Google広告には、広告の成果を正確に測定、分析できる「コンバージョン設定」機能が備わっています。しかし、精度の高いコンバージョンを測定するには、正しい設定方法や分析ポイントの理解が不可欠です。
そこで本記事では、Google広告のコンバージョンの設定方法から分析ポイントまでを詳しく解説します。
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目次
Google広告におけるコンバージョンとは
Google広告におけるコンバージョンとは、広告を見たユーザーが広告主の目標としているアクションを起こした状態のことです。
コンバージョンの例には以下のようなものが挙げられます。
- 商品の購入
- お問合せ
- 資料請求
- イベントへの申し込み
目標となるコンバージョンを明確にしておくことで、どのような施策をおこない、どう改善すべきかが判断しやすくなります。
Google広告のコンバージョンは2つのカウント方式があります。
- すべてのコンバージョン
- 1回のコンバージョン
それぞれ解説します。
すべてのコンバージョン
「すべてのコンバージョン」は、コンバージョンした「回数」をカウントします。
例えば、1回の広告クリックで商品が2つ購入された場合、コンバージョンは「2」になります。すべてのコンバージョンは販売数や申し込み数を計測している小売業、または予約サイトに適したカウント方式です。
1回のコンバージョン
「1回のコンバージョン」は、コンバージョンした「人数」をカウントします。
例えば、1回の広告クリックで商品が2つ購入された場合、コンバージョンは「1」になります。1回のコンバージョンは、資料請求や問い合わせ、アプリのダウンロードなど、見込み顧客の獲得に適したカウント方式です。
Google広告でコンバージョン設定をするメリット
Google広告でコンバージョン設定をするメリットは4つあります。
- コンバージョンの発生源がわかる
- 最適化機能が使える
- 事業戦略に活かすことができる
- PDCAサイクルを効果的に回すことができる
それぞれのメリットを見ていきましょう。
コンバージョンの発生源がわかる
一つ目は、コンバージョンの発生源がわかることです。コンバージョンを設定すると、どの広告キャンペーンがどこでコンバージョンしているのか把握できるようになります。
最適化機能が使える
二つ目は、最適化機能が使えることです。Google広告にはスマート自動入札戦略の「目標コンバージョン単価制」が備わっています。目標コンバージョン単価制とは、指定した単価内でコンバージョンを最大化できるように自動調整する機能です。
例えば、目標コンバージョン単価を「5,000円」に設定した場合、平均5,000円で多くのコンバージョンを獲得できるように自動調整してくれます。
事業戦略に活かすことができる
三つ目は、事業戦略に活かせることです。コンバージョンを設定することで、月間・年間のコンバージョン獲得数や入札単価費用が明確になります。
これにより、費用対効果の高い施策を特定し、最適な予算配分や戦略改善を実現できます。
PDCAサイクルを効果的に回すことができる
四つ目は、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを効果的に回せることです。
下記はコンバージョンを設定した際のPDCAサイクルの例です。
Plan | 広告のコンバージョン率が悪いのはなぜだろう? |
Do | 文言を変更してみよう |
Check | 変更した文言で広告を検証してみよう |
Act | 変更した文言でコンバージョン率が改善された |
このように、コンバージョンを設定していれば、コンバージョン率の良し悪しをデータ分析に基づいて判断できるようになります。
Google広告のコンバージョン設定方法
Google広告のコンバージョンを設定する方法は3つあります。
- コンバージョンタグをサイトに直接設置する
- Googleタグマネージャーを使用する
- Googleアナリティクスを使用する
それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
1.コンバージョンタグをサイトに直接設置する
一つ目は、Google広告のコンバージョントラッキングタグをWEBサイトに直接設置する方法です。
この方法は、Google広告上で作成したHTMLファイルのタグを目的のWEBサイトに直接埋め込んでコンバージョンを測定します。
