この記事では、成果につながるサイト改善のために確認すべき8つの指標。そして、つまずきやすい注意点について解説します。
「とりあえず作ったけど、サイトから成果が出ない……」
「どこを改善したらよいかわからない……」
このような悩みを抱える広報担当者は少なくありません。
今やWEBサイトは、単なる名刺代わりではなく営業・採用・販促を担う重要な“ビジネス資産”です。しかし、WEBサイト改善のポイントがわからず放置されているケースも少なくありません。
ぜひ、この記事を参考に、サイト改善をおこなってみてください。
CTAの改善等WEBサイトの定期的に改善して成約率を改善しませんか?
- このようなお悩みを抱えていらっしゃいませんか?
- WEBサイトからのお問い合わせが少ない
- WEBサイトへのアクセスが増えない
- そもそもサイト改善をどこから行えば良いかわからない
上記お悩みをWEBサイト改善専門チームが解決いたします。
※関連記事:Googleアナリティクス(GA4)でWEBサイト改善やCVR改善するための使い方
WEBサイト改善の目的
まずはじめに、WEBサイトはただ更新するだけでは思うような成果は得られません。重要なのは、目的を明確にしてそれに沿った改善を繰り返すことです。
ここでは、WEBサイト改善で成果を出すために押さえておきたい目的をご紹介します。
SEOの強化
まず、WEBサイト改善の目的の1つにSEOの強化が挙げられます。SEOとは、検索エンジンで自社のホームページを上位に表示させる工夫のことです。
検索結果で上位に出ることで、広告費をかけずに多くの人に見つけてもらいやすくなります。これにより、自然にアクセスが増えていきます。まずは、「どのようなキーワードで検索されているのか」を調べます。そして、ユーザーが求めている内容に合った記事やページを作成しましょう。
まずは、検索エンジンに正しく伝わるよう次のポイントを整えていきます。
《検索エンジンに正しく伝えるためのポイント》
- タイトルや見出し(Hタグ)をわかりやすく、キーワードを入れて設定
- ページ説明文(メタディスクリプション)を工夫してクリックされやすくする
- 画像に「どのような内容か」を伝えるテキスト(ALT)を入れる
- サイト全体の構造やリンクの流れを整えて、見やすく使いやすくする
ほかにも、スマ-トフォンからの閲覧に対応しているか。ページの読み込みが遅くないかなどの技術面の改善も重要です。検索エンジンだけでなく、実際に訪れる人がストレスなく見られるサイトを目指しましょう。
SEOは一度やれば終わりではありません。定期的に分析して、改善を繰り返すことが成功のカギです。SEOについて、詳しい内容は以下の記事でも詳しく解説しているので、ご覧ください。
※関連記事:SEOとリスティング広告の違いとは?相違点や使い方を解説
リピート率向上
次に、WEBサイト改善の目的の1つにリピート率向上が挙げられます。リピート率の向上とは一度サイトに訪れたお客様に再度訪問していただき、再び商品を購入したりサービスを利用してもらうことを目指す取り組みです。新しいお客様を集めるよりもコストを抑えながら、長く信頼してもらえる関係を築くことができます。最終的には、安定した売上にもつながります。
リピート率を上げるために重要なのは「使いやすく、わかりやすいサイトづくり」です。どこに何があるのかがすぐにわかるナビゲーションや、快適な閲覧体験を整えることが第一歩となります。
さらに、次のような工夫が有効です。
- 購入後にお礼メールや関連商品の情報を送る
- 会員登録で特典やポイントがもらえる制度を導入する
- 過去の閲覧履歴や購入履歴に基づいて、興味のありそうな商品を提案する(パーソナライズ)
- 一度訪問したユーザーに広告を出す(リターゲティング)
こうした施策を組み合わせることで、「また利用したい」と思われる機会が増えます。そして、自然とリピート率を高めることができます。
適切なサイト導線の設計
続いて、WEBサイト改善の目的の1つに適切なサイト導線の設計が挙げられます。適切なサイト導線の設計とは、ホームページを訪れた人が迷わずに、欲しい情報や商品。問い合わせフォームなどにたどり着けるようにページの流れを整えることです。
まずは「このサイトで何をしてほしいか」というゴールを明確にします。そして、その目的に向かって自然に進めるような順番でページやリンクを配置していきます。
