インターネットユーザーのプライバシー保護における観点から、サードパーティクッキーが廃止になる動きを見せています。
Googleは2023年10月に新たな広告測定ツール「Google広告データマネージャー」を発表。これにより、WEB広告運用担当者も対応を変化させなければなりません。今回はクッキーサポート廃止後の対応策やGoogle広告データマネージャーについて解説していきます。
目次
Google Chromeのサードパーティクッキーが廃止に
そもそもクッキーはログイン情報を記憶し、ユーザーの趣味嗜好やオンライン上での活動状況に基づいて内容をカスタマイズするために使われています。
例えば、ユーザーがサイトを再訪したときに、前回より素早くページを表示させることも可能なテキストファイルです。しかし、近年ではプライバシー保護に関する懸念が疑問視され、Googleは2023年12月に「2024年末までにChromeでのサードパーティクッキーを段階的に廃止する」と発表しました。
クッキー規制の現状
クッキーの規制は2017年にApple Safariが先行して実施。2020年にはサードパーティクッキーを完全にブロックする仕組みとなりました。これにMozilla FirefoxやGoogle Chromeも続いた形になります。Microsoft Edgeは Safariのような完全ブロックではありませんが、ユーザーが望めばブロックできる追跡防止機能を搭載しました。このように、あらゆるデバイスメーカーやブラウザメーカーがクッキー規制に向けてアクションを起こしています。
サードパーティクッキーの廃止による影響
さて、サードパーティクッキーが廃止されると、WEB広告運用者にはどのような影響を与えるのでしょうか。以下でポイントを挙げます。
1.リターゲティング広告が使えなくなる
先述のとおり、ユーザーのログイン情報を記憶するクッキーを廃止するため、リターゲティング広告が使えなくなります。リターゲティング広告はWEBプロモーションでもポピュラーな手法なので、多くの運用者に影響を与えると予想されます。
2.オーディエンスターゲティングの精度が落ちる
年齢や属性、興味の推測などもおこなえないため、オーディエンスターゲティングにも大きな影響を与えるでしょう。オーディエンスターゲティングのメニューがなくなる、または精度が著しく低下するものと考えられます。
3.コンバージョンの詳細な計測ができなくなる
クッキー廃止はユーザーから取得できる情報が制限されることになります。これは、WEBプロモーションで最も重要なコンバージョンにも関わることで、詳細な計測ができなくなるかもしれません。
サードパーティクッキー廃止後の対応策
では、サードパーティクッキーが廃止されたあと、WEB広告運用者はどのような対策を取るべきなのか。できることは、大きく分けて3つあります。
1.LPを改善しユーザー離脱を防ぐ
まずはランディングページの改善です。リターゲティングが使えなくなれば、発信者側からユーザーに再訪を促す術がなくなります。つまり、1度目のアクセス時がコンバージョンにつながる唯一のチャンス。「このランディングページには自身が求めている情報がある」、「このページはブックマークして定期的にチェックしたい」と思わせるサイトを目指しましょう。
2.ファーストパーティデータを活用する
規制対象となっているサードパーティクッキーは、ユーザーが訪問しているサイトとは異なるドメインから発行されるもの。対してサイト運営者(自社)が発行するものをファーストパーティクッキーと呼びます。つまり、自社サイトでユーザーからの同意を得て、ファーストパーティクッキーで得たデータを活用するのも対応策の一つといえます。
3.新ツールGoogle広告データマネージャーを活用する
最後に挙げられるのが「Google広告データマネージャー」の活用。新たにリリースされたGoogle広告マネージャーは、ファーストパーティデータを中心とした広告活動のサポートを目的としているもの。以下で詳しく見ていきましょう。
Google広告データマネージャーとは?
Google広告データマネージャーは、新たなスタンダードを打ち出すものとして注目されている広告測定ツールです。
主要データソースツールとの連携が可能
今や多くの企業が利用しているSalesforceやActive Campaign、Pipedrive、Lyticsなど主要なデータソースツールとの連携が可能です。これにより、異なるプラットフォームから集約したデータを一元管理できます。
提供開始時期は2024年の初頭の予定
同ツールの提供は2024年初頭。今後もWEB広告運用者のユーザービリティなどが考慮されたアップデートが期待されます。
デジタル広告業界の今後について
デジタル広告業界のトレンドは「クッキーレス時代」。この潮流にいち早く対応することが鍵でしょう。
Google広告データマネージャーの登場により、他ツールとの互換性や各社プラットフォームの動き、データ処理の詳細、ユーザー許諾の方法などがキーワードになるのではないでしょうか。
まとめ
インターネットが生活インフラの当たり前となり、プライバシー保護への関心は変化しています。
サードパーティクッキーの廃止とGoogle広告データマネージャーの登場は、デジタル広告業界にとっても大きな変革。このタイミングでしっかり時代の潮流に乗ることが、WEBマーケティングで成功する一歩となるでしょう。