Google広告上でトラッキングできるコンバージョンの種類は下記4つがあります。
- ウェブサイト
- アプリ
- 電話件数
- インポート
それぞれのコンバージョントラッキングの設定手順はGoogle広告ヘルプからご確認ください。
コンバージョンタグをサイトに直接設置する方法のメリットは、Google広告上でタグを発行できるため、他のツールを使用する必要がないことです。
デメリットは、WEBサイトのHTMLファイルを修正できないと設置が難しいことが挙げられます。
2.Googleタグマネージャーを使用する
二つ目は、Googleタグマネージャーを使用して設置する方法です。
Googleタグマネージャー(GTM)とは、Googleが提供するタグ管理ツールです。Googleタグマネージャーを使用して設置する方法のメリットは、HTMLファイルを編集せずにタグの追加、変更、削除をおこなえることです。また、タグマネージャーから一括してすべてのページタグの確認、変更も可能です。
デメリットは、タグマネージャーのアカウント作成やWEBサイトの紐づけ、GTMの操作方法の理解などの作業工程が必要となります。
3.Googleアナリティクスを使用する
三つ目は、Googleアナリティクス(GA4)を使用する方法です。
GA4とは、WEBサイトに訪問したユーザーの行動を分析するアクセス解析ツールです。Googleアナリティクスを使用する方法のメリットは、各広告媒体のコンバージョンをGA4上で比較検証できることです。
デメリットは、GA4とGoogle広告の連携、GA4上での目標設定、目標のインポートなどの作業工程が必要となります。
コンバージョンタグをサイトに直接設置する設定方法
HTMLファイルを編集できる方はコンバージョンタグをサイトに直接設置する方法がおすすめです。
設定方法は下記手順を参考にしてください。
コンバージョンを作成する
Google広告にログインして、画面左の「目標」>「概要」>画面左上の「+新しいコンバージョンアクション」をクリックします。
トラッキングの種類を選択
トラッキングするコンバージョン種類を下記4つから選択します。
- ウェブサイト
- アプリ
- 電話件数
- インポート
コンバージョンアクションを設定する
コンバージョンアクションを設定します。
コンバージョンアクションには以下の項目があります。
- カテゴリ
- コンバージョン名
- 値
- カウント方法
- クリックスルーコンバージョンの計測期間
- エンゲージビュースルーコンバージョンの計測期間
- ビュースルーコンバージョンの計測期間
- アトリビューションモデル
それぞれの詳細を簡単に説明します。
値
値とは、各コンバージョンの値のトラッキング方法を選択する項目です。
例えば、値の項目を3,000円と入力すると、ユーザーが商品サンクスページに到達した際に1件の商品につき3,000円と記録されます。値を設定することでコンバージョンの優先順位をつけやすくなります。
値のトラッキング方法は主に下記2つです。
- すべてのコンバージョンに同一の価格を割り当てる
- コンバージョンごとに異なる価値を割り当てる
「すべてのコンバージョンに同一の価格を割り当てる」は、1回のコンバージョンで得られる金額を入力します。「コンバージョンごとに異なる価値を割り当てる」は、価格の異なる商品の購入などをトラッキングする際に使用します。
カウント方法
カウント方法とは、コンバージョンのカウント方法を選択する項目です。
カウント方法には下記2つがあります。
- 全件:同一ユーザーのコンバージョンをすべてカウントする
- 初回のみ:同一ユーザーのコンバージョンは初回のみカウントする
「全件」は商品の購入などに使用し、「初回のみ」は資料請求などに使用するのが適しています。
クリックスルーコンバージョンの計測期間
クリックスルーコンバージョンの計測期間とは、広告クリックしてから何日以内のコンバージョンを効果として認めるかを決める項目です。デフォルトの計測期間は30日で、最大90日まで設定可能です。特に理由がなければデフォルトの30日に設定しておきましょう。
エンゲージビュースルーコンバージョンの計測期間
エンゲージビュースルーコンバージョンの計測期間とは、スキップ可能な動画広告をユーザーが10秒以上視聴した場合、何日以内までコンバージョン成果として認めるかを決める項目です。測定期間はキャンペーンの目的やユーザーの行動特性に応じて調整できます。
ビュースルーコンバージョンの計測期間