さらには、訪問者がどのような情報を探しているか。どのような順番でページを見るか。これらを想定して内容や見せ方を考えることが大切です。必要な情報をシンプルに整理し、クリックする場所がすぐにわかるようにしましょう。そうすることで、途中で離れてしまうのを防ぐことができます。
一方で、適切なサイト導線の設計がうまくいかなかった場合。ホームページの成果に大きな悪影響が生じるでしょう。例えば、ユーザーが目的のページにたどり着きにくくなる。必要なリンクを見つけられずに途中で離脱してしまう。このようなことが多くなります。
こうした状況はユーザーにストレスを与えます。これは、「使いづらいサイト」という悪い印象を持たれる原因となるため注意が必要です。
CVR(コンバージョン率)の改善
そして、WEBサイト改善の目的の1つにCVR(コンバージョン率)の改善が挙げられます。CVR(コンバージョン率)の改善とは、WEBサイトを訪れた人が「問い合わせ」「資料請求」「商品購入」など。企業にとっての成果につながる行動をしてくれる割合を高めることです。
まず「ユーザーに何をしてほしいか」をはっきりさせましょう。目的の行動にスムーズにつながるようなわかりやすい導線を作ることが大切になります。例えば、目立つ位置にわかりやすいボタンを設置する。入力フォームの手間を減らす。信頼感のある実績やお客様の声を掲載する。こういったことで行動を後押しできます。
アクセス解析やヒートマップを活用して、どこでユーザーが離脱しているかも確認しましょう。こういった、具体的な改善策を見つけていくことも重要です。
WEBサイトの改善点を見つけるときに確認すべき8つの指標
さて、WEBサイト改善の目的を理解したら、自社サイトの現状を把握することが大切です。ここからは、改善点を見つけるためにチェックしておきたい8つの指標をご紹介します。
表示速度
表示速度とは、ユーザーがWEBページを開き内容が見えるまでの時間のことです。この表示速度が遅いと、ユーザーは「なかなか開かない」と感じます。これにより、ページを離れてしまう機会が増えます。そして、問い合わせや購入といった行動につながりにくくなります。
特にスマートフォンで閲覧する人にとっては、数秒の遅れでも大きなストレスになります。まずは、サイトがスムーズに表示されているかを定期的に確認しましょう。必要や状況に応じて改善することが、成果につながるサイトづくりの基本です。
表示速度の確認方法
表示速度の確認方法としては、Googleが提供する「PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)」を使うのが一般的です。
1.まず、PageSpeed Insightsのサイトにアクセスします。次に、測定したいWEBページのURLを入力。
2.続いて、「分析」ボタンをクリック。
3.すると、パソコンとスマートフォン、それぞれの表示速度や改善点がわかります。
このように、ツールを活用することで、客観的かつ簡単にWEBサイトの表示速度をチェックできます。これにより、必要な改善策を見つけることができるでしょう。
直帰率
直帰率とは、ユーザーがWEBサイトにアクセスした際、最初のページからすぐに離れる割合を示す指標です。この直帰率を見ることで、そのページがユーザーにとって興味を引く内容だったか。次のページへ進むきっかけが用意されていたかどうか。これらがわかります。
直帰率が高い場合は、「欲しい情報がすぐに見つからない」「ページの表示が遅い」「次に進む導線がわかりにくい」などの課題がある可能性が高くなります。そのため、内容やデザイン、導線設計を見直すことが重要です。
直帰率の確認方法
直帰率の確認は、Googleアナリティクス(GA4)を活用しましょう。
1.まず、Googleアナリティクス(GA4)のレポートをクリック。
2.次に、ユーザーエンゲージメントとユーザー維持率の把握>ページとスクリーンの順にクリック。続いて、鉛筆マーク「レポートをカスタマイズ」をクリック。
3.レポートをカスタマイズの編集画面が表示されるので、指標を選択します。
4.「指標を追加」より直帰率を選択します。続いて、適用ボタンをクリック。
5.すると、レポートに直帰率が追加されます。
滞在時間
滞在時間とは、ユーザーがWEBサイト内にどれくらいの時間とどまっているかを示す指標です。そのページに、どれだけ関心を持ってもらえたかを測る目安となります。滞在時間が長いほど、コンテンツがしっかり読まれ、価値を感じてもらえている可能性が高いと考えられます。
