際のサイト利用状況を反映します。
一方、総ユーザー数は、エンゲージメントに関わらずサイトを操作したすべてのユーザーがカウント対象です。これらの指標を適切に活用することで、WEBサイトのパフォーマンス評価やリアルタイムの動向把握、ユーザーセグメントの分析、エンゲージメントの最適化などが可能となります。
GA4の分析では、実際の利用状況をより正確に反映するアクティブユーザー数が重視される傾向にあり、WEBサイトの改善策立案に有効です。今回の記事を参考に、広告運用に役立ててみることをおすすめします。