ビュースルーコンバージョンの計測期間とは、広告が表示されてから何日以内のコンバージョンを成果として認めるかを決める項目です。デフォルトの計測期間は1日で、最大30日まで設定可能です。広告を見てから30日後に思い出してコンバージョンする可能性は低いため、デフォルトの1日で設定しておきましょう。
アトリビューションモデル
アトリビューションモデルとは、ユーザーがコンバージョンするまでに接触した広告の評価方法を選ぶ項目です。
Google広告で使用できるアトリビューションモデルは次の2つです。
- ラストクリック
- データドリブン
「ラストクリック」は、コンバージョン経由で最後にクリックされた広告と広告に対応したキーワードの貢献度を割り当てます。「データドリブン」は、コンバージョン経路全体のデータに基づいた貢献度を割り当てます。
すべてのコンバージョンアクション項目を設定したら「完了」をクリックして、「保存して次へ」のボタンを押します。
タグの設置方法を選択する
続いて、タグの設置方法から「タグを自分で追加する」をクリックします。
発行されたタグを設置する
「グローバルサイトタグ」と「イベントスニペット」が発行されます。
それぞれ以下の場所に設置して設定完了です。
- グローバルサイトタグ:ウェブサイトの全ページの<head>内
- イベントスニペット:コンバージョンページの<head>内
タグの設置場所を誤ると正確なコンバージョン測定ができなくなるので注意しましょう。
Googleタグマネージャーを使用した設定方法
Googleタグマネージャーを使用した設定方法は以下の手順を参考にしてください。
設定方法を選択する
Google広告画面にログイン後、コンバージョンタグをサイトに直接設置する設定方法と同様の手順で「タグの設置方法」まで進めていきます。
設定方法の選択で「Googleタグマネージャーを使用する」をクリックします。
コンバージョンIDとラベルを発行する
Googleタグマネージャーの設定内容が表示されたら、コンバージョンIDとコンバージョンラベルをメモしておきましょう。
GTMを開き新しいタグを追加を選択する
GTMを開き「新しいタグを追加」を選択します。
タグの名前を入力して「タグの設定」をクリックします。
タグタイプを選択する
タグタイプの選択画面が表示されたら、「Google広告のコンバージョントラッキング」を選択します。
タグを設定する
タグ設定の画面が表示されたら、先ほどメモしたコンバージョンIDとコンバージョンラベルを入力してタグの設定は完了です。
トリガーを設定する
最後にトリガーを設定します。トリガーとは、広告の効果を測定するための設定条件です。
タグ設定画面の下部にある「トリガー」>画面右上の「+」をクリックします。
次に、自社の目的に合うトリガータイプを選択します。購入完了ページなどのコンバージョン完了ページ(サンクスページ)にコンバージョンタグを設置する場合は「ページビュー」を選択してください。
コンバージョンの発生条件を設定します。ページビューを選択したら「このトリガーの発生場所」で「一部のページビュー」を選択しましょう。URLやURLの一致条件といったコンバージョンの発生条件を設定して、発生の対象となるコンバージョン完了ページのURLを入力します。
設定内容を保存すればタグの設定は完了です。
なお、Googleタグマネージャーを使用する場合は、Googleアナリティクスなどで設置したタグがWEBサイトに含まれていないか確認しましょう。他の方法で設置したタグが含まれていると、カウントが重複されるので注意しましょう。
Googleアナリティクスを使用した設定方法
Googleアナリティクスを使用した設定方法は、下記手順を参考にしてください。
Googleアナリティクスを開きコンバージョンを設定する
Googleアナリティクスを開いて「管理」>「データの表示」>「イベント」をクリックします。
「イベントを作成」をクリックします。
カスタムイベントから「作成」をクリックします。
イベントの名前を入力する
「カスタムイベント名」にイベントの名前を入力します。「一致する条件」にはデフォルトで下記が入っています。
- パラメータ:event_name
- 演算子:次と等しい
- 値:page_view
続いて「条件を追加」をクリックして、パラメータに「page_location」、演算子は「次と等しい」、値は「コンバージョンにしたい特定のページURL」を入力します。
入力が完了したら、「作成」をクリックしてください。
コンバージョンが反映しているか確認する