逆に短い場合は、内容が期待と異なっていたり、読みづらかったりしている可能性があります。すぐにページを離れてしまった可能性があるため、注意が必要です。この滞在時間を確認することで、コンテンツの質やユーザーの関心度を見直す手がかりになります。
滞在時間の確認方法
滞在時間の確認は、Googleアナリティクス(GA4)を使いましょう。
1.まず、Googleアナリティクス(GA4)のレポートをクリック。
2.ユーザーエンゲージメントとユーザー維持率の把握>ページとスクリーンの順にクリック。
3.アクティブユーザーあたりの平均エンゲージメント時間の欄が、ユーザーの滞在時間を表します。
CVR(コンバージョン率)
CVR(コンバージョン率)とは、ホームページを見に来た人のうち、実際に商品を買ったり、問い合わせや資料請求をしてくれた人の割合のことです。このCVRを確認することで、そのサイトが「成果につながっているかどうか」が数字でわかります。
もしCVRが低ければ、内容が伝わりづらい、次にどう行動すればいいかがわからないなど、サイトに何らかの問題がある可能性があります。改善するには、「申し込みボタンの位置はわかりやすいか」「説明は簡潔か」「入力フォームが使いにくくないか」といった点を一つひとつ見直すことが大切です。
コンバージョンの設定方法や確認方法は以下の記事をご覧ください。
※関連記事: Google広告のコンバージョン設定方法を詳しく紹介
流入経路
流入経路とは、ユーザーがどこから自社サイトに来たのかを示す情報です。例えば、Googleなどの検索、SNSの投稿、インターネット広告、他のホームページからのリンク。あるいは、ブックマークから直接アクセスするなど、いろいろな経路があります。
これを確認することで、「どの経路が最もお客様を連れてきているか」「成果につながっているのはどこか」がわかります。効果の高い経路に力を入れたり、成果が出ていない経路の改善に取り組んだりするためにも、流入経路の分析は定期的におこなうことが大切です。
流入経路の確認方法
流入経路の確認は、Googleアナリティクス(GA4)を使いましょう。
1.ユーザーエンゲージメントとユーザー維持率の把握>ページとスクリーンの順にクリック。次に、+ボタンをクリック。
2.「トラフィックソース>クロスチャネル>セッションの参照元/メディア」の順にクリック。
3.すると、サイトのページごとの参照元/メディアが表示されます。
流入キーワード
流入キーワードとは、ユーザーが検索エンジンに入力した言葉のうち、自社サイトにたどり着くきっかけとなった語句のことです。どのようなキーワードで訪問されているかを知ることで、ユーザーが今どのようなことに興味を持ち、どのような情報を求めているのかが見えてきます。
もし意外なキーワードからアクセスがあるなら、それに合わせた新しいコンテンツを作ったり、既存ページを強化したりすることが可能です。また、Googleサーチコンソールなどの無料ツールを使えば、どのキーワードが実際に成果につながっているかも把握できます。これにより、SEOの方向性をより正確に見直すことができます。
流入キーワードの確認方法
1.サーチコンソールにログインし、「検索パフォーマンス」レポートを開きます。
2.次に、「クエリ」タブをクリックします。すると、実際にユーザーが検索してWEBサイトに訪れたキーワードが一覧で表示されます。
3.ページごとの流入キーワードを確認したい場合は、「ページ」タブで該当ページを選択します。次に、再度「クエリ」タブをクリックします。
ここでは、表示回数、クリック数、クリック率、掲載順位なども同時に確認できます。これにより、どのキーワードがどれだけ成果につながっているかも把握できます。
使用デバイス
使用デバイスとは、お客様が自社のホームページを見るときに使っている機器のことです。パソコン、スマートフォン、タブレットなどがあります。どの機器から見ている人が多いかを知ることで、サイトを見やすく整えるヒントになります。
例えば、スマートフォンでのアクセスが多いのに、文字が小さかったり、ボタンが押しづらかったりした場合。お客様が途中で見るのをやめてしまうことがあります。よく使われているデバイスをきちんと把握することで、見る人にとってストレスのない、使いやすいサイトづくりが可能になります。
使用デバイスの確認方法
1.GA4の管理画面で左メニューの「レポート」をクリック。次に、「テクノロジーの概要」を選択します。
2.続いて、「アクティブユーザー(デバイスカテゴリ)」をクリックします。すると、パソコン(desktop)、スマートフォン(mobile)、タブレット(tablet)ごとの利用状況を確認できます。
さらに、詳細な端末のブラウザや、デバイスごとの滞在時間。コンバージョン数などもあわせて分析できます。
訪問のタイミング
訪問のタイミングとは、ユーザーがWEBサイトを訪れる曜日や時間帯のことです。この情報を知ることで、ユーザーがどのようなタイミングで情報収集をしているのかを読み取ることができます。
例えば、平日の日中にアクセスが多いなら、業務中に比較・検討している可能性があります。逆に、夜間や週末に集中している場合は、プライベートの時間にゆっくり検討していることが考えられます。
アクセスが多い時間帯に合わせて、目立つバナーを設置したり、コンテンツの更新タイミングを工夫することで、より効果的にユーザーに情報を届けられるようになるでしょう。
日別や月別、時間帯別のアクセス状況は、Googleアナリティクスで確認できます。確認方法の詳細は以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
※関連記事:GA4で月別・日別のデータ集計する方法と探索レポートを紹介
WEBサイトの改善点を見つける無料ツールの紹介
サイト分析ツールは数多くあるため、何を導入すべきか迷う人も多いでしょう。ここからは、無料ですぐに使える3つのツールをご紹介します。
Google Analytics
Google Analyticsは、WEBサイトを訪れたユーザーの動きを可視化できる無料の分析ツールです。初心者でも改善のヒントを見つけやすく、以下のような情報が得られます。
- 人気のページがわかる
どのページに多くアクセスされているかを確認でき、注目されているコンテンツが把握できます。 - 訪問者の流入経路がわかる
検索エンジン、SNS、広告など、どこから来たかがわかるので、効果的な集客チャネルが見えてきます。 - ユーザーの滞在時間・離脱率がわかる
すぐに離脱されているページがあれば、導線や内容を見直す必要があると判断できます。これらの情報をもとに、改善すべきポイントを効率よく発見できるのがGoogle Analyticsの強みです。
Google Analyticsで見つけられるWEBサイトの改善点については、以下のページでも詳しく解説していますので、ご覧ください。
<関連記事>GA4(Googleアナリティクス)でWEBサイトの改善点を見つける
Google Search Console
Google Search Consoleは、Googleの検索結果に自社のWEBサイトがどのように表示されているかを確認できる無料の分析ツールです。SEOや検索流入を強化するうえで欠かせない機能がそろっています。初心者でも改善のヒントを見つけやすいのが特長です。
例えば、以下のような情報がわかります。
- ユーザーが検索に使ったキーワード
- 検索結果での表示回数とクリック数
- 各ページの検索順位やクリック率(CTR)
- スマ-トフォン対応やインデックスの状況
- ページ表示速度や構造に関するGoogleからのエラー通知
これらのデータをもとに、検索されやすいページづくりや、見直すべきポイントが見えてきます。サーチコンソールの使い方については、以下のページで詳しく解説していますので、ご覧ください。
<関連記事>サーチコンソールの使い方|基本的な役割と登録方法を解説
Microsoft Clarity(マイクロソフトクラリティ)
Microsoft Clarity(マイクロソフトクラリティ)は、WEBサイトを訪れたユーザーがどこをクリックし、どのようにページ内を移動したのかを視覚的に確認できる無料ツールです。専門知識がなくても直感的に使えるのが魅力です。
主な機能は以下のとおりです。
- ヒートマップ:よくクリックされた箇所やスクロールされた範囲が一目でわかる
- セッションリプレイ:ユーザーの操作を録画のように再生し、実際の動きを確認できる
- 離脱ポイントの発見:どこでユーザーが離れてしまったのかが把握できる
「なぜ見てもらえないのか」「どこが使いづらいのか」といった悩みの原因を、ユーザー視点で具体的に見つけることができます。