コンバージョンが反映しているか確認しましょう。Googleアナリティクスの「管理」>「データの表示」>「キーイベント」を選択します。
次に、「新しいキーイベント」をクリックします。
カスタムイベント名と同じ名称を「新しいイベント名」に入力して、「保存」をクリックします。
「キーイベントとしてマークを付ける」がONになっていれば問題ありません。
コンバージョン測定方法からインポートを選択する
Google広告を開き、画面左の「目標」>「コンバージョン」>「概要」をクリックして「新しいコンバージョンアクション」をクリックします。
インポート先を選択する
トラッキングするコンバージョンの種類から「インポート」を選択してください。
コンバージョン設定したGoogleアナリティクスを選択して「続行」をクリックします。
目標をインポートする
Googleアナリティクスで作成したイベントを選択して、「インポートして続行」をクリックすれば設定完了です。
Google広告のコンバージョン設定の確認方法
一定期間広告を運用したら、コンバージョンの発生状況を確認しましょう。
Google広告を開きツールと設定を選択する
Google広告を開き、「目標」>「コンバージョン」>「概要」をクリックします。
測定のコンバージョンを選択する
コンバージョントラッキングの測定データが一覧で表示されます。測定したいコンバージョントラッキングを選択しましょう。
目標が反映しているか確認する
目標が反映しているか確認します。
トラッキングステータスを確認する
コンバージョンアクションのステータスを確認する「トラッキングステータス」列を確認します。
トラッキングステータスには、次の種類があります。
- 未確認
- 最近のコンバージョンはありません
- コンバージョンを記録中
- タグが無効になっています
- 削除済み
各ステータスの詳細はGoogle 広告のコンバージョン アクションのトラッキング ステータスを確認するからご確認ください。
Google広告のコンバージョンによる分析ポイント
Google広告のコンバージョンによる分析ポイントは4つあります。
- コンバージョンコストを考慮した分析をする
- ユーザー属性、地域、デバイスを考慮した分析をする
- WEBサイトの分析もおこなう
- アトリビューションモデルを使ってみる
それぞれ解説します。
コンバージョンコストを考慮した分析をする
一つ目は、コンバージョンコストを考慮した分析をすることです。
例えば、商品購入を目的とする広告のコンバージョンは事前に許容できるコンバージョンコストを設定しておきましょう。最低ラインを決めておけば、費用対効果の高い広告運用が実現できるでしょう。
ユーザー属性、地域、デバイスを考慮した分析をする
二つ目は、ユーザー属性、地域、デバイスを考慮した分析をすることです。それぞれのターゲットを明確にしておくことで、興味関心を示すユーザーに効果的な広告配信ができます。
また、コンバージョンに至ったユーザー属性、地域、デバイスで分類してみましょう。分類したグループのなかにはコンバージョンコストの高いものがあれば、ターゲットを調整する必要があると判断しやすくなります。
WEBサイトの分析もおこなう
三つ目は、WEBサイトの分析もおこなうことです。コンバージョン率は、広告の流入数とWEBサイトの滞在状況に影響されます。
そのため、コンバージョンが見込めない場合は、広告の流入数の増加、WEBサイトの離脱状況の改善を図りましょう。
アトリビューションモデルを使ってみる
四つ目は、アトリビューションモデルを使うことです。コンバージョンまでに複数の経路があったり、購入までに長い時間がかかる商品やサービスがあったりする場合は、アトリビューションモデルを使用した分析がおすすめです。
アトリビューションモデルには「ラストクリック」と「データドリブン」の2つのモデルがあります。どのモデルを選択すればいいかわからない方は、2つのアトリビューションモデルを並べて比較できる「モデル比較」レポートを使用して評価するのがおすすめです。
Google広告のコンバージョンはご理解いただけましたか?
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まとめ
Google広告のコンバージョンの設定方法から分析ポイントまで解説しました。
Google広告の運用を成功させるには、正しいコンバージョン設定と分析方法を理解することが大切です。Google広告の運用を検討している方は、ぜひ本記事を活用してみてください。