WEBサイト改善の手順【5ステップ】
WEBサイト改善で成果を出すには、ただやみくもに作業を進めるのではなく、手順に沿って進めることが重要です。ここからは、WEBサイトの現状分析から施策の立案。効果測定から再改善まで、5ステップで進める実践的な改善プロセスをご紹介します。
ステップ1│現状分析と課題の洗い出し
ステップ1では、まず現在のWEBサイトが「どのように使われているか」「どこに問題があるのか」をデータに基づいて確認しましょう。勘や感覚に頼るのではなく、数値やユーザーの行動データをもとに改善のヒントを探ります。
例えば、以下のような点をチェックしてみましょう。
- アクセス数の変化:訪問者が増えた・減った理由を分析
- 直帰率・離脱率:どのページでユーザーが離れているかを確認
- 流入元の把握:検索エンジン、SNS、広告など、どこから来ているか
- コンバージョン率:問い合わせや申し込みにどれだけつながっているか
- ユーザーの行動パターン:よく見られているページやクリックされた箇所など
これらはGoogle AnalyticsやMicrosoft Clarityなどの無料ツールで簡単に確認できます。さらに、アンケートやヒートマップを活用すれば、ユーザーの「生の声」や「つまずきポイント」も見えてきます。
ステップ2│改善策の立案
ステップ2では、前の段階で明らかになった課題に対して、具体的にどのような改善をおこなうかを考えます。重要なのは、感覚ではなく「なぜその問題が起きているのか」「どうすれば解決できるのか」を根拠を持って考えることです。
改善策を立てる際は、以下の視点が役立ちます。
- ユーザー目線を意識する:使いづらい、わかりにくいと感じる部分を見直す
- 課題ごとに原因を仮説立てする:「直帰率が高いのは情報が不足しているのでは?」など、理由を推測する
- 効果が測れる内容にする:施策をおこなったあとに結果が数値で確認できること
例えば、「問い合わせが少ない」という課題がある場合。「入力フォームの項目を減らす」「ボタンの色や配置を見直す」といった工夫が改善策として挙げられます。
ステップ3│優先順位をつけて実施
ステップ3では、改善策を「どの順番で実施するか」を決めます。すべての施策を一度に進めるのは困難です。そのため、効果とコストのバランスを考慮し、優先度の高いものから着手することがポイントです。
優先順位をつける際は、以下の観点を参考にしましょう。
- 効果の大きさ:成果につながりやすい施策を優先
- 取り組みやすさ:コストや工数が少なく、すぐに対応できるものを選ぶ
- ビジネスへの影響度:売上や問い合わせに直結する内容を重視
- 成果が測れるか:改善後に結果を数値で確認できる施策を選ぶ
例えば、「問い合わせが少ない」という課題がある場合。まずは「CTAボタンのデザイン変更」など、手軽で効果が出やすい部分から取り組むのが効率的です。
ステップ4|効果測定
WEBサイトを改善したら、本当に効果があったのかを確認する必要があります。これが「効果測定」です。数値をもとに、改善の結果を見える化することで、施策がうまくいったかどうかを判断できます。
具体的な進め方は以下のとおりです。
- 目的とKPIを決める
「問い合わせを増やしたい」「資料請求を増やしたい」などの目的に合わせて、ページビュー(PV)やコンバージョン率(CVR)、直帰率などの指標を設定します。 - 解析ツールでデータを見る
Googleアナリティクス(GA4)やSearch Consoleを使って、訪問者の数やどこから来ているか、どのページをよく見ているかなどのデータを数値で確認します。 - 改善前と改善後を比べる
改善前と改善後の数値を比較し、変化があったかどうかをチェックします。思ったほど効果が出ていない場合は、原因を探って対策を考えます。 - A/Bテストを試す
ボタンの文言や配置などを変えて、どちらが効果的かを比べてみることで、よりよい改善策を見つけられます。
効果測定の結果、改善後も数値が変わらなかったり悪化した場合。まずは、原因を冷静に見直すことが大切です。施策の方向性が目標と合っているか、ユーザーの行動に変化があるかを再確認しましょう。そして、新たな仮説を立てて改善を重ねましょう。WEBサイトの改善は一度で終わるものではなく、継続的な見直しが成果につながります。
ステップ5│PDCAで再改善
ステップ5では、WEBサイト改善後の結果をもとに「PDCAサイクル」を回します。そして、継続的な改善をおこないます。PDCAの各ステップは以下のとおりです。
- Plan(計画)
達成したい目標(例:問い合わせ数アップ)や、そのためにおこなう施策(例:CTAボタンの設置場所変更)を具体的に決めます。 - Do(実行)
計画した内容を実際にWEBサイト上で実施します。例えば、レイアウトの変更やコンテンツの追加などです。 - Check(評価)
Googleアナリティクスなどのツールを使って、改善後の数値(アクセス数やCVRなど)を分析し、効果を振り返ります。 - Action(改善)
評価結果をもとに、うまくいった点や足りなかった点を整理し、次の改善策につなげていきます。
WEBサイトは一度改善すれば終わりではありません。継続的にこのサイクルを回すことで、成果を維持・向上させることが大切です。
WEBサイト改善の注意点
WEBサイト改善で成果を出すには、目的の明確化とユーザー視点が欠かせません。社内の思い込みや感覚だけで進めてしまうと、効果が出ないどころか、かえって逆効果になることもあるので注意が必要です。
ここからは、WEBサイト改善で陥りやすい失敗例と、その解決策をご紹介します。
目的が曖昧だと失敗する
WEBサイトを改善するときに目的がはっきりしていないと、どこをどのように改善すればよいのか判断できず、やみくもな対応になってしまいます。
例えば「売上を伸ばしたい」という漠然とした目標だけでは、どの商品をどのように売上を伸ばすのかが明確になりません。結果、見た目の変更だけで終わってしまうこともあります。これでは、何が成功なのかわからず、効果測定もできなくなります。
また、目的が共有されていないと、社内で評価基準が食い違いが起こります。、これにより、方針がまとまらなくなるという問題が発生します。改善を成果につなげるには、「問い合わせ数を月50件に増やす」「A商品を1ヵ月で○件売る」など、目指すゴールを数値で具体的に設定することが重要です。
そこから仮説を立てて施策を実行すれば、効果の検証もできます。無駄なコストや時間をかけずに、改善を進めることができるでしょう。
デザインだけの変更は効果が薄い
WEBサイトを改善する際にデザインばかりに目を向けてしまうとよくありません。見た目はよくなっても使いにくさが残り、思うような成果につながらないことがあります。
例えば、ボタンの色や配置をおしゃれにしても、どこをクリックすればよいかわかりづらくなると、ユーザーは途中で離脱してしまうでしょう。
さらに、凝ったデザインや複雑なレイアウトは、一見魅力的に見えます。しかし、使い慣れていないユーザーにとっては不便に感じられることもあります。
本当に効果的なWEBサイト改善には、ユーザーが知りたい情報にすぐにたどり着ける導線設計や、見やすく整理された情報構造が欠かせません。デザインはあくまで手段です。見た目だけでなく、使いやすさやわかりやすさを重視した改善こそが成果につながります。
企業目線でサイト改善を進めてしまう
企業目線だけでサイト改善を進めてしまうと、自社の伝えたい情報ばかりが増えます。結果的にユーザーにとって使いにくいサイトになってしまうことがあります。
例えば、社内で大事にしているサービス説明を全面に押し出した場合。ユーザーが必要とする情報にたどり着けなくなり、離脱が増える可能性があります。
これは、企業の都合に偏りすぎてユーザーの視点がなおざりになる、典型的な失敗例です。訪問者がどのような目的でサイトに来ているのか、何を求めているのかを意識せずに進めると、たとえ内容が充実していても価値が伝わらず、評価や効果測定もできなくなります。
成功する改善には、まずユーザーの行動データやヒアリングをもとに課題を明確にしましょう。その視点から仮説を立てて施策を進めることが重要です。
まとめ
WEBサイトで成果を出すには、SEOやCVRの向上、リピート率の強化など、目的に沿った改善が不可欠です。改善には「表示速度」「直帰率」「流入キーワード」など8つの指標を定期的にチェックし、ツールを活用して現状を把握しましょう。
WEBサイト改善は一度きりではなく、PDCAサイクルを回しながら継続的におこなうことが重要です。また、ありがちな「企業目線の押しつけ」や「デザイン偏重」に注意し、常にユーザー目線で設計することを意識することが、成果への近道です。
ぜひこの記事を参考に、自社サイトの課題と向き合ってみてください。